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イワテバイクライフ 2015年6月前半


2015年6月15日(月)
「曇り時々晴れ」の予報に織り込まれていた不確定要素は払拭された。まずは波瀾もなく帰還。それでも県北の一部で通り雨の跡を見た。最高気温26度8分(盛岡)。



  闇夜の礫は、
  黙殺できない者に向けられる。

  同時に、それは、
  投げつける者の
  腹わたの中をさらけ出している。

  (よくよく照らして見ておこう)
@三陸沿岸

2015年6月14日(日)
朝から「使えない一日」という匂い。稀に薄日があっても、随所に薄暗い雲。不意の通り雨。夕刻の大気は不安定の度を増し、雷鳴が轟いた。最高気温28度2分(盛岡)。



  道の行方が
  霧の中であっても
  いいのだ。

  今日の、この胸の中に
  巻き起こる物語が、
  霧を払うのだから。
@三陸沿岸

2015年6月13日(土)
朝からすっきりしない。雲が多くて展望が開けないまま時は過ぎた。夕刻を迎えて、急速に雲は払われ、山のシルエットが斜光の中に浮き立った。最高気温24度1分(盛岡)。



  あまりに紳士であろうとした結果、
  不穏な香りが立ちこめる。

  「躾けねばなるまい」
  遂に筋張った手が鞭をしごく。

  剣先を上から乗せ、
  語調は毒々しく
  有無を言わせぬ風となる。
@岩手山麓

2015年6月12日(金)
朝方は期待の欠片も許さない曇り空。諦めたころ、うっすら陽射し。それでも大勢は下り坂で、夜を迎えて小雨。雷も轟いた。最高気温25度3分(盛岡)。



  人も物も風景も
  長い間、思い浮かべることがないと、
  ある日、この地上から
  消えていることがある。
  (実に忽然と)


  ※本文と画像は一切関係ありません。
@八幡平市

2015年6月11日(木)
力強い晴天で始まったが、思いのほかに流れ込む雲は多く、ボリュームもあり、やがて、所により曇天。最高気温28度8分(盛岡)。



  ふと、刺身包丁が止って、呟いた。
  「胸のバッジを外した後も
  心のバッジは外せぬ様でございますな」

  燗酒をふくんで誰かが呟いた。
  「で、胸を張って末路を急ぐわけですな」

  カウンターの常連が、声を殺して笑った。
@八幡平

2015年6月10日(水)
朝から雲があった。広がるばかりの青空にあって、存在を示すボリュームと奔放な変化があった。すべては爽快な六月の風だった。最高気温24度4分(盛岡)。



  今日の眺めに向き合うレンズは、
  誰でも数本は持っている。

  突き放して大展望。
  迷いながら中展望。
  踏み込んで肖像画。

  なのに、他人を見るレンズは、
  きまって一本だけだ。
@北上高地

2015年6月9日(火)
さては梅雨入りか。小雨に濡れて、不快指数は高く、動けばそれなりの汗。最高気温19度(盛岡)なのに。



  操る指を
  手懐けて
  心を通す。

  いや、まいった。
  はて、こまった。
  そんな風情で
  今日も思い通り。
@奥入瀬渓流(青森県)

2015年6月8日(月)
透明度は落ちたが上々の青空の内陸から沿岸へ抜け出れば、薄茶色の霧に包まれ、涼しさは冷気へ移ろう。「ヤマセ」の洗礼。最高気温25度5分(盛岡)。



  「ねたみ」と、
  「やきもち」は、
  どう違うのかな?

  結局、喜ぶ他人が
  我慢ならないのかな。

  そんな病の隣で、
  心底の笑顔は、
  ま、タブーなんだろうね。

  (青空さえ隠しておかなくちゃ)
@三陸沿岸

2015年6月7日(日)
その清明な大気は、朝から尋常ではなかった。光は眩暈を誘う程の強さだったが、風はどこまでも乾いて軽く涼やかだった。最高気温25度9分(盛岡)。



  そこへ至るのは容易い。

  そこに心を重ねられるか、どうか。
  そこに確かに今日が在ったか、どうか。

  それを決めるのは、生涯に一度の風。
@岩手県

2015年6月6日(土)
朝から期待しないで済む程度の曇り空だった。それでも夕刻には断片的ながら青空や陽射しが現れたのだから、上出来。最高気温度分(盛岡)



  道の行方を
  殊更に探る必要は無い。

  他人の顏に
  答えが書いてあるから。

  知らぬ顔で
  読み解いていれば良い。

  (風が吹くその日まで)
@岩手山麓

2015年6月5日(金)
お気楽な予報に赤ペンを入れるような現実の空。薄雲は時折青空をのぞかせ、思わせぶりな光を許し、結局、閉ざされた。最高気温21度3分(盛岡)。かすかな薄ら寒さ。



  縁を切るなら、
  ゆっくり時を流す。

  昨日の笑顔が、今日は薄れて、
  去年の約束が、今年は曖昧で、
  昔日の冗談が、今や通じない。

  それは、もしや、そういうことか、と
  気付いてもらえた時には
  とうに隔絶している。

  (そのように運ぶ)
@八幡平市

2015年6月4日(木)
基本は曇天だったが、強い風は突然の青空をのぞかせ、眩い光をもたらした。だからこそ美しい瞬間を追えば、灰色のベールに閉ざされ、小雨に濡れた。最高気温17度4分(盛岡)。



  けして老いず、
  ついに死なず、
  この地上に在り続ければ、
  愛する者との別れを
  果てし無く繰り返すことになるのかな?
@岩手山麓

2015年6月3日(水)
薄雲は、やがて陽射しを遮り、山の眺めを隠し、夕刻の街を小雨が駆け抜けた。最高気温24度6分(盛岡)。湿った大気に梅雨の気配。



  誰もが予感している。
  でも誰も口にしない。
  だから世界は粛々と
  結論へ転がっていく。

  (飼い馴らされた道)

@岩手山麓

2015年6月2日(火)
まずは青空で始まったが、ほどなく紛れ込んだ薄雲が、思いのほかに勢力を拡大し、すっきりしない空になった。最高気温29度(盛岡)。



  そりゃあ、
  出来、不出来は、
  あるだろう。
  生業なら、なおさらだろう。

  で、上出来なんぞ、
  いつまで愛でていても
  仕様が無いけれど、
  とびきりの失敗作は、
  またとない宝だ。

  つくり出した手の正体が
  詰まった逸品だから。

  (失敗を肴に飲んでいるか?)
@岩手山麓

2015年6月1日(月)
照り返しの中では汗に濡れ、緑陰の走行風に汗は乾き、まずまず爽快な水無月のはじまり。最高気温26度5分(盛岡)。



  静寂を知った者は、
  喧騒の中で、
  舵をそっと握り、
  掌から思いを伝え、船を導く。

  そのように道に寄り添い、
  光を纏い、影を脱ぎ捨て、
  辿り着く場所を悟っていく。
@秋田県

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