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イワテバイクライフ 2010年12月後半
2010年12月31日(金)
濃厚な灰色の空だった。午後になって、ひどく湿った雪が窓にまとわりついた。紅白の頃には嵐のような・・・。 @盛岡市
降り続くから、積る。 降り積るから、雪だ。 降りかかるものに埋もれて生きる。 それが人だ。 その静けさに声を吸われ、思いを募らせる。 (だから、心の歌をうたう) その重さに腕力を奪われ、知恵を磨き出す。 (だから、笑顔を忘れない) その暗さに道程を消され、明日を思い描く。 (だから、灯りは消さない) 凍る夜に命の呼吸を聞きながら、 夢をあたためる。歓喜の時を待つ。 (春は、いつも雪の下に芽生える) |
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HONDA Monkey |
2010年12月30日(木)
雪は順調にゆるみとけている。けれど、眩しいほどの青空は昼過ぎにはどこかへ消えて、氷の匂い。 @岩手山麓
手に入った今日という日の ひとつ先に掲げるものが、 希望なんだね。 探し当てた今日という日の ずっと先に捧げるものが、 理想なんだね。 解き明かした今日という日の はるか先に開けるものが、 未来なんだね。 けして今日で終わらせない。 その先にあるものを思い浮かべて走れ。 |
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HONDA ベンリィ50S |
2010年12月29日(水)
陰鬱な天気予報を裏切って、日中は青空さえのぞいた。分厚く積った雪はとけたがり、歩道は崩れ、不快に濡れた。 @盛岡市
温もりなら太陽に向き合え。 安らぐ香りは草花から貰え。 明日の在処は吹く風に聞け。 その場限りの人の言葉を追うな。 薄っぺらな人情にすがりつくな。 友情とやらに酔ってつぶれるな。 雪原には、いつも、ひとりだ。 ひたすらに青空を待てばいい。 草原には、ついに、ひとりだ。 ひたすらに季節を待てばいい。 |
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HONDA Ape100 |
2010年12月28日(火)
小雪模様の一日。最高気温プラス1度で、幻覚のような晴れ間もあったから、かすかにとけた雪はあったはず。 @盛岡市
何かの形を頑なに保ちたければ、 暗愚な番人を置くがいい。 季節を知らず、 暑さと寒さだけを口にする者がいい。 草花を愛でず、 繁ったら刈りはらうだけの者がいい。 芸術を求めず、 音と色と形だけを識別する者がいい。 心象を解さず、 労働と休憩だけがすべての者がいい。 愛の通じない大男がいい。 決められた台詞をまくしたてるだけの フランケンシュタインがいい。 |
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HONDA ベンリィ50S |
2010年12月27日(月)
大気から棘が抜けた。やがて、うっすら青空さえのぞいた。見渡せば、雪はとけたがり、昨日の体積を失っていた。 @盛岡市
雪はね、 そりゃあ、とめどなく舞い降りるのさ。 永久に大地を埋め尽くすような勢いでね。 花はね、 そりゃあ、息を飲む美しさで咲くのさ。 永久に大空を埋め尽くすような勢いでね。 人はね、 そりゃあ、気恥ずかしいほどに傲慢さ。 永久に地位を占め続けるような勢いでね。 |
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HONDA ベンリィ50S |
2010年12月26日(日)
休むことなくちりちりと、執拗にざんざんと、冬は厚みを増して、街を押し潰していく。 @岩手山麓
大人の悪ふざけは惨い。 嫉妬や羨望を押し隠すポーズであったり、 思うにまかせないものへの礫であったり、 無垢なものを汚して得る享楽であったり、 笑い倒すことで贖罪とする闇であったり、 仲間意識を無理強いする暴力であったり、 その大はしゃぎは、 同類の輪を広げて、 天使が怒り出すまで続けられる。 冗談の名を借り、 図に乗る悪戯は、 時に犯罪以上だ。 |
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HONDA ベンリィ50S |
2010年12月25日(土)
岩手全体、大雪、真冬日。交通網の混乱。パウダースノーを踏む音だけが救い。 @盛岡市
美食を語らず、山海の幸を楽しむ。 旅路を語らず、絶景の在処を知る。 劇場を求めず、日々の物語を刻む。 旅人に一瞥をくれ、 都人に宝を与えず、 粋人に歩を合せず、 片隅にもぐり込む。 気紛れに陽だまりに集い。 ひとしきり笑ったあとは、 しばらく行方不明になる。 そんな村人Aでありたい。 |
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HONDA ベンリィ50S |
2010年12月24日(金)
冷えた嵐が頭上に横たわる。青空は海岸線に限られ、内陸各地に粉雪が舞い狂った。 @岩手県洋野町
押し寄せるものは、 いつも勇ましい。 なだれ来るものは、 いつも容赦ない。 砕けて散るものは、 いつも華々しい。 けれど、 この海原に向き合ってきた魂は、 幾度、波に飲まれ、打たれ、揺られ、 引き抜かれようとしても、 じっと水平線を睨むばかりだ。 空しく引いていくものよ。 力任せに奪える歳月など無いことを 思い知るがいい。 |
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HONDA Monkey |
2010年12月23日(木)
未明までの風と雨。冬の大嵐は峠を越えた。午後には、鮮やかではなかったが、青空が現れた。 @岩手山麓
ありのままを 映してくれるものがあれば幸せだ。 弱者をねじ伏せられない剛腕の素顔。 行間を読み取れない大学者の方程式。 失権の恐怖に蹴飛ばされる者の策謀。 他人を汚し貶め救われたがる嫉妬心。 反旗を翻す機を掴み損ね彷徨う野心。 その醜さを予感して、 自らの姿を見られないまま終わる者は多い。 |
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HONDA ベンリィ50S |
2010年12月22日(水)
どこかなまぬるい小雨の一日。仙台からは大雨災害の報せ。盛岡では夕刻から雨交じりの強風。 盛岡市
人が、何かの立場でものを言い出すと、 実に何でもないことが、 議題のひとつになったり、 懸案のひとつにされたり、 ついには大問題になる。 人が、ある枠の中で生きようとすると、 実に馬鹿げたことが、 目標のひとつになったり、 義務のひとつにされたり、 ついに死活問題になる。 そういうものだとわかっていれば、 審判を受ける時も、処刑台に立つ時も、 微笑んでいられる。 一切は何事でもないのだ、と。 |
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HONDA Monkey |
2010年12月21日(火)
鮮やかではないが青空があった。いつもの山があった。まずは穏やかな一日だった。 @岩手山麓
楽園は罪だ。 その日々の中に わずかでも現実が紛れ込むと、 苦しみの種になる。 永久の春を求めるほどに やがて、一面の地獄だ。 ※本文と画像は一切関係ありません。 |
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HONDA Ape100 |
2010年12月20日(月)
宮古では最高気温13度1分。どうりで沿岸は異国のような明るさだった。盛岡に戻ってみれば、とけきれない雪に濡れていた。 @岩手県洋野町
はっきり生きようとするほど 直面する問題は原色で、 降りかかる困難は鮮烈だ。 事もなき日々を望むのなら、 曖昧に生きていればいい。 色を捨て、形を諦め、 見知らぬ誰かになりすましていればいい。 けれど、 素っ裸の海の蒼さを前に、 生まれたての雪原を前に、 心を染められない者にだけは、 なっちゃいけない。 |
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HONDA Monkey |
2010年12月19日(日)
朝晩の冷気はいよいよ鋭く、氷の世界。ただ青空がある限り、新雪の白さもやわらかい。 @岩手山麓
これは夢だとか それは現だとか 考えている間は、 何ものでもない。 曖昧な風の中だ。 とりあえずの生命を受け取り、 つかの間の道程を辿る日々だ。 やがて見知らぬ十字路に差しかかり、 現実と言う名の幻想を選んで直進したり、 幻想と言う名の現実を選んで曲折したり、 そのように故郷から離れ遠ざかる。 引き返す道さえ忘れ果てる。 (けれど、その日は来る) いくつもの十字路を抜けて、 ついに純白の原野に抜け出る日が来る。 その時、描くべき思いはあるか。 自ら選び取った未来へ 駆け出す勇気はあるか。 ひたすらに春を信じる風になれるか。 |
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HONDA Monkey |
2010年12月18日(土)
夜が明けてみれば銀世界。とはいえ、盛岡で15cm程度だから、さっと掃きやれる冬だった。 @盛岡市
幸いにも選ばれた者は、 選んだ者を知ることだ。 そこで初めて、 自分の程度がわかる。 (有頂天になってはいけない) |
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HONDA ベンリィ50S 画像は2005年12月18日に撮影 |
2010年12月17日(金)
ごく薄い雪化粧は、青空の下でみるみる消えた。大気は確かに冷えていたが、日光の印象が勝った。 @盛岡市
何が、誰が、 どうしたから、そうなったのか。 それを確かめられるのなら、 今日という日に説明がつく。 けれど、同じことは起きない人生だから、 確かめ算はついに不可能だ。 万が一、そんなチャンスが巡ってきたら、 わずかに呼吸をずらし、 台詞のニュアンスも変えて、 今度はどうなるか、眺めていてごらん。 何が正しく、何が誤りだったのか。 誰が悪魔で、誰が天使だったのか。 鍵と暗号を握る者は誰だったのか。 (胸躍る確かめ算じゃないか) |
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HONDA Monkey |
2010年12月16日(木)
最低気温は氷点下5度4分。最高気温は、かろうじてプラスの0度2分(盛岡)。数値はさておき、夕刻の山野を染めた粉雪が今日の寒さを物語る。 @岩手山麓
壮大な城に棲むことを この上ない誇りとする者達にとって、 城門の外などちっぽけな世界なのだ。 その価値観で城を統治しようとするから、 容認し難い影が見えてくる。 城壁の内と外を闊達に行き交う 自由な精神など目障りの極みだ。 それらを追放することが、 城の権威を守ることになると信じ込む。 そんなことだから、 城は、早晩、廃墟と化す。 謎めいた巨大遺跡になる。 ※本文と画像は一切関係ありません。 |
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HONDA Ape100 |