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イワテバイクライフ 2014年11月前半


2014年11月15日(土)
朝方は、製氷室から取り出したような青空。それも束の間、冬の被膜が陽射しを遮った。最高気温4度7分(盛岡)。本州最寒冷地らしい空気感。



  錆びて腐った鎖が
  縛っておけるのは、
  自由を想像すらしない群だ。

  時代遅れの仕組を、
  延命させるものは、
  今日の事で頭が一杯の群だ。

  じっと朽ち果てる時を待つ者にとって、
  惨憺たる未来など、他人事に違いない。
HONDA Ape100 @北上高地

2014年11月14日(金)
盛岡は冷たい曇天。うっすら白く染まった山も、冬のベールに包まれたまま。沿岸は、思いのほかに晴れたが、いささか強い風。初冬の一日。最高気温5度8分(盛岡)。



  三行先は
  視野に置くべし。
  今の一行を受けるものなり。

  千行先は、
  胸中に置くべし。
  いずれ迎えるべき事象なり。

  万行先は
  雲上に置くべし。
  有無さえ断じ難きものなり。

  (人生の朗読者たれ)
MOTO GUZZI California Vintage @三陸沿岸

2014年11月13日(木)
冷えて透明な雨だった。水溜りの落ち葉から色が滲み出て、あたかも晩秋のリキュール。夕刻前、はかない青空を見た。最高気温10度1分(盛岡)。



  稀に、そんな瞬間が訪れる。

  いつもの道を歩いていると、
  わけもなく足が止まり、
  叫び出したくなる。

  「そうだったのか」と
  心底の合点が駆け巡り、
  過去の不可思議なあれこれに説明がつく。
  (鍵と鍵穴がぴたり合った瞬間)

  だが、そんな時こそ、色に出してはならない。
  ゆっくり間を置いて、歩き方を変えるのだ。
HONDA Monkey @盛岡市

2014年11月12日(水)
曇天の朝。最低気温が6度2分と高め。大気は湿って、積み重なる落ち葉もしっとり。昼前から小雨断続。ブレンドされた秋と冬の香り。最高気温11度6分(盛岡)。



  何を欲しがっているか。
  何をかき集めているか。
  何をむさぼっているか。
  (それを見れば、わかる)

  つまり、それが足りないのだ。
  求めれば求めるほど届かないのだ。
  埋めても埋めても埋め切れないのだ。

  (星の残酷よ)
MOTO GUZZI 850GT @岩手山麓

2014年11月11日(火)
やや冷たい朝の空は、透明なブルーだった。が、やがて霞がかかり、薄雲が流れ込み、岩手山も曖昧な存在となった。最高気温14度6分(盛岡)。



  いつもの役者。
  いつもの舞台。
  いつもの結末。

  その堂々巡りに身をゆだねれば、
  絡み付く日々のあれこれと
  格闘することもないのだろう。

  「いつも」の中に「終わり」が匂う。
MOTO GUZZI  V7 Classic @岩手山麓

2014年11月10日(月)
朝の晴天予報が、これほど無意味に思われた日は、久々だ。内陸から沿岸まで青空など稀なことで、風に水滴がまじり、時折、濡れた道さえ現われた。最高気温12度4分(盛岡)。



  ただ、じっと。

  風に吹かれ、
  波に揺られ、
  押し黙れば、
  饒舌の斜光が押し寄せる。

  夜の海へ滑り出す時を、
  暁の海へ押し出す時を、
  ただ、じっと待てば、
  晩秋の波飛沫と海鳥の悲鳴が
  聞こえて来る。
  語らずにはいられない記憶が
  押し寄せる。
MOTO GUZZI California Vintage @三陸沿岸

2014年11月9日(日)
陽射しや青空を寸止めで遮る薄雲。まあ、ゆるやかな下り坂。やがて、夜の到来を早める厚い曇。水滴まじりの風。最高気温11度5分(盛岡)。



  道が曲れば、お前も曲がれ。
  道が跳ねれば、お前も踊れ。
  その先が断崖なら、お前も跳べ。

  成り行きに逆らわず、
  きっちり応えていけ

  (正気の風が吹く限り)
MOTO GUZZI 850GT @岩手山麓

2014年11月8日(土)
いささか薄められた青空。どこかぼんやりした陽射し。日が暮れるころには、うっすら雲が広がって来た。最高気温13度5分(盛岡)。



  小石を
  ぽいと
  古沼に。

  戯れ歌
  ひとつ
  草薮に。

  花火を
  ポンと
  暗闇に。

  ほら、何かが飛び出して来る。
  (びくびく潜んでいる)
MOTO GUZZI California Vintage @三陸沿岸部

2014年11月7日(金)
立冬、ですか。そうですか。まあ、実感は無いですね。うららかな陽光や、葉を落とさない街路樹は、秋真っ盛り。最高気温14度1分(盛岡)。



  差し出されたものを
  全部受け取ろうとするから、
  妙なことになる。

  匂っていたり、
  くもっていたり、
  曲っていたり、

  そんなものには心を向けない。

  必要なものを選び取ったら、
  風に乗って去るがいい。

  立場をかえて、
  何かを差し出すことになったら、
  心の一切を押し付ける醜悪だけは避けよう。
Harley‐Davidson XL1200CA @北上高地

2014年11月6日(木)
朝の冷気。文句なしの青空。だが、午後には予報以上に雲が流れ込み、さえない夕暮れになった。最高気温19度5分(盛岡)。晩秋の岩手にあって至福の温もり。



  病気なら病人らしく。
  健康なら元気出して。

  他人にもよくわかるようにさ、
  くっきり、はっきり、ざっくり、
  やろうじゃないか。

  (曖昧なスイッチは、捨てた)
MOTO GUZZI  V7 Classic @秋田県

2014年11月5日(水)
きりっとした朝。最低気温は盛岡で氷点下0度2分。この秋一番の冷え込み。日中は、雲ひとつない特級の秋晴れ。最高気温14度8分(盛岡)。



  何かを盾にとらない。
  誰かを矛にはしない。

  大人なら、
  背筋伸ばし、
  胸を張って、
  矢面に立とうじゃないか。
MOTO GUZZI 850GT @岩手山麓

2014年11月4日(火)
朝方は、雲を押しのける青空の勢い。やがて、野性漂う雲が随所に現れ、陽射しを遮った。最高気温12度1分(盛岡)。



  四角四面で、不器用で、
  どこか、よそよそしい風の方が、
  まだ、ましだ。

  二つ返事で、小器用で、
  いつも、持ち上げて来る風など、
  よほど厄介だ。

  明るく燃え盛ることはなくても、
  ほのかな熱を保つ塒こそ、
  旅人には必要だ。
Harley‐Davidson XL1200CA @盛岡市

2014年11月3日(月)
轟々たる風は、予測不能の舞いで地上を揺さぶった。雲はおろおろ、青空もおどおど、吹き付ける雨水だけが鋭かった。最高気温16度4分(盛岡)。



  誇りをみたすことに無我夢中。
  そんな風は、やり過ごす。

  批評してはならない。
  (すべて正しいと信じている)

  からかってはならない。
  (神聖な営みだとされている)

  競り合ってはならない。
  (手段など選ばないのだから)

  遠く離れて、にっこりするがいい。
  (戯れにも触れてはならない)
Harley‐Davidson XL1200CA @岩手山麓

2014年11月2日(日)
しっとり濡れて朝を迎えた。天気のことは諦めていた。ところが、昼前後には僅かながら青空と陽射し。夕暮れ時には予報通りの雨。最高気温17度3分(盛岡)。



  檻に閉じ籠る者に、
  一緒に遊ぼう、と声をかける風は無い。

  鎖に繋がれた者に
  共に旅立とう、と誘って来る風は無い。

  城に守られた者に
  力を合せよう、とあゆみ寄る風は無い。

  (自由でなけりゃ、始まらない)
HONDA Monkey @盛岡市

2014年11月1日(土)
一切の期待を寄せ付けない曇り空。昼前から小雨断続。秋の色は、雫を吸って一層濃くなった。最高気温10度5分(盛岡)。



  大運動会の午後。
  プログラムは駆けっこへ進む。

  出番を待つ間、
  子供たちが不思議なことを言い出した。
  1等は君、2等はあなた、3等はわたし・・・。
  予定を確かめるような口調だ。

  「じゃあ、僕は何番目?」
  きょとんとする肩に先生が手を置いた。

  「君はね、ただ走っていればいいんだ。
  思い出をつくればいいんだよ」

  そんな夢を見た。
Harley‐Davidson XL1200CA @岩手山麓

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