イワテバイクライフ 2012年12月前半
2012年12月15日(土)
特段の冷え込みではなかった。むしろ積っていた雪が弛み、とけ出し、街は、ぐちゃぐちゃ、びちゃびちゃ。しみったれた曇天の一日。
御立派なものであり続けようとするから、 窮屈になるんだよ。 四方八方に笑顔を振りまこうとするから、 顔がゆがむんだよ。 共感という共感を独占しようとするから、 ホラを吹くんだよ。 時には、 暗い影を落とし、 毒を吐きながら、 ひとつひとつ乗り越え、 やがて人間になっていくのに。 ショーウインドーの中の好人物は、 所詮、見世物だ。 |
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HONDA ベンリィ50S @盛岡市 |
2012年12月14日(金)
朝方は小雪。街は化粧直し。最高気温は3度3分(盛岡)だから、積み増しの雪にはならなかった。むしろ、夕闇にグチャグチャとける雪の音がした。
誰かが踏みしめるから 道は道になる。 誰かが分け入るから 森は森になる。 立ち止り振り返るから、 そこに道がある。森がある。私がいる。 |
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YAMAHA YB1(2スト) @岩手山麓 |
2012年12月13日(木)
盛岡では最低気温・氷点下8度。この冬一番の冷え込み。朝方は見えていた岩手山も雲に包まれたが、市街地には日が射していた。
私は、車にはねられ、 交差点の真ん中に転がる小動物だった。 かろうじて意識はあるが、 後ろ足の感覚は無い。 タンクローリーのタイヤが鼻先をかすめる。 重戦車の腹が大地を揺さぶり頭上を抜ける。 市街戦の弾丸が凍結した路面に弾ける。 何故か恐ろしくないのは、 やがて死んでいくことを了解したからだ。 ただ、いつの日にか、春の光が射し 交差点の屍を温もらせる時が来るなら、 せめて、その光景を見届けたいとも思うのだ。 そんな夢を見た。 |
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HONDA Monkey @盛岡市(北上川) |
2012年12月12日(水)
朝方の岩手山は絶景だった。放射冷却霧の帯の中から蒼白の上半身をのぞかせた。日中は、そこそこの晴天だったが、路面は凍結したがっていた。
どうせ昨日と同じ。 たぶん去年と一緒。 そう思うようになったら、 過去に飲まれていくだけだ。 何はともあれ、走り出す。 とにもかくにも、 思い焦れる場所に辿り着き、 其処に身を置き、心を広げる。 すると、今日限りの天地が現われる。 初めての思いがそこに生まれる。 その積み重ねが、つまり未来になる。 (求める者には、用意されている) |
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YAMAHA YB1(2スト) @岩手山麓 |
2012年12月11日(火)
最低気温・氷点下5度8分(盛岡)の朝。データ上は最高気温1度8分(盛岡)だが、ほぼ凍った一日。青空もあったが、午後の岩手山は雪雲に隠れていた。
評価する者が変われば 処遇も変わる。 (まあ、そんなものだ) けれど、 その変わり方が劇的では、 群としての整合性が問われるから、 そこそこに留め置かれるものだ。 ひとたび人間の評価を 底へ落としたり、天上へ上げたりすると、 その後の辻褄が合わなくなる。 そんな仕組の中で、 人は、群の値打ちを見透かすようになる。 (評価する者は、辛辣に評価される) |
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HONDA Monkey @盛岡市 |
2012年12月10日(月)
最低気温・氷点下5度5分(盛岡)。かすかに雪雲を纏う岩手山が見えていた。午後には、しっかりした青空だった。最高気温2度8分(盛岡)。雪もとけ出した。
山は心を決めたのだ。 太古の昔に決めたのだ。 此処に生きると決めたのだ。 山は語ることはないけれど、 季節の風をあびるたび、 あまりに強い思いが溢れ、 白く染まる。 新緑が輝く。 赤く燃える。 夕暮れの度、漆黒の影となるのだ。 |
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YAMAHA YB1(2スト) @岩手山麓 |
2012年12月9日(日)
盛岡は、最高気温が氷点下1度2分の真冬日だった。稀に薄日も射した気がするが、前夜までの雪をとかす力は無かった。
共感を得る。 それは良いことだ。 ただ、悪役に共感を表明されると厄介だ。 「同類」と見なされるからね。 (避け様の無い災難だ) |
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YAMAHA YB1(2スト) @盛岡市 |
2012年12月8日(土)
早朝、街を薄っすら染めた雪は、やがて強まる一方で、最大25cmの積雪(盛岡)。夕刻には雪も止み、青空も現れた。気温がプラスに転じたのは15時台のみ。感覚的には、ほぼ真冬日。
鮮明な論理と 確信の肉声で 世界に向かって 明日の形を約束することが 困難に思えたら、 文化という御旗を押し立てればいい。 美や愛や浪漫を謳い、 人間賛歌とともに、 心豊かな明日を提案する者に、 礫は飛んで来ない。 鎧を纏うなら、 誰もが肯定せざるを得ないものを選択することだ。 |
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HONDA ベンリィ50S @盛岡市 |
2012年12月7日(金)
最高気温0度7分(盛岡)。朝方の積雪は、明確な冬の意志表示。氷の匂いが漂う曇天になった。午後5時18分。盛岡で震度5弱の地震。津波注意報が2時間余り出た。
人の正体は、 危機の時に露わになる。 温厚な者も、凍り付く。 従順な者も、棘を出す。 無欲な者が、表に出る。 この世の終わりのような瞬間、 人を知る。 群を知る。 闇を知る。 悲しいことだが、 修羅場の数だけ、 流した血と涙の分だけ、 生延びる知恵と技は 強靭になる。 (天災に限ったことではない) |
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HONDA Monkey @盛岡市 |
2012年12月6日(木)
「爆弾低気圧」というより「冬の嵐」だった。強い風に雨のような雪のようなものが飛んだ。勢い余って唐突な青空ものぞいた。結局、「大荒れ」への大合唱だった。
状況をひとつひとつ並べていくと、 鮮やかに見えて来るものがある。 「たぶん、そうなのだろう」 と思うことは、 十中八九、そういうことなのだ。 人は、確信していることにも、 保険をかける習性があるから、 断定は避けるものだが、 「たぶん、そうなのだろう」と 幾度も呟くようになったら、 それは、もう、結論が出ているのだ。 |
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HONDA ベンリィ50S @岩手山麓 |
2012年12月5日(水)
うっすら雪に染まって夜は明けた。朝方と夕方は、かすかに岩手山が見えた気がする。あとは、陰気な曇天で、時折、小雪など舞っていた。最高気温3度5分(盛岡)。
幸いなことに、酔いに頼らない。 盃を重ねても、理性まで失うことはない。 残念なことに、女好きではない。 色香の如きで、泥沼にはまることも無い。 生憎なことに、幻術は通じない。 漆黒の呪文で、十字架など負わされない。 (月の裏を見た者に罠は通じない) |
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YAMAHA YB1(2スト) @岩手山麓 |
2012年12月4日(火)
小雨に濡れて夜は明けた。午前中は砲撃のような雷鳴。午後は小雨模様ではあったが、夕暮れになって、かすかに青空が滲み出た。最高気温8度5分(盛岡)なら上出来。
強者を前線から引き離し、 賢者を評定から締め出し、 愛想の良いポチで固める。 平穏無事だけを願う群は、 放っておいてもそうなる。 弱体化に画策は要らない。 (いずれ、皆、照れ笑いの捕虜だ) |
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HONDA ベンリィ50S @盛岡市 |
2012年12月3日(月)
最低気温は氷点下3度2分。朝方から昼過ぎまでは印象の薄い青空。夕刻には冬めいた曇天。その割に最高気温7度3分(盛岡)なら、上等。
本来の道が冴えなくなると、 演説を始めたくなるのかな。 とりあえず 耳を傾けてくれる人の数で 自分の値打ちを確かめたくなるのかな。 |
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MOTO GUZZI California Vintage @岩手山麓 |
2012年12月2日(日)
午前中は、青空めいた空だった。午後は、すっかり雲に覆われたが、風が弱く、さほどの薄ら寒さは感じなかった。最高気温2度2分(盛岡)
力がある者は、より遠くへ飛ぶ。 技がある者は、より楽に越える。 力も技も無い者は、 おそれず ひるまず まよわず、 ただ、ひたすらに、まっすぐ当たれ。 越えられないイメージを捨て、 楽園へ飛び込んでいけ。 |
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高橋健啓選手(国際A級) @花巻市 |
2012年12月1日(土)
早朝は晴れて、最低気温・氷点下3度2分(盛岡)。やがて冷えた雲に覆われた。夕刻には陽もさし、青空ものぞきはじめたが、最高気温は3度(盛岡)。12月下旬並み。低温注意報継続中。
栗をあげれば、芋が返って来る。 濁り酒を酌み交わせば、 猟場を教えてもらえる。 そんなことを繰り返すうちに 旗を負わされ、 面倒な話の先頭に立たされる。 うんざりして、栗を贈らず、宴に出ず、 そのままにしていると、 猟場が潰されていたりする。 (呆れるほどの分かり易さだ) |
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スポーツスター XL1200R @岩手山麓 撮影日2008年11月27日 |