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イワテバイクライフ 2013年7月後半


2013年7月31日(水)
好転の兆しは皆無の朝、お天気お姉さんが梅雨明けの気配を口にした。余程の確信なのだろう。断続する小雨を愛おしむことにした。



  ひとつの人間像は、
  他人が抱く印象や誤解や偏見の集合体だ。
  けれど、実際はどうなのかというと、
  本人さえ自分を説明し切れず、
  噂話の仮面をかぶせられたまま、生きていく。
  それを気にも留めない強者は、
  ことさらに言葉を尽くすことはない。
  筆をすり減らすことも
  刃を汚すこともない。

  季節と戯れているうちに、
  他人の影も時の河に飲まれていくのだから。
  (後には何も残らない)
MOTO GUZZI 850GT @八幡平市

2013年7月30日(火)
時折、青空ものぞいたが、平均すれば曇り空だった。まったく雨の気配が無いことこそ、今日の空気の最大の印象だった。最高気温26度5分(盛岡)。



  年に一度の大冒険も、ま、いいけどね。
  花の季節の大宴会も、ま、結構だがね。
  一世一代の大仕事も、ま、立派だがね。

  今日のそれは、どうなんだい?
  いつもの今日は、相も変わらずかい?
  特別な舞台のための捨石かい?
MOTO GUZZI 850GT @八幡平市

2013年7月29日(月)
山口や島根の未曾有の豪雨災害を見たからには、「晴れ」を「曇り」、「曇り」を「雨」と予報したくなる気持ちはわかる。実際は、雨の気配も無く、蒸し暑い一日。



  流れるものを敢えて止める面倒に
  誰が手を付ける?

  溢れるものを敢えてふさぐ徒労に
  誰が手を染める?

  広まるものを敢えて断ち切る役に
  誰が手をあげる?

  時代の停滞は、
  大概、その辺の問題であって、
  指導者の理念の遥か以前なのだ。
Harley‐Davidson XL1200CA @十和田湖

2013年7月28日(日)
盛岡は、終日の大雨警報をよそに雨上りの青空が広がった。最高気温も28度9分と不意打ちの蒸し暑さ。最悪の事態に基準を置く予報が、夜の空気を引き締める。



  鋭敏であるがゆえに、
  追い詰められていく。

  刑事の影を咄嗟に察知する者に
  隠し持つ闇が匂うように、
  人は、何かに過剰反応することで、
  正体を晒すことになる。

  (静かに眺めるほどに、丸裸だ)
MOTO GUZZI V7 Classic @岩手山麓

2013年7月27日(土)
県南部では、記録的な大雨となり、家屋への浸水、崖崩れ、停電、鉄道の運航に影響が出たが、被害は人命に及ぶことなく、夜に入って落ち着きを取り戻した。



  軽く薄っぺらな時代は、
  人の声を漫画みたいにする。

  議論の白熱する時代は、
  野太くしたたかな声を生む。

  まあ、どちらでもいい。

  腹を据えて、
  自分の思いや了見を、
  まっすぐ声に出せるのなら、
  それで、いいんだ。
MOTO GUZZI 850GT @遠野市

2013年7月26日(金)
地を叩く雨音に雷の迫撃が重なり、未明の眠りは押し潰された。明けてみれば雲間に青空がのぞき、夕べの出来事も幻になりかけたが、夕刻の雨で正気にかえる。



  あっちの道へ行きたかった。
  けれど、こっちの道しか無かった。

  そんな自分でありたかった。
  けれど、こんな自分しか無かった。

  いつか夢をかなえたかった。
  けれど、こんな現実しか無かった。

  それで、よかったのさ。

  7月の緑に轍を刻んで思いを描けば、
  目指すゴールが今日もある。
  こんな至福の大地に辿り着けたのは、
  叶わなかったあれこれのおかげだよ。



  ※本文と画像は一切関係ありません。
撮影日2008年7月20日 @滝沢村

2013年7月25日(木)
朝から雨模様。時折高まる雨音。余計な期待など寄せ付けない陰惨な空。その分、一日の物語は決めやすい。最高気温22度7分(盛岡)。



  ゆがんだ矢を
  何本束ねても
  的は定まらず、
  弓はうならず、
  事は先送りだ。

  ただ一本でいい。
  迷い無き意志が一本あればいい。
  思いのままに、しがらみを振り切って、
  真っ直ぐ明日へ吸い込まれる矢があれば、
  それでいい。
MOTO GUZZI 850GT @岩手県三陸沿岸

2013年7月24日(水)
予報以上に悪くなることは無いという最近の経験則に従い、迷わず太平洋へ出た。待っていたのは想像以上に冷えて濃厚な霧(やませ)だった。夕闇の盛岡へ戻った途端、予報通りの雨。



  分厚い台本だった。
  その最後の頁には、たった一行。
  「主人公の高笑い」とある。

  その意味を飲み込めず、
  頁をさかのぼると、
  一切は白紙なのだ。

  主人公の高笑いは、
  思わず出たものなのか、
  心に決めていたものか、
  物語を求めるほどに
  台本は重くなっていく。

  そんな夢を見た。

  
MOTO GUZZI 850GT @岩手県沿岸北部

2013年7月23日(火)
絶望的な予報だった。朝、北上すれば道は濡れだした。引き返して花巻まで南下すれば梅雨明けの如き青空。遠野経由で盛岡に戻っても濡れなかった。極上の夜の冷気に酔う。



  送別会は開かない。
  無縁を願って来た君だから、
  さらり解放してあげる。

  花の束は贈らない。
  形だけの感謝は荷物だから、
  明々と燃やしてあげる。

  エールは叫ばない。
  今日限りの友情は匂うから、
  いっそ罵倒してあげる。

  (達者でな)
MOTO GUZZI 850GT @遠野市

2013年7月22日(月)
午前中は、パラパラ程度の雨だったが、午後には降り方の濃度を高め、耳に届く雨音になった。ごく一般的な梅雨の一日。どこかひんやり。



  己の世界を世に示し、
  何としても称賛を浴びたければ、
  権力という筆を持つ他にない。

  王様は、いつの時代でも
  巨匠と相場が決まっている。
MOTO GUZZI V7Classic 

2013年7月21日(日)
曇りがちながら、青空がのぞき、夏らしい陽もさした。最高気温27度6分(盛岡)は想像以上。確かに蒸し暑い一日だった。



  声を張上げるほど、色褪せる。
  言葉を並べるほど、浅くなる。
  主張を重ねるほど、薄くなる。

  そんな自分を証明するために、
  人は舞台中央に立つ事もある。
MOTO GUZZI V7Classic @八幡平

2013年7月20日(土)
朝方は曇っていた。けれど、翌日の朝まで降水確率0パーセントと言い切る気象台は正しかった。爽快無比の夕風に一切の疲労は吸い取られた。



  人の三倍頑張って来た者が、
  人の二倍の仕事で終わると、
  黒々怠慢の烙印を押される。

  ま、常日頃の塩梅は大切だ。
MOTO GUZZI V7 Classic

2013年7月19日(金)
大雨の余韻で雲マークを並べる予報を、現実の空は覆した。盛岡周辺は随所に雨上りの青空。乾いて爽快な風。夕暮れには秋めいた雲が舞った。



  人は、常に渦中だ。
  何が、どうして、そうなっているのか
  わからないまま日々の滝壺だ。

  遥か時の距離を置いて眺めれば、
  まったく単純な理由と
  ひどく粗雑な仕組や筋立てで
  重大な結末を選び採っている。

  それを正当化するために
  神か何かの登場を求めるのかもしれない。
Harley‐Davidson XL1200CA @八幡平

2013年7月18日(木)
あたかも怪獣襲来の如き大雨災害に対する警戒報道。雨は昼過ぎには止んで、木々の葉は乾き始めている。最高気温が20度そこそこ(盛岡)では肌寒い。



  戦場において、
  他人の性格は、あまり問題ではない。

  どんな好人物でも、
  味方になってもらえなければ、
  どうしようもない。

  どんなに嫌な野郎でも、
  敵でさえなければ、
  とりあえず有難い。

  そんな理屈で結ばれる同盟関係もある。
  条約の破棄もある。
HONDA ベンリィ50S @岩手山麓

2013年7月17日(水)
前日の青空と積乱雲が遠い幻の様だ。ただ、雨が降らないだけの空。いっそ降ってしまった方が気が済む梅雨空。どこか薄ら寒い一日。



  庭を拓けば、
  いろんな虫が寄って来る。

  好みで虫を追い払うことは出来ない。
  でも心配することはない。
  自分の好きな花だけを植え、
  思い描いた場所にするだけだ。
  来る日も来る日も、いつまでも、
  そのスタイルを貫けば、
  やがて、無縁な虫は離れてゆく。

  嫌われず、恨まれず、
  本当の庭は、そのように完成する。
MOTO GUZZI California Vintage @八幡平市

2013年7月16日(火)
久々に思い切りの良い青空と爆発的な積乱雲。午後には、撹拌されて局地的な降雨をもたらし、夕闇に遠雷がたなびいた。盛岡は真夏日。



  よし、わかった。
  面倒だから、こうしよう。

  自分が何者か、バッジや名札にして
  胸にぶら下げておいてくれ。

  信じ込んでいることや
  すがりついているものを
  ひと目でわかるようにしておいてくれ。

  俺は、それに応じて優しく振る舞うから。
  君の誇りを傷付けず、痛い所には触れず、
  さらり適切に対応するから、
  ひとつよろしく頼む。
Harley‐Davidson XL1200CA @盛岡市 

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