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イワテバイクライフ 2013年10月前半


2013年10月15日(火)
台風26号の北上。昼ごろまでは薄日も射していたが、夕刻には、すっかり、どんより。夜になってパラパラ来ている。



  持っていても、
  生涯使いそうにないもの。
  持っているだけで、
  生涯すっきりしないもの。

  どこで失くそうと、壊そうと、
  何の痛痒も無い。
  むしろ荷が軽くなるだけのもの。

  そんなものを維持するために、
  人は、どれほど気を遣い、
  駆けずり回り、擦り減るのだ?

  いっそ、どこぞで
  置き引きにでも遭えばよいものを。
MOTO GUZZI V7 Classic @岩手山麓

2013年10月14日(月)
どこまで走っても、雲の印象は無かった。だから、奥行きの無い青空ばかりが欠伸を誘った。日陰の冷気は陽射しの微熱にとかされて、最高気温19度1分(盛岡)



  頑張るほどに空気を淀ませ、
  居座るだけで停滞をまねき
  周囲に忍耐を強要する者は、
  ある日、次の旅へ発つだけで、
  歓喜の渦をまねく。

  なにせ、その日から、
  歯車は快活に回り出し、
  屈託のない暮しが戻る。

  存在しなくなるだけで、
  一切を好転させる者こそ、
  究極の存在と言うべきか。
MOTO GUZZI California Vintage @岩手県沿岸北部

2013年10月13日(日)
青空はあっても全体濡れたまま朝。その後も奔放な雲が主役。所によりにわか雨。ひどく風の強い一日だった。岩手山今季初の冠雪。最高気温18度4分(盛岡)。



  予定は、土壇場で変更される。
  予定通りの結末など、見たことはない。

  思い描いた道程から外れるから、
  人生は物語になる。
  世界は劇的になる。

  その結果、
  北東北の、この山麓に佇む私がいる。
  しみ入る秋を噛み締める朝がある。。

  遥か昔の私が、
  道を踏み外したおかげで、
  今日の空がある。
  今日の山が立つ。
  
Harley‐Davidson XL1200CA @岩手山麓

2013年10月12日(土)
雨は止んでいたが、朝の街は濡れていた。ゆっくり空は開け、青空と荒ぶる雲が絡み合った。最高気温20度1分(盛岡)



  世の中は、
  勝手に騒いで燃え盛り、
  気が済むまで何かを叩き潰し、
  時が経てば、すっかり忘れて、
  昨日の炎は、冷えた灰の中だ。

  ほとぼりというものは、
  もしかすると、
  己の胸の内にこそ保つものではないのか。
  どれほど歳月が流れても
  忘れず、熱く燃やすものだ。

  ひとつの物語を
  どこまでも燃やし続け、
  けして冷めることのない精神になるまで
  鍛えに鍛える熱であり炎なのだ。
MOTO GUZZI California Vintage @岩手山麓

2013年10月11日(金)
日本列島は、所によっては30度を越え、観測史上、最も遅い真夏日。盛岡は午後になって雨も降ったが波乱無し。ただ、動き回れば、かすかな蒸し暑さ。



  ねえ、あなた。
  もう綴ることは何もないでしょ?

  いや、おまえ。
  ありのままを記録し続けるから、
  ごくまれに陽が射すんだよ。

  その瞬間を待ち続けて、
  今日の心を素描するんだよ。

  (特別なことなど何もない)
HONDA Ape100 @岩手山麓

2013年10月10日(木)
青空が戻った。というか、季節まで夏へ戻って、最高気温25度4分(盛岡)。ギラギラの夏雲とはかない秋の雲の混在。



  何が善で、悪か。
  誰が天使で、悪魔か。

  口にするのは容易い。
  だが、信じてもらうためには、
  目の前の戦いに
  勝ち続けなくてはならない。

  そのように、人生は、
  証明し切れない真実を背負い、
  重くなる。辛くなる。
MOTO GUZZI 850GT @岩手県北部

2013年10月9日(水)
台風24号は温帯低気圧になったが、その気配は東北にも届いて、午後には、そこそこの降雨となった。夜を迎えて雨音は消えた。



  旅人が、どんなに立派な演説を披露しても、
  里人は、頷くこともなく黙って聞いている。
  いずれ、風の様に立ち去る者達の言葉など、
  通り雨をやり過ごすように聞き捨てられる。

  どれほど
  暗く愚かでも、
  古めかしくて、
  呆れる話でも、
  最後の最後まで、
  この同じ天地の狭間で
  同じ季節を呼吸する者の言葉に
  同胞は心を向けるものなのだ。

  そんなことも知らず、
  今日も新しい旅人が、
  才気を振りかざし、
  未来とやらを叫び出す。
HONDA Monkey @盛岡市

2013年10月7日(火)
台風24号は、遥か九州の西だ。それでも、送り込まれる湿った南風は生ぬるく、それらしい匂いがする。雨は微々たるものだったが、街は陰気に濡れた。



  すべてのものには旬がある。

  事件は事件であるうちに解決しないと迷宮だ。
  恋はうなされている間に実らせないと幻滅だ。
  人は駒として使える時に動かさないと放置だ。

  そのように様々な旬が過ぎて行き、
  もはや尾行の影は無く、
  やがて恋文など届かず、
  ついに駒の数から外れ、
  実にのどかな無関心という風に包まれる。

  (旬の尽き果てた所に極楽はある)
MOTO GUZZI V7 Classic @岩手山麓

2013年10月7日(月)
平年より8度も高い生ぬるい朝。小雨に濡れた街は、日中のかすかな陽射しに乾きかけたが、午後の霧雨に再び湿った。最高の季節のがっかりな一日。



  道具の話は、
  しない方が、まあ無難だな。

  仕事がうまくいけば、
  道具に助けられただけだと片付けられ、
  うまくいかなければ、
  未熟を道具のせいにするなと嗤われる。

  うまくいったら、まぐれ。
  そうでなければ、不勉強。
  そういうことにして、、
  けして、道具を語っちゃいけないよ。

  (本当のところは、腹にしまっておきな)
MOTO GUZZI V7 Classic @岩手山麓

2013年10月6日(日)
山形は、天気予報には無かった青空がうっすら。汗ばむほどの陽気になった。盛岡への帰路は、一変、霧雨に濡れた。



  失敗を怖わがって、
  そろり進むと、
  越えられない。

  段取りに拘わって、
  頑なに進むと、
  修正できない。

  結果を欲しがって、
  生きていると、
  何も生れない。


  (日々一筆の流れとなれ)
@山形県上山市

2013年10月4日(金)
放射冷却。藪川では氷点下0度1分。東北地方では初の冬日。それでも日中は、ほんわか秋晴れ。鮮烈な夕焼けは芸術の領域。



  とてもうまくいった日と、
  てんでお話にならない日がある。

  けれど、それは無関係なことではなく、
  むしろ表裏なのだ。

  大切なことは、
  何が原因であったかを
  自覚できているか、
  ということなのだろう。

  10年、20年かけて
  ようやく判明することもある

  だから人生は、断定し難い。
MOTO GUZZI California Vintage @岩手山麓

2013年10月3日(木)
曇天は薄曇りとなり、被膜をはがすように雲は消え、昼前には、すっかり青空。ただ、秋晴れと言うには透明度を欠いた大気。夕刻から急速に冷えて来た。



  同じ価値観で統一された輪に繋がれば、
  支えてもらえるのだろう。
  認めてもらえるのだろう。
  推してもらえるのだろう。

  でも、そういうのは気持ちが悪い。
  だから、すこし離れて佇む。

  それで、よそよそしくされても、
  いいじゃないか。

  妙なものに絡めとられ、
  変な掟に縛られるより、
  よほど、身軽だからね。

  (すっとぼけて、行こう)
MOTO GUZZI California Vintage @岩手山麓

2013年10月2日(水)
台風22号は、岩手の沖合へ北上している。沿岸では朝から、内陸では夕刻から雨模様。でも、盛岡の雨は宵の内に止んだ。思いのほかに穏やか。たぶん予想以上の回復速度の予感。



  覗き窓を見つけると、
  人は、毎日、そこへ来る。

  来る日も来る日も、
  その眺めに夢中になる。
  自分だけが秘密を掴んでいると
  ほくそ笑む。

  そんな習性を逆手にとって、
  幻を見せる窓もある。

  今日見えるものが
  今日の真実とは限らない。
HONDA Ape100 ※画像は過去のものです。

2013年10月1日(火)
小雨に濡れて夜は明けた。かすかに生温かい朝だった。早々に空は明るくなり、うっすら青空が戻ったが、どこか不透明で、最高気温は26度4分(盛岡)。10月とは思えない蒸し暑さだった。



  リーダーらしき男が、群の中を闊歩する。
  茹でたトウモロコシを頬張りながら
  大股で行く。

  ふと、食べかけの一本を尻に回す。
  すると、手下の若者が、さり気なく近付き、
  バトンのようにトウモロコシを受け取る。

  なるほど、
  それが力関係か。
  それが群の素性か。

  背後から見ていると、
  尻尾がよく見える。
Harley‐Davidson XL1200CA @岩手山麓

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