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イワテバイクライフ 2017年1月前半


2016年1月15日(日)
ぎょっとするほどの快晴が待っていた。周辺の山々は真冬の白いベールを纏っていたけれど、切れ味抜群の寒気を心底楽しめた、最高気温プラス0度3分(盛岡)。ほぼ真冬日。



  厳冬の突風が
  丘のどてっぱらに炸裂すると、
  斜面の新雪は
  頂に吹き上げられる。
  青空さえ飲み込む地吹雪だ。

  その真っ只中に立ち、
  凍結の微粒子で
  肺臓をみたせば、
  怒りも迷いも
  悲しみさえも
  束の間、鎮まるのだ。
@盛岡市

2016年1月14日(土)
ちりちりと雪が積もる。雪粒の層の下には、鋼の様な凍土。そして,熱くたぎる血流。いよいよイワテの冬だ。最高気温マイナス4度4分(盛岡)。



  ためしに
  灰色の鳥に
  餌をやって
  ごらんよ。

  それを見て、
  黒い影たちが
  にこやかに
  寄って来たら、
  あの鳥は
  黒だったんだよ。
@岩手山麓

2017年1月13日(金)
身構えていた割には、ふっくら程度の積雪。それでも除雪車が出ていた。そこそこ雪はとけたが、鋭く凍結した。最高気温マイナス2度2分(盛岡)。



  場を埋めるだけだった者も
  やがて場にとけ込み、
  いつか、
  場を染める者になる。

  (歳月の色彩)
@盛岡市

2017年1月12日(木)
晴れていた気もするが、陽射しは流れる雲に遮られがちで、大気はキンキンに冷えていた。最高気温マイナス1度6分(盛岡)。



  自分に出来ないことは、
  他人にも無理だと決め付ける。

  そのような了見で
  作成されたマニュアルからは、
  水準を越えるものなど、
  生まれない。
@盛岡市 ※まれに出現する凍結路では降車の上、手押しで進行。

2017年1月11日(水)
きりっとした青空。周囲を包囲する冬雲。陽が陰る時間帯もあったが、夕刻まで晴れ間は持続した。真冬日だったが、そんなものか、という感じ。最高気温マイナス2度2分(盛岡)。



  めざす場所があるから、
  足跡は続く。

  そこに思いがあるから、
  痕跡は踊る。

  雪に埋っても凍っても
  記憶は残る。

  (春のある日に奏でるための楽譜)
@盛岡市

2017年1月10日(火)
朝から申し分の無い青空。山々は稜線を明らかにして、あたかも早春。だが、壮大な寒気の接近で、夕刻からビタビタ湿り雪に染まった。最高気温5度6分(盛岡)。



  天空の移ろいに
  一時たりとも目を離せないのなら、
  春野に横たわる骸を覚悟して、
  さあ、今日も出かけようか。
@岩手山麓

2017年1月9日(月)
数センチの積雪で夜が明けた。見るからに湿った雪で、時折の薄日を浴びながら、とけて大地に吸われていった。最高気温4度6分(盛岡)。



  どの絵筆が
  道具として優れているか。
  膨大な作例が並べられ、
  論評の嵐の果てに、
  誰かが呟いた。

  「明らかになるのは、
  絵筆をふるった者の器量ばかりだ」
@盛岡市

2017年1月8日(日)
雪に身構える程に、大気はゆるみ、陽射しは三月を思わせ、無責任な青空が広がってみせた。夕刻になって曇天。最高気温5度9分(盛岡)。



  失う前の有り様を知るのは、辛い。
  取り戻そうとするほどに、悲しい。

  失ったものを知らないのは、怖い。
  何かを掴もうと狂い、明日を失う。

  ともあれ、
  手付かずの今日が其処にあるだけ。
@岩手山麓

2017年1月7日(土)
朝を迎える度、たじろぐほどの青空だが、今朝はとび切り。日中も光に溢れたが、夕刻には雲が広がり岩手山も隠れた。最高気温6度7分(盛岡)。



  志を持ち、
  めざす所と時へ歩みを進める。

  それは結構なことだが、
  現実は、突如、
  頭上を高々と越えていこうとする。

  その時、
  心静かに
  ひと筆の道を示せるか?

  (常に猶予は無い)

 

@岩手山麓

2016年1月6日(金)
朝から良く晴れた。まっすぐな陽射しだった。街の日陰の雪も、とどめを刺されて消えた。最高気温2度8分(盛岡)。



  深夜の
  密室で、
  酒宴や
  美食や
  談合を
  重ねて
  いると、
  一切は
  立ち姿にあらわれる。
  人相が正直に物語る。

  (それを告げる影も無い)

@岩手山麓

2017年1月5日(木)
かすかに白く染まって夜明。望外の青空で始まった。日中は陽射しの微熱が心地よかった。最高気温3度7分(盛岡)。



  点景は、
  心の中にあればいい。

  どんな空の下にも、
  どんな風の中にも、
  私は、ぽつんと片隅に立って、
  今日という日の刻印となろう。

  (遠目にも微笑みを浮べて)
@岩手山麓

2017年1月4日(水)
霧か、あるいは雪雲か。そんな曖昧な冬景色に、やがて薄日がさし、冷えた青空。夕方になって再びの曇天。最高気温3度7分(盛岡)。



  波に抗わず、
  風に乗って、
  星座を巡る。

  希望を失ったあの日が、
  きらきら光っている。

  怒りに震えたあの日が、
  にこにこ笑っている。

  祭に陶酔したあの日が、
  深く押し黙っている。

  怜悧な瞳で
  見渡しておいで。
@三陸沿岸

2017年1月3日(火)
思ったほどの曇天ではなく、むしろ薄っすら青空や陽射しを感じた。まあ、所により小雪が舞って見せたが、新春の彩り程度。最高気温5度1分(盛岡)。



  命に等しいものを
  繋ぎ止めておくのなら
  歳月に試された一本の絆に
  代わるものは無い。
@北東北

2017年1月1日(日)
元旦は見事に晴れ切った。かすかな新雪の痕跡も絶妙だった。が、時と共に雲が広がり厚みを増した。最高気温3度2分(盛岡)。



  ここまで来たんじゃない。
  ここから進んでいくのさ。

  心を定めるだけで、
  大気に微熱は宿り、
  道は丘へ駆け出す。
@盛岡市 

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