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イワテバイクライフ 2012年3月前半


2012年3月15日(木)
青空もあった。それを濁す雲も流れた。風に小雪もまじった。束の間だが岩手山の輪郭も浮かんだ。最高気温は5度5分(盛岡)だった。



  面白いものだね。
  断罪の波に直面すると、
  青年は、やたらに強がる。

  哀れなものだね。
  瓦解の時を予感すると、
  集団は、身動きもしない。

  お笑いものだね。
  逃げ場が無いと知ると、
  悪人は、急に善良を装う。

  奇妙なものだね。
  包囲網が狭まって来ると、
  同類は、殊更に身を寄せる。

  (自ずと証明するものだ)
HONDA Ape100 @岩手山麓

2012年3月14日(水)
快晴の朝だった。予報では「午後には曇りで、夜には雪」だったが、市街地の空は春そのものだった。最高気温は6度2分(盛岡)だったし。



  寂しい祭りに人を呼び寄せようと、
  銭をばらまいちゃいけない。

  寂しい成果に下駄をはかせようと、
  嘘をばらまいちゃいけない。

  寂しい未来に装飾をほどこそうと、
  幻をばらまいちゃいけない。

  それぞれの有様を噛み締めるところから
  始ることもある。
スポーツスター883R @盛岡市近郊

2012年3月13日(火)
盛岡の市街地は、まあ青空の印象もあった。少しでも郊外に出ると横殴りの雪もあった。季節の決着をつけかねる一日だった、最高気温5度4分(盛岡)



  それぞれの記憶には
  それぞれの重さがある。

  その重さを握り締めたまま
  じっとしていると、
  今日という日は、
  鉛のような過去になる。

  だからね、
  大切な記憶はね、
  そっと明日へ転がしてみよう。

  ごろんと音を立て、
  ごろんごろんと勢いを増し、
  明日のど真ん中を貫き、未来へ向う。

  夢や希望を巻き込んで、
  轟々と転がる私になる。
HONDA Ape100 @岩手山麓

2012年3月12日(月)
岩手県北部や沿岸部は春の大雪。盛岡は控え目な雪化粧。昼前後の青空と4度6分の最高気温で、今日降った雪はほとんど消えた。



  怒りを抱き続けていると、
  やがて一切を焼き払いたくなる。

  悲しみにひたっていると、
  やがて不条理など愛したりする。

  傷の痕をさすり続けると、
  やがて掻きむしってみたくなる。

  (狂気は、いつも静かにうずくまる)
HONDA ベンリィ50S @盛岡市

2012年3月11日(日)
終日風に雪の粒がまじった。あの日によく似た陰鬱な空だった。東日本大震災から一年。
画像は震災以前に撮影したものです。



  過ぎゆくものは、ありのまま。
  叶うものは、思いしだい。

  流れる日々は、空の下。
  見渡す一面は、心の中。

  せめて願うのは、
  今日の風の温もり。
  明日の光の優しさ。
  永久の海の静けさ。
ヘリテイジ ソフテイル クラシック @三陸沿岸

2012年3月10日(土)
春は後ずさりした。朝から薄ぼんやりした曇天。まれに陽射しの気配。やがて塵のような雪粒が舞った。最高気温3度2分(盛岡)。



  嗚呼、歳月はとめどなく
  まだ見ぬ日々へ流れていく。

  振り返ることさえ許さず、
  瞬く間に夜明けを連れてくる。

  しゃがみ込むと「立て」と言う。
  溜息などつくと「笑え」と言う。
  思い出に浸ると「進め」と言う。

  嗚呼、歳月は背中を押して来る。
  時に荒々しく突いてくる。

  だから人は、思わず駆け出している。
  (時を振り切って)
KTM EXC250F @岩手山麓 撮影2009年3月10日

2012年3月9日(金)
午前中は気弱な青空もあった。午後には雲が広がり、うやむやに夜になった。気温だけは高めで8度7分(盛岡)



  無教養を自覚できない者に、
  冠をかぶせ、
  力を持たせ、
  頂に立たせ、
  晒しものにするのは、
  さて、どんなものか。
  まことに残酷な話ではないか。

  失笑は
  舌打ちに変わり、
  告発へと移ろい、
  追討の矢となり、
  無残な最期を見ることになる。
  (あってはならないことだ)
MOTO GUZZI 850GT @花巻市近郊 撮影日:2012年3月8日

2012年3月8日(木)
盛岡では三日ぶりに氷点下の朝だったが、日中は8度を越えた。派手な青空も陽射しも無かったが、上出来の早春。



  昨日の成功にしがみついて
  今日の失敗を怖れていると、
  明日は遠ざかるばかりだよ。

  挑む先に未来はあるんだよ。
 
MOTO GUZZI 850GT @岩手山麓

2012年3月7日(水)
最低気温2度9分(盛岡)からのスタートは嬉しい。太陽の上昇とともに、道路は雪解け水に洗われ、澄んだ飛沫が上がった。最高気温7度3分(盛岡)。



  他人の言葉を借りるだけでは、
  自分の心なんか伝わらないよ。

  他人の轍を辿ってばかりでは、
  自分の旅なんか始まらないよ。

  他人の後ろ姿を追うだけでは、
  自分の志なんか生まれないよ。 

  そしてね、
  自分の意地を押し通すだけでは、
  他人を笑顔になんてできないよ。
HONDA Ape100 @岩手山麓

2012年3月6日(火)
最低気温プラス2度(盛岡)とは4月が香って来そうな朝。現実は、とけた雪で水溜りの連続。午後には少し空も明るくなった。最高気温は6度1分(盛岡)



  知り合いとの再会。
  それは、自らの過去との再会だ。

  その日を待ち望む者がいる。
  その日をおそれる者もいる。

  今日という日の自分の振る舞いは、
  遥か未来まで追掛けていく。
  今日は、今日一日の出来事ではない。

  (汚してはならない)
HONDA ベンリィ50S @岩手山麓  

2012年3月5日(月)
春の雪、ぽしゃぽしゃと、枝にすがり、傘にまとわりつき、やがて雫となって街を濡らす。



  天空のあれこれを 
  大地が引き受ける。
  だから人は、
  雪に埋もれ、
  雨に打たれ、
  風に吹かれ、
  光に包まれ、
  空を仰いで生きていく。

  (そこに運命の兆を探る)
HONDA Monkey @盛岡市

2012年3月4日(日)
南風だった。3度6分だった。雪もあわただしくとけた。わずかだが、土も乾いてふっくらした。



  この温もった土の
  春の斜面をどう走るかなんて、
  口をはさむのは野暮だ。

  ほくほくした感じを
  後輪で巻き上げて
  もっと先へ、
  もっと上へ、
  もっと美しく駆け上がりたい。
  それだけなんだ。

  あと一歩で、
  もう、あとひと息で、
  本当の春に届こうとする者は、
  凄まじい力を出すのだから。
@花巻市(トライアルパーク)

2012年3月3日(土)
多少もやもやと雲が流れていたが、制空権は青空が握っていた。気温は、もうひとつ上昇せず、春になり切れない一日だった。



  他人の視線を酷く気にするんだね。
  何か悪事でも働いて来たのかい?

  他人の笑顔で不機嫌になるんだね。
  何か嫉妬ばかりして来たのかい?

  他人の闊歩が我慢出来ないんだね。
  何か惨めな旅をして来たのかい?

  他人の会話に参加できないんだね。
  何か劣等感と生きて来たのかい?

  (頂に固執すると、そんなものだ)
HONDA ベンリィ50S @岩手山麓

2012年3月2日(金)
最高気温が6度1分(盛岡)でも、見渡す限りの灰色では温もりの実感は希薄。夕方になって雪でも雨でも無い何かが降り出した。



  氷河を越える途中、
  生涯をかけた調査記録のすべてを
  紛失した私は、
  途方に暮れて人里に下った。

  街は貧しかった。
  二人の幼児が付いて来た。
  言葉を知らない兄と
  世間話が好きな妹だった。

  私は、二人に飯を食わせた。
  川蟹の料理を一人前、三人で分けた。
  ポケットには硬貨が一枚。
  何とかなるような気がした。

  夕闇を震わせ吠えるものは、
  爆撃機の編隊だった。
  サイレンが鳴り響く中で、
  私は、幼い兄妹を抱きしめた。

  (もう一度、父親になるのか?)

  そんな夢を見た。
HONDA ベンリィ50S @岩手山麓

2012年3月1日(木)
北国の三月は冬と春がせめぎ合う。今日は春の圧勝。最高気温10度2分(盛岡)は、いささかやり過ぎ。しかし、まあ、これも束の間の平和。



  待っていたのは、まばゆい陽光だ。
  待っているのは、ぬくもる精神だ。
  待ち焦れるのは、憂い無き時間だ。

  この瞬間にすべてはあるのだが、
  この瞬間を明日へ手渡す為には、
  どす黒い冬と闘うほかないのだ。
HONDA ベンリィ50S @岩手山麓

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