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イワテバイクライフ 2012年9月前半


2012年9月15日(土)
真夏の青空に雲が踊った。積乱雲とは違う塊。夕刻には岩手山の上に巨大な塊が現れ、西日を浴びて、ゆっくり流れた。



  友よ、うまくやってくれ。
  その正体が、どれほど暗くても、
  君は、この大地の仲間だから。

  友よ、迷わず駆け抜けろ。
  その使命が、どれほど危くても、
  君は、この大空の仲間だから。

  今宵も闇に溶け入る友よ、
  仕事を終わらせ、生きて塒へ帰れ。

  つらくなったら打ち明けるがいい。
  どんな地獄も受け止めるから。
  俺達は、この天地の仲間だから。
MOTO GUZZI 850GT @岩手山麓

2012年9月14日(金)
最高気温33度3分(盛岡)の中で盛岡秋祭りが始まった。太陽の熱は相変わらず近く感じるが、空高く漂う脱力した雲に心は向く。



  砲声が轟く。
  大気を押し破り、
  砲弾は山麓の秋を貫く。

  その波動に
  敵意は無く、
  殺意も無く、
  予定された弾数が、
  淡々と時を刻むばかりだ。
  佇む心が一瞬破裂し、
  硝煙が風に舞うばかりだ。

  (のどかな有事だ)
HONDA Monkey @岩手山麓

2012年9月13日(木)
9月の真夏日が今日で11日。盛岡では観測史上最多。ただ、大気は乾いて、北からの風は山の上で冷涼そのものだった。



  長距離走の心得?

  つまらないものを追走しない。
  無意味なものと競り合わない。
  今何位かなんて計算をしない。

  流れ来るものを楽しむだけ。
スポーツスター883R @岩手県北部

2012年9月12日(水)
北海道の沖合に南国の魚が大量出現など、地球規模の異変は進行している。なにせ9月中旬に盛岡で真夏なのだ。



  高い所を求めるほどに
  道は険しく細くなる。

  足場は限られ、選びようも無い。
  決められた岩から岩へ飛び移る。

  そのようにして辿り着いた頂は、
  狭くて、荒れていて、
  人が棲める場所ではない。

  だから、下界を見渡し、束の間満たされ、
  そそくさと下山するだけだ。

  (憧れは、見上げているうちが美しい)
MOTO GUZZI V7Classic @岩手山麓

2012年9月11日(火)
ほぼ熱帯の夜は明けた。日中は青空も開け真夏日たった(盛岡)。予報は、夕刻にかけての雷雨を目玉にしていた。身構えてはみたが、平穏な夜を迎えた。



  前向きになる。

 (これが、なかなかに大変だ)

  世界に面を向けるってことだ。
  正面から向き合うってことだ。
  裏側でこそこそしないことだ。
  つくろわず、
  逃げ出さず、
  弁解もせず、
  ありのままの姿で
  まっすぐ生き抜くってことだ。

 (俺は、そう理解することにしている)
YAMAHA YB1(2スト) @盛岡市

2012年9月10日(月)
季節の移ろいが止まった様に、ごく当たり前に今日も真夏日だ。ある日突然「冬です」だなんて言わないでくれよな。



  列車は二度と走って来ないのか。

  でもね、耳を澄まそう。
  鉄路を震わせ接近するものを思ってみよう。
  かすかな気配や切れ切れの幻聴。
  それらひとつひとつを握り締め
  大空を見上げる時、
  未来は轟音を上げて
  僕らの頭上を駆け抜ける。
スポーツスター883R @岩泉町

2012年9月9日(日)
まずは、岩手全体、真夏の暑さだった。けれど、沿岸部は予報以上に秋めいた青空や陽射しがあった。おまけに熱帯的なスコールもなかった。



  人が、もう一度生きると言っているんだよ。
  寄り添うのはウミネコばかりだけれど、
  もっともっと力が欲しいよ。
  ずっとずっと心が頼りだよ。
  
MOTO GUZZI California Vintage @三陸沿岸

2012年9月8日(土)
朝方は、澄んだ冷気だった。朝の光はすっかり秋。31度2分(盛岡)まで気温は上がったが、乾いた大気は心地よかった。



  追っ手はいない。
  議題からはずれ、
  噂にさえならず、
  ただひたすらに
  仕組みにまぎれ、
  粛々と汗を流し、
  さり気なく走り、
  一人山麓で寛ぐ。

  この軽やかな心。
  こみあげる笑い。
  闘いの果ての朝。
MOTO GUZZI V7Classic @岩手山麓

2012年9月7日(金)
暦の上では「秋めく頃」。朝方は涼やかだった。それでも日中は、ほぼ真夏の匂いが漂った。タフな残暑だ。



  木の葉が散るように人は去る。
  霧が払われるように夜は終る。
  結局、この大地に私ひとりだ。
  そんな結末を幾度も見て来た。

  だから、殊更に心をつかわず、
  過ぎゆく悪夢に今日も微笑む。
MOTO GUZZI 850GT @イーハトーブ

2012年9月6日(木)
21日ぶりに30度を下回った(盛岡)。体感的には真夏継続。昼過ぎから降ると言われた雨も空振りに終わった。



  己の美意識のためには、
  時に悪魔となるがいい。

  どうでもよいことには、
  微笑み肯定するがいい。

  力と心の使い方は、
  幕が下りてから、
  ようやく分って来るもののようだ。
スポーツスター883R @岩手山麓

2012年9月5日(水)
永久に夏でありたがる大気。20日間連続の真夏日など、単に記録の問題。体感的には狂い出した地球環境。



  人を支配する仕組みは、
  人が想定内の存在であれば成立する。

  そうでないと、
  とてつもない地獄になったり、
  思いもかけない楽園を提供することになる。

  規則がすべての群は、
  時に赤子のようだ。
HONDA Ape100 @岩手山麓 撮影日 2011年9月7日

2012年9月4日(火)
盛岡市で19日間連続の真夏日は、観測史上3番目。ま、これも通過点と思える熱帯化ではある。すでに「秋の冷涼」を忘れかけている。



  裏で本音を吐いてしまうと、
  表舞台の動作がぎこちなくなる。

  (多少、恥じらいを知る証拠だ)

  表裏を知る観衆の前で
  見事に使い分けて見せる厚顔こそ、
  役者と言うべきだろう。
MOTO GUZZI V7Classic @盛岡市

2012年9月3日(月)
盛岡で32度5分など、数値上では真夏日だったかもしれない。全身に浴びる走行風の乾いて軽い感触は、数値にはできない「秋」なのだ。




  良いものを
  毎日つくり上げるのは
  才能だ。

  粗末だって
  毎日つくり上げるのは、
  意志だ。

  どちらかひとつあれば、
  歩いていける。
  同じ道を。
MOTO GUZZI California Vntage @北東北

2012年9月2日(日)
東北は、北ほど晴れて、南ほど雲が多かったようだ。残暑ではあったが、吹き渡る風は秋へ向うものだった。



  同じ空は無い。
  風は日々変わる。

  同じ道は無い。
  人も日々変わる。

  いつもの天地。
  変容する舞台だ。

  (その法則に気付く者は、稀だ)
@青森県大鰐町(東北トライアル選手権シリーズ第6戦)

2012年9月1日(土)
朝は、それも早朝は、澄み切った青空であり、透明な光だった。日が高くなるにつれて濁り出し、33度(盛岡)の疲労感だけが残った。



  「ついに辿り着いた」とか
  「とうとう此処まで来た」とか
  人は、時々、そういう錯覚を抱く。

  (大丈夫、苦楽は続く)

  心はもっともっと広がっていく。
  あなたという宇宙は、
  命の限り爆発する。
YAMAHA YB1(2スト) @岩手山麓

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