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イワテバイクライフ 2010年2月後半


2010年2月27日(土)
内陸は、相変わらず「春の勇み足」。沿岸は、いつもの気温に戻った様子。 @岩手山麓


  へつらわず、
  おもねらず、
  すり寄らず、
  下心もなく、
  向き合った者から
  下される評価こそ、
  本物なんだよ。
  それこそが、
  ありのままの自分なんだよ。
  純粋な現実なんだよ。
  厳しかろうと酷かろうと、
  感謝して受け止めることだ。
  その上に積み上げるものこそ、
  堂々たる人生だ。
HONDA Ape100

2010年2月26日(金)
大気は温もり霧にけむり、街は春の雨に濡れた。 @盛岡市


  抱き上げてくれる人はなく、
  手を引かれていく所もなく、
  泣き出してよいわけもなく、
  僕らは、やがて、
  風に抗い、
  人に抗い、
  時代に抗いながら、
  夢を抱きしめ、
  志を引き連れ、
  唇を噛み締め、
  走る者になる。
HONDA Monkey

2010年2月25日(木)
春霞。宮古では20度を越え、盛岡でも13度8分。このまま春になったら、それはそれで恐ろしい。 @岩手山麓


  正統を主張したがる群は、
  誰かを異端者に仕立てる。

  結束を誇示したがる群は、
  誰かをことさら疎外する。

  仕組みを守りたがる群は、
  誰かを独裁の地位に推す。
ヘリテイジ ソフテイル クラシック

2010年2月24日(水)
春霞と言うより、いささか濁った青空だったが、最高気温10度9分(盛岡)では文句も言えない。 @奥州市


  ただ拍手して、
  ただ微笑んで、
  何も指摘せず、
  肩を軽く叩き、
  ではお先にと
  立ち去る者よ。

  ただ首を傾げ、
  ただ腕を組み、
  何も思案せず、
  ウインクして、
  ではお先にと
  立ち去る者よ。

  今日もお前は、
  実に自然体で、
  壊し腐らせる。
  静かな復讐だ。
ヘリテイジ・ソフテイル・クラシック

2010年2月23日(火)
たじろぐほどの蒼さ。思わず目を閉じるほどの光線。春とは異質の何かの到来。 @岩手山麓


  許し、解き放ち、
  居場所を与えれば、
  人は、花をつくる。

  罵り、縛り上げ、
  居場所を奪ったら、
  人は、毒をつくる。

  疑い、探り回り、
  居場所を侵したら、
  人は、壁をつくる。

  信じ、響き合い、
  居場所を定めたら、、
  人は、輪をつくる
HONDA ベンリィ50S

2010年2月22日(月)
日が沈んで、なおプラスの気温ならば、春接近の兆しなのだ。 @奥羽山脈遠望


  追うほどの夢はなく、
  追われる理由もなく、
  もう、いいだろうと、
  自らを停めれば、
  懐かしい夕暮れの道端。

  ここに繰り返す
  朝と夜。
  ここに流れる
  光と影。
  いつかまた、
  ここに立ち止る者の為に
  永久に季節を繰り返す道端。
  
スポーツスター883R

2010年2月21日(日)
眩しいほどの青空。軽やかな雲。光だけは、すでに春だった。 @岩手山麓


  ライトを浴びる時代なんて
  ほんの一瞬だよ。
  けれど、その味を覚えて、
  ステージの真ん中を熱望するようになる。

  チャンスを掴むためなら、
  暮らしを後回しにする。
  情愛を置き去りにする。
  道理など黙殺し始める。

  ライトの熱に酔いしれながら老いた者は、
  もの静かな朝を恐れる。
  平穏な昼下がりを嫌う。
  透明な夕闇に火を放つ。
  宴のない夜を呪い出す。

  じっと風に吹かれていることさえ
  我慢できなくなる。
  地上のすべてを照らすものが何か、
  思い出せなくなる。
HONDA Ape100

HONDA Ape1002010年2月20日(土)
青空は、朝方ほんの少し。大半は灰色。ちらつく小雪。かろうじて真冬日は免れた。 @盛岡市


  とてつもなく大きなものが、
  揺れ出すのは、ゆっくりだ。
  体に感じないほどの揺れだ。

  ずっと存在してきたものが、
  崩れ出すのは、実に静かだ。
  眠りを誘うほどの進み方だ。

  中心で回る者ほど
  その変化に気付かない。
  すべては周辺から始まるのだから、
  辺境の防人に聞け。
  老いた狩人に聞け。

  ある朝消えた道標のことを。
  どす黒く染まる川のことを。
  闇夜に沈んだ山岳のことを。
  もの言わぬ村人達のことを。
HONDA Ape100

2010年2月19日(金)
雪が雨に変わる頃とされる「雨水」の日。もはや、冬へ戻れない大気の摂理。 @盛岡市


  どこかで犬が吠えているだけで、
  自分が非難されているように思うのは、
  うしろめたいことがあるんだな。

  どこかで子供が笑っているだけで、
  自分が小馬鹿にされていると思うのは、
  拭い切れない劣等感なんだろうな。

  どこかでサイレンが鳴り出すだけで、
  自分が追跡されているように思うのは、
  隠し続けるべきことがあるんだな。

  どこかで拍手がわき上がるだけで、
  自分が賞賛されているように思うのは、
  褒められることがなかったんだな。

  どこかで誰かが事実を呟くだけで、
  自分の正体が暴かれるように思うのは、
  つまるところ図星だったんだろうな。
HONDA Monkey

2010年2月18日(木)
最高気温3度3分(盛岡)。ささやかな数値だが、冬は確実にとけ始めている。おびただしい雪解け水だ。 @岩手山麓


  この裾野ではね、ずっと昔から、
  誰が「美」を支配するか、確定している。
  誰が「財」を動かすのか、確定している。
  誰が「政」を牛耳るのか、確定している。
  ところがね、
  誰が「夢」を描いてみせるのか、
  決まっていないんだよ。
  実に、そこだけは自由市場なんだよ。
HONDA Ape100

2010年2月17日(水)
猛烈な速度で2月が飛び去っていく。春の助走は始まった。 @岩手山麓


  一度でも本物を見てしまうと、
  偽物を相手にはしなくなる。
  どれほど「らしく」出来ていても、
  気持を向けることはない。

  はじめから偽物に慣されていると、
  相当出来の悪い偽物でも
  案外受け入れられるものだが、
  本物の水準を知ってしまうと、
  「その差」が許せなくなる。

  そんな人々の辛辣な眼差しの理由を、 
  偽物に限って飲み込めない。
HONDA Ape100

2010年2月16日(火)
屈託のない陽射しが氷をゆるませた。残雪は、シャリシャリ音を立てた。 @岩手山麓


  駅前の居酒屋に
  客はまばらだった。
  黒い手帳を持つ男は、
  終電車の時刻も忘れて語り続けた。

  マズイ話ってものはね、
  闇に封印されて、
  息絶えていくんです。
  何か変だ、という違和感だけは漂うのですが、
  その原因に触れる者は出て来ません。
  だから、
  言葉を失うほどの出来事に、
  誰も振り返らない。
  耳を疑うほどの出来事に
  誰も首をかしげない。
  そういうものだと思って眺めている。

  でもね、
  ひとたび、例のマズイ話を知ってしまうと、
  これがまた、すべて納得できるんです。
  不可解な日々のひとつひとつに
  説明がつくんです。

  「あなたの違和感は、
  つまり、そういうことなんですよ」
  男は手帳を懐に戻すと、そう呻いた。


  したたかに酔った男を宿に送る途中、
  虚ろな赤子の泣き声を聞いた気がした。
スポーツスター883R

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