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イワテバイクライフ 2013年1月前半


2013年1月15日(火)
宮古や久慈では1日に20cmの積雪。これを「大雪」と騒ぐ者もいるが、調子を合せておく。日中はまずまず穏か。岩手山は良く見えなかったけれど。



  形を維持するために
  人は昨日と違う今日にする。

  右にあるものを左に置換え、
  下にあるものを上に移して
  すべてが新しいと胸を張る。
  世界が変わると謳い上げる。

  そんな恒例の行事を繰返し、
  古色蒼然の形は生き延びる。
YAMAHA YB1(2スト) @岩手山麓

2013年1月14日(月)
降雪の不意打ちに騒ぐ東京のニュースにイラつきながら、盛岡近辺は、静かなモノトーン。午後には、ちりちり小粒の雪。最高気温マイナス2度1分。



  各自が己の道を定め、
  切り拓き、深め、
  新たな境地へ邁進すれば、
  全体の道も、
  太く、豊かで、ゆるぎないものになる。

  (その逆は、あり得ない)
Beta Evo 2スト @花巻市

2013年1月13日(日)
車で道を辿るほどに春が待っているのではないかと、そう思わせる雪解け水の煌めきだった。最高気温がプラス2度7分(盛岡)とか、そういうことではなくて。



  本日の練習生は三人。
  雪の中に現われた狭小の大地で
  旋回し、跳躍し、転んだりする。

  こんな冬を
  もう幾度重ねたことだろう。
  
  でも、まあ、お蔭で、
  去年の私に負けることはない。

  そんな私に言っておきたいことは、
  自分との闘いなどという
  フレーズではなくて、
  「ちったぁ、悔しくねぇのか」である。

  同じ人間なのに、
  どうして、私には出来ないのか。
  徹底的に挑んでみたらどうか。
  「こんちくしょう」と
  反芻する者になったらどうか。
  
ライダー・天瀬さん(国際B級) @花巻市(トライアルパーク)

2013年1月12日(土)
真冬日?それがどうした、という程度の日々。終日、灰色の寒空に白いものが舞い。夕刻には、うっすら新雪の積み増しがあった。



  お茶を濁しておくことも、
  時には必要だ。

  その無残が、誰の責任だとか
  その悪意が、誰の仕業だとか、
  見なかったことにする。
  聞かなったことにする。

  (全体の平穏のためにね)

  それでも、まあ、
  大概、当の本人は、
  寡黙の風を纏い、
  殊更によそよそしく、
  俯いたまま歩き回るものだから、
  追求指摘の矢を向けるまでもないのだ。
HONDA Monkey @盛岡市

2013年1月11日(金)
夜の晴天は、夜明の氷に磨きをかける。最低気温氷点下11度3分。一段鋭利になった冷気。県北はじめ、所々で地吹雪。凍ったままの一日。



  悩みもないくせに
  眉間に皺など寄せるな。

  迷いもないくせに、
  首をかしげてみせるな。

  怒りもないくせに、
  義憤の拳を震わせるな。

  陰鬱な時代を踏破したり、
  茫漠たる原野を彷徨ったぐらいで、
  苦労人の素振りに奔っちゃいけない。
HONDA ベンリィ50S @岩手山麓

2013年1月10日(木)
最低気温が氷点下10度3分(盛岡)。岩洞湖のワカサギ釣り解禁日にふさわしい冷気だ。夕刻には、北の山間部は強力に吹雪いていた。



  青信号になったら、
  さっさと渡ればよいものを、
  みんなで足並みそろえて
  整然と渡る準備などしているうちに
  赤になる。
  しかし、
  ひとたび動き出す群の勢いは止めようもなく、
  容赦の無い往来の真っ只中へ
  押し出すことになる。

  のどかで、おろかな動きに
  さしたる理由は無いまま、
  まあ、いいかと衝突や破綻はおとずれる。
YAMAHA YB1(2スト) @岩手山麓

2013年1月9日(水)
街から山野まで、小雪舞う時間が多かった。それでも、スキー場へ高度を上げてみれば、思わぬ青空が待っていた。最高気温・氷点下1度7分(盛岡)。



  肥沃な大地は、
  往々にして皮肉な物語から生まれる。

  実に馬鹿げた闘争に飲み込まれ、
  表舞台から叩き出され、虐げられ、
  コンクリート一枚の上に寝かされて、
  夢見る事さえ許されず、
  「相変わらずですか」と嘲笑されれば、
  魂も、さすがに見切りをつけ、
  夜毎、己の糞尿を凍土に練り込み、
  花や野菜や、思いの種をばらまき、
  丹精込めることで、
  屈辱を癒し、憤怒を鎮め、
  狂気の沙汰の忍耐で、
  楽園をつくり上げたのだ。

  そのような者に、
  全体の行く末を説き、
  右へならえと号令したところで、
  空虚な念仏と言うほかない。
YAMAHA YB1(2スト) 岩手山麓

2013年1月8日(火)
マイナス9度5分からプラス1度1分まで押し上げれば、上出来。まずは晴天の部類で、岩手山も冬雲の乱舞の中に見えていた。



  君は、競馬新聞を開く時、
  楽園をのぞきこむような眼差しだ。

  君は、レースを予想する時、
  幾重にも推論を重ねる数学者だ。

  君は、馬の行く末を語る時、
  実の我が子を思う父親の風貌だ。

  そんな君が仕事の話に戻ると、
  諦め半分の笑顔の隅から、
  深い溜息を漏らす。

  僕は、知らぬそぶりで、
  君の馬の名前をもう一度確かめ
  こう呟くのさ。

  「仕事は、逃げ切るのではない。
  差し切るのだ。」
YAMAHA YB1(2スト) @盛岡市

2013年1月7日(月)
内陸であれ沿岸部であれ、冬雲の跋扈はとどまることを知らず。かろうじて降雪には至らず、「真冬日寸前」程度で終わったのだから、まずは上出来。



  あたりに松明の代わりになるものがなければ、
  自らに火を放ち、行く手を照らすほかない。
  身を焼けただらせて、右か左か見極め、
  骨を焦がしながら、正か邪か断じ、
  暁に向かって進むのだ。

  辿り着いた丘の春の夕暮れに
  私という灰が風に吹かれ舞い上がり、
  一面の堆肥となり、
  一帯を染め上げて、
  天地に吸われる日を思うばかりだ。
YAMAHA YB1(2スト) @盛岡市

2012年1月6日(日)
曇りがちではあったが、はっとするほど明るい青空がのぞいた。夕刻には茜色に染まる岩手山が開けた。最高気温0度5分(盛岡)



  種は蒔くものだ。
  荒涼たる場所にこそ蒔くべきだ。
  息さえ凍る季節にこそ蒔くのだ。

  芽は、凍土を突き破って立ち上がる。
  花は、吹雪を浴びて爆発する。

  したたかな命の準備は、
  春になってからでは遅すぎる。
@花巻市(山屋トライアルパーク)

2013年1月5日(土)
厳冬の入り口「小寒」らしく凍って朝を迎えた(盛岡で氷点下8度8分)。青空に裾野を広げていた岩手山も午後には雲を纏ってしまったが、全体的には、晴天が持続した。当然、真冬日。



  良いものに出会うと、
  好ましく感化され、
  これまで以上に
  深い息遣いになるものだ。

  ところが、
  凄まじいものに出くわすと、
  魂を縛り上げられ、
  いつもの呼吸は通用せず
  凝り固まった殻を叩き割って
  生まれ変わるほかないと
  観念させられる。
YAMAHA YB1(2スト) @岩手山麓

2013年1月4日(金)
憂いの無い晴天だった。澄んだ陽射しだった。けれど最高気温が氷点下2度6分(盛岡)では、積った正月の雪などとけるはずもない。



  評価を熱望する者は口にする。

  「良いことは、なかなか伝わらない」とね。
  「悪いことに限って、瞬時に伝わる」とね。

  なるほど、現実は妄想に勝るようだ。
YAMAHA YB1(2スト) @岩手山麓

2013年1月3日(木)
新年の分厚い雪をまとったまま濃厚な青空を見上げた。雪かきで汗をかいて、最高気温・氷点下3度2分の冷え込みは感じなかった。



  言葉を選ぶのではない。
  心底の有様はどうか、だ。

  文体がどうかではない。
  溢れる思いの流速、だ。

  評価や賞賛ではない。
  手応えの確かさだけ、だ。
  
  (日々のラインに無垢であれ)
高橋さん @花巻市

2013年1月2日(水)
途切れることなく雪は降り積った。未明には5cmだった積雪が、午後6時には35cm。気温は夕刻からプラスに転じた。



  文字は、
  理解しようと睨みつけるより、
  絵画の様に眺める方が
  目にとけ、心にしみてくるらしい。

  新雪は、
  踏みしめ乗り越えていくより、
  童の様に転げ遊ぶ方が、
  ぬくもり、もてなしてくれるらしい。

  人間は、
  分り合おうと言葉を交わすより、
  陶器の様に触れる方が、
  熱を帯び、重さが伝わるものらしい。
HONDA Monkey @盛岡市

2013年1月1日(火)
今年は青空スタート。最高気温0度6分(盛岡)など一瞬のこと。ほぼ冷凍庫の中だった。冷気のベール漂い、至る所に強烈なアイスバーン。



  もたれ合いじゃなくてね、
  支え合うんだよ。

  馴れ合うんじゃなくてね、
  認め合うんだよ。

  甘え合うんじゃなくてね、
  磨き合うんだよ。

  それぞれが、
  ひとり、しっかり立つところから
  始めようじゃないか。
YAMAHA YB1(2スト) @岩手山麓

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