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イワテバイクライフ 2011年8月前半


2011年8月15日(月)
宮古(35度6分)江刺(35度5分)一関(35度4分)で猛暑日。本格化するUターンラッシュに追い打ち。



  力がついただけじゃ、
  まだまだだ。

  力の加減がわかっただけじゃ、
  それだけだ。

  力の出しどころを掴んだだけじゃ、
  たよりない。

  力を忘れて、
  無心に進めるようになったら、
  本物かもしれない。 



  ※本文と写真は一切関係ありません。
 室根山(一関市)「盆トラ」にて 撮影2008年8月15日  

2011年8月14日(日)
タフな猛暑だ。陽射しは衰えることを知らず街を焼く。おまけに蒸し暑さも加わり、人を弱らせる。



  誰にも打ち返される
  真っ直ぐなボールを投げている方が、
  楽しいマウンドだよ。
  懐をえぐるシュートや
  枠をかすめるスライダー、
  虚を突くフォークを連発していると、
  はじめこそ驚かれるけれど、
  いずれ「変り者」のレッテルを貼られ、
  スタンドは静まり返って
  陰気なマウンドになるよ。

 (子供も喜ぶ大人の投球を覚えなくちゃ)

KTM 690ENDURO R @北上高地 撮影日2009年8月14日  

2011年8月13日(土)
内陸南部では35度寸前の厳しい暑さ。ひと昔前のお盆は秋めいていた頃なのに。岩手も変わった。



  夫婦は、夕焼けの土手を歩いていた。
  妻は、すこし遅れて夫を見ていたが、
  「あらっ」と言って、駆け寄った。
  「あなた、背中・・・」と言いかけて黙った。
  「どうした?俺の背中に何かついているか?」
  いぶかる夫に「ううん、何も」と妻は微笑んだ。

  夏の川風がふわりと動いた。
  夫の背中の羽が、かすかにふるえた。
HONDA Ape100 @久慈市 撮影日2008年8月12日  

2011年8月12日(土)
盛岡も真夏日ではあったが、時折の風に救われた。空は、雲の出入りが急で印象は定まらない。



  終の棲家へ引っ越す前日。
  単身生活を整理し、荷造りは終わった。
  すっかり日が暮れていた。
  飯でも食おうと、
  商店街をぶらつき居酒屋へ入った。
  初めての店だった。
  賑やかだった。笑い声が絶えなかった。

   隣の客と乾杯し、意気投合した。
  店主は心意気の人だった。

   私は、酔いにまかせて人生など語り、
  末永くよろしくと仁義を切った。
  二度と戻ることはない街の
  最後の夜だった。

 HONDA Ape100   

2011年8月11日(木)
ほぼ真夏日の岩手も、震災から5ヶ月。沿岸各地で鎮魂の花火。



  煙草手に
  一服すると言い置いて、
  夢の都へ発つ者ありき。

  田舎の下積み生活もようやく終わり、
  同僚は、別れも告げず上京したのです。
  まるで煙草でも吸ってくるかのように
  さり気なく姿を消したことを、
  どこか残念に思う作者だったのです。

  煙草手に
  一服すると言い置いて、
  夢の都へ発つ者ありき。
HONDA Ape100 撮影日2010年8月11日  

2011年8月10日(水)
猛暑日は沿岸にも及び、山田町では統計をとりはじめて最高の暑さ。盛岡は夜になってスコール。

 スポーツスター883R @岩手山麓 撮影日2010年8月4日

  できること
  できないことを
  はっきりさせれば 、
  駒も人も意味を持つ。
  使い道が見えて来る。
  生きる道が見えて来る。
  
  どうにでも動ける駒など、
  盤上で居場所を失うだけだ。

2011年8月9日(火)
強力な高気圧に制圧された岩手。北上では猛暑日になるなど、炎が立つような陽射し。



  ひっそり暮らすのは難しい。
  義理や掟が追いかけてくる。

  ひっそり佇むことは難しい。
  黒い雨雲が追いかけてくる。

  ひっそり生きるのは難しい。
  時代の波が追いかけてくる。

  せめて束の間、
  夏の影にとけてみる。
MOTO GUZZI 850GT @岩手山麓  

2011年8月8日(月)
盛岡で最高気温34度と聞いても驚かない。タフな猛暑だ。壮大な積乱雲と局地的スコールも恒例。



  ひとつの愛しい時代が
  見るも無残に踏みにじられていくことに、
  泰然と向き合い、
  その先の時代を見据えて
  きっぱり「了」と言えるかい?

  (どれほど辛くても)
MOTO GUZZI 850GT @岩手県沿岸北部  

2011年8月7日(日)
昼過ぎまでは、うだって濁った大気だったが、夕暮になって雲と青空の整理がつき、走行風も心地よかった。



  出会って10年が経つというのに、
  君と僕は、どこか理解しあえず、
  ぎくしゃくしながら、
  大人らしく距離を置き、
  社交辞令など交している。

  君が君の道にこだわり、
  僕が僕の道にこだわる限り、
  この平行線は続くのだが、
  結局、二人の道は、
  いつか、どこかで、ばったり鉢合せして、
  大笑いすると思うのだ。

  (その日まで、気ままにいこうぜ、友よ)
MOTO GUZZI 850GT @岩手山麓 

2011年8月6日(土)
盛岡で34度1分など、内陸は、ほぼ猛暑日。眩暈を誘う蒸し暑さだった。



  丘に辿り着くと、
  黒雲が、あたり一帯を騒がせ
  押し寄せて来た。
  カン、コン、とヘルメットを打つ
  硬質な水滴は、
  やがて句読点を許さぬスコールになり、
  突っ立つ意地さえ洗い流した。
  カン、コンと生温く、
  冬の怒りを濡らし、とかした。
HONDA Ape100 @盛岡市  

2011年8月5日(金)
盛岡で32度など岩手全体8月を実感。奔放な夏雲に「夏休み」であることを思い出した。



  世間からどう見られるのか、
  ビクビクするより、
  世界に何を見せられるのか、
  ワクワクしようぜ。

  (なあ、同志よ)
HONDA Ape100 @岩手山麓  

2011年8月4日(木)
朝から曖昧な陽射しだった。そのくせ、各地で30度に達した。夕刻に至り、ようやくすっきりした。



  人間を監視していると、
  闇をほじくり出したくなるものだ。

  天地を見渡していると、
  志ひとつ立ててみたくなるものだ。

  宇宙を想像していると、
  私ひとり投げ出したくなるものだ。
 GASGAS TXT PRO250 @盛岡市 撮影日2008年8月4日  

2011年8月3日(水)
曇天の岩手を後に北上するほど青空が広がった。さほど暑くはなかったが、湿った風だった。



  仕事へ向かう姿が
  道楽にしか見えないと
  言われるのなら、
  いっそのこと、
  今日という一日を
  休暇にしちまえば
  いいだけのことさ。
ヘリテイジ ソフテイル クラシック @康楽館(秋田県小坂町にある大衆演劇の常設館)  

2011年8月2日(火)
最高気温21度9分(盛岡)で、にわかに秋を実感できない北東北。曇が払われた後の展開こそが関心事。



  追い越す者は、
  道端などに一瞥もくれない。

  追い越される者は、
  その姿をいつまでも見送る。

  その間柄が体温を持つのは、
  ずっと先のことだ。
HONDA ベンリィ50S @岩手山麓 撮影日2008年8月2日

2011年8月1日
空は、行先を決めあぐね、終日の灰色だった。けれど、朝夕の涼しさには、かすかな秋が混じっていた。



  全部を思い通りにする必要はない。
  できるはずもない。

  でもね、
  ひとつの場所で
  ひとつのことを
  心を込めて貫き通せば、
  きっと、いつの日か、
  見渡す一面が
  思いの色に染まっていると思うのさ。
HONDA Ape100 @岩手山麓 撮影日2010年8月1日

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