イワテバイクライフ 2012年9月後半
2012年9月30日(日)
台風接近のニュースに脅されながら、そこそこの陽射しはあった。南から吹き上げる風で最高気温は26度2分。嵐の軌跡を思い浮かべるだけ。
劣化していく全体の中で、 頑として品質を保つものは、 異端と見なされ、 規格外の烙印を押される。 さり気なくレベルダウンして、 とけこむのも ひとつの知恵と技術ではあるが、 残酷な芸という他ない。 |
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MOTO GUZZI California Vintage @八幡平市 |
2012年9月29日(土)
台風17号は、鹿児島の南海上で東北を見据えて進行中。それでも、午前中は透明な青空が広がり秋雲が舞った。最高気温27度2分(盛岡)。
ダメなものを あざ笑い、指差すだけでは、 何も始まらない。 誤ったものを 容赦なく糾弾するだけでは、 何も生まれない。 ダメなものに寄り添い、 誤ったものに向き合い、 一緒に苦しんで向上し、 一緒に正しい道を求め、 肩を叩き合って生きる。 (それがいい) |
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スポーツスター883R @岩手山麓 |
2012年9月28日(金)
曇天とは言い難い青空や陽射しがあった。気温は24度(盛岡)で、かなり混濁の大気だった。酷暑の9月だったが、岩手の米の作況指数・105「やや良」。
絵を描くのが好きな男は、 偉い先生を訪ねて、 自分の作品を見て貰った。 先生は言った「基本ができていない」。 10年後、男が再び訪ねると 「意図がわからない」と言われた。 その10年後は「技術が未完成」。 そのまた10年後は「感動が無い」。 そして、どれほど時が過ぎたことだろう。 男は作品を携えて門を叩いた。 危篤の床から批評はあった。 「己の意図を押し付けるために、 技術を駆使して感動させてやろうという絵だ。 基本にかえることだ」 (人は、そんなこんなで、老いていく) |
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MOTO GUZZI V7Classic @岩手山麓 |
2012年9月27日(木)
思った以上の晴天だった。雲も出たが、青空を引き立てる役回りだった。最高気温24度5分(盛岡)も予想外だった。
今日一日を楽しみ、味わう。 良い仕事は、そこに生まれる。 耕しているか? 咲かせているか? 抱きしめているか? かけがえのない日々を。 相変わらず、 形を整えるだけかい? 数を合せるばかりかい? 自分の立場を守るだけかい? それで今日はお終いかい? |
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MOTO GUZZI California Vintage @八幡平市 |
2012年9月26日(水)
夏と秋を繋ぐ絶妙な一日だった。最高気温24度5分(盛岡)。太陽光の眩しさはあっても、熱は希薄。ひたすらに心地良く。
初めての道には、 初めての空がある。 初めての私がいる。 |
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MOTO GUZZI 850GT @八幡平市 |
2012年9月25日(火)
朝霧は晴れ、故郷の山々は稜線を鮮明にした。風は爽快。最高気温21度2度分。夕刻、北に不穏な雲と雷鳴。まあ、大勢に影響なし。
どんどろどろどろ、どんどろどろどろ・・・。 私は、そんなリズムを口ずさみ、 草原を走り回っていた。 そこへ風来坊が通りかかって、叫び出した。 どばどばどばばん、どばどばどばばん・・・。 丘をヒョウと風が吹き抜けた。 どんどろどろどろ どばどばどばばん。 それぞれの響きが混然となって熱気を帯びる。 やがて、あたりの山並みに 和太鼓の音が轟き始め、僕らは踊り狂った。 (そんな夢を見た) |
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スポーツスター883R @姫神山麓 |
2012年9月24日(月)
日中は、ほぼ曇天。風に水滴がまじり、方角によっては、降雨のベールが大気を灰色に霞ませていた。カーブひとつ抜けると道が濡れていたりした。残暑の欠片は皆無だった。
ゆったりとした時間だ。 気ままな一日だ。 私が止まれば、時も止まり、 私が走り出せば、時はついて来る。 支配もしない。 隷属もしない。 管理なんて考えもしない。 けして先を急がず、 いつまでも待っていてくれるから、 見えなかった風景まで見えてくる。 聞えなかった旋律まで溢れてくる。 嗚呼、これが本来の時間だったのか。 |
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スポーツスター883R @北上市近郊 |
2012年9月23日(日)
なにせ天気は下り坂で、昼過ぎからの水滴は、やがて、本降りの雨となった。最高気温は21度(盛岡)だが、殊更に秋のキーワードは思い付かない。
際立つ印象は、 不意に現われ、 瞬間、辺りを染める。 自然に挑む人間の光景は、 獣のように奔放で、油断ならない。 日々抑制された精神が これほどまでに輝く舞台は稀だ。 北東北の片隅で トライし続ける群の 健やかな精神を論文にする医師は、 未だ現れない。 |
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大友トライアルパーク杯 第2戦 @秋田県湯沢市 |
2012年9月22日(土)
朝晩は涼しさより冷気というべき空気。日中の晴天は秋の爽やかさというより、夏の余韻。盛岡で25度5分。
理想など謳い上げながら、 山積する難題を放置する。 美しい未来を語りながら、 壊れた仕組を使い続ける。 公平を掲げておきながら、 地縁血縁で全てを固める。 それが通用する場所では、 ついにリーダーは不在だ。 ※画像と本文は一切関係ありません。 |
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YAMAHA YB1(2スト) @盛岡市 |
2012年9月21日(金)
前夜からの小雨は日中も断続。夕刻、回復の気配も漂ったが、まあ、雨は止んだだけのこと。最高気温19度9分(盛岡)も半信半疑。
同じ事を 間断なく 繰り返す。 ひたすら 継続する。 とことん やり抜く。 俺はね、やっと、わかって来たんだよ。 そういう精神は、 まず間違いなく、ある種の病だとね。 でもね、そうまでしないと 突破できないこともあるんだな。 この時代の真ん中に前進を求めるってことは、 結局ずたずたになることなんだな。 その覚悟があれば、続けるだけさ。 (無為の無傷より、よほど健全だ) |
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HONDA ベンリィ50S @姫神山麓 |
2012年9月20日(木)
気圧の谷間で雲は多かった。けれど、崩れる気配は無く、むしろ回復へ向った。最高気温26度4分(盛岡)。秋を実感する風は無し。
旅人が、旅人と歩調を合せれば、 互いに止まって見える。 向き合っているかのようだ。 それが、流れて生きる者たちの関係だ。 (ところが) 村を守り続ける里人から見れば、 それは、超高速の動画だ。無音の砂嵐だ。 (同様に) 旅人が里人を見れば、 瞬間の人影に違いない。 (だから私は) 流れ来る者の手を握らず、 流れ去る者に手を振らず、 ただ、ぼんやり、 今日の一点に突っ立ち、 秋の彼方へ吹き飛ぶ影となる。 |
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MOTO GUZZI V7Classic @岩手山麓 |
2012年9月19日(水)
秋の青空の下に暗い雲はもぐり込み、強い南風に押し流された。一時的な降雨もあったが、予想外に天気は崩れず、薄っすら陽もさした。ぎりぎり真夏日(30度1分・盛岡)。
心の底に浮かんだものを その場で言葉にしてはならない。 歳月の溶液に寝かせるがいい。 やがて、無味無臭で透明なものになる。 高度に暗号化され、 濃厚な意味を含むものになる。 (酒も毒も人も、そういう時間が必要だ) |
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MOTO GUZZI 850GT @岩手山麓 |
2012年9月18日(火)
熱帯夜(盛岡)だった。空気が乾いていたお蔭で、寝苦しさは無かった。日中は判を押したように真夏日。やや風強し。
この世は残酷だ。 その拍手喝采は、 とてつもない幻想を与える。 その大合唱には、 抗い背けないパワーが漲る。 その熱風熱波は、 想定外の頂上へ突き上げる。 (壊滅前夜の宴ほど高揚するものは無い) |
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MOTO GUZZI California Vintage @岩手県北部 |
2012年9月17日(月)
いいのさ、どんなに暑くても。透明度の高い青空や深みを増した大地の光と影があれば、太陽の熱のことなんて、もう、いいのさ。
五十歩や百歩を試して、 「万歩」を語り切ってしまう者がいる。 「万歩」を積み重ねても、 数歩のことさえ口にしない者がいる。 (品性というべきか) |
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MOTO GUZZI California Vintage @三陸沿岸 |
2012年9月16日(日)
東北全体、逃れようもない残暑。当たり前のように真夏日。宮城から岩手に帰ってみれば、夕空に疲労困憊の岩手山。
個人競技だ。 挑んで、うまくいけば、 一人で喜ぶ。 。 挑んで、失敗すれば、 一人で悔む。 でもね、 挑んだラインは、 多くの仲間が挑んだ道筋。 同じ旅をした者同士、 今日の空、今日の光、今日の風、 そして今日の香りは、 生涯語り合えるものだ。 |
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2012東北トライアル選手権シリーズ 第7戦・宮城大会 (練習風景) |