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イワテバイクライフ 2013年8月前半


2013年8月15日(木)
北東北の夏は壊れて、最高気温33度8分(盛岡)が異様に思えなくなった。沿岸も真夏日にはなったが、ほっとする夕風に最後の望みを託すだけ。



  昨日と違う自分を確かめたければ、
  昨日と寸分違わぬ所に佇むがいい。
MOTO GUZZI V7 Classic @三陸沿岸北部

2013年8月14日(水)
盛岡は、終日、遮蔽物の無い炎暑(32度6分)だったらしい。雲の多い太平洋沿岸に逃れていた身にはピンと来ないが、まあ、真夏の疲労感に境界は無い。



  こみあげるものがある。


  抑えようにも抑えきれず、
  噛み殺し切れないから、
  聞き耳を立てる影も無い場所で、
  轟々たる風に、
  吹き飛ばしてもらう。

  
Harley‐Davidson XL1200CA @三陸沿岸北部

2013年8月13日(火)
しばらく真夏の晴天と厳しい暑さが予想されている。今日も盛岡は真夏日。でも、太平洋へ出てみれば、風は涼やかで、内陸の疲労を吸い取ってくれる。



  好物に限って
  唾をつけ、
  泥をつけ、
  踏み付け、
  貶める子がいた。

  私は、そんな偽装工作を見抜くや、
  「いらないんやな、ほな、もらうで」と
  拾い上げ、口に押し入れていた。

  (慌てたかて、後の祭りや)
MOTO GUZZI 850GT @三陸沿岸北部

2013年8月12日(月)
この十年で、岩手の夏は別人になりました。さんさ踊りが過ぎれば秋の風だったのに。その面影は、窓の隙間から流れ込む夜明け前の大気ぐらいのもの。盛岡で32度1分。



  いつもの場所が、
  いつも通りとは限らない。
  霧に閉ざされていたり。
  陰気な雨模様だったり。

  無理はしない。
  そっと場を離れ、
  やさしく時を流すんだよ。


  そうして、また
  いつもの場所に戻り、佇めば、
  いつもの眺めが微笑み出す。
  いつもの時間が流れ出す。

  (幾度でも、私をやり直す)
MOTO GUZZI V7 Classic @盛岡市

2013年8月11日(日)
大雨災害に関する避難勧告は解除され、酷暑の中で後片付けが始まった。晴れていようが暑かろうが、もう雨さえ降らなければ、それでいい。



  ひとたび行使すれば、

  この地上の見渡す限りに無を招くものもある。

  誰が加害者で被害者なのかではなくて、
  その結末の恐ろしさ虚しさや悲しさを、
  まっすぐ見つめようと言っているのだ。
MOTO GUZZI V7 Classic @岩手山麓

2013年8月10日(土)
大雨から一転、照り付ける陽射し。釜石市や山田町で35度を越える猛暑日。岩手全体うだる一日になった。避難勧告は、ほぼ解除になったが、増水した川の脅威は、そのまま。



  思い出したように送り付けられる
  罵詈雑言の手紙。

  見知らぬ差出人は、
  どうしようもない憤りを
  ぶつける相手もいないのでしょう。

  じっと幸せを待つ間の
  虚ろな心の海原を埋めようとして、
  私を標的にしたのですね。

  大丈夫、
  温和なシュレッダーで
  受け流していますから。

  (どうぞ気の済むように)
MOTO GUZZI California Vintage 

2013年8月9日(金)
不意打ちだった。経験したことのない大雨が秋田から岩手を襲った。内陸では、土砂災害や川の増水。家屋への浸水。岩手で死者2人。交通網ズタズタ。北東北には、あり得ない一日。



  豊かな響きに包まれたければ、
  自ら清明な声を発し、雄々しく歌え。
  魂を震わせ、
  ひたひた駆け上がれ。
  ぐいぐい攻め上れ。
  充満する波動を押し上げ、
  世界の共鳴を引き出す旋律となれ。


  ※画像は過去のものです。
MOTO GUZZI California Vintage 

2013年8月8日(木)
まあ、晴天の部類だったと思うが、周辺の山は薄霧に霞んでいた。予報が謳う真夏の空には至らず、夕刻、薄雲の下で水滴を感じた。最高気温31度4分(盛岡)。



  さて、どうしてやろう、か。
  そう思案している時が楽しい。

  とびきりの素材を吟味し、
  とどめの香辛料を塩梅し、
  包丁を研いで、
  ディナーを準備する。
  そんな時間が華だ。

  深く鋭く記憶にきざんでもらうために、
  どうしてやろう、か。

  (たっぷりかけるのだ。時間を)
MOTO GUZZI 850GT @岩手山麓

2013年8月7日(水)
立秋などと暦を謳い上げるから、当たり前の真夏が異常に思えるのだ。確かに32度(盛岡)で蒸し暑かったが、夕刻の風は乾いて軽く涼やかだった。北国の八月は極上なのだ。



  偽物に慣れ切ってしまうと、
  本物を差し出されても、
  違和感を覚え、
  拒否反応を起こすようになる。

  そんな習性を利用して、
  段ボールの城を築く者が現われる。

  
MOTO GUZZI C7 Classic @岩手山麓

2013年8月6日(火)
昼前後は、真夏の陽が射し、四方に積乱雲がわいた。やがて、空は暗くなり、彼方此方に雷鳴が轟き渡り、小雨が降った。真夏日というより酷い蒸し暑さが全てだった。



  人の世にはね、
  不測の事態が付きものさ。


  (だから、ルールがあるんだよ)

  何があったのか、
  説明をしないのは、卑劣だよ。
  弁解を並べるのは、醜悪だよ。
  平穏を演じるのは、隠蔽だよ。

  隠せば隠すほど臭気は広まる。
  取り返しがつかないほど腐る。

  渦中の者になったら、道は、ひとつ。
  鮮明な言語と潔い態度、謙虚な反省の表明。
  (自分を勘定に入れちゃいけないよ)
HONDA ベンリィ50S @盛岡市近郊

2013年8月5日(月)
まずは、曇りベースの一日だった。青空がのぞいても、そそくさと消えていった。なるほど、予報通りの雨が夕刻の街を濡らした。いささか蒸し暑く、盛岡で29度4分。



  考えてもごらんよ。

  千年の風雪に耐え
  此処に立つ大木を
  昨日今日の理屈で
  斬り倒そうなんて
  人が狂い死ぬのも
  もっともなことだ。

  万年の光と闇の中
  此処に立つ山々を
  数年先の設計図で
  削り崩そうなんて
  天と地が覆るのも
  もっともなことだ。

  人間も同じことさ。


  ※本文と画像は一切関係ありません。
Harley‐Davidson XL1200CA

2013年8月4日(日)
霧のような雲のような、やさしいモヤモヤが払われると、澄み切った青空が広がり、太陽の熱は汗を誘うけれど、吹き渡る風は爽快。宮城県で震度5強の地震。



  何が、何故、うまくいかなかったのか、
  克明に記憶され、
  対策が準備され、
  希望を抱ければ、
  それは大成功さ。

  その積み重ねで、
  ゆるぎない力が育まれるのさ。

  ひとつの失敗で大騒ぎし、
  道を閉ざし、諦める態度こそ、
  敗北というのだ。

  未来は、
  常に、その先に開けるというのに。
BETA EVO2ST @大友トライアルパーク(秋田県湯沢市)

2013年8月3日(土)
46日間に及ぶ雨季だった。しぶとい梅雨だった。8月の梅雨明けは5年ぶり。盛岡で29度3分など、各地、一気に真夏モードに入って来た。



  そりゃあ、そうさ。
  青空が広がれば、道も走り出す。
  陽射しがあれば、風も輝き出す。
  心が軽くなれば、人も歌い出す。
  放っておいても全てうまくいく。

  でもね、ただね、肝心なことはね。
  大嵐の日々を、どんな旅にする?
  暗闇の日々に、どんな風を呼ぶ?
  鉛色の日々に、どんな夢を描く?

  そんな季節にこそ、
  人は自分に出会うんだよ。
  それまでとは違う自分になるんだよ。
MOTO GUZZI California Vintage @岩手山麓

2013年8月2日(金)
大気の機嫌は、みるみる好転し、梅雨の監獄から引きずり出された青空は、煌めく陽光にも慣れて、本当の八月を演じてみせた。最高気温28度7分(盛岡)。



  興味がないのに歩み寄り、
  関心がないのに笑い掛け、
  接点もないのに語り合い、
  やがて、見知らぬ自分がいて、
  わけのわからない騒ぎに巻き込まれ、
  身に覚えのない罪を負わされ、
  無縁な現実がスローモーションとなって
  流れていく。
MOTO GUZZI California Vintage @八幡平市

2013年8月1日(木)
小雨に濡れて夜は明けた。天気図の上では、立ち去るばかりの梅雨空だが、今年は、どうにも強情な性格で、最後の最後まで陰湿な空気だ。「さんさ踊り」の太鼓の河が雨季を押し流していく。



  平穏無事であることを崇め奉る群よ。

  でかい十字架を負った者は、
  辺境の森へ幽閉しておけば、
  面倒が無いとでも思ったのか?
  それとも、
  罪は罪と慰め合い、毒は毒の盃を交わし、
  互いに未来を諦めると考えたのか?

  (相変わらずの甘さだな)

  ならば、その浅慮に、
  猛毒の牙を突き立て、
  目を覚ましてやろう。


  龍は、そう呟くと、山岳を揺さぶり、
  天空にとぐろを巻いた。

  そんな夢を見た。
Harley‐Davidson XL1200CA @岩手山麓