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イワテバイクライフ 2014年12月後半


2014年12月31日(水)
初めこそ、空には青い色が滲み出ていたが、午後にはモノトーンの世界。今日も残る雪が、来春までの根雪になるかどうか、いよいよ微妙だ。最高気温2度5分(盛岡)。



  ひとつ窓を閉めて、
  ふたつ窓を開ける。
  それも三倍でかい窓から
  新しい風を送り出す。

  (そのように生まれ変わる)
Beta EVO2 @盛岡市

2014年12月30日(火)
かすかに街の雪が沈んだ気がする。空は幾分明るかったが、冬雲から解放されることはなかった。救いは最高気温4度1分(盛岡)。



  ひとつ幸せになると、
  ひとつ失う気がして、
  固く心を閉していく。

  幸福の城塞に立て籠もるのは、
  ひとつの不幸だ。

  (大気の中で正気を取り戻せ)
HONDA ベンリィ50S @岩手山麓

2014年12月29日(月)
灰色一色の朝に起動のスイッチを押せずにいた。俯いてる間に、空は開けていたのだが、大気は相変わらずの冷え冷え。最高気温1度7分(盛岡)。



  隠し通すのは難しい。

  とりわけ、
  喜びは、悲しみより難しい。
HONDA ベンリィ50S @盛岡市 

2014年12月28日(土)
窓から見れば、まぎれもない晴天だったが、大地に立って見渡せば、曖昧な真冬の白さが漂っていた。最高気温2度3分(盛岡)。



  新しい旅が始まろうとしている時こそ、
  浮かれてはいけない。

  終ろうとしている旅が、
  まだ、現実のすべてなのだから。

  句読点まで、
  息を乱さず、
  心揺らさず、
  筆をはこべ。
HONDA ベンリィ50S @岩手山麓

2014年12月27日(土)
盛岡は、この冬一番の冷え込み。最低気温がマイナス10度3分。街の雪は、分厚い氷と化した。それでも濃厚な青空に浮き立つ岩手山は絶品だった。



  道は、
  どこまでも
  正しく続いている。

  そう思えればこそ、
  人は、歩みを進められる。

  そこで、初めて、道は道となる。

  だからこそ、
  人が道を疑った瞬間、
  旅は、そこで途絶える。
HONDA ベンリィ50S @岩手山麓

2014年12月26日(金)
午前中は、望外の晴天だった。午後には雲が広がったが、かすかな明るさがあった。しかし、容赦ない冷気で、雪道は氷と化した。最高気温マイナス0度6分(盛岡)。、



  純白であり続けたければ、
  まずは、血を流す覚悟からだ。

  まぶしい程の無垢な朝は、
  漆黒の闇の先に開けるものだ。

  今日の無事を
  へし折るほど強く抱きしめられるのは、
  多くのものを失った者だ。
HONDA ベンリィ50S @盛岡市

2014年12月25日(木)
一日曇り空と、テレビは大嘘。見上げれば青空。深く呼吸すれば光の微熱。ただ、雪をとかすものは何も無い。最高気温1度5分(盛岡)。



  不正は許さないという眼光。
  圧力に屈しないという気迫。
  情に流されないという節度。

  そんな御立派な風体を買われて
  城の闇を隠蔽する盾にされるなんて。

  (お前さんには、心底がっかりだぜ)
HONDA Monkey @岩手山麓

2014年12月24日(水)
薄っすらではあったが、青空が見えた気がする。それでも、所によっては吹雪いた。積る雪は、じわり厚みを増した。最高気温1度3分(盛岡)。



  片隅で、じっと雪に埋れていると、
  聞えて来る。過ぎ行く者達の本心が。
  見えて来る。夜陰にうごめく画策が。
  浮んで来る。この冬の行き着く先が。

  声など立てず、
  ただ目を閉じ、腕組みしたまま
  一切を雪の懐におさめる。
HONDA ベンリィ50S @姫神山麓

2014年12月23日(火)
また新しい雪。20cmほど積み増した。雪雲は早々に衰弱し、夕方には、かすかに青空ものぞいた。北の空に蒼白の岩手山を見た気がする。最高気温プラス0度3分(盛岡)。



  ここに千年佇んだ後で、
  思い出すのは、

  今日の雪と今日の心だ。

  ここに立ち止った理由が
  ほら、幾多の冬を越えて行く。
HONDA ベンリィ50S @岩手山麓

2014年12月22日(月)
冬雲は一歩も引かず、一日を灰色に染め切った。花巻などの雪の通り道や、岩手山麓では黙々と降り積る光景があった。最高気温マイナス0度9分(盛岡)。夕闇のソリッドな寒気は、まさに岩手。



  僕は、クラスの駆けっこ代表だった。
  たくさん練習した。

  いよいよ運動会当日。
  勇んで出かけていくと、
  そこは文化祭の真っ最中で、
  「駆けっこの独創性」について討論していた。

  僕は、発言を求められたが
  言葉が出て来ない。

  悲しくなって振り返れば、
  練習した記憶が、
  雪に覆われていく。

  「もう駆けっこは、しない」
  そう叫んで夢は終わった。

  窓の外には、
  見覚えのある雪が舞っていた。
HONDA ベンリィ50S @岩手山麓

2014年12月21日(日)
うっすら青空で始まったが、やがて冬雲に塗り潰され、小雪などちらつき、道は黒々凍っていった。最高気温5度4分(盛岡)。



  大きな岐路は、不意にあらわれる。
  くだす決断は、普段着の儘でやる。
  新しい時代は、暗雲の下で始まる。

  取り返しのつかない旅を重ね、
  人は、あわただしく生きていく。
HONDA ベンリィ50S @岩手山麓

2014年12月20日(土)
終日どんより。昼前に出かける時には雨具の必要も感じなかったが、携行して大正解。夕方からビシャビシャの降雨。とけだす雪に長靴の出番。最高気温1度3分(盛岡)。



  ここで
  誰かと争った気がする。

  あそこで
  何かを失った気がする。

  とぼとぼと道を一周して来ると、
  ここに誰かの姿は無く、
  あそこの記憶は消えて、
  一面の白紙。

  それを知っていて
  争い、失った日々。
HONDA ベンリィ50S @岩手山麓

2014年12月19日(金)
冬雲に包囲されながら、青空があった。どこか呑気な陽射しで、街の空気も弛んだ。雪は、とけて崩れ、ぐちゃぐちゃな歩道だった。最高気温2度9分(盛岡)。



  踊らされる者には、
  天使の化粧。

  抹殺される者には、
  罪人の化粧。

  知らぬ間に、
  誰かの都合で化粧されていないか?

  (暁の鏡は恐ろしい)
YAMAHA YB1(2スト) @岩手山麓

2014年12月18日(木)
朝方は小雪が舞い、盛岡の市街地は20cmの積雪。昼前には風や雪も弱まり、時折の陽射し。最高気温2度9分(盛岡)。



  立ち姿でわかる。
  覚悟の背骨が見えてくる。

  ひと声でわかる。
  思いの深さが響いてくる。

  間合ひとつで、わかる。
  思慮の呼吸は、精神の陰影だから。
HONDA Monkey @岩手山麓

2014年12月17日(水)
日中は氷点下3度前後(盛岡市街地)。ほぼ氷の世界。強い風に積んだ粉雪が吹き上げられた。それでも、時折、幻の様な青空が薄っすらあらわれた。



  事は、ある日動き出す
  話は、ある晩流れ出す
  車は、決然と回り出す

  己の与り知らぬところで確定した道に
  人は引きずり込まれ、
  肺臓を焼き切るまで突き進む。

  波濤に突き飛ばされ、
  海鳥の悲鳴に裂かれ、
  漆黒の海へ落とされ、
  冬の狂気は泳ぎ出す。
HONDA Monkey @三陸沿岸

2014年12月16日(火)
微塵の希望も許さない凍結の空。無数の小粒の痛みが大地を刺し、白抜きの風景を残した。最高気温マイナス1度6分(盛岡)。真冬日というより蒼白の一日。



  力を抜く。
  骨を抜く。
  気を抜く。
  クラゲの如く横たわる。

  掴みどころがなく、
  力を掛けようもなく、
  どうにも操作し難いものとなれ。

  (凍土から躍り出るその日まで)
HONDA ベンリィ50S @盛岡市

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