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イワテバイクライフ 2014年2月前半


2014年2月15日(土)
関東近辺では観測史上最高の積雪。その分厚い波は岩手の沿岸部にも届き始めている。盛岡市街地も夕方から雪が舞い始めた。最低気温マイナス3度、最高気温プラス3度6分(盛岡)だから湿った雪。



  大きな宝を背負うのであれば、
  無駄な荷物は抱えない。

  大きく跳びたければ、
  目の前の舞台を捨て、
  奈落で助走を始める。

  (最高速度で、春の扉を蹴破れ)
HONDA ベンリィ50S @盛岡市

2014年2月14日(金)
不穏な雲も無く、凡庸な曇り空は、時折、曖昧な陽を漏らした。最低気温マイナス7度7分 最高気温プラス0度6分(盛岡)は、らしい冷え込み。西から大雪の気配。嵐の前の静けさか。



  小鳥が一羽、牢獄の窓辺に舞い降り、
  「この地上の悲しい秘密を見逃して」と告げると、
  羽を固くして、目を閉じた。

  私は、鉄格子に指を差し入れ、
  震える命を撫でようとするのだけれど、届かず、
  そのまま早春の日々の中に
  心優しい骸が朽ち果てるまで、涙を流すのだ。

  遂に語ることの無い真実を
  鋼鉄の鳥籠に入れたまま。
HONDA ベンリィ50S @盛岡市

2014年2月13日(木)
晴れて放射冷却。最低気温マイナス8度2分(盛岡)も、2月中旬になると、どこかゆるい冷気だ。断片的ながら青空が終日見られれば、最高気温プラス2度3分(盛岡)でも、穏かに感じる。



  贔屓の引き倒しも
  規模がでかくなると
  ひとつの災害だが・・・。

  すでに金メダルを手にしている気分で
  競技本番を観戦できる社会は、
  シアワセと言うべきだ。

  そのノリなら、どんな危機も4年は先送りできる。
  甘美な妄想は、国力のひとつかもしれない。
HONDA ベンリィ50S @岩手山麓

2014年2月12日(水)
前日のアマちゃん予報より、ぐっと冷え込んだ。放射冷却となる雲の薄さを見通せない予報だった。それでも、気象による死人は出ず、真冬日ではなかったから、特段ニュースにもならない一日。



  「自分が一生懸命やっていることは、
  誰にも真似できないはずだ」

  そんな微笑ましい自惚れは、
  ちょいと器用な者の出現で木端微塵だ。

  (今日も見知らぬ場所で、誰かが遥か先を行く)
HONDA Ape100 @盛岡市

2014年2月11日(火)
午前中は灰色の空に小粒の雪が漂っていた。午後になって断片的ながら青空や薄日の印象もあった。最高気温1度3分(盛岡)。



  でかい群の行き着く先は、相も変らぬ責任ごっこ。

  取る、取らせると、上へ下への大騒ぎ。
  謝罪、反省、後回し。検証、改善、そっちのけ。
  謹慎、降格、息ひそめ。
  訓告、戒告、そそくさと。
  赤や黄色のレッテル選び。
  儀式が終われば、能天気。
  昨日のまんまの古池風情。

 
(ほら、トカゲの尻尾が笑って泳ぐ)
HONDA ベンリィ50S @岩手山麓

2014年2月10日(月)
沿岸に大雪を降らせた雲は流れ去り、濃厚な冬晴れが戻った。が、長続きはせず、午後は曇りがち。最低気温マイナス9度1分と冷えたが、最高気温プラス2度8分(盛岡)なら、まずは上々。



  展覧会ではね、
  猛毒を含む感想は、つつしもう。
  隣に作者が立っていたりするからね。
  「ほほぉ」とでも言って、その場を離れよう。

  街を出て、細道を辿り、荒野の真中に立ち、
  見渡す限り人影の無いことを確かめたら、
  静かに言葉を紡ぎ、深く噛み締め、
  凍土に埋めよう。

  (それが出来なければ、月の裏で叫ぶがいい)
YAMAHA YB1(2st) @岩手山麓

2014年2月9日(日)
東京で大騒ぎとなった降雪の余波は、岩手にも若干及んだ。盛岡は15cm程度。夕刻、天気回復の兆し。沿岸の雪景色の方が分厚かったようだ。真冬日ではあったが、さほど厳しくは無かった。



  「やりたきゃ、やりな。いやなら、やめな。」

  その昔、修行の日々の中で
  更に進むべきか、遂に退くべきか、
  すがる思いで尋ねると
  そう静かに返してくる教官がいた。

  吹雪の中に立ち尽くす時、
  道は、どのように決まるのか。
  ざっくり教えられた気がする。
@花巻市

2014年2月8日(土)
最低気温がマイナス10度5分(盛岡)など、冬季五輪の前に色褪せた。曇りがちながら、街の空気に陰鬱は匂わず、淡々と時は流れた。最高気温マイナス2度1分(盛岡)。明日は大雪・強風の予報。



  狙い通りにしたければ、
  道筋を描き切ることだ。

  思い通りにしたければ、
  自分を知り抜くことだ。

  願い通りにしたければ、
  夢を心底信じることだ。


  結果は掴み取るものではなく、
  導かれていくものだ。
@花巻市(山屋トライアルパーク) ※過去の画像です。

2014年2月7日(金)
次なる寒波の接近で、岩手は固く冷えたまま、今日も真冬日。それでも、まあ、とける氷はあり、乾く道もあった。だが、油断はできない。明日から明後日にかけて大荒れの予報。冬季五輪開幕。



  広大な湿地帯の真中で小便をしていると、
  隣に小男が現れ、放尿を始める。

  立ち上る湯気の中で、男は呟く。
  数字だ。数字の羅列だ。聞き覚えのある数字だ。

  先細る小便の音とともに
  不安が破裂せんばかりに膨らんでいく。
  それは、暗証番号だ。
  私の人生の暗証番号だ。

  「皆、知っているぜ。あんたのことを」
  そう言い残して、男は、漆黒の沼に沈んでいった。

  (そんな夢を見た)
Harley‐Davidson XL1200CA @岩手山麓

2014年2月6日(木)
「居座り寒波」だそうだ。放射冷却で明けた朝は、濃厚な青空。最低気温がマイナス11度5分(盛岡)。この冬一番の冷え込み。真冬日ではあったが、そこそこ街の雪がとけた。



  誰もが「いい話」を欲しがる。
  出来れば、主人公は絵になる方がいい。
  涙を誘う運命の影があれば、もっといい。

  そのように積み上げられた御伽噺に
  みんな心地よく酔って、
  束の間、夢を見る。

  (ともあれ)
  その御先棒を担いだ者こそ、
  責任を問われるべきだろう。
HONDA ベンリィ50S @岩手山麓 

2014年2月5日(水)
立春寒波とか最強寒波だとか・・・。最低マイナス7度4分、最高マイナス2度9分(盛岡)ではあったが、まあ、これが普通。青空もそこそこあったから、むしろ上出来。



  殊更に明るいのは、
  何か暗い影を負っているのだ。

  殊更に軽薄なのは、
  何か重い荷を抱えているのだ。

  殊更に彷徨うのは、
  何か埋めようのない心なのだ。

  表を見ていれば裏がにじみ出る。
  見て見ぬふりは、人の情けだろう。
YAMAHA YB1(2st) @岩手山麓

2014年2月4日(火)
春が立つ頃。最低気温も、やや緩かったはずだが、街全体の氷は固くなだった。日中も曇って湿り雪の乱舞。夕刻、清々しい晴れ間ものぞいたが、最高気温0度(盛岡)が精一杯。



  降り積ったものを
  じっと眺めているわけにはいかない。

  行くべき場所まで、踏みしめる。
  誰かを追いかけて、踏みしめる。
  心のままに彷徨い、踏みしめる。

  今日の私の跡を残そうと、
  冬は、無垢な道を用意する。
Beta Evo 2st @三陸沿岸

2014年2月3日(月)
実にさえない曇り空の下で、凄まじい雪解けが進行した。最低気温プラス0度6分。最高気温プラス8度(いずれも盛岡)。ぶっちゃけ、地上の雪が累積しなければ上出来なのだ。



  ごくまれに、
  厳冬が、ゆるんで、くずれて、とけていく。

  やがて、すっかり乾いた道に喜び勇むと、
  新しい冬に押し潰される。

  そんな落胆を幾度も噛み締めた者は、
  笑顔を凍結させて、眠ることを覚える。

  春を待つのではなく、
  冬の記憶を積み重ねず、
  ただ静かに呼吸する者となる。

  だから、春爛漫を迎えるこの地の人々は、
  やけに寡黙だ。
HONDA Monkey @八幡平市

2014年2月2日(日)
朝から、チリチリ小粒の乾雪。10cm程度は積った。やがて雑駁な湿り雪から雨へと移ろっていく。結果的に街はグチャグチャ。最高気温5度4分(盛岡)



  そんなに腕前がおありなら、
  都までお上りになればよろしかったのに。

  そんなに人望がおありなら、
  壇上にお立ちになればよろしかったのに。

  そんなに聡明でおありなら、
  最難関に挑戦されたらよろしかったのに。

  そんなに大義がおありなら、
  先陣をお切りになればよろしかったのに。

  すんなりいかない理由でもおありですか?
  (もったいないお話です)
HONDA Monkey @盛岡市

2014年2月1日(土)
冬の大気は、純度が高すぎると言おうか、一途と言うのか、浮世離れした空気になる。最低がマイナス5度5分で最高がプラス2度9分(盛岡)という数値など、真相を語るものではない。



  春は、心を動かす時、咲き誇る。
  命は、修羅となる時、燃え盛る。
  絆は、孤独を知る時、結ばれる。

 (そこまでが、したたかに長い)
HONDA ベンリィ50S @岩手山麓

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