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イワテバイクライフ 2009年 9月後半


2009年9月30日(水)
遅々と回復しない空。夕刻に至り、にわかに激変。もはや芸術の夕闇。津波注意報に撹乱された後のこと。


  俺は、つまり、こうして生きていたいのだ。
  だから、この日々のためなら、
  どんなに惨い歳月も
  笑顔で見送れるのだ。

2009年9月29日(火)
雲の皮膜は粘着質で、日が陰る時間帯も多かったのだが、夕闇の頃に晴れ渡って来た。 @岩手山麓


  心が決まれば、
  あとは目を閉じていてもよい。
  太刀を振り下ろすだけだ。

  骨を断つ気で振り下ろすのだ。
  腐ったものを寸断するイメージだ。
  交換条件や言訳の羅列に耳など貸さず、
  まっすぐ振り下ろすのだ。
  妥協の提示や、うやむやにする魂胆へ、
  振り下ろすのだ。
  ど真ん中からふたつに割ることを念じ
  振り下ろすのだ。
  腰を据え、気合いを込め、
  上から下へ美しく振り下ろすのだ。

  我が身の明日が人質なら、
  なおさら迷い無く、この身を斬って、
  黒い影の息の根を絶つのだ。
KTM250EXCーF

2009年9月28日(月)
いかにも下り坂の曇天は、昼前から小雨を降らせ、夕闇に車の水飛沫が浮き立った。 @盛岡市


  この幸福を失うことが、
  辛くて狂いそうならば、
  この日々を捨てるのが、
  最も賢明かもしれない。

  他人に強奪される前に、
  街の地図を焼くことだ。
  私の暮しを焼くことだ。
  結んだ絆を斬ることだ。
  この空の下の思い出を
  ひと息に消去するのだ。

  何から何まで捨てれば、
  いつ此の地を失っても
  もう悲しむことはない。
  奪う者の正体も暴ける。

  その様に覚悟したのだ。
HONDA Monkey

2009年9月27日(日)
20度を少し越えた程度でも秋の晴天は強烈な眩しさ。気分は、ほとんど夏。 @滝沢村


  試すだけの出題は、
  ふるい落とすことしか考えていない。
  レベルを思い知らされて終わる。


  阻むだけの出題は、
  容易く解かせないという意地だけだ。
  無用な困難の連続で疲れ果てる。


  楽しませる出題は、
  挑む者に理解させ探究させるものだ。
  取り組むほどに実に味わい深い。
2009滝沢エンジョイトライアル(岩手県選手権大会)にて

2009年9月26日(土)
青空は熱気の皮膜に覆われて白く霞み、うねる雲は真夏日のそれだった。 @岩手山麓


  にこにこしていてごらん。
  ある者は、それを温和と言い、
  ある者は、それを不真面目と言い、
  また、ある者は、それを道化と言う。

  じっと黙っていてごらん。
  ある者は、それを思慮と言い、
  ある者は、それを反抗的だと言い、
  また、ある者は、それを自閉と言う。

  何でも頷いていてごらん。
  ある者は、それを協調と言い、
  ある者は、それをいい加減と言い、
  また、ある者は、それを卑屈と言う。


  実にそのようなものだ。
  偶然通りがかった誰かの印象ひとつで、
  人の役割は決まる。

  所詮そのようなものだ。
  偶然すれちがった誰かの気分ひとつで、
  人の明日は決まる。
HONDA Ape100

2009年9月25日(金)
風が熱気を運んで来た。夏の記憶が匂った。 @秋田県(田沢湖)


  今日の空を映すのは、
  一面の水鏡。

  昨日の私を映すのは、
  言葉の泥沼。

  明日の道を映すのは、
  吹き渡る風。


  寄せては砕け、
  現れては消え、
  定まって乱れ、
  暮れゆく湖畔。
スポーツスター883R

2009年9月24日(木)
最高気温25度(盛岡)。どうりで風に秋の香りが希薄だった。陽射しは汗を誘う場面もあった。 @八幡平アスピーテライン


  もの言う気力は、若気の至り。
  もの見る知恵は、老いの賜物。
  昨日のわたしを
  明日のわたしは、
  ただ懐かしんで、
  そんなこともあったと微笑むだろう。

  今日の思いなど、明日は他人ごとで、
  今日の決断など、明日はお笑い草で、
  今日の道筋など、明日は欠伸を誘う。

  だから、わたしは、
  あなたを困らせてやろうと思うのだ。
  何故それほど惨たらしい未来なのか、
  けして忘れられないように、
  今日の気力を振り絞り、
  若気の至りとやらを
  この夕暮れに刻みつけておいてやろう。
スポーツスター883R

2009年9月23日(水)
小雨にけむって朝を迎え、乾き切らない街は、霧にけむって夜を迎えた。 @盛岡市


  うんと迷った時にはね、
  何も決断しないことだ。
  ぎりぎりまで何もせず、
  時間切れにさせることだ。
  それで、案の定、つまらないことになっても
  それだけのことだ。傷口はごく小さくて済む。
  (運命とやらを思い知るだけさ)


  それが許せないならね、
  走る思いに従うことだ。
  後先のことを斟酌せず、
  事を運んでしまうことだ。
  それで、案の定、惨たらしいことになっても
  それだけのことだ。でかい風穴が開くだけだ。
  (自分とやらを思い知るだけさ)
HONDA ベンリィ50S

2009年9月22日(火)
シルバーウィークという降ってわいた連休も、小雨交じりの曇天のもとで終盤に入った。 @盛岡市


  つまらない後悔なんて、
  何も役に立たない。
  何も学ぶ事はない。

  どちらにしても後悔するのなら、
  全力の果てに何もかも失うことだ。
  呆然とするほどの損失を被って、
  取り返しがつかないところに立たされるがいい。
  その時、初めて、手放したものや壊したもの、
  諦めたものが、どれほど大切なものだったか、
  心に深く突き刺さる。
  己の愚かしさが分る。

  生涯背負うに足る、
  噛み締めるに足る教訓が欲しいのなら、
  生死の境界さえ定かではないところで、
  ひとり苦しむ他はない。

  真の結果を求めるのなら、
  破滅と表裏の決断を下すことだ。
  (最善の後悔のために)




  ※本文と画像は一切関係ありません。
HONDA Monkey

2009年9月21日(月)
岩手全体20度前後の気温で10月並の秋。夕刻は雲に覆われ雨の気配。 @岩手山麓(姫神山遠望)


  今日の出来事なんて、
  数年先には意味を失い、
  記憶の吹きだまりに舞っている。
  (騒がしいほどに心は虚しくなる)

  今日の当事者なんて、
  数年先には消え去って、
  残された仕組だけが動いている。
  (責任を叫ぶほどに気恥ずかしい)

  今日の交渉事なんて、
  数年先には無効になり、
  裏事情だけが一人歩きしている。
  (約束を確かめるほどに薄ら寒い)


  数年の旅から故郷に戻った者は、
  何ひとつ変わらない風景を見渡し、呟くのだ。
  「この歳月の馬鹿馬鹿しさを噛み締めなければ、
  今日という日は巡って来なかったのか。
  黙々と無意味という煉瓦を積み重ねることで、
  人生は許されるのか」
スポーツスター883R

2009年9月20日(日)
秋晴れ。最高気温20度5分(盛岡)。申し分ない爽やかさ。 @山形県


  目先のことに
  一喜一憂しているとね、
  目的地までの道を見失うよ。

  昨日までの習慣を
  人生のすべてのように思い込んだり、
  溜め込んだものを
  意固地に握り締めて離せなくなって、
  結局、一歩も先へ進めなくなるなんて、
  誰かの思うつぼじゃないか。

  目の前のひとつの季節さえ、そうだ。
  退屈な時間と見れば、日々は色彩を失う。

  カレンダーの中の数年さえ、そうだ。
  やり過ごすだけなら、日々は虚しくなる。

  そんな季節や歳月を負わされても、
  涼しい顔で楽しみ切る者こそが、
  めざすところに辿り着けるんだよ。
2009東北トライアル選手権シリーズ 第7戦 山形大会にて

2009年9月19日(土)
日中は良く晴れて大地の体温も上がったが、夕刻の空を雲が覆って、夜はひんやり。 @盛岡市


 わたしが、
 ここに居なくても、
 誰かが汗を流し、実りの秋を迎える。
 そのように季節は、
 ここに繰り返される。

 わたしが、
 ここから消えても、
 誰かが種をまき、次の時代を迎える。
 そのように生命は、
 ここに繰り返される。

 そのように天地は、
 わたしを待っていてくれる。

 そう思うだけで、
 どんな遠回りも一瞬の出来事だ。
 
HONDA Ape100

2009年9月18日(金)
秋晴れ、というほどの爽快感も無いまま、どちらかと問われれば、まあ穏やかだった、という感じ。 @盛岡市


  喧騒の風の中で
  明日のことを決めちゃいけない。
  前夜の約束さえ
  実に容易く裏切られていくのだ。
  実に真面目な顔で掌を返すのだ。

  甘い囁きの中で
  未来の一切を託しちゃいけない。
  今朝の微笑さえ
  すでに真意を推し量れないのだ。
  すでに好意とは無関係な何かだ。

  (そんな時にはね)
  敵でも味方でもない誰かに向い、
  過ぎ去った事実だけを話すのさ。
  解釈なんか微塵も加えないのさ。

  素性も知れない誰かと向き合い、
  取り返しのつかない約束をして、
  明日を縛っちゃいけないんだよ。
  利害にはしる眼差しを見逃さず、
  歪曲させるものに耳など貸さず、
  道の行方を凝視する他ないのさ。

  誰かの思惑がからむ明後日など、
  律儀に背負ったりしてはいけないよ。
KTM 250EXC-F

2009年9月17日(木)
この秋一番の冷え込み(盛岡で最低気温8度7分)ではあったが、日中は温もりのある光にみたされた。 @岩手山麓


 馬鹿だなあ。
 ひとの言うことを最後まで聞けよ。
 (風の歌声を聞いてこい)
 大切な言葉は、
 いつも最後の一行だから。

 慌て者だな。
 最悪の結末を妄想して先走るなよ。
 (青空で顔を洗ってこい)
 昨日の約束は、
 澄み切って嘘は無いから。

 不器用だな。
 熱愛か憎悪の他に情は無いのかい。
 (秋の光線を浴びてこい)
 消えゆくものは、
 曖昧だが穏やかだから。
KTM 690ENDURO R

2009年9月16日(水)
どんより朝を迎え、時折小雨に濡れたが、夕刻には爽やかに晴れ渡った。 @盛岡市(青山町)


  今日のあなたの思惑なんて、
  数年経てば秋の雲より軽くなる。

  宿場街の数日前の出来事なんて、
  瞬く間に風に運び去られる。
  したためた日記ですら
  記憶を辿れない。

  数年先の祭で
  誰が笛を吹き、
  誰が太鼓を叩き
  誰が山車を引くのか
  今日決めてみたところで
  誰も振り向かない。
  ただ今日の笛や太鼓が、
  今年の秋を奏でるだけだ。

  担ぎ手は、いくらでもいる。
  次々顔ぶれは変わる。
  あなたが去っても祭は続く。
  あなたの言いつけなど車輪に轢かれ、塵となる。

  ものごとは、躊躇せずあなたを素通りしていく。




  ※本文と画像は一切関係ありません。
HONDA Ape100

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