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イワテバイクライフ 2010年10月後半


2010年10月31日(日)
台風14号は遠ざかった。けれど、三陸沿岸では時折強い雨が降った。海には白波が立った。 @三陸沿岸

 

  真中に立つのは、
  新参者の挨拶の時だけでいい。

  ごく手短に
  けれど明瞭に
  何より謙虚に
  仲間入りの感謝を述べる時だけでいい。

  儀式の後は、
  部屋の片隅で
  ひっそり待つがいい。

  薫風の中へ舞い立つ日まで、
  自由の翼を広げる瞬間まで、
  寡黙に佇むのがいい。

  なにせ、ここは
  自分の庭ではないのだから。
  身の程をわきまえることだ。
モトグッチ 850GT


2010年10月30日(土)
台風14号は三陸沖をめざすように動いている。盛岡などは薄曇り程度で、危機感は希薄。明日未明には岩手に最接近らしい。 @岩手山麓



  思い描き、追い求め、恋願った
  そんな夢があるのなら、
  似たようなもので
  自分を誤魔化しちゃだめだよ。

  夢と現実が
  ぴたり重なるまで、
  突き詰めるんだよ。

  その遠回りに意味を見いだせないのなら、
  きっぱり夢と決別だ。

  (半端な旅は、何も残さないから)
HONDA Ape100  


2010年10月29日(金)
予想外の秋晴れ。冷え込みの緩和。束の間の至福。四国沖から北東に進む台風14号が握る東北の空。



  今日の成り行きは、
  今日限りのことではない。

  ずっと先のある日、
  道を開く鍵になることがある。
  忘れ果てたころに、
  道を繋ぐ橋になることがある。

  だから、今日の結末に慌てず、
  目に見えるものに揺れず、
  ありのままを胸にしまうことだ。

  明日の先の、そのまた先の日のために、
  用意された今日だったことが
  わかる日が来ることもある。
  実は宝石の一日だったことに
  気付く日が来ることもある。

  神が綴る物語は、
  幾多の季節と歳月によって完成するのだから。
  流れ来るものに素直であることだ。
  受け止めたものを無心に積み上げることだ。 
スポーツスター883R


2010年10月28日(木)
最高気温5度2分(盛岡)。情け容赦の無い「冬の予告編」。それにしても街の紅葉はどうした。 @盛岡市



  小腹が空いた。
  閉店間際の小料理屋に寄った。
  親戚同然の店に私ひとり。
  いつものカウンターで燗酒をすする。
  ほろ酔い気分は、懐かしい温もりだ。
  演歌のように呟いてみる。
  (この街に巡り会えて良かった)
  テレビドラマを眺めていた女将が、
  ふふん、と笑った。
  「だから、ずっと居ていいのよ」
  私は、その言葉を反芻した。
  噛みしめるほどに涙が溢れた。
  腹にしみわたって、心がとけた。
  (彼女は、いつも私の明日を知っている)
HONDA ベンリィ50S


2010年10月27日(水)
岩手山初冠雪。平年より14日遅く、去年より17日遅れてやってきた「その日」。荒々しい雲に冬が匂った。 @岩手山麓



  どんなに豪胆を誇る船乗りでも、
  陸地が見えてくると静かになる。
  接岸の時が迫るほど無口になる。
  何か起きはしないか不安になる。
  舞い上がる海鳥一羽に身構える。

  あの大海原で豪語した夢は何だ。
  水平線に追い求めた理想は何だ。
  南風を受けて広げた志とは何だ。
  故郷に辿り着くまでの子守歌か。

  俺は眠れぬ魂の末路を見てきた。  
  あと僅かな距離に耐えられずに
  身を投げ旅を終わらせた者達を。
  帰還の瞬間の安堵が大き過ぎて、
  それを思うだけで人は変になる。

  もう帰る場所も無い水夫の俺は、
  そんな最期を看取ってきたのだ。
HONDA Ape100


2010年10月26日(火)
寒々しい曇り空だった。時折、びたびたと雨が降った。北の山間ではみぞれや雪になった。 @盛岡市
本日走行できず。画像は、2009年10月26日に、一年後の今日のために撮っていた一枚です。



  会って話すことは大切だよ。

  言葉の熱に触れて、思いがわかる。
  かすかな間合いに、虚や実がある。
  視線の角度が、核心の所在を示す。

  意図せず向き合い、
  フリーハンドで交わす言葉の中に、
  心の襞が見えてくる。
  隠しようも無いものがあらわれる。

  手紙の束を抱いて寝ていると、
  やがて、すれ違い、かけ離れ、
  とんでもない夢を見て終わる。
  (筆は、時々、勝手に踊る)

  だから、目を合わせて話すんだよ。
  それが苦痛になったら、
  無縁の時だよ。
HONDA Monkey


2010年10月25日(月)
北へ行くほど空は明るくなった。沿岸北部では束の間燦燦たる陽射し。帰路は暗い曇天。所々小雨に濡れた。 @岩手県洋野町種市



  雨を突いて走り出すから
  雨上りの空に迎えられる。

  深い闇夜に走り出すから
  新しい日々の方角が香る。

  孤立の道に走り出すから、
  信じられる人に出会える。
  
スポーツスター883R


2010年10月24日(日)
うっすら陽もさしたが、予想外に雲の多い空だった。まあ、気温は18度程度だから、ゆるい下り坂だ。 @矢巾町



  無難であるだけでは足りない。
  ここ一番の勝負に出られるか。

  確信があるだけでは足りない。
  そこに意外性を演出できるか。

  温和であるだけでは足りない。
  ひとの心をとかす熱があるか。

  大人であるだけでは足りない。
  歳月の川で泳ぐ童になれるか。

  孤独であるだけでは足りない。
  闇に灯をともし続けられるか。

  問い続けるだけでは足りない。
  答えを積み上げて天に届くか。

  真実を語るだけでは足りない。
  それを旋律や色彩にできるか。


  まずは、満たすべき器からだ。




  ※本文と画像は一切関係ありません。
ライダー:菅原さん マシーン:RTL260F


2010年10月23日(土)
もはや奇跡だ。この秋晴れの連打は。どんな心もとかしてしまう光。どんな思いも受け止めてくれる風。万薬にまさる青空。



  間違った仕組みが下す方針はね、
  数字合わせ
  前例の崇拝
  世論の無視
  御都合主義
  そんなところから出てくるものさ。

  それを、いちいち真に受けて
  手柄欲しさに走り回る者がいるものだから、
  仕組みは、ますます馬鹿になる。

  君が薄々感じていることを要約すれば、
  「人間不在」というやつだ。

  仕組みを規則と言い換え、隷属し、強弁し、
  人は真実から遠ざかる。

 (まさに、壮大な破綻への助走じゃないか)

スポーツスター883R


2010年10月22日(金)
記憶に残る秋晴れ。風に馴染む光の柔らかさ。数値にできない幸福の大気。 @秋田県



  「言動には注意すべきだ。
   あなたの未来のために」

  親友からの手紙に書いてあったら、
  それは、忠告だ。
  よほど心を痛めてくれたのだ。

  闇から届いた礫に書いてあったら、
  それは、脅迫だ。
  よほど痛い所を突かれたのだ。


  流れ来る道を見極めるように、
  人の心を読んで風になる。
  要らぬ不安でブレーキなどかけない。
ヘリテイジ ソフテイル クラシック


2010年10月21日(木)
生温かい朝霧に包まれた朝、松の池に白鳥を見た。やがて青空が広がったが、雲の険しさはまぎれもなく冬だった。 @八幡平市



  核爆発の朝、
  真相はついにわからない。
  キャスターは事実とやらを繰り返し、
  コメンテーターは迷走するばかりだ。
  やがて、昨日のスポーツと
  芸能情報に切り替わり、
  予定通りの天気予報だ。
  焼けただれた街と人の中継映像は、
  浮かれたコマーシャルに遮られ、
  「では、今日もお元気で」と見送られる。
  ひとりにされた人々は、
  黒い雨に濡れ、事態を噛みしめる。

  そんな夢を見た。
スポーツスター883R


2010年10月20日(水)
昨日の初霜から一転、まずは、ぬるい10月の下旬。青空というほどの色彩も無く、雨が降らなかったのが不思議なほど。 @二戸市



  自分を悪者にしたくない者は、
  懐に番犬を飼っている。

  愛想を振りまきながら、
  その無愛想を使う。

  気を遣うと見せながら、
  その無神経を使う。

  臨機応変を装いながら、
  その意固地を使う。

  今夜も、ほら
  「ノォン、ノォン」と犬が吠える。
  人を疑い、否定し、威嚇する影が、
  月明かりさえ牽制する。
スポーツスター883R  


2010年10月19日(火)
最低気温1度7分(盛岡)。初霜を観測。日中は、16度9分(盛岡)まで回復したが、山上の日陰には氷が張っていた。 @岩手山麓


  虐待の現場、拷問の部屋、戦場の片隅。
  そんなところに生きていると
  ある日気付く。
  人間のおそろしい順応性に愕然とする。

  浴びせられた汚水を飲み、
  折られた歯と切り落とされた指を拾い集め、
  余興で殺された捕虜の遺体を焼きながら、
  日々をやりすごす平らな心に気付く。

  ある種の麻痺、と片づけるには、
  あまりに前向きで、したたかな覚悟だ。
  地獄の果てに希望を見る眼差しだ。

  おそらく、そのような精神の土壌に
  哲学の種子は馴染み、
  強靭な思想や芸術が芽吹くのだ。

 (悲しいことだが、そうなのだ)

ヘリテイジ ソフテイル クラシック


2010年10月18日(月)
盛岡の最低気温が5度9分。終日きりっとした秋晴れ。最高気温が16度8分。いよいよ「らしく」なってきた。 @宮古市


  汚職に目を吊り上げる者も、
  好色には目を伏せ失笑する。

  誤記を辛辣に指摘する者も、
  欠落には素通りしたりする。

  浪費を厳しく糾弾する者も、
  道楽には寛大だったりする。

  どうしようもなく人間臭く、
  まったく大胆に抜けていて、
  ひたすら馬鹿馬鹿しい者は、
  案外、生延びてしまうのだ。
ヘリテイジ ソフテイル クラシック 


2010年10月17日(日)
雲と青空がからみ、光と影が折り重なり、所により天気雨などあったらしい。相変わらずの温もり。 @八幡平市

風邪のため走行不能。画像は2009年10月17日、今日という日のために撮影された一枚です。


  そりゃあ、そうさ。
  みんな幸せになりたいんだよ。
  ただね、それを手にする様が
  まっすぐか、曲がっているか、
  それだけの違いさ。

  そりゃあ、そうさ。
  みんな仲良くなりたいんだよ。
  ただね、そうなるまでの様が、
  和気藹々か、大ゲンカなのか、
  それだけの違いさ。

  そりゃあ、そうさ。
  みんな自分のことが大切だよ。
  だから、夢が実現するまでは、
  己を殺すか、己を押し通すか、
  それだけの違いさ。

  そんな違いを主張して
  時を費やし、心を潰して、
  辿り着く先は何処だい?

  
スポーツスター883R  


2010年10月16日(土)
のんびり雲は流れて、小さな青空の居場所を与えたが、秋晴れの印象は遂に許さなかった。 @岩手山麓


  破廉恥な者はね、
  他人のものを丸写ししておきながら、
  猿真似の自覚は無いのさ。

  自惚れた者はね、
  いつも他人から猿真似されていると、
  固く信じ込んでいるのさ。

  たいがい、そんな世界はね、
  真似しようと、真似されようと
  どうでもよいことばかりなんだ。

  簡単に真似できるなんて、
  それだけのものさ。
HONDA Ape100

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