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イワテバイクライフ 2015年9月後半


2015年9月30日(水)
岩手山の初冠雪。平年より13日早く、去年より7日早い冬の先ぶれ。日中は、そこそこの陽射しで冬の気配をとかした。最高気温19度4分(盛岡)。



  日記はブンガクでは無い、と
  頭上に居座る雲が言い放つ。

  日々の風を写し撮るだけの者には、
  まあ、無縁な話だが、
  天空の高みをめざす若人には
  さぞ窮屈だろう。

  (淀むものが流れ去るまでのこと)
@青森県

2015年9月29日(火)
「終日さわやかな秋晴れ」という朝の予報は、壮大な雲の跋扈により、昼にはガラリ修正が加えられた。夕刻の天気雨。それでも風は乾いていた。最高気温19度9分(盛岡)。



  何かひとつ
  壊れているくらいでいい。

  段取りの頭上を越える直感とか、
  瞬時に間合いを詰める呼吸とか、
  別人から別人へ移ろうバネとか、
  ただ空の行方を追う偏執だとか、
  およそ説明のつかない心の影が、
  正気の舞台に精彩を与えるのだ。
@岩手山麓

2015年9月28日(月)
午前中は夏空全開だった。午後には局所的に降雨のベール。市街地も霧を吹くような雨でうっすら湿った。それでも名月登場。最高気温24度(盛岡)。



  友情の押付けは
  無自覚なものだ。

  良かれと信じて、
  朝夕の窓を叩く。

  いくら破り捨てられても、
  長い手紙を送り付ける。

  息絶えるまで
  呼鈴を鳴らす。
@岩手県

2015年9月27日(日)
青空の旅立ちだったが、北上するほどに積乱雲がわき立った。帰路は局所的なスコール。見るはずも無かった水飛沫。最高気温25度9分(盛岡)。



  そういえば、
  秋場所も千秋楽だった。

  どうでもよい大一番が
  北の果ての漁師町にまで追かけて来る。

  にしまった飯屋の特等席で、
  誰が勝ったとか負けたとか
  定食の汁をすすり、聞き流す。

  誰かが、
  「あんたの秋は、ここからだ」と囁いた。
@青森県

2015年9月26日(土)
朝から霧雨、あるいは気弱な雨。地上を濡らし切れないうちに、夕暮れの街は、さっさと乾き出した。最高気温20度1分(盛岡)。



  とうの昔に斬り捨てた者を、
  商売の為なら今も仲間と呼ぶのかい?

  (その厚顔を閑古鳥が見物にやって来る)
@盛岡市

2015年9月25日(金)
秋晴れ三昧も、さすがに一休みの曇天。ただ、雨雲の到来は、ゆっくり、うっすらで、すっかり夜になってから街を湿らせる程度。最高気温19度(盛岡)。



  心に決めたXデー(その日)を
  凝視するうちに、
  日々の温もりを知らず、
  大空のドラマを楽しまず
  風が運ぶ旋律を聞き逃す。

  たったひとつの瞬間のために、
  莫大なものを掴み損ね、
  やがて「その日」とやらまで見失う。
@岩手山麓

2015年9月24日(木)
朝から広がる一方の薄雲。それでも、断片的な青空や陽射しは夕刻まで持続した。最高気温23度6分(盛岡)。



  転がり込む希代の名誉や
  巻き起こる信用失墜の嵐。

  (糸引く手は信賞必罰)
@秋田県

2015年9月23日(水)
午前中は白く霞んだ空も、午後にはスッキリ。秋晴れというより、どこか夏空の空気。風は乾いて思い切り動けた。最高気温26度7分(盛岡)。



  いつもの道を外れてみれば、
  のんびりした迷路だけれど、
  いずれ、見慣れた道に出る。

  そんな一日の終りの家路に、
  異国が香る風が吹く。
@八戸市

2015年9月22日(火)
空の蒼さの濃度。光線の透明度。まずは上出来の秋晴れ。冷えた大気が陽射しの熱を含み、走行風に撹拌され、絶妙だった。最高気温25度9分(盛岡)。



  いつもより少し遠くへ行くのなら)

  目標は定めない。
  多くを負わない。
  昨日を乗せない。

  刻々の喜びを収穫するだけ。
@秋田県  

2015年9月21日(月)
まあ、晴れていた。それ以上に多彩な雲の展開。秋のはかなさと夏の沸騰が混在。少し動き回ると汗が滲んだ。最高気温24度8分(盛岡)



  数年前の印象を
  今日の眺めに重ねたところで、
  道も地形も寸分違わない。

  ただ、今日限りの空と海があるだけだ。
  ただ、此処に気紛れな私が佇むだけだ。
@青森県

2015年9月20日(日)
少し濡れて朝を迎えた。青空と雲のせめぎ合いは思いのほかに長引いたが、夕刻には、すっきり高気圧の支配下におさまった。最高気温25度1分(盛岡)。



  出来不出来は問わず、
  多少の傷は気にせず、
  意味の有無に関らず、
  今日一日を綴り歩む。

  呆れるほどの時の果てに
  笑って焼き捨てられるなら、
  もうそれで充分ではないか。
@岩手山麓

2015年9月19日(土)
寄せる高気圧と撤退する秋雨前線。その折り合いの風景は見ごたえがあった。夕刻には「穏やかな連休」が確定した。最高気温25度6分(盛岡)。



  定めという鎖を引きちぎり、
  這い上がる為に
  何かに魂を差し出す。

  (それも、ひとつの牢獄)
@岩手山麓

2015年9月18日(金)
昨日のチリ地震を受けて、今日未明、日本の太平洋側の広範囲に津波注意報。久慈港で80cmの津波を観測。おまけに強すぎる雨も降った。夕刻には、すべて終息。



  昨日の嵐が、
  今日の嵐に蹴散らされる。

  遠ざかる旅路の記憶を横目に
  ほら、もう明日の嵐だ。


  ※本文と画像は一切関係ありません。
@三陸沿岸

2015年9月17日(木)
よくぞ続いた秋晴れも、まずは小休止。下り坂へ向う空は、夕刻前まで、そこそこ明るかった。最高気温24度7分(盛岡)。



  ひと度、道が出来れば、
  すぐに歩きたがる者が現れる。

  その道から旅立ち
  二度と帰って来ない者がいても、
  道だけは地図の中で生き延びる。
@盛岡市

2015年9月16日(水)
続く時には続く。秋晴れに大喜びしていると、すぐ雨雲だ。あと一日、青空が楽しめそうだ。夕暮れの走行風の心地良さ。最高気温24度6分(水)



  気障(きざ)も
  度が過ぎないこと。

  浮世の感受性を見切って
  塩梅は用心深く、
  ごく、あっさり。
@岩手県

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