２０１５年４月１３日（月）
雨雲北上中。岩手は予定通りの曇天ながら、まれに薄日も射した。それにしても冷えた。北三陸の風には２月が匂った。最高気温１３度１分（盛岡）。

	考えなんて　　まとめるものじゃない。　　歩いていて　　自然にととのうものさ。　　人の暮しが、　　日々の空と折り合いをつけるようにね。
＠三陸沿岸

２０１５年４月１２日（日）
確かに一日高気圧圏内。ただ、期待が大き過ぎたせいか、どこか薄ぼんやりな青空。最高気温１５度７分（盛岡市）。

	思い込みが強い、ということは、　　よくあることだが、　　心に描く結末以外は受け入れないのは　　いささか異様だ。　　捏造の筆や歪曲の色で　　世界を塗り潰す狂信の影が、　　　ほら、今日も群れを成す。
＠北東北

２０１５年４月１１日（土）
前夜から、しとしと小雨。午後になって、かすかに雲が途切れ、夕刻には晴れ間が現れた。最高気温１２度１分（盛岡）。

	そう、そう、そう。　　しゃしゃり出ることはない。　　背を押す手があるのなら。　　そう、そう、そう。　　声を張上げることはない。　　心を運ぶ風があるのなら。　　そう、そう、そう。　　大層な主張などいらない。　　ひとつの道があるのなら。
＠盛岡市

２０１５年４月１０日（金）
朝方は思わせぶりな薄日もさした。昨日咲いた桜の勇み足を、冷えた午後の曇天がたしなめた。最高気温９度９分（盛岡）。夜には小雨。

	何かを終らせ、　　何かを始める。　　何処かに届き、　　何処かへ移る。　　いくら繰り返しても、　　思い描いた光は来ない。　　狩猟の民は、　　今日も、　　　山の彼方のことで　　頭が一杯だ。
＠岩手山麓

２０１５年４月９日（木）
澄んだ青空だった。大気は冷えていたが、陽光は太陽の微熱を含んでいた。最高気温１１度６分（盛岡）。

	この日々の記憶を　　今、整理する必要は無い。　　いつか　　異国の白いベッドで、　　一枚一枚、見つめては、　　にっこり破り捨て、　　ドラム缶で燃やして灰にして、　　風に乗せて送り返すだけだから。
＠八幡平市

２０１５年４月８日（水）
盛岡の最低気温が氷点下０度６分。寒の戻りの中で石割桜の開花。風は冷たくても、光だけは春そのもだった。最高気温７度６分。

	肉迫し続けた、その果てに　　ふと離れて振り返り、　　微笑んで眺める。　　（そんな時代も必要かな）
＠岩手山麓

２０１５年４月７日（火）
前夜の雨に濡れて朝を迎えた。やがて、雲は薄くなり、かすかに陽がさし、夕刻には立派な晴天。最高気温１０度３分（盛岡）。いささか冷えた。

	忘れていた色彩が、　　ひとつ、また、ひとつと、　　大地に戻って来る。　　蘇える記憶が嬉しくて、　　夢中でその背中を追ううちに、　　薫風に舞い狂う花に見惚れて、　　今年もまた、春を見失う。
＠八幡平市

２０１５年４月６日（月）
思ったより雨雲は彼方で、思ったより青空は稀だった。水滴さえ感じない春の曇天という程度。最高気温１４度８分（盛岡）。

	登頂したら、山を下りる。　　その定めが飲み込めない群は、　　頂に棲み付き、豪壮な旗を広げ、　　下界を睥睨するばかりだ。　　そんなこんなで　　里から山を愛でる姿は消え、　　先を争う影もなくなった。　　（えらく住みやすくなった）
＠三陸沿岸

２０１５年４月５日（日）
午前中から、降る所はあり、降らぬ所もあり、所により霧がかかり、良いことは無かった。最高気温９度９分（盛岡）。

	道を大きく決めること。　　それはね、　　促がされるのではなく、　　遂に辿り着くということだよ。　　迫り来る分かれ道に　　平然と突き進み、　　一切が過ぎ去る寸前　　身を翻すこともある。　　（それもまた、ひとつの必然）
＠盛岡市

２０１５年４月４日（土）
思いのほかに透明な青空だった。拾いものの春だった。晴れたまま夜を迎え、皆既月食は目撃された。最高気温１７度９分（盛岡）。

	ぷっつり切れても、　　ばっさり斬っても、　　きっぱり捨てても、　　ほら、何ひとつ変わらない春がある。　　そんな習慣めいた何かの為に、　　莫大な心を費やした日々がある。
＠三陸沿岸

２０１５年４月３日（金）
午前中の小雨は、午後になって強まり、雫石町では観測史上の記録更新。天気の回復は急速で、夜には星も現れた。最高気温１３度８分（盛岡）。

　　明日の行方に怯える者は、
　　他人の心に支配される。

　　どんな噂話にも飛び付き、
　　古新聞にさえすがりつく。

　　それでも足りなければ、
　　薄暗い市を開き
　　都合の良い風聞を買いあさる。

　　とうとう、
　　腐った酒まであおらないと、
　　心配で心配で
　　一睡も出来ないのだろう。

＠三陸沿岸

２０１５年４月２日（木）
濃い霧に包まれて朝を迎えた。日中は晴れてはみたが、春霞というより不透明なだけの印象。最高気温１４度（盛岡）。

	趣味の欄には、　　　迷わず「散歩」と「写生」。　　無用な誤解の種など誰が蒔く？　　（見切った挙句の、なめた話だ）
＠盛岡市

２０１５年４月１日（水）
まずは温かい朝だった。そぼ降る雨も尖ってはいなかった。薄暗い一日にしては、最高気温１３度２分（盛岡）なら、良しとしよう。

	「すっかり元気になられましたね」　　と声をかけられたら、　　「御蔭様で、ずっと元気なんです」　　と舌など出してみる。　　元気なんてものは、　　日々刻々　　出したり控えたり隠したり、だから。
＠岩手山麓