イワテバイクライフ 2012年6月前半
2012年6月15日(金)
ごく軽い曇り空が昼過ぎまで続いたが、夕刻には、みるみる雲は払われ快晴。ただ、大気は霞んで山々の見晴らしは無かった。
状況は生きている。 ある日、一変する。 そんな瞬間に立ち会って来た者は、 今日の有様に一喜一憂しなくなる。 ゆったり構えて待つことを覚えた者は、 回り舞台を楽しむようになる。 人生の特等席が、 そこにある。 |
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ヘリテイジ ソフテイル クラシック @岩手県北部 撮影日2012年6月11日 |
2012年6月14日(木)
午後には現われるはずの青空は無く、最高気温24度のはずだったが、20度台にとどまった(盛岡)。無邪気な天気予報だった。
最低限の基準を満たしていれば、 一人前と認められる世界では、 基準を遥かに上回る者など出て来ない。 技を究め限界を追求するという概念を 持たないシステムは、 大概、危機管理に精力を費やし、 平穏無事を最高の価値としているから、 未踏の境地に挑む者など ついに出現しない。 |
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MOTO GUZZI 850GT @盛岡市 |
2012年6月13日(水)
朝方は望外の青空だった。昼ごろから曖昧になり、夕刻には明確な曇天だった。それでも小さな青空はあった。まあ、涼しかった。
落胆することに慣れてしまうと、 人は期待しなくなる。 楽しいことや 好ましいこと 正しいことを 他人に任せることを諦め、 自分で何とかしようとする。 落胆は自立を促す。 |
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HONDA Ape100 @岩手山麓 |
2012年6月12日(火)
まずは梅雨の気配が漂う曇天だったが、雲のひとつひとつは薄く乾いていて、局所的に空は開け陽が射した。爽快冷涼な風だった。
地位? それは、どんな場所だい? 俺は、見晴らしが良ければ、 それでいいんだよ。 名誉? それは、どんな気分だい? 俺は、うまい酒で酔えれば、 それでいいんだよ。 組織? それは、どんな装置だい? 俺は、正気で回る世界なら、 それでいいんだよ。 |
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HONDA ベンリィ50S @岩手山麓 |
2012年6月11日(月)
朝方は梅雨空。青空の断片をたよりに北へ向えば、空はみるみる開けた。盛岡では夏日だったが、北東北広範囲に心地良い風。
黒い者が頂に立つと、 大概、黒い者が周囲を固める。 そうでないと、 ひと晩でブルーやピンクに変色するから。 黒い者が頂から転落すると 不思議なことに隷属していた影も消える。 そして、頂は、 清明な風を浴びて、 純白の一団に固められる。 (実に良くできた仕組だ) |
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ヘリテイジ ソフテイル クラシック @十和田湖 |
2012年6月10日(日)
南東北の梅雨入り。午前中は、その流れに沿った曇天。午後には北東北独自の晴天となった。風も、どこ乾いて涼やか。
君は、捨て身になれるかい? 傷付きたくないとか、 孤立したくないとか、 立場を守りたいとか、 そんなことを忘れて、 まっすぐ戦えるかい? (ごく当たり前の幸せの為に) |
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スポーツスター883R @岩手山麓 |
2012年6月9日(土)
いつ雨が降ってもおかしくない空だった。それでも、日中は、ごく短時間、霧を吹くような小雨だけだった。最高気温23度6分(盛岡)とは思えない梅雨寒モードだった。
人が殊更に動き回らなくても、 もの事は、 神様がお決めになった通りに おさまっていくのです。 でもね、 それでは、あんまり手持無沙汰です。 魂が錆び付いてしまいます。 だから、人は精一杯力を尽くすのです。 懸命な無駄の積み重ね。 それも人生です。 |
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ヘリテイジ ソフテイル クラシック @田沢湖(秋田県) |
2012年6月8日(金)
午前中は岩手山麓に小雨。午後には天気予報には無かった薄日など射し、心地よい夕風が吹いた。
あなたは、 明日の立場のことで 頭がいっぱいでしょうから、 この地から手を離し、 急いで荷物をまとめてください。 この地を放り出して、 さっさと次の夢を見てください。 自分の名誉のことで うわの空になりながら、 とっとと消えてください。 私のことなど金輪際思い出すことなく、 この地のことも忘れ果ててください。 (それこそが心待ちにした静寂です) |
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YAMAHA YB1(2スト) 雫石町 |
2012年6月7日(木)
純良な夏空は、みるみる不穏な積乱雲に占領され、各所で不意を突く降雨。
他人の感性に説き伏せられることを嫌う者は、 無作為の自然をことのほか賛美する様になる。 (自尊心にとって無害だからね) |
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MOTO GUZZI 850GT @岩手県北部 |
2012年6月6日(水)
空は開けなくても夏日(盛岡)。午後には、重厚な雷鳴まじりの降雨。まあ、よい御湿りだった。
彼方に草を焼く煙たなびく。 乾いた風は焦げて香ばしい。 水鏡に早苗は霞み、 山影は紫にけむる。 昨日を焼き払い、今日は始まる。 今日を灰にして、明日へ繋げる。 繰り返す営みの炎、 大地を黒く染めて、 収穫への決意を綴る墨となる。 |
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HONDA Monkey @岩手山麓 |
2012年6月5日(火)
真夏日寸前だった。眩暈を誘う陽射しだった。それでも乾いて軽い走行風は心をなごませる。イーハトーブの6月なのだ。
木の葉が散るように 人は去る。 霧が払われるように 夜は終る。 気が付けば、 この山麓に私ひとりだ。 そんな光景を 幾度となく見て来た。 だから、 移ろう季節に心をとかし、 過ぎゆく悪夢に 今日も微笑む。 |
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YAMAHA YB1(2スト) @岩手山麓 |
2012年6月4日(月)
最高気温27度1分(盛岡)。温もった風と冷えた風。積乱雲の白さと不穏な雲の暗さの同居。所により天気雨。そして、どしゃぶり。
自信満々の者が嫌われる 一番の理由は、 謙虚を装うことなんだな。 (いっそ、開き直っちまえよ) |
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ヘリテイジ ソフテイル クラシック @八幡平市 |
2012年6月3日(日)
最高気温24度3分(盛岡)。午前中は白濁の晴天だったが、午後には澄んだ青空と力の抜けた薄雲。何より乾いて軽い風。
そうかい。 そんなに褒めてもらいたいのかい。 じゃあ、仲間を増やすことだ。 仲間が歌えば、みんな声を合せる。 (どんなに音痴でもね) 仲間が描けば、みんな深く肯く。 (どんなに幼稚でもね) 仲間が踊れば、みんな手を叩く。 (どんなに不格好でもね) 仲間は仲間を酔わせ、結束する。 |
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スポーツスター883R @岩手山麓 |
2012年6月2日(土)
盛岡は夏空ギラギラで27度5分。沿岸北部では13度台。その落差の狭間に彷徨っていると岩手の広さを思い知らされる。
私ひとり頑張ったところで たかが知れている。 でもね、 一途な思いはね、 見知らぬ多くの人の力で実現される。 おとずれる奇跡に 膝まずき、 涙を流し、 合掌する。 人は、生きている限り、 誰かに救われているんだね。 (それを神様と言うのかもしれない) |
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MOTO GUZZI 850GT @八幡平市 |
2012年6月1日(金)
最高気温は盛岡で27度に迫っていた。それでも、岩手全体、吹く風にとける陽射しの温もりは、心を癒やすものだった。
波は寄せる。 そして引いていく。 現実は押し寄せ、 瞬く間に世界は様変わりし、 昨日の記憶さえ持ち去られる。 人は、 その飛沫を浴びながら、 岬の先端に突っ立ち、 海原が幸福の色に染まるまで、 激情を抑え、 言葉を控え、 待つのだ。 |
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ヘリテイジ ソフテイル クラシック @岩手県三陸沿岸 |