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イワテバイクライフ 2010年12月前半


2010年12月15日(水)
盛岡は実質真冬日。夕刻は氷点下3度前後だった。少し山に入ると本物の銀世界だった。 @盛岡市



  冬は、いい。
  北国だから、冬がいい。
  容赦なく積るから、いい。
  問答無用で凍るから、いい。

  その寒さで
  無口になれば、いい。
  余計な議論など忘れるが、いい。

  その白さで、
  無垢になれば、いい。
  薄暗い思惑など捨てるが、いい。

  その鋭さで、
  迷わなければ、いい。
  雪原の一本道を信じれば、いい。
HONDA Ape100


2010年12月14日(火)
うっすら青空の印象もあったが、結局は暗い雲に覆われ、夜更けには雪も降り出した。 @盛岡市



  損得は手のひらを返えす。
  臆病は決めた心を裏返す。

  覚悟は旗をひる返す。
  勇気は身をひる返す。

  人生は踵返しの連続。

  日々刻々移ろう風を浴びて、
  人は、本当の自分にかえる。
HONDA ベンリィ50S


2010年12月13日(月)
朝は氷点下4度3分、昼は1度8分(盛岡)。曇って曖昧な空を見上げる気力もなく、冬の痛みばかり鮮明になる。 @岩手山麓



  小心者ほど、早口になる。
  臆病者ほど、声がでかい。
  偽善者ほど、人を責める。

  そんな者と向き合う時にはね、
  果てしのない雪原を思って、眺めているんだよ。
  とめどない花吹雪を思って、黙っているんだよ。
  きらめく若草の丘を思って、笑っているんだよ。

  時が運び去るまで。
  風に飛ばされるまで。
  (季節を待てばいい)
HONDA Ape100


2010年12月12日(日)
温厚な陽射しと雲、それに青空があったけれど、何より際立ったのは故郷の山の雪だった。 @岩手山麓



  友よ、俺にはわかっていたよ。
  お前の俺に対する、
  高圧と冷徹と攻撃の
  何という切なさだ。

  その図体と人相のおかげで、
  底無しの善人のお前が、
  憎まれ役を負わされた辛さを、
  俺は噛みしめて、泣いた。
HONDA Ape100


2010年12月11日(土)
最高気温が、盛岡で5度5分。沿岸の宮古では15度8分。イメージし難いその落差。 @岩手山麓



  「あなた、振り切ったのね」
  と君が言う。
  「あなた、掴み取ったのね」
  と君は笑う。

  そうさ、確かにね。
  昨日の憂鬱は、道の彼方だ。
  明日の迷いは、風の彼方だ。
  未来の在処は、すぐ其処だ。
  それが、何故わかる?

  君は「いつものことよ」と呟く。
  「瞳に意志。声に気力。肩に確信。
  あなたが何かをしでかす兆しよ。」
HONDA ベンリィ50S


2010年12月10日(金)
最高気温5度2分(盛岡)など、ほんの束の間のこと。朝夕は0度に近かった。ただ、透明な青空だけが希望だった。 @花巻市



  右でも左でも構わない。
  同じ道なら、どこまでも私だ。

  東でも西でも構わない。
  同じ空なら、いつまでも私だ。

  雨でも雪でも構わない。
  同じ心なら、いつかは晴れる。


  風に
  辿り着く場所は無い。
  ただ風であることが、
  すべてだ。

ヘリテイジ ソフテイル クラシック


2010年12月9日(木)
岩手全体、放射冷却現象で氷点下3度前後。この冬一番の冷え込み。午後にはみぞれが街を濡らした。 @盛岡市



  役回りというものがある。
  好むと好まざるとに関わらず、
  台本通りの台詞や振る舞いに従う。
  技量はさておき、
  演じるほかはない。

  季節が巡って来ると、
  街も人も化粧する。

  頬を紅潮させ、
  声を張り上げ、
  義務を果たす。

  ところが、
  役回りと自分を混同する愚か者が、
  現れたりする舞台は、
  結局、茶番劇で終わる。




  ※本文と画像は一切関係ありません。
HONDAベンリィ50S  


2010年12月8日(水)
最高気温が4度(盛岡)など、まずは初冬の領域。けれど、山野を染める雪もない。いつもと違う冬が始まった気がする。 @岩手山麓



  人一人の言動や態度で決まるほど
  ものごとの顛末は、単純ではない。
  僕のことなど、
  見たこともない場所で決まるのだ。
  君の思惑など
  見知らぬものが支配しているのだ。
  得体の知れない手が
  最後にすっと伸びて来て、
  明日の形は決まるのだ。
  その手を直感する者ほど
  穏かに結末を待つ。
  主張せず、逆らわず、
  何がどう転がっていくのか、
  微笑みながら眺めているのだ。
スポーツスター883R


2010年12月7日(火)
今日は、二十四節季のひとつ「大雪」。本格的に雪が降るころ。しかし、ぬるい大気は、小雨を降らせるばかり。 @盛岡市



  人の幸せはね、
  払って来た犠牲に応じて
  与えられるものなんだね。

  昨日の誠の分だけ、
  明日の青空になるんだよ。
  昨日の嘘の数だけ、
  明日の大嵐になるんだよ。

  そう思えば、
  今日の空が、どうであれ、
  素直に見上げていられるよ。

  
 HONDA Monkey 撮影日:2009年12月6日


2010年12月6日(月)
太平洋が迫ると、風が笑い出した。かすかな青空にさえ微熱を感じた。南の島を思った。いつもの街に戻れば、ひんやり小雨だった。 @岩手県洋野町



  寄せる波が、
  ひとつひとつ異なるように、
  旅する心は、
  姿を変える。呼吸を変える。

  砕けて散って引くものには、
  明日の顛末など、
  海鳥より軽い。

  
 HONDA Monkey


2010年12月5日(日)
この空気の柔らかさは、ある種「早春」のたぐいだ。所により、ヒバリの囀りを幻聴するかのような青空が出現した。 @岩手山麓



  ねえ、あなた。
  派手な啖呵を切ったら、負けよ。
  (相手を楽にするだけよ)
  杓子定規の世界ではね、
  うじうじ男らしくないのが、
  結局、生き残る道よ。
  美学だとか理想なんか
  理解しない世界ではね、
  無様で泥臭い方が勝ち。
  しがみついて、なりふり構わず、
  明日をむしりとった方が勝ち。
  尻をまくって「あっかんべぇ」は、
  草木も生えない山に向かってするものよ。

  ぬかみそ臭い手が、
  いつも霧を払う。
  青空を呼ぶ。
スポーツスター883R


2010年12月4日(土)
時折の小雨が強い風に煽られた。東北新幹線全線開業も強風のためにダイヤ混乱。 @盛岡市



  (真っ暗闇に灯るものなら)
  一本の蝋燭で明日の行方を探り出せる。
  一匹の蛍で心底の思いを照らし出せる。
  一瞬の笑顔で凍った海峡も開けていく。



  ※本文と画像は一切関係ありません。
HONDA Monkey  


2010年12月3日(金)
師走を忘れた雨雲が強風に押されて北へ走った。山野の雪はとけたが、街には陰鬱の空気が積った。 @盛岡市



  めざす場所への道筋を
  青空市場の叩き売りに任せていると、
  見知らぬ港に立たされたりする。



  ※本文と画像は一切関係ありません。
HONDA Monkey


2010年12月2日(木)
最高気温14度(盛岡)。こんな日があるから、冬の入り口で、ばたばたと心が挫ける。その生き残りが厳冬を越えていく。 @岩手山麓



  神との対話は、、
  自ら決めた心を言葉にする
  儀式に他ならない。 
スポーツスター883R


2010年12月1日(水)
季節無視の温厚な陽射し。最高気温10度9分(盛岡)。まずは御祝儀気分の師走初日。 @岩手山麓

 

  おそろしい夢を見た。

  絶対に見てはいけない、
  聞いてもならない夢を見た。
  ところが、夜明け前のベッドの中で、
  いくら思い出そうとしても
  荒筋さえ蘇って来ない。
  確かめずにはいられなくなった私は、
  隣の妻に声をかけた。
  「俺、うなされていなかったか?」
  妻は背中でこたえた。
  「ううん。笑っていたわよ。」
  訝る私に彼女は言葉を足した。
  「気がふれたようにね」

  そんな夢を見た。 
HONDA Ape100  

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