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イワテバイクライフ 2010年4月後半
2010年4月30日(金)
小雨断続。時折の陽射しや青空もあったが、街は濡れたままだった。ようやくの桜花も重く湿った印象。 @岩手山麓
雨に洗われ 祝福されるわたくしは、 人に疎まれる。 風に吹かれ 愛撫されるわたくしは、 人に憎まれる。 光を浴びて あたたまるわたくしは、 人に斬られる。 嗚呼、この大地一面を愛することが、 それほどの罪なのか。 ここに生きていたいと願うことは、 それほどの悪なのか。 その理由を尋ねて、 わたくしは、オイオイと泣くのです。 |
2010年4月29日(木)
盛岡の桜が明日「満開」だと言い切る度胸は大したものだ。蕾を打つ冷たい雨の方が誠実だ。 @盛岡市
今日一日、 此処に生き長らえて またひとつ、 この街の歳月を知る。 この雨の情けを知る。 この私の明日を知る。 |
2010年4月28日(水)
小雨模様。冬を引きずったままの4月にあって、12度7分という最高気温の意味など、どうでもよいような・・・。 @盛岡市
瀬戸際の夕闇はおそろしい。 押寄せるものも 飲まれるものも 理由すら残さず、 引いていく。 消えていく。 今日という日を運び去る。 それでもなお、 波打ち際に立つ影は、 失うものも無く、 めざす所も無く、 流す涙さえ無く、 漆黒の波濤を待ち侘びるのだが、 残酷なことに、 そのような願いだけ置き去りにされる。 新しい朝の中で、 昨日と何ひとつ変わらない絶望が、 光に照らされ、 杭のように突っ立ち、 足元を洗われるだけだ。 |
2010年4月27日(火)
光を吸ってとろけそうな青空は、慌ただしく追い払われ、陰気な天幕に覆われた。夜遅く、雨。 @北上高地
芸術は、 誰かの紹介状をもらって 出会えるものではない。 誤解という腕力。 陶酔という走力。 境遇という惰力。 信仰という磁力。 絶望という暴力。 一切を振り絞って掴み取る何かだ。 それが芸術だと気付くまでに、 人は惨憺たる旅を重ねてしまう。 |
2010年4月26日(月)
透明な春の光に見送られて秋田へ出掛けたが、帰ってみれば冷え冷えとした夕闇。 @鳥海山(秋田県)
思い描いたこと以上のことは起きない。 求めたもの以上の結果は出て来ない。 脹らませた夢以上の明日は訪れない。 すべては、器の中の出来事なのだ。 どうしても、それ以上を望むのなら、 器を割る他ない。 波立たないものや、 溢れようとしないものを 器もろとも破棄するのだ。 躊躇し先送りするほどに 狭量な器は、 鉛のような慣習に、 埋め尽くされる。 器の中におさまりたがる人生を、 まずは疑え。 |
2010年4月25日(日)
高々と轟々と青空に流れる雲。光と影の交代も急な空。まあ、乾いた大気が春らしかった。 @滝沢村(トライアルパーク)
この世に起きることは、 教科書に書かれていないことばかりだ。 それを例外だと思う者は、 同じ失敗をする。 教科書の様な失敗を繰り返す。 そのような者が学んできた教科書には、 人間について、 一行も触れられていないものだ。 作用し合っているのは、人と人だ。 反応し合っているのは、心と心だ。 からみ合っているのは、理と情だ。 一切は暗黙のうちに完了するのだ。 日々の結末を 偶然や事故の如く受け止める者は、 いずれ滅びる。 ※本文と画像は一切関係ありません。 |
2010年4月24日(土)
この時季の最高気温12度(盛岡)の価値って、何だ。石割桜が二輪開花した程度のことか。 @岩手山麓
(まったく偶然のことなのだが) あるタイミングで、ある角度で、 ある思いをかけると、 風が流れ出し、雲を押し流し、 光が射すことに気付いてしまうことがある。 やがて、そこに法則を発見する者が現われ、 力を自在に操るようになる。 風で黒い霧を晴らし、 雲から慈雨を降らせ、 幸福の在処を照らす。 だが、その結果をもたらしたものが 自分であることを告げれば、 自分のままではいられない。 何故なら、その力を、 人は神と呼ぶのだから。 だから、今日の春を導いた者は、 ついに名乗り出ることもなく、 地上の何処かで微笑んでいるのだ。 |
2010年4月23日(金)
各地に霜注意報。宮古では最高気温が3度2分など、岩手全体冷たい雨に濡れて震えた。 @滝沢村
修羅場を重ねていくと、 「ぎりぎり」の呼吸が分かってくる。 「すれすれ」の間合いが見えてくる。 生き残りを賭けた鍔迫り合いでは、 「ぎりぎり」の恐怖や 「すれすれ」の重圧に けして動じないことなのだが、 残念なことに、 それが出来るのは、 一度死んだ者だけなのだ。 |
2010年4月22日(木)
灰色の絵の具を冷えた雨がとかし、街を染めた。花の気配まで塗り潰した。 @盛岡市
神様はね、 時々、道を塞ぐんだ。 それはね、意地悪じゃないんだよ。 そっちへ行くなということなんだな。 神様はね、 時々、光を遮るんだ。 それはね、仕打ちじゃないんだよ。 見てはいけないということなんだな。 神様はね、 時々、夢を潰すんだ。 それはね、無慈悲じゃないんだよ。 真実を見なさいということなんだな。 |
2010年4月21日(水)
最高気温13度2分(盛岡)も、やや強い風で、春本番には至らず。仕切り直し。 @岩手山麓
半端に切れる刀を持つと、 使いたくなるらしい。 己にへりくだらない者を 叩き斬る。 己の意向に逆らう流れを 断ち斬る。 振り下ろすほどに、 我が身が誇らしい。 だが、そこに大義は無いから、 いつも身構え怯えることになる。 強面だとか、尊大だとか、 不機嫌だとか、気難しいとか、 その佇まいの理由は、 案外、他愛も無い。 |
2010年4月20日(火)
霞み加減の晴天のもと花は見当たらない。桜祭りに向けて早々に準備されたボンボリも、待ちくたびれた様子。 @岩手山麓
失うことは、辛いことだが、 人は、それを繰り返して 自分に辿り着く。 たまたまそうであるだけの自分から、 なるべくしてなる自分を知る。 地図を失えば、心が求める方角へ走る。 希望を失えば、自分が望むものを創る。 故郷を失えば、思い描いた天地を探す。 必然の明日は、 偶然の昨日に決別して はじめてやって来る。 |
2010年4月19日(月)
三月並みの日々。解凍しきれない春。うっすらのぞく青空など、寒々しいだけ。 @三陸沿岸
どでかいオートバイは、 とんでもない。 散歩のつもりが、旅になる。 雲を追うだけで、迷子になる。 辿り着いてみれば、 何だ、この懐かしい寂しさは。 嗚呼、引き返すことなど忘れ、 此処で波に洗われていたい。 取り返しがつかなくなるまで こんな日を繰り返していたい。 いつか、錆び付いた相棒に 故郷の地図を広げてみても、 「それは何処だ」と微笑むばかりで、 隣町にさえ辿り着けない私になる。 こんな夕暮れの波音に 飲まれていく影になる。 |
2010年4月18日(日)
スキあらば霙(みぞれ)になりたがる雨に濡れて夜は明けた。昼過ぎから、しぶしぶ雲は流れ去った。 @花巻市(トライアルパーク)
(そうさ、言い訳には違いない) 充分な練習? もちろん、朝から晩までやりたいさ。 それしかないならね。 万全の準備? もちろん、寸暇を惜しみ整えたいさ。 それがすべてならね。 完璧な調整? もちろん、ぎりぎりまで詰めたいさ。 それが最優先ならね。 日々あれこれの中に身を置き、 練習も準備も調整も ままならない私に、 もし、できることがあるとすれば、 挑戦し続けることさ。 それは意志の問題で、 時間や理論や技術じゃないからね。 (だからさ) 「今日の結果」以上に 「今日の意志」が本物だったか。 まずは、それを大切にしたいのさ。 |
2010年4月17日(土)
岩手全体5度前後の最高気温で、2月下旬から3月中旬並。夕方から霙(みぞれ)模様(盛岡)。 @盛岡市
何があっても、 此処で生きて来たものは、 それだけで美しい。 どんな時代も 此処に立ち続けたものは、 それだけで逞しい。 幾多の厳冬を 此処で越えてきたものは、 それだけで温かい。 俺はね、 この街に恥ずかしくない人間になりたい。 何があっても、 どんな時代も、 幾多の厳冬も、 黙々生き抜く者でありたい。 真の棲家を許される者になりたい。 |
2010年4月16日(金)
最高気温9度5分(盛岡)が平年比でほぼ−5度ではあるけれど、とろける光と青空があれば充分。 @岩手山麓
真夜中の女神が、 僕の手を握りしめた。 ねえ、あなた。 無駄な時を過ごさないでね。 あなたが愛するこの大地のために 生き抜いてね。 生涯ここに生きていても、 時間が足りないのよ。 一日も無駄に出来ないのよ。 ねえ、あなた。 誰かの思惑に乗らないでね。 あなたが愛する街の人々のために 汗を流してね。 生涯をかけて尽くしても、 尽くしきれないのよ。 一瞬も無駄に出来ないのよ。 私のことは、もう、いいから、 明後日のことは忘れていいから、 この天地のために、 すべてを捨て、すべてを捧げて、戦うのよ。 |