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イワテバイクライフ 2014年4月前半


2014年4月15日(火)
朝が来るたび、いささか冷えた青空で、日中は初夏の陽射し。最高気温17度4分(盛岡)。そんな繰り返しも、夕刻には、バリエーションの変化。雲が広がった。夜になって小雨。



  面白いことを言う人物が、時々現れる。

  愛馬を次々に乗り換えることを、
  「どんどん裏切る」と言うらしい。
  (なるほど味わい深い)

  その感覚で言い表すのなら、
  こういう用例もあるのか?

  村社会にどっぷり浸からず、
  しがらみに縛られず、
  状況や目的に応じて
  闊達自在に人の輪を広げ、
  新たな絆を結ぶことも、
  「どんどん裏切る」と言うのか?

  (中世の辞書を私は持たない)
MOTO GUZZI V7 Classic @岩手山麓

2014年4月14日(月)
晴天続きだ。だが、今日は、ひと味違う。心地よい冷気があった。すっきりとした透明度があった。理知的な夕空だった。最高気温17度9分(盛岡)。



  走り続ければ、ま、色々あるよね。

  それを、ひとつひとつ解決するから、
  道が愛おしくなるんだけれどね。

  足止めされ、思い悩み、
  投げ出したくなった道ほど、
  楽園へ通じていたりするんだな。

  焦らず、怒らず、腐らず、
  ひとつひとつ解きほぐしていこうか。
MOTO GUZZI California Vintage @岩手山麓

2014年4月13日(日)
東北全体、快晴。福島は桜満開。陽射しは初夏だった。盛岡に帰ってみれば、冷たい宵闇。それでも、ソメイヨシノの開花宣言。



  たぶん、知っているんだよ。
  咲くものは散ることをね、
  知っているんだよ。

  だからね、
  ありったけの自分を出すんだよ。
  氷雪の日々を耐えた思いや、
  大嵐に揺さぶられた記憶を
  花びらに変えて語り、
  散ることで忘れるんだよ。
  そのように生き直すんだね。

  (咲く者は、年毎に別人だ)
東北トライアル選手権 第1戦・福島大会

2014年4月11日(金)
未明の雨に街は濡れていた。ゆっくり、ごく、ゆっくり青空と山の眺めが現れた。さらり乾いたけれど、どこか温もりの無い一日。最高気温10度2分(盛岡)。



  もしもね、私を嫌う者の納屋に、
  ひと晩、愛馬を預ければ、
  どういうことになるか、わかるかい?

  もしもね、私を憎む村の広場に、
  ひと晩、愛馬をつなげば、
  どういう朝を迎えるか、わかるかい?

  想像さえ憚られ、思うことさえ、おぞましい。
  (だから、夜の無い旅を繰り返す)
MOTO GUZZI 850GT @岩手山麓

2014年4月9日(水)
春霞というより薄曇りで一日は始まった。午後には、青空と言い切れる眺めになり、最高気温16度9分(盛岡)。夕焼けは鮮烈だった。



  大きな器を維持する仕組みには、
  基本的に人間の感覚は無い。
  自己防衛のための措置を、
  機械的に繰り出すだけだ。

  そんなものを相手に、
  異議を唱えることの無駄は、
  大人なら容易にわかるはずだ。

  とりあえず、
  仕組みが何かを喋ったら
  はいはい、そうですかと耳を傾け、
  無理なことは笑って受け流し、
  結果だけ、思いの通りにすればいい。

  (今日も、ひとつの結果に佇む)
MOTO GUZZI V7 Classic @岩手山麓

2014年4月8日(火)
岩手の四月の印象は、この数年で激変した。さり気なく5月の空気が香るのだ。桜の蕾には目が離せない。最高気温14度8分(盛岡)。怖いほどの順調だ。



  学問は、いい。
  
  奪い合うことなく、
  心の領土を確保できる。

  悪魔の寝静まった夜、
  ザクザクと宝を積み上げる痛快は、
  学ぶ者の特権だ。
MOTO GUZZI California Vintage @岩手県北部

2014年4月7日(月)
朝方は予想以上に晴れた。迷わず走り出した。けれど、走るほどに空は曖昧になり、宵闇の盛岡に戻ってみれば、雨だった。最高気温11度3分(盛岡)。風の強い一日だった。



  船の主は、
  鷹の目をしていた。
  還暦をとうに過ぎながら、
  海原の照り返しに日焼けした腕は、
  ぐいっと相棒を岸壁に引き寄せた。

  「流されたんだ。津波で。
   だから、こいつを買ったんだ。
   今は、釣り客相手だ。
   風が強いから、商売は明日だ」

  言葉の行間に潜む叫びを
  ことさらに刈り込んで、
  「一切」を、さらり、きっぱり述べると、
  漁師は、ひらり戦艦に飛び移った。
MOTO GUZZI California Vintage @岩手県三陸沿岸

2014年4月6日(日)
夜が明けてみれば、たじろぐほどの青空の下には、かすかに昨夜の雪の白さ。日中は、雪を舞わせる不穏な雲もあったが、大きな崩れも無かった。最高気温7度8分(盛岡)。冷気がしみた。



  目標はひとつだ。

  届きたい高さや、
  道筋の険しさは、
  いつもながらだ。

  が、その関門へ、
  どう飛び込むか、
  どう乗り切るか、
  今日の心次第だ。

  挑む度に、己自身が彫り出される。
タケちゃん(オートバイトライアル国際A級)@花巻市

2014年4月5日(土)
沿岸部は陽射しに恵まれたが、盛岡など内陸の一部では、午後には時折雪が舞った。風も強くふぶいた。最高気温は岩手全体10度に届かず、所により4度台で、三月に戻された。



  この世の辛辣な目と口に抗い、
  誇り高く美しく聳えて見せたい者には、
  眩しい舞台が必要なのだろう。

  いかに己の人生が素敵か
  表現し続けなければ、
  ひと夜さえ越えられないのだろう。
  (羨望や尊敬を食って生きる他ないのだろう)

  そうした意味において、
  私の日々は、ずいぶん適当で、お気楽だ。

  (星に感謝するばかりだ)
MOTO GUZZI California Vintage @岩手県三陸沿岸

2014年4月4日(金)
なまぬるい雨に濡れて朝を迎えた。昼過ぎには小止みとなり、ゆっくり空は明るくなった。夕暮れには青空がのぞいた。



  仏から鬼へ豹変するのは
  そう難しいことじゃない。
  (演じる者は多い。だが)

  人のような、獣のような、
  花のような 毒のような 
  揺らめきながら、移ろい、
  ゆっくり、ごくゆっくり、
  けして気付かれる事なく、
  いつの間にやら鬼となる。
  歳月にとけ、水の如くに、
  変貌する心こそ恐ろしい。

   (その道筋を支配する者を、名優という)
  
Harley‐Davidson XL1200CA @岩手山麓

2014年4月3日(木)
もやもやと夜は明けた。チリの大地震は、三陸沿岸にも微弱ながら波を送り寄せた(津波注意報)。空は、意外にも明るくなり、山も現れた。最高気温19度2分(盛岡)。



  その城には、サイレンが鳴り響いている。

  遥か昔から絶えることなく鳴っている。
  ひたすらに、どこまでも高鳴っている。
  けれど、耳を塞ぐ者はいない。

  朝靄にとけ、夜陰になじみ、
  果てしなく回廊を駆け巡る。
  もはや、日々の空気だ。

  鳴らしそびれ、処刑された者の伝説は、
  そのような形で生き残る。
  これでもか、これでもか、と鳴り響く。
  春を黙らせ、轟き渡る。

  (鳴り止むことこそ、恐ろしい)
Harley‐Davidson XL1200CA @岩手山麓

2014年4月2日(水)
二日続きの快晴。温和な大気。最高気温16度8分(盛岡)。昨日より、やや霞んで、夕刻、薄雲が現れた。遥か彼方の異国の大地震が津波となって押し寄せないことを祈るばかり。



  燃え盛る火事場を前に、
  鎮火を宣言する者がいる。

  なるほど、
  今日、次の立場へ飛び立つ者にとって、
  すべては片付いていなければならない。

  (嵐は、そんな隙を突く)
MOTO GUZZI 850GT @岩手山麓

2014年4月1日(火)
99パーセント青空だけだった。さすがに4月の光は命に満ち溢れていて、見慣れた山を輝かせた。いよいよ「初夏の前倒し」もアリの大気だ。最高気温13度5分(盛岡)。



  議題にものぼらず、
  懸案に数えられず
  ただ捨て置かれて、
  ぽつんとするだけ。

  (仕組の中で無となる)

  どうでもよいものになれた時こそ、
  自在の扉は開く。
Harley‐Davidson XL1200CA @岩手山麓

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