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イワテバイクライフ 2017年6月前半


2017年6月15日(木)
午前中は青空があった。予報の曇天、降雨、雷鳴は遂に無かった。むしろ心地よい夕風だった。最高気温23度1分(盛岡)



  「荒波に屈服せず、
  良心を貫き、正義のために直進する。
  万感の思いを込める時は来た。」

  人は、そのように高揚する。
  取り返しのつかない事態を迎えて、
  はじめて、一瞬の天使になる。

@岩手山麓

2017年6月14日(水)
まったく、どうなっているのだ。朝の予報で、午後は雨や雷のはずだった。実際は、爽快な6月だった。上出来だった。最高気温24度4分(盛岡)。

 

  空前の大嵐が迫っていた。
  なのに誰も声に出さない。

  その理由を質すために
  非常階段を駆け上がり、
  喘ぎながら這い上がり、
  遂に大会議室の扉を押し開け、
  「嵐だ、もう時間は無い」と叫ぶと
  一斉に振り向いたのは、
  パンダの群だった。

  (そんな夢をみた)
  @北東北

2017年6月13日(火)
保険で固めた予報を嘲笑って、爽快な晴天。吹き渡る風は乾いて軽やか。流れる薄雲は優しい影をもたらした。最高気温22度2分(盛岡)。

 

  雲を追って走った先に
  壁は無い。

  光を思って走った先に、
  嘘は無い。

  明日を求めて走った先には、
  何も答えない私が立っている。
  @北東北

2017年6月12日(月)
朝方の思わせぶりな青空に誘われてみたが、風は冷えて、午後には不意の水滴が行く手を叩いた。最高気温19度8分(盛岡)。

 

  風は人を吹き飛ばし、
  良いことも
  そうでないことも
  彼方へ運び去る。

  そんなことが
  幾度くり返されても
  今日も丘の向こうから
  人が現われる。
  雲が走り寄る。

  @北東北

2017年6月11日(日)
午前中は凡庸な曇天だった。多少の小雨も覚悟した。だが、夕刻に向かって空は一変。爽快な斜光だった。最高気温19度3分(盛岡)。

 

  隠し持つ宝など、
  時が経てば、
  祭りの夜店の叩き売り。

  (ま、そうだとしても)

  遥か明日の値打を夢見て、
  懐にあたため続ける心根の
  何といういじらしさだ。
  @岩手山麓

2017年6月10日(土)
午前中はビタビタと降雨。午後になって魔法のような回復。戸惑うほどに広角な青空。ただ夕風は冷えた。最高気温20度6分(盛岡)。



  事実を整然と並べていけば、
  自ずと答えは導き出されるはずだが、
  その事実の上に
  駄々っ子のような影が飛び乗り、
  腹這いになり、騒いでいる。
  「見ちゃダメ~」と泣きわめく。
  その影は、どこからともなく湧き出して、
  世界をうんざりさせ、遠ざけようとする。

  (黒い高等な戦術が闊歩する)


  @北東北

2017年6月9日(金)
梅雨ではないが、まあ梅雨の晴れ間なのだろう。雲がからんで陽射しはそこそこだったが、乾いて軽い風は六月の宝石だった。最高気温26度5分(盛岡)。




  船は、
  鉄馬の到着を待っていたかのように
  汽笛ひとつ残して
  出航した。

  (道が繋がった気がした)

  私という風は、
  結局、何かを
  渡っていくことになるのだ。
  @北東北

2017年6月8日(木)
朝から曇って断続的な小雨。すっかり諦めていたら夕刻には所々の青空。なるほど梅雨の宣言には不都合だ。最高気温20度6分盛岡。



  こんな日々の風を
  途絶えさせないために
  蹴散らしたあれこれを
  振り返るほどに
  すこやかな笑みが溢れる。

  (すべては手の届かない彼方だ)
@北東北

2017年6月7日(水)
関東以西は梅雨入り。東北は金曜日以降の宣言となりそう。天気は緩慢に下り坂。風は、まだまだ爽快。最高気温21度5分(盛岡)。



  良い思い出たちを
  梅雨の鏡に映してみれば、
  なにもかもが
  揺れて崩れて泣き出した。

  未解決のまま
  置き去りにされた日々が
  どこまでも追いかけて来る。
@北東北  

2017年6月6日(火)
梅雨入り前の慈悲ともいうべき快晴だった。空の蒼さの透明度。そして吹き渡る風の爽快さ。まずは稀な北東北の至福。最高気温24度(盛岡)。



  凍って尖るより、
  光の中で、緩んで、とけちまった方が、
  よほど健全だ。

  (思い出せない幸せでいい)
@北東北

2017年6月5日(月)
雨雲は千切れて消えたはずだが、午前中は小雨が街を濡らした。夕刻前に幾分空は明るくなったが、とにかく冷えた。最高気温14度9分(盛岡)。



  わたくしとやらを放棄すると、
  とたんに世界は柔和だ。

  何が良いのか知らないけれど、
  わたくしから離れるほど、
  寛大な風が吹く。

  やれば出来るじゃないか、と
  水鏡が笑う。

  (その程度のことだったんだね)

  
@北東北

2017年6月4日(日)
曇天のもと、風は冷え、まれに小雨。夕刻、北に青空、鋭い斜光。最高気温15度6分(盛岡)。



  詩人は固くノートを閉じた。
  画家は深く絵筆をかくした。
  羊たちは日記を焼き捨てた。

  何の意味も持たない日々が
  もっとも安全だというのか?
@北東北 

2017年6月3日(土)
降る降ると脅かされ、傘を片手に待てば、水滴さえ稀で、むしろ空はかすかに光を帯びた。冷えた風が夜を連れて来た。最高気温16度9分(盛岡)。



  敵の味方の隣に居れば、
  礫も飛んでは来ないのか?

  (雪合戦の気休め)
@北東北

2017年6月2日(金)
どこまでも小雨にけむった。視界を払い続けるワイパーの印象だけが残った。冷えた風に梅雨が匂った。最高気温17度2分(盛岡)。



  今日も朝からリカちゃん人形。

  何を見ても「まあ、かわいい」
  何があっても「あら、たいへん」
  明日のことなど「わかんない」
  
  ある日、キラキラ流れ星。
  リカちゃん、ずらり並んで大騒ぎ。
  「きれい、きれい」と歌い出す。
  「すごい、すごい」と踊り出す。

  (やがて、ぷっつり砂嵐)
@岩手山麓 

2017年6月1日(木)
陰気な曇り空。ためらいがちな小雨。夕刻に至って一気に雨音が高まった。梅雨の走りは、どこか涼しすぎて、クールビズの出鼻をくじいた。最高気温20度6分(盛岡)。



  もう疲れ果てたって?
  だめだめ、
  背筋を伸ばさなきゃ。

  もうどうでもいいって?
  だめだめ、
  瞳を輝かせなくちゃ。

  もう充分満足だって?
  だめだめ、
  最善を求めなくちゃ。


  まずは懸命な風景とならなくちゃ、
  一服させてはもらえないよ。
@岩手山麓 


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