２０１５年２月２８日（土）
青空もあった。雲の影もあった。常にはっきりしていたのは岩手山だった。夜の接近と共に天空の透明度が上がった。最高気温６度４分（盛岡）

	名誉という山がある。　　山の登り方には五月蠅い連中も　　山の下り方には興味が無い様で、　　特段の規則も無い。邪魔もない。　　そこに気付いた者が　　今日も駆け下りていく。　　雪渓に歓喜の声をあげて、　　まんまと心の頂に辿り着く。
＠岩手山麓

２０１５年２月２７日（金）
湿り雪の乱舞。合間に青空の出現。何より強風の一日。瞬間最大風速１６．４ｍ　最高気温４度２分（いずれも盛岡）。

　　辛くて、辛くて辛くて、
　　嫌で、嫌で嫌で
　　もう、一切を叩き壊したくなったら、
　　隠居部屋へお行き。

　　そこで、リンゴの皮をむいたり、
　　餅を焼いたりして、
　　ほのぼの過ごす。
　　ストーブの前に
　　心を放り出していると、
　　笑顔が戻る。

　　（たいていの事は、大したことでは無い）

＠岩手山麓

２０１５年２月２６日（木）
最低気温は氷点下５度９分（盛岡）。やや冷えながらも温厚な青空で始まった。が、ほどなく雲は広がり厚みを増して、夕暮れに舞う雪。最高気温２度５分（盛岡）。

	単なる慣れを熟練というのか。　　単なる偶然を啓示というのか。　　単なる遭遇も宿命というのか。　　しかし、まあ、　　そう思い込まなければ　　やっていられないこともあるのだろう。
＠岩手山麓

２０１５年２月２５日（水）
決然とした青空。とけゆく冬を敬いながら、春到来を宣言する光。最高気温６度１分（盛岡）。

	黒い手に果実を掠め取られ,たって？　　憤慨する前に、胸に手を当ててみなよ。　　同じ手に過分の誉を貰わなかったか？　　そんな収支バランスの上で　　今日も汗を飛ばし、踊るのかい？
＠岩手山麓

２０１５年２月２４日（火）
平年より６度ほど温かいプラスの気温。日中は春霞。夕刻には大気の透明度が上がった。春へ、また一歩。最高気温７度７分（盛岡）。

　　次々に、テンポよく、
　　事が起きる。
　　あたかも、
　　シナリオがある様に
　　偶然は連なり、舞台は回り、
　　結論に向って役者は走る。

　　誰かが急いでいる。
　　議論など待てない大きな力が、
　　なりふり構わず世界を運んでいく。

　　（今日も、羊の群が突き飛ばされる）

＠岩手山麓

２０１５年２月２３日（月）
時間帯によっては晴れてはいたのだろうが、くすんで、濁って、曖昧な青空や陽射し。半世紀前の日本の工業地帯のような空気。最高気温１０度１分（盛岡）。沿岸は１２～１３度。

	糸を切るのはね　　ありのままを、さんざんに　　眺めた後だよ。　　（急ぐことはない）　　ある日ぷっつり、で　　いいんだから。
＠花巻市

２０１５年２月２２日（日）
曇天としては凡庸で、暗くも明るくもなく、大きく崩れる気配も無く過ぎた。最高気温７度５分（盛岡）。夜を迎えて小雨。春の雫。

	妙に同じことを尋ねられたら、　　おそらく、そこが核心なんだ。　　他人が欲しがる理由にこそ　　今日の意味がひそんでいる。　　（さて、どうなんでしょう）と、　　微笑む風であればいい。
＠岩手山麓

２０１５年２月２１日（土）
厳冬にも色々。思い切り緩んでみせる日がある。素直な陽光に大気は温もり、雪も一段ととけた。三月の大雪の伏線か。最高気温７度５分（盛岡）。

	どこに、どう落ち着くのか、　　それが、わかっていれば、　　あとは、　　紆余曲折を演じるだけだ。
＠岩手山麓

２０１５年２月２０日（金）
空の蒼さは、いまいちだったが、陽射しの微熱は一級の早春だった。山の雪は沈み、街の雪は消えた。最高気温４度７分（盛岡）。

	一発で仕留める者の助走は、短い。　　気を消し、間を切り、　　季節にとけて、一瞬を待つ。
＠田沢湖

２０１５年２月１９日（木）
雪が雨に変わる頃。なるほど「雨水」にふさわしい一日。プラスの最低気温。日中は５度４分（盛岡）まで。曖昧な青空より肌に感じる春の予兆がすべて。

	何故だ、と呻いて　　眼前の事態に呆然とする者は、　　大概、理由を握り締めているものだ。　　それをはっきり声に出せないばかりに、　　いつかまた、　　何故だ、と呻いて　　呆然と立ち尽くすことになる。
＠岩手山麓

２０１５年２月１８日（水）
最低気温は御印程度の氷点下。曇ってはいても楽観ムード。時折のしとしと雨も、街の雪をとかすばかり。最高気温３度６分（盛岡）。

	何処に佇むか　　今朝の草木に聞くがいい。　　何を奏でるか、　　今日の川音に添うがいい。　　何時旅立つか、　　明後日の雲に乗るがいい。
＠盛岡市

２０１５年２月１７日（火）
午前８時６分、岩手広範囲で震度４．津波注意報。最大２０ｃｍを観測。被害無し。午後１時４６分、普代村で震度５弱の地震。津波無し。

	嬉しい一日は、　　克明に書き記す。　　いずれ忘却の彼方だから。　　悲しい一日は、　　胸の奥にしまう。　　生涯をともにするのだから。
＠岩手山麓

２０１５年２月１６日（月）
季節の移ろいの手順を超える一日がある。４月を思わせる青空や陽射し。寒暖を分ける被膜に弛み綻び。最高気温７度３分（盛岡）。

	何故だろう。　　いずれ立去る者に限って、　　やさしい眼差しで、　　明るい未来を語り、　　だから頑張れと声を張る。　　そう言い残し、　　雪解けも見ずに消えていく。
＠岩手山麓