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イワテバイクライフ 2015年12月後半


2015年12月31日(木)
朝の冷え込み(氷点下7度4分)は当地らしかったが、まずは晴れて穏やかな大晦日となった。何より、想像以上に雪がとけ、乾いた道が山の麓へ誘った。最高気温3度2分(盛岡)。



  明日、晴れ渡ることがわかっていれば、
  今日の吹雪など笑って浴びていられる。

  明日、正気の風が吹くとわかっていれば、
  今日の狂気など鼻歌まじりで受け流せる

  この日々の行方がわかっていれば、
  今日と仲良くできる。
  昨日と和解できる。
@岩手山麓

2015年12月30日(水)
すっかり晴れることはなく、曇ることもなく、降雪の脅威から逃れて、痩せ細った陽射しに頬ずりした。最高気温1度9分(盛岡)。



  蒼白い亡霊たちが、
  昨日に向って矢を放つ。

  赤銅色の天使達は、
  明日に向って光を放つ。

  果てし無く隔絶されていくものの狭間に、
  今日の風は吹き渡る。
@岩手山麓

2015年12月29日(火)
青空は終日持続し、陽射しが途切れることも無かった。が、山には冬雲が絡んで、もうひとつ眺めに欠ける一日だった。最高気温1度3分(盛岡)。



  群の振舞いは、
  じっと見ておく。

  何千、何万という個に触れなくても、
  それで、おおよそのことは見当がつく。
@盛岡市

2015年12月28日(月)
最低気温が氷点下5度8分(盛岡)。で、朝から弱腰の予報を蹴り飛ばす青空。が、陽光の煌めきに熱は無く、昨日の雪は固く凍ったまま。最高気温1度(盛岡)。



  単語ひとつで
  気色は変わる。

  人の心の在処がわかる。
@岩手山麓

2015年12月27日(日)
凍結の銀世界を見下ろして青空。山並みを覆う不透明な冬雲。この冬一番の冷え込みで街は「氷の世界」。最高気温0度2分、積雪10cm(盛岡)。



  すべては昨日のまま、
  ほぼ出家の状態というのは、ある。

  抜け殻は残し、
  足跡は消して。
@岩手山麓

2015年12月26日(土)
朝から意外な青空だった。温和な陽射しに誘われ飛び出せば、みるみる雪雲が押し寄せ、夕刻前には吹雪き。盛岡で積雪13cm。湿り雪でグチャグチャ。



  あたなは、
  嫌われているのではない。
  単に好みの秤に乗せられているのではない。

  あなたという仕組そのものに
  疑問符が突き付けられているのではありませんか?
@岩手山麓

2015年12月25日(金)
やや曖昧ながら青空で一日は始まった。日中の陽射しは、瞬間「春」の幻想を誘う眩しさだった。が、夜が寄せるほどに、雲が広がり、冷えた。最高気温7度3分(盛岡)。



  不思議なものだね。

  明日が、どこへ向いたがっているか、
  粛々たる日々の流れが語り出す。

  何事でもない私を歩かせ、
  ひそやかに歳月を重ねるだけで、
  風の気持がわかって来る。
@三陸沿岸南部

2015年12月24日(木)
なまぬるい朝の空気だった。霧は払われ濃厚な青空。春の吐息のような薄雲の帯。心底とけるような太陽の微熱だった。最高気温11度2分(盛岡)。



  画策に画策を重ね、
  道を捻じ曲げて来た者は、
  正気の未来図を突き付けられると、
  驚愕し、狼狽し、わめき、弁解し、未練をたれる。

  (その往生際を、おてんとう様がわらう
@岩手山麓

2015年12月23日(水)
師走も下旬で、この青空。多少の冷気はさておき、陽射しのまろやかさ。それでも夕刻を迎える頃から雲が広がって来た。最高気温5度8分(盛岡)。



  他人の目ばかり気にしていたら、
  人生は採点競技になっちまうよ。
@岩手県北部

2015年12月22日(火)
おずおずと青空が現われた。晴天と言い切るには、荒くれた冬雲が跋扈していたが、陽射しの明朗と大気の温和が救いとなった。最高気温7度8分(盛岡)。



  一行の醜を告発しようとして、
  万行の美まで照らしてしまう。

  (そういう罠も、ある)
@岩手山麓

2015年12月21日(月)
予報通り薄ら寒い曇天で始まり、夕方前には予報通りの小雨。実に予想外の的中。ただ融雪剤を洗い流すほどの降雨とはならなかったようだ。最高気温6度6分(盛岡市)。



  意識を後退させて
  何かに合せようなんて、無理な話だ。

  そもそも
  後退に後退を重ねて、
  元の位置に戻ってしまった者は、
  もはや下がりようが無いのだから。


  ※当然ながら、本文と画像は無関係です。
@岩手山麓

2015年12月20日(日)
晴れてはいたが、北の空は暗かった。仕方なく太平洋をめざす。思いのほかに冷えて雲の多い峠越えの末、雲ひとつない三陸で日向ぼっこ。最高気温6度6分(盛岡)。



  金を払って不本意なものを食らうぐらいなら、
  純粋な空腹を家に持ち帰り、
  安堵の酒を
  五臓六腑にしみわたらせる。
@岩手県三陸沿岸

2015年12月19日(土)
朝から晴れてはいたが、いつもの山並みは冬雲に覆われていた。やがて、小雪を含んだベールが、か細い光までも飲み込んだ。最高気温3度9分(盛岡)。



  美しい大地に生きている人々は、
  皆、自分の足で踏ん張り、
  あやしい風に飛ばされず、
  冷えた霧に道を見失わず、
  聡明な瞳を未来へ向ける。

  私は、そう信じ、思い込み、決め付けて、
  自らも、懸命に善い者であろうとしたのです。
  たぶん、それだけのことだったのです。

  (で、その結末が、この日々です)
@盛岡市近郊

2015年12月18日(金)
朝の冷え込みは弱く、望外の青空が広がった。日が傾き出すと冷えた曇天となり、小雪が舞ったが、方角によっては光線の乱舞が見られた。最高気温4度5分(盛岡)。



  光や雲を
  いくら追いかけてみても、
  届きはしない。

  ならば、
  光景を思い描かず、掴み取ろうとしない。
  その場に辿り着いた時の、
  天空のありのままに感謝できる者であれば、
  それでいい。
@盛岡市

2015年12月17日(木)
そこそこ青空があり、まずまず陽射しがあり、何より、そんな状態が長続きした。山並みは薄ぼんやりして、特段の眺めはなかったが、穏やかだった。最高気温4度7分(盛岡)。



  光は春。道はどこまでも乾いて続く。

  うどん屋から出て
  待たせておいたバイクに跨ると、
  初老の男が店から飛び出して来た。
  皮ジャンで決めて「同類」を誇示しながら、
  大仰に訊ねて来る。

  「この冬にまだ走るんですかぁ?」

  赤錆びた通念の鎖に触れた途端、
  私のはらわたに黒いものがわき出した。

  「はい、降っても凍っても走ります。
  豪雪の夜など、ことのほか楽しいですよ(嘘)」

  (今日も、つまらないものを置き去りにする)
@岩手山麓

2015年12月16日(水)
異様にぬるい朝だった。日中は曇りの予報だったが、実際は小雨断続。どこか早春を思わせる大気の潤い。最高気温10度7分(盛岡)。



  「あなた如きが、そのようなものを・・・
  観るとは、驚きだ。
  聴くとは、意外だ。
  読むとは、仰天だ。
  素晴しき世界は、
  もののわかった吾輩の為のものだから。」

  そんな了見の文化モドキが、
  ほら、堂々マントをひるがえす。
@岩手山麓

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