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イワテバイクライフ 2010年10月前半
2010年10月15日(金)
傘を開くと叩きつける雨音がぱっと広がった。秋を深める冷えた雫。最高気温14度1分(盛岡)。夕刻、まれに青空がのぞいた。 @盛岡市
多くのことは、 すでに人知れず結論が出ているものだ。 ならば、 揺れず乱れず、そこに辿り着くだけだ。 空想せず、推理せず、無駄道を踏まず、 夜明けを迎えるように そこに居合わせることだ。 目を閉じ上段に構えた決意を 振り下ろすだけなのだ。 そのように、 確定していたことを、 現実にするのだ。 |
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HONDA Monkey |
2010年10月14日(木)
秋本番にしては何とも「ぬる燗」な朝だ。日中も合格点の晴天。ところが、急速な夕闇の到来と冷え込みは、さすが北国。 @岩手県
決別があるから、人はすくわれる。 どんな地獄にも 別れの時には笑顔を送る。 感謝を込めて頭を下げる。 ではお達者でと手を振る。 決別は、 痛みをうすめ、 憎悪をとかし、 怨念をはらい、 一切を遠い記憶にすり替えてくれる。 永久に関わることのないものに 人が向けるものは微笑だけだ。 だからこそ、 曖昧な別れは、災厄の種だ。罪なのだ。 |
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ヘリテイジ ソフテイル クラシック |
2010年10月13日(水)
昼頃までは、かすかに晴れて、どこか蒸し暑さを覚えた。夕刻になって不穏な雲から秋の雫。急速に大気は冷えた。 @岩手県
そう言えば、私は、まだ知らない。 確定した幸福を待つ時間を知らない。 あと、どれだけの季節を見送れば、 漆黒の地底から救い出されるのか、 計算できるトキメキなど知らない。 それどころか、 地上で忘れ去られていく私のことや、 凄まじい崩落に巻き込まれることを 重い闇の中で予感するばかりなのだ。 (だから、ねえ君。隣で眠る者よ) 真夜中の君の手を握りしめて夢を見る。 頭上を覆う氷河にどっと穴が開き、 「待たせたね」と天使が舞い降りる夢を 見ずにはいられない。 |
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スポーツスター883R |
2010年10月12日(火)
薄日も射したが、まずは曖昧な曇天という印象。気温は当然のように20度を超えた(盛岡)。 @八幡平市
夢の残骸、 志の破片、 粉々の心、 そんなものをかき集めて 今日の塒を整えるんだね、人は。 瓦礫の丘に 惨憺たる記憶の墓標を立て 昨日に決別するんだね、人は。 焼野原に 細い道を通し、 明日へ大股で歩み出すんだね、人は。 その果てに灰燼の大地が待っていても、 自らの目で見ぬうちは、 夢を抱き、志を立て、 心を燃やすものなんだね、人は。 |
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スポーツスター883R |
2010年10月11日(月)
完璧な秋晴れではなかったが、気温は奥州市で26度など各地で夏日を記録。9月上旬並みの陽気。 @岩手山麓
あなたは、 時々思いがけない行動に出るのね。 何をどうすれば、 誰が苛立ち、慌てるのか。 誰が走り、誰が謀るのか。 誰が現れ、誰が踊るのか。 一切を承知しながら、知らぬ顔で、 ど真ん中に波紋を立てるあなたは、 誰かにとって、とんでもない人ね。 自分という石ころの重さを弄んで、 秋風の中に静かに微笑むあなたは、 誰かにとって、舌打ちすべき人ね。 (そうかな。心に従がっているだけさ)
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KTM250EXC-F |
2010年10月10日(日)
前日までの雨は最悪のイメージばかり誘ったが、一夜明けて急速な回復。どころか快晴の夏日。 @山形県(蔵王山麓)
続けるってことは、 もう何もかも止めちまいたくなる自分と とめどなく語り合うってことなんだよな。 後悔を教訓などに換え、 失望を希望にすり替え、、 限界などに言い及ばず、、 辿り着く場所を決めず、 彷徨うことなんだよな。 そんな時間を楽しむうちに、 いつか宝石のような瞬間が訪れる。 そう信じるから、 どんな結末も笑顔で受け止められる。 今日も続けられる。 |
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2010東北トライアル選手権シリーズ 第8戦・山形大会にて |
2010年10月8日(金)
なまぬるい秋だ。季節を混乱させるものの体温だ。この熱は明らかに不純物だ。 @盛岡市
決められた通りに流れている川は、 実に無警戒だ。 予定通りである限り、 ひとつひとつの出来事を点検しない。 問題もなく穏かに流れている川は、 案外無神経だ。 段取りを外さぬ限り、 訪れるあれこれを議論したりしない。 見事な程に整然と流れている川は、 時に無内容だ。 文法を誤らない限り、 日々の記述を読み返そうともしない。 その流れに身を沈めて 目を閉じていると、 見えて来る。 腐乱と楽観が汚泥となって堆積し、 魂の川を止める日が 見えて来る。 |
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KTM250EXC-F |
2010年10月7日(木)
北国の10月なんて夕闇には剃刀のような冷気がつきものだが、ゆるみ切った大気と、どこか輪郭不鮮明な天地。 @岩手山麓
言いにくいことを はっきり言うのなら、 子供のように告げればいい。 とかく曖昧だと、誤解を招く。 隙間を置くと、ねじ込まれる。 ニュアンスだけだと、決め付けられる。 何より理性的だと、 延長戦に引きずり込まれる。 二の句を継げぬほど、 語る余地も無いほど、 呆気にとられるほど、 その先は無いことを 示してやるのがいい。 (結局、それが善意だ) |
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スポーツスター883R |
2010年10月6日(水)
秋晴れと秋雨の香りを絶妙にブレンドした一日。時折の暗い雲に身構えたが、ずぶ濡れになるほどの水滴ではなかった。 @遠野市
互いに似ていると、 会釈を交すようになる。 流儀を共にすると、 談義が続くようになる。 ところが、 互いに、まったく異なると、 好奇の炎を付け合い、 探求の心を向け合い、 深い絆が生まれたりする。 |
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KTM250EXC-F |
2010年10月5日(火)
温暖。各地20度をこえ、宮古では夏日。とはいえ、山の紅葉は始まっている。 @岩手山麓
え?腹が減ったって? じゃ、飯でも食ってきなよ。 都合のいい時間に、好きな店へ行って、 好きなものを好きなだけ 食べておいでよ。 俺は満腹だから、 ひとりで行っておいでよ。 さっさと済ませておいでよ。 え?旅がしたくなったって? じゃ、予定を立てなよ。 都合のいい時季に、好きな所へ行って、 好きな風景を好きなだけ 観ておいでよ。 俺は仕事だから、 ひとりで行っておいでよ。 さっさと楽しんでおいでよ。 え?今度は小便がしたくなったって? |
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スポーツスター883R |
2010年10月4日(月)
まったく嫌がらせのように、びたびたと小雨。ただ、いくら濡れても冷えることのない生温かさ。 @岩手山麓
天秤に自分を乗せるのなら、 軽い心でありたい。 秋の光の様に 雛鳥の羽毛の様に さらりふわり乾いて いつまでも宙に舞う軽さでありたい。 人は、ともすると、 自分が一番重いと思い込むから、 この世の重さを量れなくなる。 ならば、爽やかに軽やかに笑って、 秋空高く持ち上げられてみよう。 |
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HONDA Monkey |
2010年10月3日(日)
湿った雲が低く垂れこめ、秋の色彩を暗く塗りつぶした。仕上げは宵闇の小雨だった。 @岩手山麓
月が隠れるのを待って、 裏木戸を開ける影を呼び止めた。 (夜毎、何処へ行く?) すると闇の中に星が振り向いて、こたえた。 「わたくしは、 本意ではない形ばかりのものに苦しむ人々を 静かに照らしてさしあげたいのです。 意図された物語に乗せられ、 作られた流れに飲み込まれ、 振り回され、引きずられ、 相槌や合意を強要され、 それでも止めてくれとは言い出せない 心優しい人々に そっと寄り添いたいだけなのです」 |
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HONDA Ape100 |
2010年10月2日(土)
岩手全体23度前後。爽快な汗を誘う陽射し。突き抜けた青空は季節の贈物。 @岩手山麓
劇薬は一滴でいい。 酔わせるだけなら、それでいい。 むやみに注ぐと、枯れ果てる。 接吻は瞬間でいい。 火を付けるのなら、それでいい。 欲にまかせると、燃え尽きる。 友情は無口でいい。 絆を結ぶだけなら、それでいい。 言葉を並べると、すれちがう。
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スポーツスター883R |
2010年10月1日(金)
陽射しは強く、大気は乾いて、20度を越えていた。秋晴れというより、夏の残像。 @岩手県洋野町(たぶん)
すばらしい記憶を持つ者は、 その記憶を再現するために 生きているのかもしれない。 今日という日に、それを探し続ける。 今日の風の中に、それを待ち続ける。 すると不思議なことに、 何かの拍子に見えてくる。 思わぬ時に聞こえてくる。 いつもの風景に、 いつもの風音に、 恋い焦がれた記憶そのままの感動が蘇る。 心を向け続けるから、そんな奇跡が起きる。 祈りさえ込めるから、その瞬間を逃さない。 |
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ヘリテイジ ソフテイル クラシック |