イワテバイクライフ 2012年12月後半
2012年12月31日(月)
午前中は、うっすら青空も見えていた。午後になると、すっかり曇って小雪が舞った。最高気温3度4分(盛岡)。
来た道を振り返るようになったら、 足腰が衰えて来たのだ。 まして、しみじみするようになったら、 前進は、そこまでだ。 道の先へ殊更に急がなくなったら、 意欲が痩せて来たのだ。 まして、のんびりするようになったら、 物語は、そこまでだ。 脇道に気分が向くようになったら、 目標が薄れて来たのだ。 まして、ほのぼのするようになったら、 闘いは、そこまでだ。 そこから先の日々を余生と言う。 (悪くはない) |
|
YAMAHA YB1(2スト) @岩手山麓 |
2012年12月30日(土)
朝から陰気な空だったから空を見上げることは少なかったけれど、まあ、小雨断続で湿った一日だった。
ひとつ重大な秘密を持つと、 窓を開けるのが難しくなる。 ひとたび開け放てば、 さまざまな風に撫でられる。 さまざまな光に照らされる。 さまざまな視線に晒される。 それが恐ろしければ、 秘密を共有する者たちと輪をつくり、 その中に籠るほかない。 |
|
YAMAHA YB1(2スト) 岩手山麓 |
2012年12月29日(土)
おそらく今年最後かもしれない。快晴の一日。最高気温3度1分(盛岡)で、街の雪もずいぶんとけた。とけて崩れて凍ると山道は厄介になるのだが。
春夏秋冬に濃淡無し。 すべては、移ろう天地の相貌なり。 人の山谷に運は無し。 ついに、心の大河へ至る道程なり。 星の配置に理由無し。 やがて、消えゆくものの明滅なり。 |
|
YAMAHA YB1(2スト) @盛岡市 |
2012年12月28日(金)
最低気温が氷点下5度7分(盛岡)程度では、もう驚かない。午前中は青空もあったが、間もなく灰色の空。それでも岩手山は見えていた。真冬日にならなかっただけの真冬の一日。
少しぐらい深くていい。 新雪を踏みしめるだけでいい。 今日の足跡を残すのだ。 少しぐらい暗くていい。 ほのかな灯があるだけでいい。 今日の道を照らすのだ。 少しぐらい静かでいい。 息を弾ませ歌えるだけでいい。 今日の風を起こすのだ。 |
|
HONDA ベンリィ50S @岩手山麓 |
2012年12月27日(木)
寒波襲来。放射冷却。最低気温は氷点下9度7分(盛岡)。朝方は、青空の下に岩手山もあった。午後はモノトーンの風景に変わった。当然、真冬日。
善意は、 ひとそれぞれの範囲で差し出すものだ。 共感は、 ひとそれぞれの理解から生まれるものだ。 連帯は、 ひとそれぞれの覚悟で結ばれるものだ。 寒村では、 それが、しばしば押し売りされる。 (断る冷静さは、時に人でなしと見做される) ※画像と本文は一切関係ありません。 |
|
HONDA Monkey @岩手山麓 |
2012年12月26日(木)
まあ、夜明はキリッとしていた。なるほど真冬日だった。それでも、夕刻に開けた空は、上機嫌だった。最高気温は氷点下4度1分(盛岡)。
一握りの者の思惑で、 大きな群が踊らされることは、よくある。 けれど、それが、 総意によるものであると謳われ、 盛んな拍手がわきあがる時、 嘔吐が始まる。 |
|
YAMAHA YB1(2スト) @岩手山麓 |
2012年12月25日(火)
うっすら雪化粧の朝だった。キシキシ音を立てる雪だった。やがて湿った雪が降り積もり、夕刻には静まり返った。まあ、数値的には冷えていたらしい。
大人だって クリスマスプレゼントが届けば、 うれしい。 でも、箱を開けると、 手垢まみれだったり、 引き裂かれていたり、 粉々になっていたり 目を疑うものが現われることがある。 黒いサンタクロースの悪戯は、 今夜も誰かに落胆の箱を送り付ける。 |
|
YAMAHA YB1(2スト) @盛岡市 |
2012年12月24日(月)
最低気温・氷点下6度5分。最高気温・0度5分。数値はさておき、その冷気の透明度に感動した。凍った圧雪路の何という心地よさだ。
幾度ここへ来ても、 あなたは、あなたのままだ。 だから、 去年とは違う私を見てもらいたくて、 今年も此処に立ち止まる。 |
|
YAMAHA YB1(2スト) @盛岡市 |
2012年12月23日(日)
朝から冬晴れ。師走も終盤へ向う一日は、いつにもまして穏かだった。最高気温1度7分(盛岡)。
めざす場所へ一気に駆け上がることより、 途上で力尽き、立ち止り、下ることの方が、 難しい。 どれほど急坂でも、 その先に青空が開けていれば 人は進む。 僅かな下り坂でも、 その底を暗雲が覆っていれば、 人はすくむ。 けれど、 一度下って戻らない限り、 再び駆け上がることは不可能なこともある。 希望を持ち続けるということは、 その繰り返しなのかもしれない。 |
|
高橋健啓選手(トライアル国際A級) @花巻市 |
2012年12月22日(土)
どんより夜は明けた。昼過ぎまでモノクロームの風景だったが、夕刻になって空は開け、落ち着いた夕闇になった。最高気温1度3分(盛岡)
春が待ち遠しければ、 厳冬を楽しむことだ。 時を忘れて雪にまみれるのだ。 行き先を定めるなら、 地図を閉じることだ。 心が求める方角を信じるのだ。 居場所を求めるなら、 ひとりになることだ。 寂しさの中で探り当てるのだ。 (答えは、そこに眠っている) |
|
HONDA ベンリィ50S @岩手山麓 |
2012年12月21日(金)
冬至。政治の激変のためではない。今年の師走の歩調は異様な速さだ。午後の曇天はともかく、降雪ゼロ(盛岡市街地)に感謝しよう。
ちょっと待ってくれ。 ちょっと黙ってくれ。 分厚い氷に閉ざされた島から、 辛い便りが届いたのだから、 そっとしておいてくれ。 北の海峡を幾重にも越えて、 燃え盛る炎を届けるために、 僕は、この雪原で焼け死んでもいいのだから、 そっとしておいてくれ。 |
|
HONDA ベンリィ50S @岩手山麓 |
2012年12月20日(木)
朝方は小雪がちらついていた。やがて、雲は途切れ、青空が滲み出て、澄んだ光が一面を照らした。ただ、岩手山の印象は薄かった。最高気温は単にプラスだったという程度。
まあ、誰にもあるだろう。 言ってやりたいことがね。 ならば、 自分の言葉で 真っ直ぐ差し出そう。 誰かの詩を朗読して 分らせようとしても、 誤解を生むだけだよ。 清明な冬の旅の途上で 声を出したくなったら、 はっきり、すっきり、きっぱり、だよ。 |
|
YAMAHA YB1(2スト) @岩手山麓 |
2012年12月19日(水)
朝方は、やや乾いた雪が積った。盛岡で6cmの積雪。内陸北部は所により吹雪。銀世界が厚みを増した。
旅人は、雪景色に足を止め、 その無垢な印象を描きとめようとした。 すると ものものしい声が駆け寄って来た。 「ならぬならぬ」 「その資格は無い」 「この勘違い者め」 旅人は、役人たちに取り押さえられ、 絵筆をへし折られた。 そこへ殿様が現われ、 「美しいのぉ、雪は無垢じゃのぉ」と あたりを見渡した。 |
|
HONDA Monkey @盛岡市 |
2012年12月18日(火)
前日の予報には無かった青空がいっぱいに広がった。光もやわらかく、最高気温5度7分(盛岡)。雪解け水が道を洗っていた。
いつも近くにいる。 いつも頷いている。 いつも喝采を贈る。 それはね、友達じゃなくて、 取り巻きと言うんだよ。 (周辺を見れば中心がわかる) |
|
MOTO GUZZI V7 Classic @岩手山麓 |
2012年12月17日(月)
予想を遥かに越えて、青空は広がり持続した。どこか早春の陽射しで、最高気温は7度(盛岡)。市街地のみならず近郊の道も乾いた。
道に迷うと、 群は引き返す習性がある。 けれど、迷路は日々変化しているから、 昨日のままの道では無い。 いくら戻ってみても 見覚えのある分岐点は現れない。 むしろ見たことも無い道の展開に 怯え、すくむ。 二度と抜け出せない恐怖は、 群を走らせ、 ひとつの方向へ雪崩を打たせる。 逃げ場を求めて、逃げ場を失う。 (迷路は群の不安を食って生きている) |
|
HARLEY-DAVIDSON XL883R @岩手山麓 |
2012年12月16日(日)
朝方は薄日と小雨だった。思い切りの良い青空ではなかったが、まあ、陽射しはあった。最高気温6度3分(盛岡)。路地裏の残雪まで、ゆるんで消えた。
明日を約束できなくても、 今日を懸命に生きている。 主義主張なんか無くても、 人間模様は際立っている。 言葉など交わさなくても、 悲痛な状況が訴えている。 (支持される理由も様々だ) |
|
HONDA ベンリィ50S @岩手山麓 |