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イワテバイクライフ 2015年11月前半


2015年11月15日(日)
朝方は、びたびたと陰気な雨粒。やがて雨脚は弱まり、夕刻には雲間に光がさし、夜を迎えて途切れ途切れの星空。最高気温17度1分(盛岡)。



  世界を切り分けるほどの
  鋭利な光の到来を予感する者は、
  惨憺たる大地の片隅に、
  歓喜を抱きしめ、
  夜明けを待つのだろう。
@岩手山麓

2015年11月14日(土)
朝方は空気も柔らかく静かな曇天だった。昼前に雨は降り出し、終日傘が行き交ったが、まあ弱い雨の断続だった。最高気温11度2分(盛岡)。



  絶えず道を変える。
  次の瞬間、気を変え、
  行く先さえ変えてしまう。

  慣れ切った風と
  すきを窺う罠が
  カーブの向うに待ち伏せしているから。
@盛岡市

2015年11月13日(金)
二日続けて氷点下の朝(盛岡)。それが何だとばかりに空は雲も稀な「ドピーカン」。まだまだ太陽の熱は健在。最高気温13度2分(盛岡)。



  キャラメルのおまけを集め始めると、
  掌に、ひとつの王国を持つような気になった。

  その世界に暮らせば、すべては楽になり、
  その世界に遊べば、なにか幸せになれる。
  そんな気がした。

  人は大人になると、
  さらに凝ったおまけの国を立ち上げ、
  救われようとする。

  (銭を握って、今日もキャラメルを買いに走る)
@岩手山遠望

2015年11月12日(木)
青空の深さ、雲の軽やかさ、光の切れ味。存分の小春日和。大気は乾き、大地はほくほく、心を遊ばせた。最高気温12度2分(盛岡)。



  あれもこれも
  いっぺんにほじくり返したり
  見渡す限りをとり尽くしたり、
  一足飛びに結論へ向ったり、
  そんな了見じゃ、つまらない。

  ひとつひとつなら、
  満足も、そこそこ。
  落胆も、そこそこ。
  貧乏くじさえ、引くまでは、お楽しみ。

  (ゆっくり味わうんだよ)
@岩手県北部

2015年11月11日(水)
朝から明確な青空なんて久しぶりだ。日中の陽光はそこそこ温もった。が、夕刻、山並みにかかる雲は、見るからに冷えていた。最高気温13度2分(盛岡)。



  つまり、あれかい?

  いつも舞台の真ん中が欲しけりゃ、
  小屋のオーナーになっちまえば
  いいってことかい?

  客席はさておき、
  それで千秋楽までかい?

  (田舎芝居は、そんなものかい?)
@岩手山麓

2015年11月10日(火)
未明まで雨を降らせた雲は、思いのほかに居座り、明るい青空が広がったのは昼頃だった。雨に洗われた初冬の色彩は、さすがだった。最高気温16度7分(盛岡)。



  大鉈をふるう、だって?
  じゃあ、すぐ振り下ろさなくちゃ。

  ぼんやりしていると、
  鉈を持つ手も萎えちまうから、
  迷わず、一気に、いかなくちゃ。

  (ドスンと、百年先に食い込むぐらいに、ね)
@岩手山麓

2015年11月9日(月)
雨の朝だったが、空気はゆるみ、のほほんと一日は始まった。日中は小雨断続。傘一本で行動も楽々。少し元気に歩けば汗が滲んだ。最高気温14度7分(盛岡)。



  すべて勝つ、だって?

  (ま、凄い話だが)

  真顔で言い張っているから、
  無理が生じ亀裂が走るのさ。

  負けることも折り込めない旅路は、
  辻褄合わせばかりだ。
@盛岡市

2015年11月8日(日)
朝から雨に濡れていた。やがて小止みにはなったが、冷えた街が乾くことはなく、日中でも青白く薄暗い一日だった。最高気温9度9分(盛岡)。



  散歩にも時刻表があるのか?

  誰が何時(いつ)、何処を、
  どんなテンポで歩くのか、
  管理されながら、
   偶然の如く道に待ちうけ、

  すれ違いざま、人の心を覗き込んで来る。

  それを外し、ずらし、かわし、崩し、
  今朝も鼻歌。
@盛岡市

2015年11月7日(土)
午前中は、青空が広がり、温厚な陽が射し、天気の下り坂を疑わせる空気だった。が、夕刻へ向う程に雲は厚みを増し、雨の到来が匂った。最高気温12度6分(盛岡)。



  おもしろいものだね。

  人は、他人のはじめとおわりに拘るけれど、
  その途中のことには、てんで無頓着だ。

  その習性を逆手にとって、
  一年を三日で暮らす者が
  出てくるかもしれない。
@岩手山麓

2015年11月6日(金)
予報は、もっと絶望的な「曇天」だったと思う。が、ほどよく青空は現れるし、心地よい陽射しはあるし、結果的に上出来の一日。最高気温17度9分(盛岡)。



  絶対に手を出すボール。
  そういう一手を見送られるのが、
  一番嫌なんだろうな。

  (次の一球が、うんと難しくなる)
@盛岡市

2015年11月5日(木)
朝方の霧も、みるみる払われ、申し分のない青空が現われた。陽射しには太陽の微熱。最高気温19度5分(盛岡)。



  いちいち頷いてくれないと、
  声を上げられないのかい?

  いちいち拍手をされないと、
  歌ひとつ歌えないのかい?

  いちいち万歳をされないと、
  真ん中に立てないのかい?

  (その調子で相変わらずかい?)
@岩手山麓

2015年11月4日(水)
早朝は冷えた。車のフロントガラスに限りなく氷に近い皮膜。日中は、これでもかという秋晴れ。紅葉も最終ステージ。最高気温17度9分(盛岡)。



  さて、本当のところは、どうだったのか?

  それを打ち明けるために
  時が経つのを
  人は眺めているのかもしれない。

  追っ手の影が途絶え、
  記憶する者さえ稀で、
  一切が昔話になった頃合いを見て、
  おもむろに切り出そうと、
  そう思っているのかもしれない。
@北東北

2015年11月3日(火)
朝方は前夜の雨に濡れたままだった。それでも北へ走るほど、小ざっぱりした青空と陽射しに移ろった。最高気温16度2分(盛岡)。



  共感の瞳には愛を。
  監視の目には棘を。

  それが
  わたしの
  お・も・て・な・し。
@岩木山麓(青森県)

2015年11月2日(月)
まったく陰気な一日だった。薄ら寒い曇天は、やがて小雨をもたらし、街には冬が匂った。最高気温8度5分(盛岡)。



  風は、よく見ている。

  耳を澄ませ、
  私心を離れる者に風は吹き、
  耳を貸さず、
  名誉を貪る者から風は去る。

  (ほら、またひとつ、風が鳴いた)
@岩手山麓

2015年11月1日(日)
岩手の厳冬への第一関門、11月は穏やかに始まった。薄化粧の青空や陽射しで、莫大な油断を誘った。が、さすがに朝晩の冷気には棘があった。



  始まりは、終りへの秒読み。
  そう口ずさむ間に時は刻まれている。
  導火線は、想像を遥かに越えて短い。

  (準備という準備は即刻で、ちょうど良い)
@青森県

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