TOP

イワテバイクライフ 2015年10月前半


2015年10月15日(木)
久しぶりだと思う。朝から憂いの無い空は、新鮮だ。が、今朝も冷えた。日中は陽射しの勢いで17度2分(盛岡)まで上がったが、日が暮れた後は、ぐっと冷えた。



  もう、いいんだよ。

  目の前に、
  この秋一番の山が聳えていても、
  写し撮らなくていいんだよ。
  一生のお守りにしようなんて、
  思い詰めなくて、いいんだよ。

  ずっと、ここで生きるんだから、
  一緒に在り続けるんだから、
  今日の秋風を広々見渡すだけで、
  いいんだよ。
@岩手山麓

2015年10月14日(水)
冷えた。嶮しい冬雲の狭間に雪の岩手山。最低気温が盛岡市玉山区藪川で氷点下1度3分など、この秋一番の冷え込み。日中は予想外の降雨も。暗い雲の跋扈。



  己の信じる方程式に
  微塵の狂いも無いことを証明する為に、
  解け切れなかったものを
  隠蔽したり、
  改竄したり、
  抹殺したり、
  してはいけない。
@遠野市

2015年10月13日(火)
てんで期待はしなかったが、北へ向う程に道は乾いていた。盛岡への帰路は小雨断続。瞬間ではあるが青空の欠片。最高気温15度(盛岡)。



  崩れ去るものは、
  その終末期に大きく動く。

  あたかも
  支柱をへし折るための弾みとして、
  大改革と称する的外れを敢行する。

  莫大な無駄を重ね、
  引き返せないところまで走らないと、
  倒れることさえ許されないのか。
@岩手山麓

2015年10月12日(月)
朝から小雨に濡れて、遠出は断念。昼を過ぎて、思わせぶりな青空や陽射し。道も乾き出し、ライダーも誘われたが、走行風に水滴がまじった。最高気温15度9分(盛岡)。



  暗い空のことは、
  けして忘れない。

  かき消された青空を捜し回る切なさ。
  二度と陽光の届かない道の悲しさ。
  風さえ押し黙らせる滝の雨の無差別。

  そんな空をくぐり抜け、
  遥か時を隔てた旅に、
  たじろぐほどの秋晴。

  あの日の暗澹が、
   今、澄んだ風となって吹き渡る。
@岩手山麓

2015年10月11日(日)
小雨の内陸を抜け出し、北三陸へ至れば、乾いた曇天、かすかな陽射し。急ぐ家路は本降りの中。最高気温16度7分(盛岡)。



  罠と獣。

  三度通じると、
  次は大胆になる。

  猟師は
  歳月をかけて、
  それを待っている。
@盛岡市

2015年10月10日(土)
天気は下り坂。その崖っぷちの小春日和。太陽の吐息の何という柔らかさ。が、夕刻にはカーテンを閉めるような雲。最高気温22度(盛岡)。



  (味覚の秋だ)

  収穫は歓喜で、
  調理は鼻歌で、
  食事は破顔で、

  まして芋を食らうなら。
  まして、童と一緒なら。
@北東北

2015年10月9日(金)
午前中の雲は、殊更に暗く、荒々しく、時には水滴を撒き散らした。が、それ以上の崩れは無く、午後には時折の青空や陽射しをもたらした。最高気温18度(盛岡)。



  真っ直ぐ声を出しなよ。
  素直に歌ってごらんよ。

  心の熱が、わき上がり、
  剣呑な仮面をとかすよ。

  本当は優しいお前が、
  押し黙り、ふるえている。

  空の行方を知りたければ、
  さあ、歌ってごらんよ。
@盛岡市

2015年10月8日(木)
超大型の台風第23号は、暴風と共に太平洋沖を北へ駆け抜けた。岩手の空は、雲の激流の間に々に、はかない晴れ間もあった。最高気温17度3分(盛岡)。



  ある日、忽然と人が消える。

  誰も振り向かず、
  理由すら求めない。

  ある日、見知らぬ顔が現れ、
  挨拶も無いまま空席を埋める。

  灰となった捜索願が、風に散る。

  (揺るぎ無き仕組の風景)
@盛岡市

2015年10月7日(水)
晴れてはいたが冷気がしみこむ朝だった。昼前後は雲が広がり陽が陰ったが、夕刻には青空が戻った。最高気温17度7分(盛岡)。



  最果ての地で、
  懐の携帯電話がふるえた。

  「すぐお戻りになれますか?
  とてつもない事態です」

  何時間で帰り着けるか、
  想像もできないまま、
  立ち尽くす夕暮れ。

  (そんな夢を見た)
@岩手県

2015年10月6日(火)
最低気温4度8分(盛岡)。この秋一番の冷え込み。終日、広く澄み切った秋晴れ。紅葉や光と影の濃度は、例年を上回っている。最高気温20度3分(盛岡)。



  君のそれはね、少し違うんだ。

  前向き、ではなくて、前のめり。
  やる気、ではなくて、たかぶり。
  真面目と言うより、台本通り。

  (それでも生きていけるけれど)
@秋田県

2015年10月5日(月)
もう少し青空があると思ったのだが、結果は、内陸が30%、沿岸が60%程度だろうか。暗い雲の下でも雨が降らなかったから、まあ、よし。最高気温17度(盛岡)。



  主語の無い世界で試される。

  目の前に記されたことを、
  他人のことと思うか、
  自分のことだと直感するか。

  (見られている)
@三陸沿岸

2015年10月4日(日)
朝方は穏かに晴れていた。その後、雲が目立ち始め、夕刻には我が物顔の雲の群。最高気温18度3分(盛岡市)。



  愛馬のことを
  頭数で訊ねられたら、
   笑ってやり過ごす。

  つまるところ
  銭金の話になるだけだから。

  その堪え難い口臭を離れ、
  今日も清浄な大気の丘へ急ぐ。
@岩手県

2015年10月3日(土)
朝方は晴れていた。が、瞬く間に不穏な雲、突然の雨。竜巻注意情報が出たり解除されたり、大気をめぐって気忙しい一日。それでも夕刻には晴れ間もあった。最高気温22度8分(盛岡)。



  地を這いもせず、汗を語る。
  何も失うことなく、涙を語る。
  死に向き合わず、命を語る。
  人の世も知らず、道を語る。

  そうさ、語るのは自由さ。
  そんな言葉に立ち止まる風は無いだけだ。
@岩手山麓

2015年10月2日(金)
発達した低気圧は東北地方を北東へ駆け上がった。未明にかけての強い雨や風はあったが、昼過ぎには青空が戻った。最高気温19度7分(盛岡)。



  理由は決して口にできない別れもある。

  しつこく、そこを突(つつ)かれたら、
  歳月のせいにしておく。

  もうさすがに歳だから、とか、
  それは昔の話だから、とか、
  時代が変わったから、とか、
  そんな感じでまとめ上げれば、
  追い打ちの気配は途絶えるものだ。


  (通念は重宝する)
@岩手県

2015年10月1日(木)
方角によっては白い皮膜に覆われていたが、秋空の蒼さをひきたてる雲だった。穏やかな下り坂にさしかかった。そんな一日。最高気温22度7分(盛岡)



  あんなことをしていたら、
  こんなことはしていない。

  こんな朝も、こんな風も、こんな私も、
  ここには立ち現れなかった。

  送り流した「あんなこと」が、
  つまり今日のこの道になったんだね。
@岩手山麓

このページの先頭に戻る