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イワテバイクライフ 2012年5月前半


2012年5月15日(火)
予報では、文句なしの雨模様だったが、おしめり程度の小雨が断続。うすぼんやりと日は暮れていった。最高気温は14度7分(盛岡)と低調。



  つらい時代ほど
  宝石のような思い出になる。

  ただし条件がある。
  逃げずに向き合い、
  とことん突き詰め、
  力強く乗り越えた者にこそ、
  かけがえのない記憶となる。
HONDA Ape100 @岩手山麓

2012年5月14日(月)
大気は急変した。もはや初夏だ。軽く乾いた風が、やわらかい光線を撹拌して新緑を燃え立たせている。ジャケットを脱いで走った。



  田園の水鏡に向き合っていたら、
  軽トラックが止まった。
  麦わら帽子が駆け寄って来る。

  「写真、撮ろうか?」と
  手を振っている。
  若い農家のお嫁さんだ。

  「せっかくですが」と
  丁重に辞退した。
  (そういうのは苦手だ。)

  今日の記念撮影なら
  すでに何百枚も撮った後だ。

  でも、憂いの無い笑顔が戻ったら、
  夏空の下で
  一枚撮ってもらうのも悪くないと
  思い始めている。
ヘリテイジ ソフテイル クラシック @岩手山麓

2012年5月13日(日)
山形は爆発的な新緑の季節。吹く風の爽やかさが初夏を告げる。盛岡に帰ってみれば、冷えて4月に逆戻り。



  何処に生きるか、ということではなくて、
  何処に心を向けるか、ということなんだよ。
  どんなに離れていても、
  同じ道を歩んでいれば、
  いつも一緒だよ。
  
立石エンジョイトライアル大会 @山形県 蔵王山麓

2012年5月11日(金)
寒冷前線の通過。雨に濡れなかったというだけ。陽射しなんか無いから最高気温は13度9分(盛岡)。冬支度へ逆戻り。



  自尊心は振り回せても、
  誇りは秘めてこそ誇りだ。

  振り回すほどに軽くなり、
  秘めるほどに深くなる。
  
  (その違いだ)
YAMAHA YB1(2スト) @岩手山麓

2012年5月10日(木)
予報では、昼から雨が降り続くはずだった。身構えていたら、午前中に青空まで現れ、その後も薄曇を通して日も射した。ただ、風が強まり冷えて来た。(15:00現在)



  マウンドには、
  投げたいと名乗り出た者を立たせるがいい。

  さんざん打たれ、とめどなく失点し、
  心底思い知るまで投げさせるがいい。

  生涯を貫く教訓は、
  修羅場と屈辱の中で掴み取るものだから。

  (かつて、教育は激烈だった)
BMW R1150GS アドベンチャー @岩手山麓 撮影日2005年5月11日

2012年5月9日(水)
予報では空の主役は曇だったが、どうしてどうして霞み加減の青空が頑張った。夕刻は雲も広がり出したが風は爽やかだった。最高気温23度1分(盛岡)。



  楽園で生涯過ごせることは
  本当に幸せなのか?
  幻に踊らされて
  満足と言う檻の中で生きることもある。

  荒野に突然迷い込むことは
  本当に不幸なのか?
  みずから開拓し
  希望と言う地平線を広げることもある。

  確信を持って決断するのは
  本当に理想なのか?
  迷い続けた挙句
  想像を越えた啓示を受けることもある。
MOTO GUZZI 850GT @北上高地 撮影日2012年5月7日

2012年5月8日(火)
穏かな青空で明けたが、昼前には曇って、午後にはザッと雨も降った。夕刻何事も無かったように青空が戻った。



  ひたすらに語る者は、
  かつて
  幾度となく言葉を奪われた者だ。

  声を限りに歌う者は、
  かつて
  ことごとく思いを潰された者だ。

  どこまでも走る者は、
  かつて
  恋い焦がれた夢を焼かれた者だ。
YAMAHA YB1(2スト) @盛岡市

2012年5月7日(月)
温和な青空に誘われて走り出せば、天気雨や通り雨。空の明るい方角へ急ぐほかなかった。



  波風を立てずに済ませたいとか、
  あわよくば認められたいなんて、
  そんな気分でいるから、
  肝心な時に
  啖呵の切れない人間になっちまう。
  口籠っているうちに斬られちまう。
MOTO GUZZI 850GT @岩手山麓

2012年5月6日(日)
青空で明けた連休最終日は、早々に雨雲に覆われ、遠雷など聞こえたが、酷い崩れにはならず、穏かな夕暮れだった。



  すべての挑戦を終えて、
  前線から離脱すると、
  霧が晴れていく。

  あの山中で重ねた痛恨のミスや、
  遂に解けなかった正解への道も
  束の間の幻のように思えてくる。

  この天地の狭間に自分を引き出し、
  力を試したのだから、
  もうそれで十分なのだ。

  今日、ここに在り得たことこそが、
  祝福すべきことなのだから。
@東北トライアル選手権シリーズ第2戦・青森大会(大鰐町)

2012年5月5日(土)
陰鬱な雨雲は、ゆっくり、実にゆっくり遠ざかり、夕刻になって青空が戻った。けれど完全な回復ではなく風に水滴が混じった。



  泥船が沈まないように
  得意満面で
  危機管理する者こそ
  管理すべき危機だろう。
YAMAHA YB1(2スト) @岩手山麓

2012年5月4日(金)
終日、花を散らす小雨断続。最高気温は16度9分(盛岡)で、どこかうすら寒く「花冷え」の一種。



  卒業を迎える仲間よ。
  引退していく同輩よ。
  俺たちほど
  性質(たち)の悪い者は、いない。
  上には絶対服従で、
  下にはあしらわれ、
  昔仕入れた哲学なんぞてんで役に立たず、
  叩き込まれた反骨や正義の出る幕は無く、
  それでも笑顔笑顔で立回って来たなんて、
  何とも、したたかに黒いバイタリティだ。

  この複雑怪奇で馬鹿臭い時代の変遷に
  煮え湯を飲まされた者達の未来に、
  せめて「幸あれ」と祈ろう。
HONDA Ape100 @岩手山麓

2012年5月3日(木)
台風並みの強風と大雨をもたらす低気圧が接近中。沿岸部には大雨・洪水・暴風の警報が出たが、日中の盛岡は小雨程度。



  信頼し合う者と
  笑顔で向き合い
  ほっとして、
  浮かぶ言葉を転がし
  交わす言葉を楽しみ、
  思いを声にして
  一層心が通じ合う。


  大切なことは、
  何を話すか、
  ということじゃないんだよ。
HONDAベンリィ50S @盛岡市

2012年5月2日(水)
花曇り、と言うにはいささか暗い一日。かわりに舞い散った桜の花びらが街を彩った。予想されている雨の気配は希薄だ(夕刻現在)。



  心の容量は一定に保つ。
  立ち去った者の面影は削除する。
  放置されたままの約束や
  白紙に戻った友情などは、
  さっさと整理する。
  溜め込まない。
  情が無いとか冷淡だとか
  そういうことではなくて、
  長い長い航海を貫くために、
  無理して抱え込まない。
  余計に背負い込まない。
  (心の喫水線を保つ)
  
BMW HP2 @鳥海山麓(秋田県) 撮影日2007年5月8日

2012年5月1日(火)
桜は、競うように花びらを散らせ、大地を染めていた。夏が匂う雲が流れ、田園地帯は田植えの準備だ。



  花巻の田園地帯で
  思い切り道に迷った。

  幹線道路へ出られない。
  舗装路を辿れば先細りの砂利道。
  集落を抜けようとすると行き止まり。
  桜の花びらを敷き詰めた水溜りは
  深い泥沼だったりして、
  初夏の風を浴びて彷徨った。

  結局、畦道を渡って
  見覚えのある道路に出た。

  こんなとりとめのない時間が
  実はうれしい。
  岩手に恋をして、
  岩手に人生を託した者には、
  最高の休日なのだ。
HONDA Ape100 @花巻市

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