TOP
イワテバイクライフ 2007年 12月後半
12月31日(月)
前夜からの雪は、夜明けとともに激しさを増し、昼過ぎまで厚みを増した。夕刻、かすかな青空。 @盛岡市
![]() |
わたくしのことを忘れないのは、 わたくしだけなのです。 降り積もる雪に埋まっても、 わたくしの在処を知っているのは、 わたくしだけなのです。 雪解けの大水に流されても、 わたくしの行方を知っているのは、 わたくしだけなのです。 わたくしが わたくしを記憶しない限り、 わたくしは、 誰かの勝手気儘な印象で終わるから、 誰かの無責任な筆で汚されるから、 誰かの都合でねじ曲げられるから、 わたしは、 わたくしを刻み続けるのです。 ひたすらに走り、 幸福の足跡が何処までも続いたことを わたくしは わたくしの道に刻み続けるのです。 記憶するのです。 |
12月30日(日)
夕べ雪になりきれなかった雨は、時折、街を重く濡らすままで、結局、完全な晴れ間は夕暮れ時のことだった。。 @滝沢村(トライアルパーク)
![]() |
汝の魂に従え。 押し寄せるものや わき上がるものを 受け止め、あらわせ。 一時の受難を恐れず、 抱きしめ、あらわせ。 悔恨の最期を望まぬなら、 汝の魂に従え。 悪魔と向き合う時を やり過ごしてはならない。 もみ消してもならない。 それは、 分別の名のもとに、 自らを見殺し、 他者を欺く大罪である。 ならば今日も、 汝の魂に従い、 汝と闘え。 |
12月29日(土)
夕べからの雨は、屋根の雪を落したり、道端の雪を骨抜きにしたりして昼過ぎまで年の瀬を濡らした。 @盛岡市
![]() |
言葉を尽くして 明日を論じ合うことのない世界は、 遅かれ早かれ、そうなる。 都合の良い噂を 真実にしたがる。 辻褄が合わなければ 嘘のひとつも足して整える。 都合の悪い噂を デマにしたがる。 辻褄が合わなければ 人を一人陥れても整える。 そんな歴史を重ねて聳える塔は、 噂を運んで来る者だけを重用し、 噂を信用しない者たちを投獄し、 やがて、疑心暗鬼の殺し合いになる。 大きな城ほど 瓦解させるのは容易い。 猫一匹に噂をくくりつけて 玉座にしのびこませるだけでいい。 (ほら、真夜中に怒号が響き渡る) |
12月28日(金)
夕べの小雪で薄化粧の朝だった。まったく、ぼんやりした曇天のもとで、雪だけは順調にとけていた。 @盛岡市
![]() |
(なにせ、ここは民主主義の国だから) 人の道をはずれていなければ 思い通りにすればいい。 走りたければ走ればいい。 歌いたければ歌えばいい。 何を言おうと、どうしようと、 清く明るく美しい程度のことなら、 思いのままにすればいい。 花鳥風月のことなど 熱弁をふるえばいい。 さっさと綴ればいい。 誰の利害に関わるものでない限り、 深く鋭くえぐるものでない限り、 根底を覆すものでない限り、 清く明るく美しい程度のことなら、 誇らしく胸を張ってやればいい。 (なにせ、ここは民主主義の国だから) 暗殺されるまでは、誰もが自由だ。 |
12月27日(木)
低温注意報で夜は明けた。最低気温・氷点下7度5分(盛岡)。順調に冷え込みの記録を更新。 @岩手山麓
![]() |
こんな夕暮れに 素っ裸で放り出されたら、 どうする。 助けを求め、 血が凍る寸前、 見えてきた灯りの主が、 日頃、忌み嫌う者であったら、 どうする。 (そのドアを叩くに違いない) もし、助けを請うことが 耐え難い屈辱に思えるなら、 (いいか) 一年中、 春のように振る舞っておくことだ。 誰の前でも、 小春日和となって微笑んでおくべきだ。 |
12月26日(水)
最低気温・氷点下6度8分(盛岡)は、この冬一番の冷え込み。青空は、ついに冷えたままだった。 @岩手山麓
![]() |
明日は無いと知っていても 今日という日はあるのだから、 粛々と働いてくれ。 夜は明けないとわかっていても、 不眠不休は辛いだろうから、 寝言でも呟いてくれ。 沈む一方だとわかっていても、 子供達に説明できないなら、 夢でも語っていてくれ。 崩壊は避けられぬと突き付けられても、 カレンダーを刷ってしまった以上、 会議でも開いてくれ。 悪行も負債も意味を失っていくけれど、 記憶から消しようがないから 償い、返済し続けてくれ。 さあ、理想をうたう者よ。 時を稼いでくれ。 |
12月25日(火)
風もなく柔和な青空と陽射し。冬本番に身構えた心をとかしていった。 @花巻市(トライアルパーク)
![]() |
すっかり 切り崩された山に 運び去れないものが現われ 放置された。 雨に削られ 雪に掘られ 風化する日を待つものは やがて夢見ることも忘れて 四季を受け入れた。 ある日 その唐突な山や谷に 心寄せる者が現われた。 その奔放なうねりに 心脹らませる者が現われた。 山は、 触れることを受け入れ、 這い上がることを許し、 駆け上がることを認め、 進み続けることを励まし、 何億年ぶりに 頂を取り戻した。 |
12月24日(月)
小雨まじりの濃厚な曇天にかすかな青空がのぞいたのは夕暮れの匂いが漂い始めた頃だった。 @滝沢村(トライアルパーク)
![]() |
(もしや)と思う。 私が追い掛けているのは、 誰かの全盛期の印象なのかもしれない。 私が闘い続けているのは、 記憶に君臨する誰かなのかもしれない。 私が恋い焦がれているのは、 色褪せた誰かの伝説なのかもしれない。 (それでも)と思う。 その誰かのおかげで この冬に辿り着けたのだから、 すべての幻に感謝して 手を振ろう。 |
12月23日(日)
空一面、薄ら寒い灰色。陽射しもなく日は暮れて、降り出した小雨。 @滝沢村(トライアルパーク)
![]() |
走って見せるだけなら 容易い。 走り切れるかどうかが 本題だ。 走る気があるかどうかが 根本だ。 走る道を掘り出せるかが 問題だ。 走り続けられるかどうかが 実力だ。 一人で楽しめるかどうかが 強さだ。 黙々繰り返せるかどうかが 深さだ。 そんなことを語らないのが たぶん、 本物だ。 |
12月22日(土)
空が開け、陽射しがあり、風など弱ければ、気温は、プラス3度もあれば、まずまず穏やかだ。 @岩手山麓
![]() |
何処へ行くのか。 そんなことに興味は無い。 (道の先に求めることは) 私が、何処に立ち止まるのか ということだ。 私を待っている私はいるのか ということだ。 そこに見渡すべき 私の精神が立っているのか ということだ。 一面の大地に 刻むべき私が今日も在るのか ということだ。 二度と同じ轍は残せないから 旅は、とめどない。 |
12月21日(金)
いささか唐突な銀世界だった。そんな空気を察した雪は、そこそこの陽射しを浴びて、如才なく消えていった。 @盛岡市
![]() |
夜が明けてみれば、 予想外の銀世界だった。 真夜中、 何かが、 一気に事を運んだに違いない。 音もなく 間断なく 息を殺し 何かを覆い隠すために まんまと 見渡す限りを 埋め尽くしたに違いない。 (そういうものに私は燃えるのだ) 怯まず、執拗に、冷徹に 夕べ、何があったか 引きづり出すまで、 私は猟犬になるのだ。 遂に牙を食い込ませるまで 狂犬になるのだ。 |
12月20日(木)
真冬日(盛岡の最高気温・氷点下0度1分)昼前後の雪で一面うっすら化粧直し。それでも朝夕、青空らしき印象がにじんだ。 @滝沢村
![]() |
(愚かな者よ) その一直線の風のことが 気になって気になって、 もう心底気になって 貶したくて、 汚したくて、 潰したくて、 けれど、 関われず、 指一本触れられず、 異議も唱えられず、 ただ届かぬ石を投げるのが精一杯の 惨めさを存分に味わうことだ。 おそるおそる土足の痕を残す小心を 奥歯が砕けるまで噛み締めることだ。 拭い去れない敗北感と格闘することだ。 それでも 悔しくて悔しくて気が狂いそうなら、 己の強さと深さを確かめろ。 無為な日々を振り返れ。 まずは、雪でも雨でも泥でもいい。 まみれてみることだ。 (さあ、風の影を踏んでみろ) |
12月19日(水)
最低気温・氷点下4度1分(盛岡)。朝方の残雪は、ガリッと凍っていた。日中は、かろうじて真冬日を免れた。 @岩手山麓
![]() |
(まったく360度) どう振る舞おうと、見ているものはいない。 なにを叫んでも、聞いているものはいない。 いかに走ろうと、止めるものなどいない。 嗚呼、ぼろ布の様な命が、 白銀の彼方へ転げていく。 怒りを突き立て、悲しみを蹴り上げ、 転げ回っていく。 見渡す限りの孤独に 何を捨てた? (あまりに汚れたものなど捨てられない) 何を拾った? (あまりに重いものなど持ち帰れない) 何を隠した? (あまりに大切なものは埋め切れない) せめて、 今朝の悪夢を捨てた。 昨日の欠片を拾った。 明日の予感を埋めた。 |
12月18日(火)
放射冷却。最低気温・氷点下4度1分(盛岡)は、まだまだ序の口。日中は凍結を阻む陽射しがあった。 @滝沢村(トライアルパーク)
![]() |
|
12月17日(月)
湿った小雪が朝を白くしたが、一時(いっとき)の薄化粧。その雪が午後の薄日にとけて、濡れて、やがて凍った。 @盛岡市
![]() |
|
12月16日(日)
どうにも天気予報以上の青空がやって来る。諦めていた身には、持てあまし気味な「冬の幸福」。 @岩手山麓
![]() |
|
ホンダ モンキー