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イワテバイクライフ 2014年8月後半


2014年8月31日(日)
澄んだ青空の盛岡から北上。九戸村あたりで不穏な雲に頭上を塞がれ、引き返す。スコールをかわしながら、盛岡に帰り着けば、爽やかな夏の夕暮れ。最高気温27度3分(盛岡)。



  お山は、今年も、そこに立つ。
  季節は、今年も、そこに吹く。
  祭りは、ある年、そこを去る。

  静まり返った大地を見渡せば、
  ひとつの時代の終わりの影だ。

  (オイオイ泣いて、山を下った)
MOTO GUZZI 850GT @七時雨

2014年8月30日(土)
絶望的な予報を嘲笑って青空は現れ、日中は強い陽射しが照り付けた。夕方になって曇り空になると、束の間、大雨・雷・洪水の注意報や警報が出されたが、何事も起きなかった。最高気温27度3分(盛岡)。



  無駄ではない。

  どんな道であっても、
  一途に打ち込んだことには価値がある。

  その果てに、
  決別すべき道の正体を知り、
  真に歩むべき道に出会えたのなら、
  それまでの遠回りは無駄ではない。

  遅くはない。
  引き返して、やり直そう。
MOTO GUZZI V7 Classic @岩手山麓

2014年8月29日(金)
朝の予報は「降ったり止んだり」だったが、雲間に青空がのぞき、陽が射し、道は乾き、心地よい秋の夕風は、もう絶品だった。最高気温24度4分(盛岡)。



  ここが何処か、もう問わない。
  地上には違いない。

  道の行方など、もう追わない。
  旅路には違いない。

  誰が誰なのか、もう構わない。
  他人には違いない。

  (そこから始めよう)
MOTO GUZZI California Vintage @三陸沿岸北部

2014年8月28日(木)
ひんやりした曇り空。南には雨雲。北にはピンポイントの青空。珍しく正確な予報だった。最高気温21度7分(盛岡)。



  動き出すのに必要だったものは、
  滑走に入ったら、忘れ去る。

  離陸するのに必要だったものは、
  大空に舞ったら、切り離す。

  ひたすらに遠くへ。
  地平の彼方の山の上の雲を飛び越え
  この星を蹴り去るまで。

  (けして振り返らない)
Harley‐Davidson XL1200CA @岩手山麓

2014年8月27日(水)
涼やかな朝だった。ひと夏の重さが、とけて、何か、ふわり、明朗な気分が舞い立つような、曇ってはいたけれど、けして、不安の無い一日だった。



  楽しい道を辿れ、何千回も。
  美しい空を仰げ、何万回も。
  愛しい人を思え、星の数ほど。

  それで、お前が、
  悲しみを忘れ、憎しみを捨て、
  人の輪にとけこめれば、
  道は、どこまでも真っ直ぐだ。
  空は、果てし無く広く高々だ。
  愛しい人は、永久に微笑んだままだ。
MOTO GUZZI V7 Classic @岩手山麓

2014年8月26日(火)
曇ってはいたが、涼しい朝だった。日中は僅かな青空と陽射し。やがて暗い空。諦めかけたところに神々しい時間はやって来た。夕暮れの涼風が、身体の心に届いた。



  大地は、時々身じろぎする。
  大空は、時々羽根を広げる。

  自然の、ごく自然な振る舞いではあっても、
  天地の狭間に生きる者には、
  地獄になる。悲劇になる。試練になる。
  
  それでもなお、
  自然を受け入れ、
  自然と同化して、
  強く美しい花に生まれ変わる。
MOTO GUZZI V7 Classic @岩手山麓

2014年8月25日(月)
わずかな青空を信じて走り出せば、思いのほかに雲は多く、奔放で、先を読むことさえ忘れ、時折の天気雨に微笑んだ。最高気温28度5分(盛岡)。



  空は今日の実り
  道は今日の呼吸。
  光は今日の絵筆。

  穏かな風となり、
  明日の種を撒き
  明日の色を選び、
  明日の私を描く。
MOTO GUZZI 850GT @岩手県北部

2014年8月24日(日)
北も南も深刻な雨雲に覆われているのに、東北の北部は、薄雲が多いものの穏やかに晴れ、とりわけ沿岸の涼風は絶品。最高気温30度4分(盛岡)。



  北の大平原で核爆発。
  一報を受けてヘリコプターは飛ぶ。

  キノコ雲は紺碧の空に白銀の龍となっていた。

  防護服の中で誰かが叫ぶ。
  「何故、今日なんだ?」
  その声を叩き潰して音速の編隊が頭上をかすめる。

  海原に巨大な水柱が立つ。
  中空で方向を定めた飛行体が目標へ吸い込まれていく。

  天地をかき消す閃光の直後、
  波動は大気を破り歪ませ、世界を包む。

  行く先を失いホバーリングするプロペラ音が、
  闇を撹拌し、遠雷へ移ろい、夢は途切れた。
Harley‐Davidson XL1200CA @三陸沿岸

2014年8月23日(土)
順調に青空を取り戻し、夏であったことを思い出させる陽射しを浴び、て大地一面、乾いていった。最高気温30度3分(盛岡)。



  頂に待つ大問題とは、
  才能のことではない。

  押し寄せる雑事とか、
  シガラミの鎖だとか、
  本題とは無縁な話に
  関わり切れるのか?
  (そういうことだ)

  それで正気を保てるのか?というと、
  これが、どうも、あるようで、
  この地上には、
  そのような神経が、確かに存在する。

  (頂は、いつも霧の中だ)
MOTO GUZZI 850GT @北上高地

2014年8月22日(金)
日中は、真夏の青空と陽射しで31度6分(盛岡)。夕刻に至って大気は急変。局所的に猛烈な雷雨。災害の発生に身構えた。



  ゆっくり、しずかに、
  雫が岩を穿つように 
  心と心は、とけあう。

  幾度の季節を経ても 
  燃え盛ることはなく、
  鳴動することもなく、
  互いに呼吸をはかる。

  やがて物語が終る頃、
  深く通じ合えた事を
  噛み締めるのだろう。
Harley‐Davidson XL1200CA @岩手山麓

2014年8月21日(木)
雨上りの朝、しだいに乾いていく街。けれど、午後には再びの雨。広島市の豪雨の爪痕は凄まじい。最高気温26度5分(盛岡)。



  突如現れるものは、
  突如消えるものだ。

  私が、役に立たない人間だとわかるや、
  あからさまに舞台をたたんで走り去る。
MOTO GUZZI V7 Classic @岩手山麓

2014年8月20日(水)
東北に絡み付く前線。時折の降雨。時折の陽射し。相変らず不完全燃焼の一日。最高気温は、釜石で34度2分の一方で盛岡では27度5分。不可解な大気。



  賑やかな行列を追いかけていたら、
  デモ行進だった。

  鐘や太鼓の音を追いかけていたら、
  葬送の儀だった。

  サーカス小屋を追いかけていたら、
  宣教の旅だった。

  子供は、どんなものでも、
  目を輝かせて追いかける。

  (追い付く日まで夢中だ)
Harley‐Davidson XL1200CA @岩手山麓

2014年8年19日(火)
がっかりさせておいて、意外な希望も現れる。そんな天気予報になった。雲間から光は射し、街は乾いた。時折の通り雨は、まあ想定内。最高気温30度1分(盛岡)。蒸し暑かった。



  ごく当たり前に、この地に暮らす。
  心のまま自然に、この道に生きる。
  攻めも守りも無い。
  ただ今日と戯れ、季節を追うだけ。

  そんな日を迎えられたら、
  豪壮な支柱など取り払う。

  負けないとか意地を貫くとか、、
  古色蒼然の柱に寄りかかっていると、
  一緒に朽ち果ててしまいそうだから。

  しなやかな背骨に入れ替える。
MOTO GUZZI V7 Classic @岩手山麓

2014年8月18日(月)
降水確率20%。暗い空だったが、雨を覚悟で北へ走り出す。陸も海も霧、霧、霧。涼しかった。帰ってみれば盛岡は晴れたらしい。最高気温29度9分(盛岡)。



  いろいろなことが起きる。
  ひとつひとつは唐突で、
  一見、無関係にも思える。

  だが、今日に至る道程を
  反芻するほどに、
  日々の出来事は、
  ひとつの物語の断章に思えて来る。

  (舟は整えられていく)
MOTO GUZZI California Vintage @青森県階上町

2014年8月17日(日)
一日、小雨断続。陰鬱な大気。西日本では凄まじい豪雨災害。最高気温22度3分(盛岡)。



  選択の基準

  「許し難い者が怖れることを、する」
  「怪しい群が喜ぶことは、しない」

  なるほど、有り得る動機だ。

  が、その繰り返しでは、
  他人に支配されたままだ。
GASGAS @滝沢村

2014年8月16日(土)
予報は派手に「雨の一日」をうたっていた。確かに暗い空だったが、道を濡らすほどの雨は降らなかった。最高気温22度4分(盛岡)。



  9歳の夏だった。
  クラスの担任は、寡黙な女教師だった。

  算数のテストがあった。
  自信はあった。が、70点だった。
  答え合わせが始まった。
  確かめるほどに30点足りない。

  手をあげて、おずおず訊ねる僕に
  彼女の眼鏡が光った。
  「次は130点を獲るつもりで頑張れば
  100点になるかもしれないわね」
MOTO GUZZI 850GT @岩手山麓

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