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イワテバイクライフ 2012年7月前半


2012年7月15日(日)
梅雨空。小雨が降っては、止んで、乾き切る前に再び濡れて。その繰り返し。最高気温21度6分(盛岡)。



  何も動かない一日がある。
  何も決まらぬ一日がある。
  雨に濡れて
  欠落していくだけの一日がある。
  人生には、そんな一日がある。

  ところが、ある時、振り返ってみると、
  そんな一日に限って、
  世界は音を立てて回っていたことを知る。
スポーツスター883R @岩手山麓

2012年7月14日(土)
朝方は街もしっとり濡れていた。その後は曇天ながら乾きはじめ、午後には、うっすら青空がのぞいた。思いのほかの空だった。



  幼年期に愛されなかった少年は、
  乳房を欲しがる。

  少年期に愛されなかった青年は、
  玩具を欲しがる。

  青年期に愛されなかった大人は、
  権力を欲しがる。

  壮年期に愛されなかった老人は、
  名誉を欲しがる。

  遂に愛されなかった者は、
  何を求めるのだ。

  
MOTO GUZZI 850GT @岩手山麓

2012年7月13日(金)
ほぼ雲に覆われた。吹く風に水滴がまじった。稀にのぞく青空が、そこそこの希望となって大地を励ました。



  地域社会はね、
  ある種のファミリーなのさ。

  中央の権威や論理など通じない世界なんだ。
  仲間を守るためには、手段を選ばないんだ。
  そこんところがわからないと
  痛い目に遭うんだよ。

  この地に骨を埋める覚悟ができて、
  初めて解ける謎もあるんだね。
MOTO GUZZI カリフォルニア ビンテージ @岩手山麓

2012年7月12日(木)
朝から小雨に煙った。南風はなま温く、最高気温は23度3分(盛岡)。いつもの通りの梅雨。九州の豪雨を思えば、もの静かな一日。



  雨が降ったら、
  濡れることを楽しもう。

  病になったら、
  窓の中の雲と戯れよう。

  友を失ったら、
  心の空白を駆け巡ろう。 

  (救いは、その辺に転がっている)
HONDA Ape100 @岩手山麓

2012年7月11日(水)
薄霧が夜明けを覆った。霧が晴れても、うっすら雲が広がった。気温だけは真夏日に迫った。すっかり日が暮れて爽やかな空になっていた。



  人も酒も
  ひとつの器のなかで熟成するものだ。

  器から器へ頻繁に入れ替えていると、
  人にも酒にもなり切れず、
  器だけが苔むしていく。
MOTO GUZZI カリフォルニア ビンテージ @岩手山麓

2012年7月10日(火)
梅雨とは名ばかり。今日も青空の存在感。陽射しの直接感。真夏日寸前。誰もが梅雨明けを心の底で呟いている。



  悩む暇も無いほど夢を抱け。
  ひたすら真っ直ぐ実現せよ。
  歳月の移ろいを忘れて励め。
  結末を思わず今に打ち込め。
  喜びに打ち震えて走り出せ。

  「その男、気がふれた如く」
  その様に記憶されるがいい。
スポーツスター883R @八幡平市

2012年7月9日(月)
地味な青空だったが、天気安定を確信し、三陸沿岸北部をめざした。ヤマセはごく薄く凍えることもなかった。帰路、浄法寺町から八幡平市で小雨に濡れた。



  怒りや悲しみ、苦しみを誤魔化すクスリはある。
  けれど、生きていくことの喜びを増幅させるクスリなんて、
  遂に出て来ない。

  人が今日一日を愛し、明日を渇望する他ないのだ。
MOTO GUZZI 850GT @岩手県沿岸北部

2012年7月8日(日)
天気予報の文言を大きく打ち破る盛夏の空。真夏日を思わせる秋田(湯沢)から盛岡へ帰ってみれば、本当に真夏日だった。



  攻める気持ち。
  それが原点なんだな。
  乗り越えるイメージなんだな。

  困難を前に、
  止まるのではなくて、
  前輪を大きく振り上げ、
  目指す方向へ全身をよじり、
  道を切り開く。

  だから、ほら、
  生きることは、
  時に胸が詰まるほど美しいんだよ。
村田選手(国際B級) @秋田県湯沢市

2012年7月7日(土)
「小暑」とはいえ、どこか梅雨が匂う一日。青空ものぞいたが、高校野球開幕の空としては役不足だった。最高気温25度5分(盛岡)。



  小さな器は
  小さな箱におさまりたがる。

  でかい器は、
  おさまる気も無く、
  風に吹かれ、陽に焼かれ、
  雨に打たれ、雪に埋もれ、
  歳月に染まるばかりだ。

  (心は、常に野ざらしであれ)
スポーツスター883R @八幡平市

2012年7月6日(金)
未明の大雨に鉄道のダイヤも乱れた。昼前後に再びの雨。その後は、曇天ながら、かすかな明るさを漂よわせ、涼やかな夜をもたらした。



  星を一周して
  二周目に入いる瞬間の者と
  一周目を始めようとする者の姿に
  大差は無いのかもしれない。
  けれど、周回を重ねるほどに
  人は寡黙になり、
  競わず、争わず、ただ微笑んで、
  並走する者達に優しくなる。
スポーツスター883R @秋田県

2012年7月5日(木)
まずは梅雨空。時折音を立てて雨断続。やや蒸し暑さはあるものの、木々の葉の水滴の何とほっとすることか。最高気温23度9分(盛岡)



  たとえ、幼子に褒められても、
  感謝すべきなんだよ。

  この世の評価というものは、
  大概、政治的であったり、
  特定の群の思惑や利益であったり、
  およそ真っ直ぐなものではないから、
  どんなにささやかでも、
  野に咲く花の如き賞賛は
  大切にすることだ。
ヘリテイジ ソフテイル クラシック @青森県 撮影日2011年7月

2012年7月4日(水)
やや白濁しながら晴天。小規模な積乱雲が山岳地帯に降雨をもたらしたようだが、些細なこと。最高気温31度7分(盛岡)がすべて。



  人を幸せにするのに魔法はいらない。
  「その人物の幸せは何か」
  わかってあげればいい。
スポーツスター883R @岩手山麓

2012年7月3日(火)
最低気温20度(盛岡)は、いささか蒸し暑い目覚めとなった。雲は昼前には途切れ、青空が開けた。夏雲と秋雲が一緒になって、最高気温は27度9分(盛岡)。



  コーナーを丹念に突く?
  初老の人間がやることじゃない。
  いいかい。
  ストライクゾーンのど真ん中に
  熱風を巻き起こすほどの直球がいい。

  (この大地は、そのようなマウンドだ)
スポーツスター883R @岩手山麓

2012年7月2日(月)
どんよりした朝は、いよいよ梅雨らしさへ転落していくのかと思わせた。ところが夕刻、空は清々しく開けた。



  明るい女の声だった。
  私の背中に叩きつけて来た。
  「この悪人め」
  私は、その言葉を受止め切れず、
  ぽかんとしていると
  女は、笑い出した。

  「自分に嘘をつけない男は、
  この世で悪人になる他ないのさ」

  女は、自分の言葉に納得して
  踵を返すと、走り去った。

  そんな夢を見た。
HONDA Ape100 @岩手山麓

2012年7月1日(日)
午前中は澄んだ青空に秋を思わせる雲が舞った。それでも、盛岡はギリギリ夏日。沿岸北部の峠で16度の気温表示を見てふるえた。



  人間の弱さを
  ありのままに表現できる者が、
  結局、一番強いのかもしれない。

  忍耐強さが評価される時代は、
  互いの心情を思いやる社会の崩壊とともに
  過ぎ去ったのだから。
MOTO GUZZI 850GT @岩手県内陸北部

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