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イワテバイクライフ 2010年1月前半


2010年1月15日(金)
最低気温マイナス10度1分。この冬一番の冷え込み。当然、真冬日。 @盛岡市


  絶大な力は、
  深い闇の中から浮上するものだ。
  あらゆる不条理を乗り越え、
  すさまじい怨念に支えられているものだ。
  だから、そんな力は、孤独と暗闘の森に棲み、
  何者をも信じることは無く、
  最後まで寂しい。

  狂乱の道程を振り返るほどに、
  もの悲しい。
HONDA ベンリィ50S

2010年1月14日(木)
ありきたりな励ましや、あいまいな決心など凍り付かせる寒気。だからこそ、凛とした銀世界。 @小岩井農場


  うれしさは笑顔になる。

  かなしさは静寂になる。

  さて、むなしさは筆になる。
  とめどなく言葉を綴らせ、
  心を埋めようとする。
  希望という嘘で埋めていく。
HONDA ベンリィ50S

2010年1月13日(水)
朝からザンザン大雪。片付けようもない勢いだった。夕刻、空は我に返った。 @盛岡市


  今日の登場人物は、
  いずれ立ち去る。
  スイッチを切るように消える。

  今日の出来事など、
  やがて風化する。
  理由も結末も忘れられていく。

  今日の雪の白さは、
  いつまでも残る。
  虚しく移ろうものを覆い隠し、
  無垢な山河を広げてみせる。
  「さあ、ここに足跡を刻め」と
  夕闇さえ白く染めていく。
HONDA Monkey

2010年1月12日(火)
小雪が舞って、どんより。湿り雪の化粧など、すぐにとけて崩れて、泥水。 @盛岡市


  心に庭を持つ者は、幸せだよ。

  すっかり馴染んだ場所だから、
  どんなに暗くたって手の内だ。

  深く胸におさめた空気だから、
  どんなに冷えても甘い香りだ。

  繰り返されて来た季節だから、
  どんな時代でも約束の通りだ。

  ひたすらに刻んだ記憶だから、
  どんなに離れていても一緒だ。

  ひたすらに愛しんだ命だから、
  どんな旅の枕にも花々は咲く。

  (走り続けた大地の歳月こそ、心の庭だ)
HONDA Monkey

2010年1月11日(月)
真冬に束の間の緩み。明朗な青空があった。やわらかい光だった。 @岩手山麓


  明日の行方は、
  ひとりで決められるものじゃない。
  (だから面白いんだよ)

  偶然あらわれた他人の思惑や
  ろくでもない誰かの横槍で、
  道は意外な展開を見せ始める。
  (だから飽きないんだよ)

  心に固く決めた筋書きなど
  いとも容易く踏み付けられ蹴飛ばされ、
  明日へ転がっていく。

  それを追いかけるから、
  人生は燃え出す。

  それを拾い上げるのは、
  結局一人だから

  人生は愛おしい。
HONDA Ape100

2010年1月10日(日)
早朝の雪が薄い皮膜となって街を覆った。やがて車道は乾き、歩道は凍った。 @盛岡市


  賢明な判断とやらで、
  昨日という病床に横たわっていないか?
  朝が来れば傷など癒えている。
  さあ、次の闇を恐れず明日へ動け。

  大人の態度とやらで、
  心の揺らめきを見殺しにしていないか?
  晴れ渡る空が思いを誘い出す。
  さあ、次々生まれ来る明日を掴め。

  思慮の深さとやらで、
  言葉を噛み殺し腕組みをしていないか?
  地平線に立つ炎が決心を促す。
  さあ、今日を踏越え明日を目指せ。


  雪がとける前に、純白の轍を残せ。

  春の到来の前に、 一途な夢を刻め。
HONDA ベンリィ50S

2010年1月9日(土)
夕べの雪が、うっすら、ふわり街を彩ったけれど、すぐに消えた。夕闇の中、再びの薄化粧。 @盛岡市


  わたしはね、
  この道の果てにあるものを
  求めているわけではないのさ。

  この道から見える季節を
  愛しているだけだ。

  この道ですれ違う人生に
  心引かれるだけだ。

  この道に吹く風の香りに
  故郷を思うだけだ。

  何処へ行こうというわけじゃない。
  何処まで行けるかということでもない。
  今日も路傍の光があれば、
  それでいいんだよ。
HONDA Monkey

2010年1月8日(金)
青空の下、白く乾いた国道が続く様など、さながら白日夢。夕闇を白く染める雪で夢はさめた。 @花巻市近郊


  一切を黙らせるほどの力に頼るなら、
  覚悟することだ。

  ひとたび世話になろうものなら、
  人生を差し出す程の恩返しを求められる。
  ひとたび義理を欠こうものなら、
  願いという願いは叩き潰されることになる。

  そして、その力が地に墜ちた瞬間から、
  執拗な残党狩りは始まる。
  関わっただけで敗者の旗を負わされ、
  雪礫を投げ付けられる。

  それを覚悟の上なら、
  時の門を叩くがいい。
  思いの丈を伝え、
  力を借りるがいい。
スポーツスター883R

2010年1月7日(木)
正月の雪がとけていく。道は地肌をあらわし乾いたが、夜は冷えて残雪もガリガリ。 @岩手山麓


  明日の行方を
  他人(ひと)に任せているから、
  びくびくするんだよ。

  道の先行きを
  運や縁などに任せているから、
  ふらふらするんだよ。

  心の落ち着き先を
  富だとか誉に任せているから、
  がつがつするんだよ。
HONDA Ape100

2010年1月6日(水)
雪が、ひたすらにとけた。やたらに崩れたがり、踏み付けられるや、喜んで水にもどった。 @岩手山麓


  「船に残りたければ、健康であれ。
  疲れた素振りは微塵も見せるな。
  きついだとか、つらいだとか、
  休みたいだとか、
  けして口にするな」

  そんな脅し文句に
  老いた水夫達は櫓を漕ぎ続けた。
  明るい舟歌とともに
  昼も夜も力を振り絞った。

  そのように無理に無理を重ねて、
  病に倒れ、海に捨てられた。
HONDA Ape100 撮影日:2009年1月6日

2010年1月5日(火)
ざんざんと雪。厚みを増した雪景色。それも、すぐに崩れ始め、午後は雨に近い雪。 @盛岡市


  人の思いは、
  面と向かって告げても、
  思った通りには届かない。

  むしろ、
  立ち聞きだとか、
  また聞きだとか、
  盗み聴きだとか、
  噂の類に置き換えた方が、
  耳を傾けてもらえることもある。

  (どれほど歪曲されていようとね)
HONDA ベンリィ50S

2010年1月4日(月)
うっすら新雪。ぼんやり朝霧。ぐちゃぐちゃに崩れる午後。夕刻になって湿り雪。 @盛岡市


  ひとりで頑張っている気になるとね、
  他人にも求めるようになるらしい。
  自分と同じ頑張りをね。

  同じ真面目さ。同じ熱気。同じ声音。
  同じ汗。同じ涙。同じ傷。同じ辛酸。

  一心不乱だとか、
  無我夢中だとか、
  そんなところで酔っていると、
  結局、ひとり暮れていくだけだよ。
HONDA Monkey

2010年1月3日(日)
青空は雪雲の狭間に溺れ、山間部は時折視界を遮るほどの湿り雪。 @花巻市(トライアルパーク)


  人の足跡はね、
  自分勝手に残せるものじゃないんだな。

  めざすところに届きたいという思いを
  天地が受け止めてくれて、
  はじめて浮き立つものじゃないのかな。
ライダー:工藤さん、マシーン:GASGAS

2010年1月2日(土)
断続的に雪は積るのだが、かすかな陽射しを浴びて、とけるから、累積されることは無さそうだ。 @岩手山麓


  ある朝、偶然目にした文章が、
  自分のことを言い表している様に思えたら、
  おそらく、その通りなのだ。
  そこに綴られたことは、
  世界中の誰のことでもない。
  間違いなく自分のことだ。

  罪深く後ろめたい者の直感は鋭いから、
  その言葉は刺さるのだ。
  心の闇を貫くのだ。
HONDA ベンリィ50S

2010年1月1日(金)
真冬には違いない。鋭く凍った風が体の芯に突き刺さる。 @盛岡市


  立ち止ることがある。
  次の一歩のために
  立ち止る。

  目を閉じる時もある。
  めざす場所を思って
  目を瞑る。

  黙りこくることもある。
  溢れる思いを抑えて
  拳を握る。


  長い道程には、そんな瞬間(とき)がある。
HONDA ベンリィ50S

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