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イワテバイクライフ 2014年1月前半


2014年1月15日(水)
朝方の青空は、雲に蹂躙されながら、終日そこかしこに出没した。最高気温は、かろうじてプラスに転じ、0度2分(盛岡)。なるほど、僅かに雪がとけ出した。



  君の大好きな「反省」とは、
  さて、どんなものなんだ?

  己に誤りがあれば、
  即座に認め、謝り、改めるだけでは
  足りないのかい?

  情緒的な自己批判の風を吹かせ、
  陰に籠り、深く沈み、 しおらしく、
  これまでの道の一切合切を
  否定してみせることが、
  つまり、ハンセイなのかい?

  (誰かの気位を満たす儀式かい)
Beta Evo 2st @盛岡市

2014年1月14日(火)
街は粉雪の薄化粧、空は濃厚な青空。陽射しを拒み続ける雲も無く、まずは、落ち着いた一日。盛岡は三日続きの真冬日。最高気温マイナス0度8分。



  人の物語には、
  ささやかな挿絵がほしい。

  今日の空と心が隣り合わせなら、いい。
  昨日と明日の間を埋められれば、いい。

  たったそれだけのために
  人は黙々走ってしまう。

  たった一枚の絵を求めて距離を刻み、
  今日が消えゆく場所に辿り着き、
  束の間、凍ったり、とけたりする。
Beta Evo 2st @盛岡市 

2014年1月13日(月)
最低気温マイナス9度(盛岡)。朝から青空だった。風も無く、陽射しは温厚で、寒かったけれど、市街地の雪は踏まれて少し崩れた。厳冬期の岩手にあっては、救われた一日。最高気温マイナス2度8分(盛岡)。



  気力が衰えて来た?
  それは違うな。

  拘り関わり、ぐちゃぐちゃになるほど
  のめりこめるものが無くなっただけさ。

  破滅寸前まで
  すべてを注ぎ込める世界を失うと、
  みんな羊のようになる。
  誰かの呼吸に合せ出す。
  思いを口にしなくなる。
  衰弱の空気を醸し出す。
  それを歳のせいにする。
  自然の成り行きにする。

  そのように
  ひとり、また、ひとり舞台から消えて行く。

  夕闇に燃え盛る執念こそ清々しいのに。
  無我夢中のまま逝けたら上出来なのに。
  命の最終コーナーは苛烈なはずなのに。
HONDA ベンリィ50S @盛岡市

2014年1月12日(日)
朝からチリチリと小さく乾いた雪の粒が大地を刺し、ゆっくり積っていった。まあ、夕暮れ時には止んだが、10cm程度の積雪とはいえ、ボディーブローになる厚みだった。当然ながら真冬日。



  無垢な雪原に
  ひと筆の轍を刻み、
  一点をめざす者であれ。

  嶮しい断崖に
  流麗な舞を披露し、
  一直線に登る者であれ。

  分厚い吹雪に
  鋭角に切れ込んで
  闇を貫通する者であれ。

  春爛漫の風に、
  旗をたなびかせて、
  明日をしめす者であれ。

  語ること無く、
  一片の残像となり、
  光の道へ導く者となれ。
@花巻市 ※画像は過去のものです。

2014年4月11日(土)
マイナス9度6分(盛岡)からのスタート。うっすら青空を包囲する白い冬のベールが、山々を隠した。温もりの無い光だったが、心だけは照らした。最高プラス0度2分(盛岡)が精一杯。



  この冬に耐えているだけじゃ、
  何も始まらないな。

  春は、瞬く間に咲き乱れる。
  夏は、つむじ風の如く走る。
  秋は、躊躇せず燃え尽きる。

  次の季節、その先の季節。
  そのまた遥か彼方の季節を、
  今日の胸に引き寄せてみれば、
  この冬の何とはかないことか。

  たったひと冬をとかす熱もなく、
  次の季節に求める夢もなく、
  いきなりの春に戸惑うばかりでは、
  旅路の果てなど見えては来ない。
HONDA ベンリィ50S @岩手山麓

2014年1月10日(金)
氷点下9度4分(盛岡)の朝。この冬一番の寒気。日中は青空ものぞき、岩手山も見える時間があったが、結局、モヤモヤ冬の雲に飲まれていった。氷点下2度1分止まりの真冬日。



  「ツェねずみ」という童話、知っている?

  自分の身に起きる不都合なことを
  他人のせいにして非難し、償えと迫り、
  世間を狭めていく鼠のお話だよ。

  この童話をやたらに薦める者がいてね、
  しまいには、声に出して読めと言い出す。

  弱い者に理不尽の鞭を振りながら、
  不幸を招いたのは、お前自身だと言い張り、
  自分を正当化する強者にとっては、
  なるほど、使えるお話だ。

  賢治さんにとっては、想定外かな?
HONDA Monkey @岩手山麓

2014年1月9日(木)
うっすら新しい雪が積って朝を迎えた。曇りがちながら、日中は青空ものぞいた。とはいえ、すべては、最低マイナス1度6分と最高プラス2度3分(盛岡)の間の出来事だった。



  他人の目を気にして、
  無縁な道を歩き出す。

  他人の気分を恐れて、
  あらぬ方へ走り出す。

  そのように、
  世間と言う迷路の中で、
  思い描く自分を見失い、
  別人となって出口に現われる。

  (それを新しい自分と言うのかい)
GASGAS TXT PRO 250 @滝沢市

2014年1月8日(水)
最低気温が氷点下0度7分(盛岡)で、残雪もじくじく、とけたがったけれど、湿った曇天が居座ったまま、最高気温は3度(盛岡)止まり。目立った雪解けには至らなかった。



  君の人間関係とは、どんなものなんだ?

  まさか、
  仕事場の上下関係がすべてだなんて
  言い出すんじゃないだろうな。

  (いや、もう、いい)

  ただ、ひとつ、忘れないでくれ。
  君の仕事は、誰に向けられているのか、
  忘れないでくれ。 

  まだ見ぬ土地の、
  聞いたことも無い波音の際で、
  今日も、じっと君の仕事に心を向ける人がいることを
  忘れないでくれ。

  (この空の下に共に生きる奇跡を思え)
HONDA Monkey @岩手県三陸沿岸

2014年1月7日(火)
盛岡市の玉山区藪川で最低気温が氷点下21度9分。本州最寒冷。それでも氷点下0度7分まで盛り返したのだから凄い。朝方、空が少し青く見えただけ。それだけ。



  しみじみしたくなったら、赤信号だ。

  闘いは終わった。
  そう思った瞬間、
  足場は崩される。

  峠を乗り切った。
  そう思った瞬間、
  急降下は始まる。

  この辺で一区切り、なんて思っちゃいけない。
  敵が待っているのは、そういう瞬間だからね。

  必死で剣を振り回し、
  夢中で弾を撃ち続け、
  どうにかこうにか、
  ひと夜の塒を掴み取る。


  (そのぐらいの構えでいいんだよ。たぶんね)
HONDA ベンリィ50S @岩手山麓  

2014年1月6日(月)
冷えた、というより、しっかり凍った。最低気温マイナス7度4分(盛岡)。青空はあったけれど、北へ向うほどに地吹雪に遭遇。最高気温プラス1度3分(盛岡)。



  闇の中を覗いたことはない。
  けれど、少し考えてみれば、
  想像がつくことは案外多い。

  たぶん、その通りであろうという確信を
  胸に
しまって、皆、上手く生きている。
YAMAHA YB1 @岩手山麓

2014年1月5日(日)
晴天と引き換えに大地は熱を手放し、最低気温は氷点下6度2分(盛岡)。日中、いくら青空や陽射しが頑張ろうと、とける気配は無かった。



  地元紙の一面の見出しに
  息を飲む程の誤字があっても、
  まあ、そんなものかと、
  読み流すのは、
  郷土への寛容ではなく、
  底無しの侮りと諦めに違いない。

  我が身に短刀を突き立てんばかりに、
  嘆き悔しがらない己の
  何と言う思い上がりだ。
YAMAHA YB1 @岩手山麓

2014年1月4日(土)
前夜の雪で、銀世界は少し厚みを増した。朝方は寒さがやわらいだ分、湿った雪だった。日中は、そこそこ青空もあったが、すっきりしなかった。最高気温プラス1度5分(盛岡)。夜に入って気温急降下。



  天気の行方は、雲次第だ。
  その雲の上は、青空であり星空だ。

  なのに、
  永久の静寂の下の
  束の間のあれこれに
  人は一喜一憂する。

  地上は、いつも大騒ぎだ。
HONDA ベンリィ50S @盛岡市

2014年1月3日(金)
新年の雪に、とける気配はない。それどころか、にび色の空から、ちりちりと白い粒が降って、白銀の世界は、わずかに厚みを増した。最高気温プラス0度8分(盛岡)。



  どんなに豪壮な祭でも、
  むちゃな踊りを求められたら
  「それは無理です」と言える
  男や女でいようね。

  祭のカタチを変えてしまうほどの決断も、また、
  人生の華だ。
HONDA Monkey @盛岡市近郊

2014年1月2日(木)
朝方は、前夜の雪を纏った街の上に青空がのぞいた。日中は、やや暗い雲が広がったが、夕刻になって回復してきた。最高気温マイナス0度5分(盛岡)の真冬日。



  四輪で北三陸をめざした。

  年始の挨拶なんて
  大袈裟なものじゃない。
  儀式めいた正月の空気から離れたくて、
  150kmを走った。

  途中、吹雪で足止めをくらい、
  到着は夕闇の中だったが、
  焦ることは無かった。
  いつもの笑顔が待っていてくれるのだから。

  滞在時間45分。
  心底の居場所を確かめ、
  宵闇の凍結路を引き返した。
@岩手県三陸沿岸北部

2014年1月1日(水)
新年は雪で明けた。舞い降りる大きな雪の花は、微妙に湿っていて、積るほどの土台を得られず、とけかけたが、夜になって、冷気が味方し、やや厚みを増した。最高気温プラス1度9分(盛岡)。



  長い長い時の隊列が通った後には、
  苔むした道が残される。

  出でよ。
  単騎、猛然と追い越していく者よ。
  強弓の矢となり、
  先頭を塞ぐ霧を討ち払え。
HONDA ベンリィ50S @盛岡市

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