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イワテバイクライフ 2013年4月前半


2013年4月15日(月)
午前中の心地よさは秀逸だった。ふくよかな光は風にとけ、走る者を包み込んで遊ばせた。最高気温は12度4分(盛岡)だったが、春の体感は濃厚だった。



  今日の陽光は、私の笑顔しだい。
  今日の薫風は、私の思いしだい。
  今日の終りは、私の覚悟しだい。

  人一人の了見が、
  駆け抜けるものの性能となり、
  今日という日の眺めを決定する。

  季節も道も、海原さえも、
  押し開くのは、この心だ。
MOTO GUZZI California Vintage @岩手県三陸沿岸

2013年4月14日(日)
晴れてはいた。だが、ひどく霞んで、いつでも雨雲を呼び込みそうな油断ならぬ気配。何より土煙濛々の強風が春の安穏を吹き飛ばした。県内各地、最高気温20前後の実感無し。



  青森県田子町で11時頃合流。
  名物のにんにくラーメンを食おう。
  そんな約束だった。
  やや勇んで30分早く到着。
  缶珈琲をすすりながら、
  ほくほくとした日溜りのベンチで待つ。
  この北東北の小さな町は、
  私の散策にとって、外せぬ飛び石となっていた。
  そこに、待つことさえ忘れて、ゆったり寛ぐ。
  雲や陽射しや吹き渡る風にさえ
  挨拶の必要も無いほど親しんでしまった事に
  何か、心とける至福を噛み締めたのだった。
MOTO GUZZI 850GT @青森県田子町

2013年4月13日(土)
午前中の透明な光は、春そのもの。午後は、雲が泳ぎ回ったが、青空や陽射しとうまく絡み、味のある天空になった。最高気温10度5分(盛岡)



  何かと闘うから、力がわく。
  何かを叫ぶから、熱くなる。
  何かを負うから、歩み出す。

  闘うべきことも無く
  叫ぶべきことも無く
  負うべきことも無く
  ただひたすら心静かな日々の中に
  何を生み出すというのか。
  これほど難しいことはない。

 (だから、今日も此処に立つ)

Harley-Davidson XL883R @岩手山麓

2013年4月12日(金)
未明の小雨に濡れた街は朝を迎えて小雪が舞った。やがて、空は明るくなったが、それでも市街地には小雨、山間部には小雪。夕刻に至って、どうやら安定。冷えた一日。



  テレビのニュースを眺めていて、
  思わず吹き出してしまった。
  その途端、ビールが気道に入って、 むせた。

  すると妻がたしなめるのだった。
  「今のは、見る人が見たら、 かなり際どいわよ。
  本当にもう気を付けてよ」


  滑稽なものを見て
  吹き出すことさえ許されない時代こそ、
  滑稽な時代と言うべきだろう。
Harley-Davidson XL883R @岩手山麓

2013年4月11日(木)
今日のハイライトは朝に尽きる。澄んだ大気は遠景を鋭く浮き立たせ、眩い光の微粒子が薫風に運ばれ舞っていた。ただ、やけに冷えた。



  背負わされたもの。
  背負い込んだもの。
  その差は、でかい。

  つまらぬものを負わされる前に
  己の為のものを背負い込んでしまえ。
  もうこれ以上負う余地もないほど、
  みっしり自分の未来を肩に乗せてしまえ。
MOTO GUZZI California Vintage @三陸沿岸北部

2013年4月10日(水)
朝方は小雨に濡れたが、急速に空は開けた。だが、どこか冬の記憶を含んだ雲が陽射しを遮り、加えて風も強く、春の気分を遠ざけ、最高気温も10度分(盛岡)と低調だった。



  失敗が無かったって?
  ほお、それは上々だ。
  で、何かトライしたのかい?

  対立が無かったって?
  ほお、まずは安心だ。
  で、何か議論はしたのかい?

  損失が無かったって?
  ほお、それは幸運だ。
  で、何か投資はしたのかい?
Harley-Davidson XL883R @盛岡市

2013年4月9日(火)
朝から雲を押しのけ青空が広がった。昼前には岩手山も現れた。最高気温が18度3分(盛岡)は春を一歩進めるものだった。が、夕刻には急速に曇り、雨粒が音を立てた。



  良識だとか
  品性だとか、
  教養だとか、
  その辺を前面に押し立てる貴公子は、
  時折、不良仲間をちらつかせ、
  いざとなれば汚れた戦にも
  自信をのぞかせる。

  一匹で生きる益荒男は、そうはいかない。
  善人も悪人も、鳩も鷹も、天使も悪魔も
  ひとつの体、ひとつの心におさめて、
  旅するほかはない。
MOTO GUZZI 850GT @岩手山麓

2013年4月8日(月)
列島を騒がせた低気圧は、のらりくらりの歩調。陰鬱で冷えた一日になった。最高気温6度(盛岡)は、ところにより、小雨を小雪にしてみせた。



  何処を捜しても月は無かった。
  すると、闇を揺さ振る轟音が頭上を駆け抜け、
  直後に巨大な火柱が立ち並んだ。
  丘全体が白く照らし出されるや、
  私は爆風に飛ばされた。
  火勢は凄まじく、天空を焦がす。
  そこへ、あろうことか、
  落下傘部隊が降下して来る。
  業火の中へ舞い降りて来る。
  「来るな、死ぬぞ」と叫ぶ私に、
  誰かがささやいた。

  (お前の怒りが焦土をまねくのだ)

  そんな夢を見た。
MOTO GUZZI California Vintage @盛岡市

2013年4月7日(日)
台風並みという触れ込みだったが、低気圧の通過は、小雨と時折の雷鳴にとどまった。最高気温14度3分(盛岡)は、温もりにはほど遠かった(と、妻は言う)



  雨が降るだけで、
  出来ることが出来なくなる。
  登り切れない。下り切れない。
  泥の海に、のたうちまわる。

  どう理を尽くしても
  どう技を繰り出しても
  どう心意気をぶつけても、
  通じないことはある。

  でも、無益な一日だったのではない。
  むしろ、壁の手応えを掴んだのだ。

  結果の出ない一日を
  無駄な労力と思ってはならない。
  むしろ、稀有な体験(財産)と思えばよい。
オートバイトライアル東北選手権 開幕戦・福島大会(練習風景)

2013年4月6日(土)
色を失い、押し黙る空。しだいに風は強まり、陰気に湿って、夜の雨を呼ぶ。



  そこに困難はある。たぶん、ね。
  ただし、打開されていくものとして、ある。

  そこに悲嘆はある。たぶん、ね。
  ただし、歓喜へ移り変るものとして、ある。

  そこに虚無はある。たぶん、ね。
  ただし、新世界が現れる場所として、ある。

  闇は光がさすまでの闇。
  光は闇があればこそ光。
Harley-Davidson XL883R @岩手山麓

2013年4月5日(金)
晴れて、最高気温が17度3分(盛岡)なら、文句も無いはずだが、大気はやたらに濁って、すっきりしない天地だった。とにもかくにも、2日後の大荒れに身構えるばかり。



  好きな作家だった。
  心地よく酔わせてくれた。
  一行一行が新しい世界を開いてくれる。
  そんな気がして、貪った。

  ところが、ある日、ふっと離れた。
  舞台裏が見えたのかもしれない。
  読まされている気分になった。
  早く読み終えてしまいたい。
  そう思う程、物語は気だるくなり、
  這うようにページを繰るようになった。

  錯覚の類か、ハシカみたいなものだと、
  たかをくくっているうちに、縁が切れた。
  (読書に限らず、そういうことは、ある)
MOTO GUZZI V7Classic @八幡平市

2013年4月4日(木)
ひと口に晴天と言うけれど、心まで洗う空の蒼さや陽射しの透明感は無かった。最高気温13度1分(盛岡)だけが、冬の残党狩りに勇んでいた。



  その剣は、
  けして己から仕掛けることはない。

  相対する者の
  第一撃を受け流しながら、すべてを知り、
  瞬時に返す一刀を創る。

  この世は様々、
  人の心も様々、
  ならば、生きる剣に型は無し。
Harley-Davidson XL883R @盛岡市(岩洞湖)

2013年4月3日(水)
しっとり雨上りの朝は薄霧を纏っていた。やがて、控え目な陽もさしたが、天気回復の歩調は緩慢で、結局、曇ったまま夜を迎えた。最高気温14度6分(盛岡)が救い。



  まあ、そうだった気がする。

  特筆すべきことは何も無いけれど、
  そんな日々もあった。

  愛情なんて欠片も見せないけれど、
  そんな人たちもいた。

  無駄以外の何ものでもないけれど、
  そんなこともあった。

  ひたすら走るほかなかったけれど、
  そんな時代もあった。

  そんなあれこれも必要なんだろうね。
  心を埋め尽くすには、
  宝石だけじゃ足りないんだから。
MOTO GUZZI California Vintage @岩手県北部

2013年4月2日(火)
昼過ぎまでは、薄雲りながら、陽射しもあり青空の欠片もあった。予報では「夜遅くなって雨」のはずだったが、夕刻には降り出した。最高気温が14度5分なら、ま、いいか。



  何か重大な締切日というものがあって、
  私は、その刻限に向かって、
  あらゆる努力を払うのだが、
  結局、間に合わなかった。

  そんな夢を見たことを告げると
  君は、小鳥の囀りを庭に眺めて呟いた。

  「あなたは、
  間に合いたくなかっただけ。
  流してしまいたかっただけ。
  縁のない話だったのね」
MOTO GUZZI 850GT @岩手県北部 撮影日2013年4月1日(月)

2013年4月1日(月)
勇ましい晴天予報とは、ほど遠い一日。晴れてはいても、霞以下の曖昧さ。所により曇天。何より風の強さは特筆もの。ひたすら冷えた。よって、最高気温10度前後の実感は皆無。



  まあ、10年は様子を見ようか。

  静かに騙されていようじゃないか。
  微笑みながら利用されていようじゃないか。
  知らぬふりして踊っていようじゃないか。
  組し易い者でいいじゃないか。
  一切合切を目の当たりにしておこうじゃないか。

  (鬼になるのは、それからだ)


  ※本文と画像は一切関係ありません。
MOTO GUZZI 850GT @岩手県沿岸北部

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