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イワテバイクライフ 2010年11月前半


2010年11月15日(月)
最高気温9度7分(盛岡)なんて数字は、てんで意味の無い「冬の入り口」。少し郊外の山の上は銀世界だった。 @盛岡市



  見え見えの下心で
  すり寄って来るものを
  うまくあしらおうと思っちゃいけない。
  まして人格者を装って
  綺麗に片付けようと思っちゃいけない。

  さっさと怒らせ、
  とっとと疎遠になることだ。

  (打つ手なし)と
  思い知ってもらうことも
  親切のひとつだ。

  曖昧に笑顔など作ってみせるから、
  あらぬ方向へ話が動く。
HONDA Ape100  


2010年11月14日(日)
各地15〜18度の最高気温。薄曇に覆われていたが、どこか太陽の温もりが漂い、動けば汗がにじんだ。 @花巻市



  (どんな世界でも、そうかもしれない)

  ひとつの技を磨き込んでいくと、
  ぎりぎりの領域に入っていく。
  数値では測れない間合や
  時間とは別世界の瞬間に
  生きるようになる。

  その姿は、
  常人の目に、あまりにきわどくて、
  恐ろしくさえあるのだが、
  達っした者にとっては、
  ぎりぎりの状態こそが、
  確かなバランス点なのだ。
  更なる困難へ挑ませる鋼鉄の足場なのだ。

  そして、その技は、
  自分を信じる限り発揮されるもので、
  ひとたび疑念を抱くようになると、
  崩れ去るものに違いない。 
トライアル大会「チャレンジカップIN山屋第2戦」にて


2010年11月13日(土)
かすかに霞がかかった青空。やわらかい陽射し。なるほど小さな春だ。11月も中旬、晩秋であることを思うほどに、奇跡のような一日だ。 @岩手山麓



  (良い兆しが見えて来ると)

  天使は、
  にっこり笑って、黙っているものだ。
  廊下でひとつ肩を叩いていくだけだ。

  悪魔は、
  顔をこわばらせ、黙っているものだ。
  廊下で遭遇しても目を逸らすだけだ。

  たいがい、そんなものだ。
  言葉にならない未来のニュアンスだから、
  人は、全身でサインを送り合う。
  何というわかりやすさだ。
スポーツスター883R  


2010年11月12日(金)
山野の秋は、すっかりくすみ始めていた。内陸では冷えた雨が振り続いたようだが、沿岸部には呑気な晴れ間もあった。 @岩手県洋野町



  得たものは、
  馬ではない。
  調教師との絆だ。
  交す心のために重ねる道程こそ、
  わたくしが得た本当の旅路だ。

   
HRC RTL260F


2010年11月11日(木)
冬雲は吹きちぎられ、未成熟な青空が現れた。最高気温が9度9分の数値など、初冬の感触をあらわせない。 @盛岡市



  わたくしは、
  この大地の日々を
  恩人のあなたに向けて贈るのです。
  とうの昔に潰れていたはずの心を
  救ってくださったあなたに、
  この魂が、その後、
  どんな旅を続けているのか、
  何としても書き残しておこうと、
  走り続けるのです。

  同時に
  わたくしを消し去りたがる者どもに
  送るのです。
  この魂が、これから
  どんな楽園に辿り着くのか、
  何としても刻み付けておこうと、
  走り続けるのです。
KTM250EXC−F


2010年11月10日(水)
朝から断続的に強い風が吹き荒れた。青白い空の中に、轟々と冬の雲が流れた。 @盛岡市



  夢中になった日々も
  ある日、色褪せる。
  思いこがれた日々も
  ある日、遠ざかる。
  頂上を求めた日々も
  ある日、立ち止る。

  (悲しむことはない)

  色褪せたものは、
  今日の風の色で染め上げる。
  遠ざかるものに
  今日一番の見晴らしを送る。
  絶えた道の先を
  今日の星座に描いてみせる。

  (日々、再出発だ)
スポーツスター883R


2010年11月9日(火)
びたびたと晩秋の雨に濡れて、山野は秋の色を濃くした。とりわけ松の葉のブラウンは見事だ。 @盛岡市
写真は今日のために2009年11月9日撮影した一枚です。なお、色彩調整などは一切しておりません。



  山は静かに崩れる。
  崩れ出していることを
  誰もが知りながら、
  崩壊を告げる者は、
  すべてが終わるその日まで現れない。

  巨悪は大胆に歩く。
  けして許されぬことを
  誰もが感じながら、
  裁きをくだす者は、
  取り返しがつかない日まで現れない。

  絶滅は緩慢に進む。
  もう明日の無いことを
  誰もが想いながら、
  結末をしめす者は、
  歴史の遥か先のその日まで現れない。

  真相は、その意味を失った頃に明かされる。
  御大層な資料や、色褪せた記憶とともに、
  大発見のように語られる。
HONDA ベンリィ50S


2010年11月8日(月)
とりたてて寒くはなく、また、さほどの雨も降らなかった。夕暮れの晴れ間が、宝石のようだった。 @岩手山麓



  踏み出すべきか、留まるべきか。
  目の前の空で決めてはならない。

  希望の欠片も無い雨空のもとで、
  旅立ちを諦めてはならないのだ。

  今日の空は移り変わる為にある。
  どんな嵐もやがてしずまるのだ。
  いずれ氷雪の季節もとけるのだ。

  めざす場所の空は開けているか。
  それを確かめる為に旅立つのだ。

  すべては、最後の空で決まるのだ。
  目の前の空で決めてはならない。
HONDA ベンリィ50S


2010年11月7日(日)
湿った曇天。時折の小雨。陰鬱ではあったが、冷気とは無縁な一日。所により20度に迫った。 @岩手山麓



  幾度
  見送られて来たことだろう。
  明日へ向かう私は、
  幾度、
  昨日に見送られたことだろう。
  振り向けば、昨日は、
  いつまでも時の丘に立ち、
  私の行方を見つめている。
  私の後ろ姿が
  あまりに危く、哀れに見えるのか、
  昨日は、いつも悲しげだ。

  旅立つ者は
  自らの後ろ姿を見なくて済むから、
  とめどなく明日へ向かう。
  昨日に別れを告げる。
HONDA Ape100


2010年11月6日(土)
冬の到来の前に、季節は一瞬の幻覚をもたらす。その光の温もりは、どう考えても春そのものなのだ。 @岩手山麓



  稀な器を得た者に
  財を尋ねるのは下。
  夢を尋ねるのは並。
  その匠の名を尋ね、
  出会いを祝う者こそ、友。
HONDA Ape100


2010年11月5日(金)
天気予報が伝えた青空があるべき場所は曇って暗く、期待されていなかった場所に晴れ間が現れた。いずれにしても冷えて来た。 @青森県八戸市



  明日、街を捨てるのに、
  今度一杯飲ろうと約束する。

  出航の時がせまるのに、
  一切を後日へと先送りする。

  いずれ異国の人なのに、
  この里の未来に腕組みする。

  再会の可能性もないまま、
  別れる瞬間を知りながら、
  そうすることを、
  そういう嘘っぱちを、
  もう繰り返したくないだけだ。
ヘリテイジ ソフテイル クラシック


2010年11月4日(木)
朝方広がった青空は、何かの手違いだったかのように雲の幕をおろされた。結局、小雨に濡れる午後になった。 @盛岡市



  風貌は、時々、裏切る。

  知識人みたいな顔をしていると、
  その浅薄が許せなくなる。

  人格者みたいな顔をしていると、
  その卑劣が許せなくなる。

  聖職者みたいな顔をしていると、
  その俗物が許せなくなる。

  実力者みたいな顔をしていると、
  その無能が許せなくなる。

  そんな顔をしているばかりに
  殊更、落胆と怒りをまねいてしまう。
HONDA Ape100


2010年11月3日(水)
暗く荒々しい冬の雲だった。所により冷えた雨が降っていた。奥中山高原は白く染まっていた。 @八幡平市
画像は2005年11月3日撮影



  虫唾がはしるものに
  大股で歩み寄り、
  満面の笑みで握手し、
  冗談のひとつも披露する。
  そんなことが出来る心根を潰すために、
  ひとりで走る日がある。
XL1200R  

2010年11月2日(火)
予報を遥かに上回って青空拡大。最高気温も14度5分(盛岡。ところが夕方になって冷えた雨。 @三陸沿岸



  困難な仕事ほど記憶に残る。
  ついに成し遂げればね。
  良い思い出になる。

  どん底の時ほど伝説になる。
  ついに這い上がればね。
  輝くドラマになる。
  
  絶望の日々ほど教訓になる。
  ついに希望を掴めばね。
  心の骨格になる。

  うまくいけば、そうなる。
  稀なことなのだが、
  確かにそうなる。

  だから人は、
  その奇跡を信じて
  困難に向き合う。
  どん底に生きる。
  絶望などしない。
スポーツスター883R

2010年11月1日(月)
台風は去っても、雨は残った。14度前後の空気を湿らせる小雨は、陰鬱なだけ。 @盛岡市
画像は2004年11月4日撮影



  今日は、明日に向かって更新される。
  現在は、未来を追いかけ姿を変える。
  人間は、進化を夢見て日々揺れ動く。

  現在こそが最も正しく新しいという幻想は、
  刻々古び、錆びていく。
  明日になれば、別の幻想が押し寄せ、
  人は雪崩を打つ。

  だから、ほら、
  歳月の地層深く眠るものが笑っている。
  もはや、変わりようの無い事実達が、
  確定したものが、ひとつの時代が、
  この不確かな今日を眺めている。
HONDA Monkey  


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