TOP

イワテバイクライフ 2015年2月前半


2015年2月15日(日)
曇っている時も、かすかな明るさがあり、大きな崩れの予感も無く、やがて、どしどし青空が現われた。最高気温2度4分(盛岡)。



  春の到来をこい願うばかりの日々は危い。

  薫風に舞う花の群を突き抜ける瞬間の為なら、
  この蒼白の季節に
  どんなことでもしよう。

  春へ急ぐ者の罪は、
  確かに、あるような気がする。
@盛岡市

2015年2月14日(土)
前日までの雪をかすかに積み増した街に、濃厚な青空が現われ、陽射しは雪をとかした。最高気温2度2分(盛岡)。



  これまでの手口が
  通用しなくなくなる。

  (誰のせいでもない)

  あんたの仕業が
  おてんとうさまに照らし出されてきただけさ。
@岩手山麓

2015年2月13日(金)
朝から沿岸部に暴雨風雪警報。盛岡でも時折吹雪いたが、夕方以降は、まあ静か。最高気温2度(盛岡)。



  いつもの道には、
  見慣れぬ曲がり角があって、
  私を試して来る。

  いつもとは違う流れに
  私がどう応じるのか、
  正装のギャラリーは
  凝視する。

  攻めるか、逃げるか、
  それとも、さり気なく抜けてみせるか。

  (今日も瞬間の舞台)
@盛岡市

2015年2月12日(木)
ぐらっと冬が傾いた。最低マイナス1度5分・最高5度1分(盛岡)。寒気の腰が砕けかけた。いよいよ春の門を前に一進一退のモードに入って来た。



  自分の心を見失ったら、
  他人の瞳を覗き込むがいい。

  (辛辣な鏡に映るものがある)
@岩手山麓

2015年2月11日(水)
街は、わずかに粉雪を積み増した。冷えて灰色の空は、ちりちりと白い粒を降らせたり、青空をのぞかせたりしながら夜へ向った。最高気温1度7分(盛岡)。



  大空から飛び降りる時、
  パラシュートは命綱だが、
  地に足が着いた瞬間から
  携行の意味を失う。

  旅が続く限り、
  切り離し、置き捨てるべきものは、
  尽きない。
@八幡平市(岩手山麓)

2015年2月10日(火)
テレビで大騒ぎする寒波は、当地の「当り前」の範囲に過ぎず、降雪も7〜8cm。夕刻には青空も現れた。最高気温マイナス2度2分(盛岡)。


  雪はね、
  降ってみせるんだよ。
  見知らぬ大地に永久の記憶を刻もうと、
  決死の降下を試みる。

  雪はね、
  積ってみせるんだよ。
  束の間でも思いを重ねた証にしようと、
  深々一面を埋め尽す。

  雪はね、
  とけてみせるんだよ。
  めぐる季節とやらの見せしめとなって、
  春を濡らす涙となる。
@盛岡市

2015年2月9日(月)
山に近付くほど風に針がまじる。雪は無機質で見渡す一面に風情無し。最高気温1度7分(盛岡)。



  闇夜に染まらぬ雪となれ。
  穢れずとけ行く冬となれ。
  眠らず夢を見る童となれ。
@岩手山麓

2015年2月8日(日)
最低気温が氷点下1度8分という寒気のゆるみ。湿った曇天は、午後になって断続的な小雨をもたらした。最高気温3度5分(盛岡)。



  人を知れば、里がわかる。
  里を介せば、心が透ける。

  (なるほど、絆に嘘は無い)
@岩手山麓

2015年2月7日(土)
朝方は濃厚な青空。岩手山も鮮明だった。が、ほどなく薄雲が広がり、見渡す眺めは薄ぼんやり。最高気温5度(盛岡)。



  操られる人形も、
  いろいろだが、
  未熟な糸を正しながら、
  それと気付かせることなく
  踊り切ってみせる個体も
  稀に在る。
@岩手山麓

2015年2月6日(金)
棘の抜けた蒼い大気は、まろやかな光を含んで霞み、春の遠近感をメロメロにした。最高気温4度1分(盛岡)。



  いつの日か、
  見渡す限りの援軍を得て、
  晴れ晴れ行進するがいい。

  (冬と闘わず、春の凱旋門をくぐるのだ)

@岩手山麓

2015年2月5日(木)
午前中は、そこそこの青空。やがて薄雲が広がり、岩手山を隠し、けれど曇り切れず、曖昧に日は暮れて行った。最高気温2度7分(盛岡)。



  いずれ
  とけゆくものを
  厳しく問い詰めるな。

  それは
  ただ、そのような色であるだけで、
  殊更に主張があるわけではないのだから。

  春を求めるあまり、
  消えてゆくだけの者に
  炎となって追い打ちをかけてはならない。

  (黙って見送るだけで、いい)
@花巻市

2015年2月4日(水)
立春らしく、特段の冷え込みも無く、ぼんやりした曇り空で始まり、やがて断片的な青空や陽射しも現れたが、統一感は皆無だった。最高気温4度(盛岡)。意味不明な低温注意報。



  平穏な日々ばかりだと
  心の中に火の手が上がる。

  良い子を演じていると、
  真夜中の雨戸を鬼が叩く。

  予定調和の物語には、
  不条理の頁が追加される。

  (静寂は油断ならない)

@岩手山麓

2015年2月3日(火)
ずらり晴れマークなんて、数値が産み出した楽観だ。実際には、断片的な青空はあったが、ほぼ冬雲に支配された一日。最高気温2度(盛岡)。



  遠方の友に会いに行く。
  旅を重ねて会いに行く。
  用が無くても会いに行く。

  もしかすると、
  そこへ至るまでの時が好きなのだ。
  おそらく多分、
  再会までの一人きりが特別なのだ。
  もう間違いなく
  季節を確かめたい一心で走るのだ。

  (その果てに友は微笑んでいる)
@岩手県三陸沿岸

2015年2月2日(月)
小雪ちらつく盛岡から太平洋へ向へば峠で吹雪き、新雪を積んだ圧雪路は、まさにメルヘン。海が近付くほどに青空。最高気温1度5分(盛岡)。



  この海原に
  雪は積らない。

  岩を染めるものを
  風が飛ばし、波が飲む。

  立ちすくむ人影を
  鳥が嘲笑い、夜が飲む。

  刻一刻が
  寄せては引いて、
  冬の記憶を削り取る。
@岩手県三陸沿岸

2015年2月1日(日)
朝から小雪。被膜の様な内陸市街地の積雪に較べ、沿岸部ではガッツリ積った。総じて山間部は吹雪きだった。最高気温1度3分(盛岡)。



  季節は
  迎えるのではない。

  行く手に踏み込み、
  季節と成す。

  とりわけ厳冬は、
  そのように生きて行かないと、
  永久に過ぎ去ることはない。
@岩手山麓

このページの先頭に戻る