イワテバイクライフ 2015年1月前半
2015年1月15日(木)
さえない曇天ではあったが、雪も雨も降らず、街の氷もゆるんで崩れ出しているから、まずは上出来。最高気温4度5分(盛岡)。
(あんなに恋い焦がれていたのに) 過ぎた日に 真っ直ぐな眼差しを 向けられるのは、 もうすっかり 別の翼だからさ。 (人は、残酷だね) |
|
@岩手山麓 |
2014年1月14日(水)
爽快無比な青空で一日は始まった。ふくよかな陽光を浴びて岩手山も「どや顔」。だが、午後になって急速な雲の拡大。最高気温6度8分(盛岡)。
心の隙間を埋めるように 空の蒼さ、雪の白さ、 受け止め切れない今日の冬晴れ。 見上げる力も無いのに、 雲を追いたがり、 描くものなど無いのに、 筆をとりたがる。 ほんの束の間の幸せに、 感謝する者を演じてみたくて、 蒼く染まる、白く染まる。 |
|
@岩手山麓 |
2015年1月13日(火)
最低気温がプラス0度2分(盛岡)。昼前には、ほぼ晴天状態。岩手山も春を思わせる陽光を浴びて柔和。その割に最高気温は4度2分(盛岡)にとどまった。
まだ何もしていないのに、 少し足跡を付けただけなのに、 あなたは、区切りを付けたがる。 記念日を設けたがる。 挙句の果てには、 「もうよかろう」と立ち止まり、 「潮時だ」と自ら完結したがる。 それで、どうだい。 新しい道でも始まるのかい? (遅くはない) 何事でもなかった道に引き返し、 めらめらと燃え盛り、 昨日をやり直す勇気はないのかい? |
|
@岩手山麓 |
2015年1月12日(月)
気にならない程度の曇り空。かすかな青空も滲み出た。ゆるんだ冬を時折水滴が濡らした。最高気温3度3分(盛岡)。
蒼白の夕暮れ、 雪の小道を駆けて来る子供がいる。 懐に受け止めると、 それは、幼い私だった。 そんなに息を弾ませて、どうした? 覗き込む私の目を見ずに子供はこたえた。 (捨てて来た) 私は、不安になって訊ねた。 玩具か?友達か?約束か?それとも希望か? 果てし無く質問を重ねるうちに、 暁の枕は涙に濡れていた。 |
|
@盛岡市 |
2015年1月11日(日)
完璧とは言い難い晴天だったが、真冬に聳える岩手山がぐっと間近に見えた。最高気温2度(盛岡)。
目前の的を射抜くのは、 容易いものだ。 彼方の的を捉えるのは、 相当なものだ。 遥かな未来に届くのは、 ひたむきな思いだ。 (さあ、今日の弓を張れ) |
|
@岩手山麓 |
2015年1月10日(土)
曖昧な陽射しを飲み込んで冬雲は流れ続けた。師走の雪は頑として厚みを保ち、氷と化して磨かれる。最高気温1度6分(盛岡)。
夕闇の一本道で 時折出会う村人と挨拶を交わす。 その言葉の響きは、 一切の意味を含まず、 文法の匂いもせず、 微笑みとなって浮んで消えるだけだ。 今日も無事にすれ違えるのなら、 それで、いい。 もう本当に、それでいい。 |
|
@岩手山麓 |
2015年1月9日(金)
雪雲の行列は途切れて、久しぶりに濃密な青空と明確な陽射し。岩手山も視界に現われた。最高気温3度(盛岡)。
事を起す者 目撃する者 ある日、ある時 ぴたり同じ場所で出会って ある方向へ流される。 (準備された偶然) |
|
@岩手山麓 |
2015年1月8日(木)
案の定、昨日の大荒れ予報は外れて、まずは温和な曇天。夕方には青空が滲み出て、朱に染まった雲が浮んだ。最高気温1度5分(盛岡)。
ひとつひとつ状況を並べてみれば、 何が何であるのか、 誰が誰であるのか、 推定出来るはずだ。 ただ、証拠と言う切札が無い限り、 けして公には出来ない。 (ひそやかに了解されるだけだ) そのように、 曖昧な意味をまとった事実とやらが、 この地上にはごろごろ横たわり、 風化の時を待っている。 |
|
@岩手山麓 |
2015年1月7日(水)
朝方は、まあ、少し風が強かった。盛岡は弱い雪、青空の沿岸部には念のための暴風雪警報。吹雪く場所では吹雪いた模様。最高気温マイナス2度5分(盛岡)。
積ろうと 凍ろうと この冬限りと思えば、 どんな吹雪も美しい。 旅人よ、せいぜいはしゃげ。 果てし無く繰り返される冬を受止める者が、 今日を背負って歩くから、 旅人よ、雪玉でも作って春を待つがいい。 |
|
@盛岡市 |
2015年1月6日(火)
無愛想な空だった。ひと筋の光もない白黒の世界。ただ、寒気はゆるみ、雨が降って、冬景色にリセットの予兆。最高気温4度(盛岡)。
どうにも こうにも ならない そんな日ばかりだよね。 ところが、 その過ごし方で、 ここ一番という日の行方が がらり変わるから、 面白いじゃないか。 |
|
@盛岡市 |
2015年1月5日(月)
正月明けの温泉地は、まさに極楽。湯を独り占めして高笑い。久しぶりの青空とお山も羽を伸ばしていた。最高気温5度8分(盛岡)。陽射しの熱を感じた。
心を決める時、 その理由が問われる。 憎悪では、ひどく破壊的だ。 情愛では、なにか刹那的だ。 道理では、どこか他人事だ。 (さて、今日の理由は、何だ) |
|
@岩手山麓 |
2014年1月4日(日)
街の氷は幾分とけてゆるみ、崩れて消えた気がする。だが、空は、頑として青空を拒み続けた。最高気温2度0分(盛岡)。
思い描いた場所に届くのは、 自分と愛馬と大地を ぎゅっと融和できる力があるからだ。 そのような理を信じて 花を咲かせ、心をみたせた日々を、 「良い時代」と言うのだろう。 |
|
@花巻市 |
2015年1月3日(土)
日中は、ほぼ灰色。夕刻、青空と光の兆し。それも雪雲のベールでうやむやにされた。雪は少し沈んだが、氷はますます硬い。最高気温マイナス0度2分(盛岡)。
戦場でひとりぼっちの男には、 「友達」という名のロボットがいた。 敵を倒す度「いいね」と喜ぶ。 砲弾で鼻を飛ばされても「いいね」と呟く。 血染めの丘を朝日が照らすと、 感に堪えない声で「いいね」とうめく。 大空を焼いて火炎の輪が咲くと、 「いいね」と見上げる。 男は、発作的に傍らに銃口を向けた。 弾が尽きるまで引き金をひくと、 そいつは、一弾ごとに 「いいね」と繰り返し やがて黙った。 |
|
@岩手山麓 |
2015年1月2日(金)
雪雲のベールに青空が滲み出ては消えて、希望と落胆を幾重にも重ねた。最高気温1度0分(盛岡)。氷は更に磨き込まれた。
重大な刻限が迫る中、 約束の場所から遠ざかるばかり。 (よくある夢だった) ただ、いつもと様子が違った。 私は、穏かに時計を眺め、 見慣れぬ風景を見送るばかりなのだ。 一切の記憶は夢だった。 そう呟いて夜は明けた。 |
|
@岩手山麓 |
2015年1月1日(木)
雪雲に包囲された一日。吹雪く瞬間もあったが、かすかな青空と薄日もあった。岩手山は白いベールに覆われたままだった。最高気温0度9分(盛岡)。
いつでも走り出せる、 それは、情熱。 いつでも立ち止れる。 それは、勇気。 いつでもやり直せる。 それは、自由。 (そんな心の平原があればいい) |
|
@岩手山麓 |