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イワテバイクライフ 2008年 11月前半


2008年11月15日(土)
最高気温15度8分(盛岡)。安穏とした一日。白濁気味の晴天は、日が暮れて曇天に移り変わった。 @岩手山麓



  
今日こそ
  穏やかな者であろうとして、
  走り出したのに、
  卑劣な影が道に罠を仕掛けるから、
  根こそぎ引きずり出し叩き潰す。

   今日こそ
   真っ直ぐな者でありたくて、
   走り出したのに、
   損得をちらつかせる影が踊るから、
   致死量を越えた毒を言葉に塗る。

   今日こそ
   もの静かな者でありたくて、
   走り出したのに、
   理想ばかり謳う影が道を塞ぐから、
   壊滅的なイメージを叩きつける。

   今日こそ
   季節に眠る者でありたくて、
   走り出したのに、
   縄張りを争う影が執拗に迫るから、
   振り向き様に境界線を焼き払う。

愛機;HARLEY−DAVIDSON XL1200R SPORTSTER


2008年11月14日(金)
多少雲が広がって来たものの、最高気温が14度4分(盛岡)なら、まずは上々の晩秋。 @盛岡市


  (人影もまれな荒野ではね)

  正しいとか間違っているとか
  そういうことで
  ものごとは決まらないんだよ。
  誰が正しいとされているか、それ次第なんだよ。
  (だから、さあ、早くご飯をお食べ)

  道理にかなうとかかなわないとか、
  そういうことで
  ものごとは動かせないんだよ。
  誰が中心を占めているのか、それ次第なんだよ。
  (だから、さあ、早く身支度をおし)

  人が生きるとか死ぬとか
  そういうことで
  ものごとは変えられないんだよ。
  誰が歴史に名を残す番なのか、それ次第なんだよ。
  (だから、さあ、早く塹壕にお入り)


  暁の轟音とともに火柱が上がるから。
  それを合図に
  何かが決まるから、動くから、変わるから、
  さあ、お前たち、銃を抱いて早くお休み。
  息をひそめ、目を閉じ、その瞬間をお待ち。
  
愛機:HONDA Ape100


2008年11月13日(木)
雲ひとつ無い晴天。曖昧な晩秋の歩み。最高気温15度7分(盛岡)に戸惑うばかり。 @岩手山麓


  そこそこの復讐は、強くなることだよ。
  (あっというほどに)ね

  なかなかの復讐は、手を休めない事さ。
  (うんざりするほど)ね

  でも最高の復讐は、忘れてしまう事だ。
  (本当にぱったりと)ね


  もしや、わたしは、
  復讐すべきものを失い、
  ゆっくり止まる風車のように
  今日も惰力にまかせているだけなのか。

  もしや、わたしは、
  否定すべきものを失い、
  結論を求めない議論のように、
  明日も虚ろなメリーゴウラウンドなのか。


  すべては、
  ある日ぱったり途絶えていたのか。
  ある日はっきり解決していたのか。
  ある日きっぱり決別していたのか。
  それすら知らずに
  走り続けていたというのか。

愛機:HONDA ベンリィ50S


2008年11月12日(水)
雲一つ無く、大地の熱は奪われ、氷点下2度(盛岡)の夜明け。日中は、かすかになまぬるい陽射し。 @八幡平市


  ひたすらに走ることなど一人の気持であって、
  誰のためでもない。
  通過していく者の横顔に、誰が声をかける?
  ついに走り切ることのない私の徒労を
  誰が見届ける?

  とめどなく綴ることなど一人の印象であって、
  誰のためでもない。
  移ろっていく者の言葉に、誰が心を向ける?
  ついに描き切れないままの私の大地を
  誰が見届ける?


  とうとう走ることをやめた者に
  誰からともなく拍手が起きるラストシーンのために
  走るのではない。
  徒労を重ねる日々が、どうにも愛おしいだけだ。

  とうとう綴ることをやめた者に
  誰からともなく花が贈られるラストシーンのために
  闘うのではない。
  完結できない日々が、どうにも狂おしいだけだ。
愛機;HARLEY−DAVIDSON XL1200R SPORTSTER


2008年11月11日(火)
冷え込みは朝晩のこと。日中は至福の光に包まれた。 @盛岡市近郊


  そうかい、
  君は、誰かを蹴落とすことで
  頭が一杯なのかい。
  (そりゃ、たいへんだ)
  私は、一個の岩を攻略することで
  無我夢中だ。

  そうかい、
  君は、皆に支持されるために
  東奔西走なのかい。
  (そりゃ、たいへんだ)
  私は、この山野を走破することで
  苦心惨憺だ。

  そうかい、
  君は、最上階をめざすために
  根回しの最中かい。
  (そりゃ、たいへんだ)
  私は、この大地に根を張ることで
  一心不乱だ。


  危機管理の椅子で
  君は、せいぜい、私を嘲笑っていてくれ。

  利害を離れた森で
  私は、仲間と腹の底から笑っているから。
ライダー:ナカタさん、マシーン:ガスガス


2008年11月10日(月)
少しでも日がかげったりすると北風が身にしみた。山間部の日陰に冬が匂った。 @葛巻町


  絶対などと言い張るな。
  引き返せなくなる。
  やり直せなくなる。
  つくろえなくなる。
  逃げ場がなくなる。

  100パーセントの善を言い張って
  薄っぺらな正義が闊歩する。

  100パーセントの悪を言い張って、
  狂気じみた天誅が横行する。

  今日、たまたま正しい者よ、
  明日も正しいと信じる者よ、
  未来永劫の正義を確かめ合う徒党よ。
  滑稽な団結で正義を謳う者たちよ。
  善悪を100パーセントで語りたがる群よ。

  誤りながら美しいものを見たことはないのか。
  正しくても醜悪なものを見たことはないのか。

  「イエス」か「ノー」かを求めて、
  全てを失った者の話を聞いたことはないのか。

  「有」か「無」を決め急いで
  自分を消し去った者の話を聞いたことはないのか。
愛機:BMW HP2


2008年11月9日(日)
最高気温10度1分を寒暖で論じられない北国。無風、やわらかい青空なら、まずは極楽の晩秋。 @滝沢村(トライアルパーク)


  (北国だからさ)

  青空がのぞくだけでも、
  少し陽が射すだけでも、
  雲が優しいだけだって、
  心がとけるほど嬉しい。


  俺達同じ空を見上げて、
  声が弾むだけで嬉しい。


  俺達同じ道をめざして、
  笑い合うだけで嬉しい。


  俺達同じ夢をいだいて、
  突き進むだけで嬉しい。


  俺達同じ辛さを知って、
  助け合えるから嬉しい。
チャグチャグトライアル大会」にて


2008年11月8日(土)
力無い青空と陽射し。乾いて冷えた風だけが元気に舞っていた。最高気温7度5分(盛岡)。  @滝沢村


  俺はね、
  あまりに静かな心が
  おそろしい。
  もう何事も起きないと思うと、
  叫び出したくなる。

  満たされ癒やされ
  このまま眠ってしまいそうで、
  おそろい。
  もう二度と闘わないと思うと
  駆け出したくなる。

  待ちわびた日が
  目の前に立っていたりして、
  おそろしい。
  もう指折り数えないと思うと、
  粉々にしたくなる。


  見渡す限りの風に
  飛び交う弾丸を探す自分が、おそろしい。
  斬り合う怒号を聞く自分が、おそろしい。
愛機:HONDA Ape100


2008年11月7日(金)
出鼻を挫く朝の雨。その後は、雲も多かったが、控えめな陽射しもあって、そこそこ街は乾いた。 @盛岡市(中津川)


  見過ごされ
  見落とされ
  見覚えの無い者になり、
  なお片隅に佇む明日の影よ。

  誰も振り向かぬ初冬の夕暮れに
  なお片隅でもの思う明後日の影よ。

  その小さく冷えた水溜りだけは、
  いつか映したお前の気持を覚えている。

  その色褪せた落ち葉たちだけは、
  いつか風とともに戯れたお前の笑顔を覚えている。
愛機:HONDA Monkey


2008年11月6日(木)
寒冷前線の通過。大気不安定。盛岡地域には大雨と雷の注意報。結局、まずは平穏だった一日。 @岩手山麓


  イメージできる未来がある。
  やれば、きっと実現出来るイメージが、
  ひとつやふたつ、ある。
  その準備もある。覚悟もある。

  (けれど、しない。あえて、しない)

  それが、おそらく最も強い現在なのだ。
  しないからイメージは膨らみ成長する。

  イメージの中で、
  誤りは修正され、
  道筋は補強され、
  戦略は更新され、
  熱情は増幅され、
  過熱は鎮静され、
  夢は鍛えられる。

  そのように、
  より高いイメージの中で未来は磨かれる。

  練りに練られて、現実が迎えに来て、
  ついに行動は起きる。迷い無く。


  (甘いイメージで終わる妄想とは、そこが違う)
愛機:HONDA Ape100


2008年11月5日(水)
体の芯に届く陽射しの温もりだった。深みを増した青空に、暗い雲が覆う風景もあった。 @岩手山麓


 雲は流れて止まらない。
 雲を追って私は幾度立ち止まる?

 光は移ろい止まらない。
 光を求めて私は幾度立ち止まる?

 風は舞って止まらない。
 風を浴びて私は幾度立ち止まる?

 山は装って止まらない。
 山を見上げ私は幾度立ち止まる?


 (走る者の幸せは、立ち止まる自由)

 立ち止まれぬものたちを見送り、
 やがて、自らの影の寂しさに
 たまらず走り出す。
愛機:BMW HP2


2008年11月4日(火)
強風注注意報の中で枯れ葉が舞い狂った。切れるような夕闇に風となれば、指先が痺れた。 @盛岡市


  暗いから見えないのではない。

  見えなくて良いもの一切が覆い隠され、
  ついには真実の輪郭が浮き立つのだ。

  その瞬間(とき)を待ちきれず、
  灯りをともすから、
  ますます暗闇の濃さが増すのだ。

  心細い時こそ
  獣のように地平線を睨め。

  逃げ出したい時こそ、
  夜に向き合え。

  凍える時こそ、
  魂に火を放て。

  (そのように世界の輪郭を照らせ)
愛機;HARLEY−DAVIDSON XL1200R SPORTSTER


2008年11月3日(月)
大気不安定。雷注意報が出される中、断続的な青空、小雨、陽射し。入り乱れて荒れた文化の日。 @盛岡市


  この丘に立ち、今日を閉じれば、
  不思議に安らかな夜です。
  この丘に叫び、今日を開けば
  不思議に救われる朝です。

  (私は、居場所を得たのだと思うのです)

  惨憺たる旅路の果てに、
  この地に巡り逢ったのです。
  虚しい回り道の果てに
  この地に辿り着いたのです。

  すべてを失って仰ぎ見る空は、
  あまりに高くて
  だから、ずっと顔を上げていられたのです。

  すべてを叩き潰されて浴びる風は、
  あまりに透明で
  だから、ずっと彼方を見つめていられたのです。

  すべてが去ったあとの星座は、
  あまりに鮮明で
  だから、ずっと未来図を重ねていられたのです。
愛機:HONDA ベンリィ50S


2008年11月2日(日)
深い朝霧を突いて南下。室根山は快晴。昼前後に冷えた小雨。間もなく天気回復。 @室根山(一関市)



  やる気があるかどうか、だ。

  やる気を押し出してくれる自信があるかどうか、だ。

  自信を抱けるだけの修行があったかどうか、だ。

  修行を続けるだけの思いがあったかどうか、だ。

  思いを支える夢があったかどうか、だ。

  夢を育む天地があったかどうか、だ。


  そして、
  天地を知る魂があるかどうか、だ。

ライダー:豊間根さん


2008年11月1日(土)
前日に出された「曇り」の予報を基準とすれば、朝から明るい青空。軽装を許す陽射し。マイルドな晩秋の足踏み。 @岩手山麓



  もはや
  策は尽きても
  沸き立つ雲は無尽蔵だ。


  もはや
  力は出ずとも
  ふりそそぐ陽は燦燦だ。


  もはや
  汚れ切っても
  やがて一切は雪の下だ。


  もはや
  暗黒の時だが
  忘れ難い天地の笑顔だ。


  嗚呼、わたしひとりのために
  雲よ、踊ってくれるのか。
  陽よ、照らしてくれるのか。
  風よ、歌ってくれるのか。

愛機:HONDA Ape100


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