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イワテバイクライフ 2010年2月前半


2010年2月15日(月)
夕べの雪は、朝のうちからとけて元通り。最高気温3度1分(盛岡)。体の芯に届く寒気無し。 @岩手山麓


  できるか、できないか、
  それは、さておき、
  手段を持つくことは良いことだ。

  どうしたいのか、どうありたいのか、
  より良いイメージが脹らむからね。

  何が描けるか、それはさておき、
  良い絵筆を持つことは、
  楽しいことだ。
  何を奏でられるか、それはさておき、
  良い楽器を持つことは、
  嬉しいことだ。

  大切なことは、
  その道具がもたらすイメージに
  絶えず触れることだ。
  線にして、音にして、
  どうしたいのか、どうありたいのか、
  ひたすらに求めながら
  生きることだよ。

  できるか、できないか、
  それは、さておき。
HONDA Monkey

2010年2月14日(日)
おだやかな青空だった。やわらかい光だった。道は乾いて、春の幻覚が続いた。夜の雪で我に返った。 @花巻市(トライアルパーク)


  何を選ぶのか、ということより、
  それで何をするのか、だよな。
  何をしたくて何を選ぶのか、
  そういうことだよな。
  (当たり前だなあ)

  何をするのか、ということより、
  それでどうなりたいか、だよな。
  どうなりたくて何をするのか、
  そういうことだよな。
  (それもあるなあ)

  でもなあ、
  何もしたくないから、
  何かに夢中になることもあるしなあ。
  何も考えたくないから、
  何かを選ぶということもあるしなあ。
  何者にもなりたくないから、
  走り続けるということもあるしなあ。
  (いろいろだなあ)




  ※本文と画像は一切関係ありません。
ライダー:右から菅原さん、天瀬さん、曽原さん

2010年2月13日(土)
氷点下0度5分(盛岡)の真冬日など、冬の頂を越えた身には、数値上のこと。 @岩手山麓


  異国の雪を
  語り伝えるのなら、
  その功名心を捨ててからにしてくれ。
  (雪原が薄汚れるから)

  異国の氷を
  語り伝えるのなら、
  その興奮を冷ましてからにしてくれ。
  (氷上に唾が飛ぶから)

  異国の冬を
  語り伝えるのなら、
  その祭気分を脱いでからにしてくれ。
  (真実が見えないから)
HONDA Ape100

2010年2月12日(金)
夕べの雪は、そこそこの青空のもとで解けていった。厳冬のピークは過ぎつつある。 @岩手山麓


  人の暮しは 
  屋根から滑り落ちる雪のようだ。
  春の陽射しが現れれば、
  いずれ、そうなる。

  人の思いは、
  真夜中を飲み込む雪崩のようだ。
  凍える夢を温めるうちに、
  まったく突然動く。

  人の世は、
  大山脈に横たわる氷河のようだ。
  流れ出すのが恐ろしくて、
  歳月を凍らせる。
  
HONDA ベンリィ50S

2010年2月11日(木)
うっすら陽を浴びて街は乾いていたが、夕闇にちりちりと雪がまじり、思いのほかに積った。 @盛岡市


  筆を選んでいるうちに
  季節は変わる。

  絵の具を混ぜるうちに
  風景も変わる。

  構図など決めるうちに
  時代も変わる。

  光と影を求めるうちに
  人間も変わる。


  それでもなお
  心に従い画布に向かう者は、
  記憶の彼方に佇む
  自らのトルソーを描く。
HONDA Monkey

2010年2月10日(水)
辛い季節は鈍感に過ごすのが一番。気付けば2月も10日が過ぎていく。寒気の棘に毒も無い。 @岩手山麓


  いつも通りの暮しなんて、いつか終わる。
  いつも通りの仕事なんて、いつか潰れる。
  いつも通りの算段なんて、いつか崩れる。
  いつも通りの熱中なんて、いつか冷める。

  (それでいい)

  今日の顛末は、
  所詮ひとつの「思い出」だから。
  何事も変わり果てるという話だから。
  いつか懐かしい記憶になっていくから。
  今日の修羅場など「笑い話」だから。

  終わっていくものを追うな。
  潰れていくものを惜しむな。
  崩れていくものを支えるな。
  冷めていくものを責めるな。

  すべてが過ぎ去った静けさにこそ向き合え。
HONDA Ape100

2010年2月9日(火)
最高気温8度1分(盛岡)。凍っていたホースから水が流れた。街の残雪がみるみる縮んだ。 @盛岡市


  どんなに美しいもので飾ろうと、
  どんなに名誉をかき集めようと、
  どんなに華やかな宴を開こうと、
  埋めようの無い心を
  みたすことはできない。

  花を、玩具を、恋を
  自らに惜しみなく与える者よ。
  嘔吐しながら、
  なお満たそうとする者よ。
  修復できるのは、
  失った心そのものなのだ。
  例え粉々に砕けていても、
  最後のひと欠片まで拾い集め、
  あるべき姿におさめる忍耐こそが、
  お前を救うのだ。

  その果てしない道程こそが、
  生きるということではないのか。
HONDA Monkey

2010年2月8日(月)
青空こそ長続きはしなかったが、凍り付いたものを、ゆるませ、とかす力を感じた。 @盛岡市


  デリケートな問題を
  即座に解決するのなら、
  無神経な者を差し向けることだ。
  赤面の力業で
  とにもかくにも片づける。

  既に手遅れの事を
  そっと放置するのなら、
  真面目な者達に任せることだ。
  赤面の奉仕で、
  終わる日まで守り抜く。

  見渡す大地一面を
  支配するというのなら、
  ロマンチストを走らせることだ。
  赤面の熱情で、
  大山脈さえ越えていく。
  
HONDA ベンリイ50S

2010年2月7日(日)
光が優しかった。青空に春がにじんだ。かすかではあるが、心が楽になった。 @花巻市(トライアルパーク)


  めざす場所が無ければ、
  道筋など描けない。

  大きな困難が無ければ、
  挑戦には至らない。

  進歩の自覚が無ければ、
  技など錬磨しない。

  燃えるものが無ければ、
  夢なんか追えない。


  遊技と見るか、競技と見るか、人生と見るか。
  それだけのことだ。
ライダー:菅原さん(国際B級) マシーン:RTL260F

2010年2月6日(土)
岩手の34観測地点すべてで真冬日。盛岡は4日連続の氷点下。パウダースノーの圧雪の気持ち良さ。 @盛岡市


  ほどほどのところで
  まとめようなんて思っちゃいけない。
  ぎりぎりのところで
  譲り合おうなんて考えちゃいけない。

  そんな了見で片付けたって、
  三日も経てば、同じ騒ぎだ。
  冬ひとつ越えられやしない。

  肝心なものを捨て合った決着は、
  もの事をこじらせるだけなのさ。
HONDA ベンリィ50S

2010年2月5日(金)
この冬一番の寒さ。夜明けがバリッと凍った。宵闇がパウダースノーに染まった。 @盛岡市


  大球場のネット裏に居た。
  私は、Tシャツに短パン姿だった。
  ただ、ボールの行方を眺めるだけだから、
  それで充分だった。

  上陸用舟艇に乗っていた。 
  私は、ねじり鉢巻に半纏姿だった。
  ただ、作戦の結末を見届けるだけだから、
  それで充分だった。

  法廷のまっただ中に居た。
  私は、朗々と歌を歌うだけだった。
  ただ、猿芝居の判決を受けるだけだから、
  それで充分だった。

  (そんな夢を見た)

  カラの鞄を持って家を出た。
  それで充分な気がした。

2010年2月4日(木)
盛岡市の藪川では最低気温・氷点下24度。この冬一番の冷え込み。真冬日の立春。 @盛岡市


  明るく素直にマニュアル通り。
  手堅く迷わずマニュアル通り。
  仲良く一緒にマニュアル通り。
  それでも起きる大間違い。
  それでも繰り返す大失態。
  戸惑うだけのマニュアル通り。
  責任取らないマニュアル通り。
  原因わからぬマニュアル通り。

  そもそも、それは、
  何も知らない者のためにある。
  一番未熟な者のためにある。
  そんなものを御大層に守り抜いて、
  胸を張っているうちに、
  想定外なことになる。

  それ以外の道を探したことはないのか?
  そんな行為は
  マニュアルに載っていないと言うのか?
HONDA ベンリィ50S

2010年2月3日(水)
岩手全体、凍り付いて真冬日(盛岡で最高気温・氷点下3度6分)。そのくせ冬の光線が眩しくて・・・。 @岩手山麓


  わたくしは、日々こうして過ごすことで、
  わたくしとは別の
  誰かになってしまった気がする。
  わたしが作り上げた
  気紛れなイメージに従って
  生きているような気がして来る。

  こんな遊びに出会わなければ、
  ひっそりと、けれど確かな温もりを抱いて、
  暮らしていたのかもしれない。
  凍結の原野に息を弾ませたり、
  厳寒の夕闇に宝探しをしたり、
  そんな狂気の沙汰とは無縁の
  わたくしだったはずだ。

  けれど、イメージは、
  季節の中で命を得て、
  わたくしを生かし走らせる。
  嗚呼、もはや、
  本当のわたくしなどというものこそが幻想で、
  この無益で心安らぐ行為こそが、リアルなのだ。
  実態を越えていくイメージこそが、現実なのだ。
HONDA ベンリィ50S

2010年2月2日(火)
青空は、やがて蒼白い大気に消え入り、冷えた夕闇に、ざんざんと雪が降った。 @岩手山麓


  どんなにつまらないものでも、
  手放したり、決別したものを、
  一度は惜しみ、
  時に後悔するものだ。
  
  今日という日をもたらした
  過去の決断は、
  そのように
  日々の風の中で曖昧になる。

  気付けば、
  いつか通った道に
  迷い込んでいたりする。
  
HONDA Monkey

2010年2月1日(月)
それらしい雨や雪は降らなかったけれど、濡れた裏道の印象が強く、凍り付いていく夕闇こそすべてだった。 @岩手山麓


  電柱に小便をかけて
  自分の縄張りを誇示するのは、
  犬だけではない。

  役に立つとみれば、かける。
  味方になりそうなら、かける。
  自慢したくなって、かける。

  道だろうと
  人だろうと
  村だろうと
  風景だろうと、
  これでもかと自分の臭気を
  どくどくと注ぎかける。
  ただれさせるまで、かける。
  
  それが風に匂うから、
  (実にあざとい匂いだから)
  俺は今日の居場所を定めない。

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