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イワテバイクライフ 2008年 7月前半


2008年7月15日(火)
夜明けからスカッと晴天。日中は夏雲が日傘となり、爽やかな風もあったが、気温は限りなく真夏日(盛岡で29度7分)。 @盛岡市


  うまくいくかどうか
  少し不安だった仕事だが、
  うまくいった。

  いつもの店で自らを労った。
  家族同然の親方の包丁で、
  旬の料理を堪能した。
  最愛の人と乾杯した。

  それでも、なお
  決める事が山積する。
  解きほぐす事はある。
  忘れるべき事がある。
  許せないこともある。
  
  (iいいさ。迷いは無いから)
  
  安易な旅程を決めたりしない。
  嘘など重ねて解決を求めない。
  恨みや未練など並べ立てない。
  言うべき事は言い残しておく。

  良い仕事、愛すべき人に恵まれ、
  何と穏やかな円陣の中だ。

  
何と軽やかな「あれやこれや」だ。

  上機嫌の風が闇を風化させる。
愛機:HONDA Ape100


2008年7月14日(月)
音を立て屋根を叩いた夕べの雨。夜が明けても小雨。ついには大雨警報(盛岡など)。高校野球順延。 @雫石町


  認めてもらおうなんて、
  考えない。
  地縁も血縁も無いのなら。
  (すべては家紋次第だから)

  推してもらおうなんて、
  思わない。
  人脈や派閥等と無縁なら。
  (すべては貸し借りだから)

  光を当てられるなんて、
  夢見ない。
  順番・序列の輪の外なら。
  (すべては持ち回りだから)

  頂上を占めようなんて、
  企てない。
  思いひとつの余所者なら。
  (すべては予約済みだから)


  迷惑をかけず、黙々。
  世話にならず、黙々。
  邪魔にならず、黙々。
  目障りでなく、黙々。
  楽しめるなら、上等。

  幾代も居座ることで解決する話なら、
  ひたすら無心に生きていれば良い。
愛機:HONDA Monkey


2008年7月13日(日)
最高気温29度9分(盛岡)は、北国にあって真夏日以上であろう。だが、朝晩の冷涼は絶品。 @盛岡市近郊


  (いい風だ)と誰かが呟いた。
  山には、乾いた風が吹き上げてくる。
  ただ涼しいのではない。
  樹木の群れに濾過された
  まろやかな風だ。
  爽快な夏の肌触りだ。


  (眩しいな)と誰かが嘆いた。
  風に騒ぐ緑が陽射しを乱反射させる。
  ただの明暗などではない。
  予測できない大気の波に
  踊らされる光だ。
  強烈な真夏の印象だ。


  (行きます)と誰かが叫んだ。
  鬱蒼たる樹林に息を詰めて分け入る。
  ただのセクションではない。
  昨日までの原生林の懐を
  さぐるトライだ。
  夏山の午後の冒険だ。
ライダー:工藤さん、マシーン:GASGAS TXT PRO250


2008年7月12日(土)
沸き立つ夏雲。照り付ける陽射し。一関市で真夏日。それに迫る内陸各地の「夏」。 @宮古市


  宮古の漁師宿で
  一夜を明かした。

  獲れたてのウニをはじめ
  三陸の海の幸が並んだ。

  89歳のおばあちゃんと
  息子さん夫婦、
  それに近所の仲間が集まって
  宴会になった。

  そんなお付き合いが
  もう10年続いている。
  (励まされて来た)

  偶然転がり込んだ宿だったのに、
  以来、岩手と私を結ぶ居場所になった。
  実に親戚以上だ。

  心意気ひとつ。岩手に託した思い。
  まっすぐ受け止めてくれた人と大地。

  その情けに恩返しをするのは、
  これからだ。
愛機:HONDA Monkey


2008年7月11日(金)
小雨にけむる梅雨空は、日中かすかに光を漏らしたが、風に水滴をまぜて一面を湿らせた。 @岩手山麓


  積み重ねたもの一切を失い、
  途方に暮れる時代があった。

  私に残されたのは、
  家族とオートバイだった。

  毎日、瀬戸内から日本海へ走り、
  夕陽を眺めるのが日課になった。

  やがて、私は、
  流れ来る道や風の中に飛び去る風景を
  声に出して描写した。

  夕暮れの中国山地を彩る光と影。
  寄り添っては離れ、流れていく川の速度。
  せり上がる山岳。開けていく海原。
  心に飛込んで来る瞬間を即時描写した。

  夕闇の波打ち際で、
  何かを捨て、何かを拾い、
  引き返す胸には、
  家族への思いが溢れていた。

  心細いヘッドライトを
  漆黒の峠に向けて引き返す。

  カーブの先に
  明日が待っていることを祈りながら、
  ついに言葉に置き換えられない闇の連続に
  私の家路は沈黙した。

  (・・・人は、幸せになると、不幸を語り出す)
  
愛機:HONDA ベンリィ50S


2008年7月10日(木)
日中は、雷注意報を伴う曇天。夕刻から小雨断続。盛岡は、いちおう夏日。梅雨らしい空気。 @岩手山麓


  涙なら溺れるほど流した。
  だから、今日、
  乾いた風を浴びて笑っている。
  (ほらね、悲しむほどのことじゃなかった)


  夢など片っ端から潰された。
  だから、今日、
  自ら拓いた楽園を走っている。
  (ほらね、夢見るほどのことでもなかった)


  毒など薬と偽り飲まされた。
  だから、今日、
  見渡す大地を呼吸し生き返る。
  (ほらね、苦しむほどのことじゃなかった)


  嘘なら約束の度握らされた。
  だから、今日、
  明日など語らず思いのままだ。
  (ほらね、信じ込む程のことじゃなかった)
愛機:BMW HP2


2008年7月9日(水)
薄曇り、時折の薄日。南風が入って盛岡は夏日(25度2分)。岩手山の印象は皆無。 @岩手山麓


  思い違いというのは、
  確かにある。

  スポーツスターの空気圧も
  そうだった。

  正規の数値に気付いたのは
  今朝のことだ。

  (で、ほんの少し空気を抜いた)

  走り出せば、なるほど、
  車体が大地に粘りつく。

  たかが気持ち程度の加減で
  これだけ変わる。

  オートバイに限らず、
  ほんの少しの思い違いが、
  どれほど失望を招いたことだろう。
  幾度すれ違いを招いたことだろう。
  心を遠回りさせたことだろう。

  微笑ひとつ、言葉ひとつ、真実ひとつ、
  足りなくても、多すぎても
  人は、今日という日を掴み損ねる。
愛機:HARLEY−DAVIDSON XL1200R SPORTSTER


2008年7月8日(火)
雲間にうっすら青空ものぞいた。けれど終日の濃霧注意報に彼方は白く霞んだまま。最高気温は、夏日寸前(盛岡) @岩洞湖(盛岡市)


  先にやったものが勝つと
  思ってはいないか?
  他人のものを盗んで
  大慌てで先にやってみせる者よ。
  未完成なものを
  いくら並べ立てても、
  みすぼらしいだけだ。

  先に語ったものが勝つと
  信じてはいないか?
  他人のものを借りて
  巧妙に自分を飾ってみせる者よ。
  未消化なものを
  いくら描いてみても、
  うすっぺらなだけだ。

  明日の空腹を恐れ、
  生半可な仕事で
  今日を誤魔化す者よ。
  やがて、ある日、
  歳月の仕事に出会って恥じ入るがいい。

  どれほど準備しようと、納得がいかなければ、
  ついに何も創らなくて良い。
  悔いの山を残すより、よほど良い。
愛機:HONDA Ape100


2008年7月7日(月)
薄曇りと薄日、まれに薄い青空。大気は安定を崩し、雷鳴と通り雨。不快指数上昇して、結局、真夏日。 @岩手山麓


  世界は、
  未曾有の困難の中にある。
  秒単位で、人は殺され、飢えていく。
  日毎に、大陸は歪み、海は溺れていく。

  私は、と言えば、
  かつてない平穏の中にある。
  訳もなく、山野に入り、空を愛でる。
  日毎に満たされ、正気を保つ。

  怒りと絶望に突き飛ばされて
  自爆に走ることはない。
  いかがわしい救済術に暗示をかけられ、
  人を幻想に導くこともない。

  (たいそうなことではない)

  人ひとり、悪魔を捨てて、
  まっとうな自分を受け入れられるなら、
  すでに、充分な世界貢献に他ならない。
愛機:HONDA Ape100


2008年7月6日(日)
猛暑の山形から岩手に帰って見れば、この夏一番の暑さ(盛岡で最高気温32度5分)。夜を迎え雷鳴とともに大雨・洪水警報。 @山形県上山市


  良いことは
  日々の暮らしの中に
  少しあれば良い。
  ほんの少しだから
  嬉しい。有り難い。
  それを励みに頑張れる。


  さて、猛暑の山形の山中で
  苔むした岩の群と格闘し
  フラフラになりながら、
  最後の競技区間(セクション)に辿り着くと
  冷涼な水飛沫が待っていた。

  そんなサイクルで
  10セクションを3周するのであるが、
  本音を言えば、
  この場所に早く辿り着きたい一心で
  9つのセクションを
  闘い抜けたようなものだ。

  (なるほど)

  たったひとつの楽園を持つだけで、
  人は多くの困難をしのぎ切れる。
2008東北トライアル選手権シリーズ第5戦 山形大会


2008年7月5日(土)
思いの外に天気の回復は早く、南東北は白濁の猛暑。 @山形県上山市


  今年から
  シリーズ参戦している東北大会も5戦目。
  いよいよ折り返して後半戦だ。

  昨年までとは比較にならない
  難コースの連続だから、
  歯が立たないのは当然だ。
  むしろ、ものごとのはじめこそ
  混沌や暗闇に包まれ、
  惨憺たる自分に向き合うべきなのだ。
  自分に足りないものを
  勝負をかけた現場で体感することが、
  飛躍の土台になるのだ。

  その道筋を了解する限り、
  どんな夜も明けていく。
  経験を重ね、対策を立て、修練することで、
  やがて春の兆しが漂うものだ。


  さて、翌日の大会を前に
  夕刻、山形に入った我ら岩手勢2名は、
  競技会場を確認した。
  自らのクラスの状況を見渡すのは勿論だが、
  上のクラスのラインに向き合ってみるのも
  大切な作業だ。
  挑戦し続けるということは、
  そこを越える日を夢見ることなのだ。
  
  未来のラインに思いを重ねて鑑賞すれば、
  昨日今日の私の低迷など、
  小さな事に思えて来る。
  
2008東北トライアル選手権シリーズ第5戦 山形大会会場


2008年7月4日(金)
夜明けの雨、音を立てて街を叩いた。日中は雲も薄くなり、夕刻は青空から薄日。どこか蒸し暑い夏日。 @盛岡市


  肩の力を抜くと
  心が自在になる。
  (行く先々で笑顔に会う)


  柔らかく走れば
  風が切れを増す。
  (すべてが鮮明に見える)


  中心線が定まり
  今日も狙い通り。
  (すんなりと結論が出る)


  拘りから離れて
  道は真っ直ぐだ。
  (結局は楽園に辿り着く)



  黙々と繰り返し
  楽々とやり抜き、
  淡々と振り返り、
  飄々と旅をする。
  (何と穏やかな毎日だ)
愛機:HONDA ベンリィ50S


2008年7月3日(木)
曇ってはいたが、日中の薄日もあった。夕刻の小雨もあった。いちおう夏日だった(盛岡で26度) @盛岡市


  手続きのように
  四季を辿る大地。

  嵐に削られたり
  氷に閉ざされて
  何ひとつ語らず
  時を待った故郷。

  人は労わる様に
  耕して種を蒔く。

  思いを受け入れ
  土は命を実らせ
  風は祝い波打つ。

  その繰り返しを
  今日限りと思い
  ひとり見渡せば
  心一面の実りに
  叫んでみたくて
  彼方の山並みに
  歓喜の祝砲放つ。

  鎮魂の轟音幾発
  朝空に時を刻む。

  夏草に横たわり
  深く呼吸すれば
  死すら唇を擽り
  土と共に温もる。
愛機:HONDA Monkey


2008年7月2日(水)
盛岡の盛夏は8月に非ず。梅雨のただ中にある。陽射しの照り付け、最高気温28度5分。文句なしの夏。 @滝沢村(トライアルパーク)


  澄んだ陽射
  庭先の緑陰
  野鳥の囀り
  珈琲の香り
  雑穀を少々
  憂い無き朝

  (昨日を捨てた心の身軽さ)


  テレビには
  乾いた殺人
  手遅れの政
  表層の議論
  御用学者達
  今後を注目

  (先送りされていくXデー)


  野山には夏
  ざわめく光
  爪立てる私
  燃え盛って
  駆け巡って
  弾む命の影

  (汗の意味など風が乾かす)
愛機:GASGAS TXT PRO250


2008年7月1日(火)
「梅雨の晴れ間」なんかじゃない。「空梅雨」だと誰か言ってくれ。岩手山の山開きも夏日(盛岡で25度4分)の出来事。 @岩手山麓


  真ん中を射抜けとはいわないけれど、
  せめて、きちんと的に当ててくれないか。
  (つまり問題点は何だ?)

  言語明瞭とまでは期待しないけれど、、
  せめて、発言に責任を持ってくれないか。
  (どちら様でしたっけ?)

  前向きな提言など稀ではあるけれど、
  せめて、事実関係を確かめてくれないか。
  (所詮は気分の問題か?)

  本気で抗議するなら、
  まずは、その辺から、
  しっかりやってもらわないと、
  みすぼらしいだけで終る。

  風を受けて広がる帆に
  海鳥がフンを落としても
  船は止まらない。

  正確に狙い、
  強力な弾を鋭角に撃ち込まないと、
  カモメを追い払うことさえ出来ない。
愛機:HONDA Ape100


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