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イワテバイクライフ 2003年8月下旬


8月31日(日)
小雨のち曇り、北にかすかな光  @安代町七時雨 第27回イーハトーブトライアル大会


  私のイーハトーブトライアル大会は、
  昨日で終わった。
  
  けれど、同じ風を求めて、また安代に向う。
  夏への未練か、初秋の感傷か。
  
  七時雨の丘に乾いたエンジン音が流れる。
  2日目のコースを走り抜いた猛者が次々戻って来る。

  焼けたオイルの香りを含んで
  8月が、ぽつりぽつりと暮れていく。



  紙の単車屋さん御家族。クボトラの店長。
  イーハトーブトライアル大会会長。
  そして、昔の仲間・・・。ばったり偶然の多い日だった。

  

8月30日(土)
晴れ時々曇り、いずれも秋のそれ  @安代町 第27回イーハトーブトライアル大会


  3人一組で20のセクションを巡る。

  盛岡のS氏は、
  次の競技場所へ疾風となって飛んで行く。
  追いつけない。
  振り向けば、福島のK氏はマイペースで
  なかなか現れない。
  初めての単独走行。
  コースミスの不安が募る。
  原生林の幹に小さく「右」「左」「直」のマーク。
  獲物を追うハンターのように感覚が尖っていく。
  
  森の奥に原色の群れを発見。
  先着していたS氏が照れ笑いしている。
  嬉しさのあまり叫ぶ。
  「罰金だよ、速度違反だ(笑)」
  
  遅れて来たK氏が、結局、一番うまかった。

8月29日(金)
瞬間の夏空、のち暗い雲の群舞 @安比高原ペンション村


  仕事を終えて
  真っ暗闇の裏道を急ぐ。

  年に一度、イワテの懐でライダーの力が試される
  イーハトーブトライアル大会。

  安比高原ペンション村に着いた時には、
  ライダースミーティングが終わっていた。
  前夜祭の残り火の中で旧交を温める。

  「ウイングライト」で宮城県のK氏たちと
  濁り酒を酌み交わす。

  23時を過ぎて小雨。
  愛機モンテッサを木陰に移動し
  ベットに倒れ込む。


  画像は、ホンダ4サイクルエンジン搭載の注目マシーン
  

8月27日(水)
秋空転じて残暑、のち寂しい夕雲 @岩山(岩手山と盛岡市街地を一望)


  高松の池に紅葉の兆し。
  稜線も鮮明に山が連なる。

  昼過ぎ、病み上がりの先輩を訪ねる。
  半月の病院暮らしのせいだろうか、
  頭髪と笑顔が白く見えた。
  
  いつもの国道を走って帰る。
  
  眩しくほてった風の中で、
  言いようもない無常感に襲われる。

  夜、甲子園帰りのI君を慰労。
  酒に飲まれる。

8月26日(火)
雷雨のち晴れ間、でも、波乱の雲行きに大雨注意報や警報
 @葛巻町(撮影は8月上旬)


  遠雷を、じっと聞く。
  6時にセットした目覚まし時計は5:40を指している。

  ザンザン降りの朝
  厨川で研究員のK氏と合流。
 
  9:50分、袖山高原に到着。
  岩泉町・安家地区の方々と
  打ち合わせを済ませ安家森へ。
  雨は止み、霧は晴れ、
  天然の放牧地に秋空がのぞく。
  澄み切った大気に歓声が上がる。

  70歳の牛飼いK氏から
  「牧野が生まれ、捨てられ、蘇生した」物語をl聞く。
  
  全容を知った時、雨が降り出した。

8月24日(日)
曇り時々小雨 @中央通り(盛岡市役所前)


  修羅場の後には、
  運命以上のものが待っている。

  





  
  盛岡市長選挙開票結果
  投票率 53.67%

  当選 谷藤裕明 47432
     桑島 博 39473
     斎藤 純 27121
     芦名鉄雄  3949

8月22日(金)
真夏日 @姫神山の裾野が北上山地に連なる様を展望できる所


  交換したばかりのトライアルタイヤは、
  「世間知らず」を剥き出しに
  熱を帯びたアスファルトや砂利、赤土に噛み付く。
  大地と和解していくような
  交換寸前のタイヤの手応えを懐かしむ。

  一人、北上山地の稜線を見渡せば
  真夏日の予感が汗となって眼(まなこ)にしみる。

  ガソリンの残量を気にして帰宅。
  冷たいシャワー。陽の匂いがするバスタオル。
  おろしたてのシャツの首にネクタイが吸付く。
  小走りに近所の職場へ急ぐ。
  
  日焼けした顔を俯け、弾む息を押し殺し、
  白紙のノートを小脇に、午後の大会議に臨む。


8月21日(木)
曇りのち夏空 @盛岡市近郊



  イーハトーブトライアル大会。
  イワテに深く分け入る一日。
  イワテ永住への思いを募らせた一日。
  イワテを離れた4年の日々を支えてくれた一日。
  
  9日後に大会が迫る。
  ゼッケンナンバーも決まって
  スタートの鐘が聞こえてくる。
  週末の道場通いだけでは、いよいよ落ち着かない。

  大会は、競技区間を延々とつなぐ林道走行が
  流れを決める要素にもなる。

  調整を施した愛機を林野に持ち込み
  あの日の風を思い出す。

  昼過ぎ、青空が戻る。
  会議の窓外に夏雲を盗み見る。
  

8月19日(火) 
曇り @盛岡市・愛宕山展望台裏


  今にも泣き出しそうな朝。
  以前なら早々に出撃中止だった。

  待ちくたびれて流れた「梅雨明け」のおかげで、
  走り出す条件から「天気」は消えた。

  北山から八幡神社の脇を駆け抜ける頃には、霧雨。

  国道4号線をくぐって雨宿り。
  愛宕山展望台の樹林に身を寄せる。

  と、犬を散歩させる年配の紳士に声をかけられる。
  「綺麗なバイクだ」と呟き、しげしげと見つめる。
  新聞配達のバイクの親戚であることを説明するが、
  「いや、いいものだ」と断じて、歩き出した。

  (バイクの思い出、おありなんですね)
  4号線に戻ると雨は止んでいた。 

8月17日(日)
曇天 @盛岡市 飯岡


  飯岡の物件:その1
  

  陸路、盛岡を離れる時は、
  南昌山をしばらく眺めるのが、儀式かもしれない。

  盆休みを終えて南下する車列が
  気持ち、時間差を置いて、田園に轟音を伝えて来る。
  かつて、あの流れの中に居た日々を
  こちら側から愛しむ。

  ふと、脇の反射ポールに目が止まる。
  「盛岡市」のシールがはがれ「都南村」の文字が・・・。
  11年前の合併のあれこれを思い出させるのは、
  風の悪戯か、それとも・・・。

  あちらから、こちらへ、シール1枚、辞令ひとつ。
  心の境界線が決まるまでには、
  それなりの歳月が要る。

  ☆盛岡市長選も、いよいよ。
  

8月16日(土)
脱力誘う秋空 @雫石町


  ヘルメットのシールドを上げて走るのは、
  先の見えない林道や混雑した市街地、
  それに、肌で受け止めたい季節の光線がある時。
  そんな時、決まって、こめかみのあたりに
  走行風がからみ口笛を吹く。

  切ない音色に夏の終わりを思う。
  分厚い冬の印象が秋の背後に控えている。
  だから、ことさらに左右の頬を行く手に向け
  口笛を大きくする。

  午後、県北から沿岸部の裏道を探る。
  空も道も人も、枯れた笑顔で散っていく。

  時折の陽で、大地が陰影を持つ度、
  立ち止まり、憑かれたようにシャッターを切り
  夏の収穫を急ぐ。

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