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イワテバイクライフ 2013年12月前半


2013年12月15日(日)
昨日積った雪は鋼の様に凍り、その上に粉雪が薄っすら累積された。日中は青空も陽射しもあったが、気温は無反応だった。最低マイナス4度1分 最高プラス0度7分(盛岡)。



  もう、よかろう。

  存分に高笑いし、雄叫び、舞い狂っても、
  ホームを離れたのだ。
  離陸は完了したのだ。
  内海から外海なのだ。

  漆黒の猟犬が駆け巡っても、
  ひと欠片の匂いも無いのだ。

  明日の雪原に、私と言う名の別人が
  にこやかに立っているだけだ。
HONDA ベンリィ50S @岩手山麓

2013年12月14日(土)
本州最寒冷地と言われる盛岡市の藪川で最低気温・マイナス12度2分)など、岩手は多くの地域でこの冬一番の冷え込み。最高気温プラス0度1分(盛岡市中心部)。日中は陽射しもあったが、氷雪をとかす力は無かった。



  今日も、この場所がある。
  明日も、この地で挑める。
  どこまでも、この空の下。

  いくら繰り返しても、
  心は増々弾んでいく。

  幾度はね返されても、
  夢は膨らむばかりだ。

  弾む呼吸は、
  いつまでも、この空の下。
  それだけで、生きていける。

  (居場所とは、そういうものだ)
@岩手県滝沢村

2013年12月13日(金)
前夜からの雪は、銀世界の朝をもたらし、日中になって厚みを増し、有無を言わせぬ冬の到来となった。最高気温0度8分(盛岡)。なるほど、湿って重い雪だった。



  旅の結末を知る者は、
  今日の雨を嘆かない。
  明日の雪を恐れない。

  ただ、にっこりと濡れるだけだ。
  ただ、うなずいて埋れるだけだ。

  いずれ、とけて消えるものに、
  今日の心を騒がせたりしない。

  氷雪の一日を
  しみじみ噛み締め、
  遠い思い出にするだけだ。
HONDA ベンリィ50S @盛岡市

2013年12月12日(木)
前夜の雨に洗われた街に、小雪が舞い、近郊は薄っすら白く染まった。最高気温3度(盛岡)。夜を迎えて氷点下。



  あなたが
  ますます、あなたになれば、
  あなたは孤独になる。

  あなたであるために、
  あなたではないものを
  ことごとく斬り捨てれば、
  あなたは、当然ひとりだ。

  けれど、それこそが
  自由であると理解できた瞬間、
  真の隣人が現れ、道はひらけ、
  為すべきことが明らかになる。

  楽園は、孤独の果てにある。
HONDA Ape100 @岩手山麓

2013年12月11日(水)
陰鬱な天気予報だったが、実際の朝は青空だった。その後、雲も広がったが、山間部はいざ知らず、平野部は青空ものぞき、穏かだった。最高気温6度5分(盛岡)。



  「反省したか?」と門番の赤鬼が槍を向けて来た。
  僕は、みっつ数えて、こたえた。
  「はい、しました」
  すると、こんどは、
  「何について反省した?」と来たもんだ。
  僕は、ふたつ数えて、こたえた。
  「はい、すべてであります」
  赤鬼はたたみ掛けてくる。
  「どの程度反省した?」

  僕は腹をくくり。地鳴りの如き大音声でこたえた。

  「深く深くだ。貴様が見たことも無い深さだ。
  大海の底を砕きに砕き、地球の核心まで掘り下げ、
  マグマに焼かれるほどの深さまでだ。」
MOTO GUZZI California Vintage @岩手山麓

2013年12月10日(火)
まったく、ぬるい朝だった。沿岸の一部では早々に10度を遥かに越えていた。小雨断続の一日だったが、局所的に青空ものぞいた。最高気温8度1分(盛岡)。



  列車の指定席券を渡され、
  窓際か通路側か、拘ることは無い。
  有り難く頂戴しておけばいい。

  旅の形は、
  出発の時刻までに決めればよいのだから、

  とりあえず、にっこり頷いておけばいい。

  むしろ、鉄路がいいのか、
  それとも空路か海路か、
  思案を楽しもうじゃないか。
MOTO GUZZI 850GT @岩手山麓

2013年12月9日(月)
師走も中旬へ向う頃としては、上々の一日。青空はあった。陽射しもあった。いまいちなのは、岩手山の眺めが不十分だったこと、ぐらい。最高気温6度1分(盛岡)。



  あか抜けない台詞や
  退屈な筋立てなら、
  舞台本番に間に合わない方が有り難い。

  今日演じるべきものは、
  舞台に転がっている。
  それを拾い上げて

  己の流儀で演(や)る。

 (舞台の上こそ、特等席だ)

MOTO GUZZI 850GT @岩手山麓

2013年12月8日(日)
まあ、晴れていた気はする。雲も多かったから、見えるはずの景色が断片的ではあったが。最高気温5度3分(盛岡)。冷えては来たが、思いのほかに明るい夕暮。



  なるほどね。

  目先の時間が平穏無事であれば、
  次の地位が待っているわわけだ。

  で、次の舞台で、ほんの束の間、
  何事も無く台本の通り過ぎれば、
  更なる高みが約束されるわけだ。

  すると、つまり、
  一番上に辿り着くには、
  じっと息を殺しているのが一番というわけだ。

  今日の鉛のような静けさは、
  まさに順風満帆の証なのか。

  何かを隠し何かを潰しながら、
  旅の終りを指折り数えるわけだ。
MOTO GUZZI California Vintage @岩手山麓

2013年12月7日(土)
朝方は青空があった気もする。まあ、予報通りの曇り空にはなったが、雨や雪は降らず、むしろ夕刻には、かすかに岩手山が現れた。最高気温3度3分(盛岡)。



  お相撲さんはね、
  身体の衛生には人一倍気を遣うんだよ。

  肌が汚れていたら、
  相手のお相撲さんに失礼だからね。
  土俵は神聖な場所だからね。

  もしも、もしもだよ。
  相手が塵や垢や泥や血にまみれていたら、
  四つには組みたくないでしょ。
  正面から当たりたくはないでしょ。
  気持も萎えるでしょ。

  まあ、それで不戦勝を重ねて優勝なんて、
  洒落にもならないけれど。

  さてさて、そんな話、
  この地上には、どうなんだろうね。
HONDA Ape100 @盛岡市

2013年12月6日(金)
もやもやとした曇り空だった。降って来るものを感じることはあったが、街を湿らせる程度の何かだった。最高気温8度3分(盛岡)。



  常日頃から、
  議論する習慣も無く
  論争する風土も無く、
  追求する執念も無く、
  思考する体力も無く、
  懐疑する眼光も無く、
  本質を問う志も無く
  ゲームやメールやノルマや保身に
  無我夢中の群が、
  ある日、突然、難問を突き付けられ、
  賛成だ反対だと気分を口にしたところで、
  数の論理に飲まれるだけだ。
  
  (見事なまでに見透かされている)
XL1200R @岩手山麓

2013年12月5日(木)
早朝は、穏かな岩手山も見えていた。やがて薄雲が広がり、山々を隠し、通り雨もあって、諦めた所に思わせぶりな晴れ間も現れた。 最高気温9度6分(盛岡)。望外の大気の柔和。



  みんなで合唱、ですか。
  いいと思います。
  放課後のすべてというのは、
  どうかと思いますが。

  みんなで共有、ですか。
  大切なことです。
  価値観のすべてというのは、
  どうかと思いますが。

  みんなで結束、ですか。
  立派なことです。
  行く道のすべてというのは、
  どうかと思いますが。

 (まあ、ごく自然に、どうぞ)
XL1200R @岩手山麓

2013年12月4日(水)
雲は消え、大気は澄み切り、光は微熱をおびていた。その蒼さは、小春日和と言う被膜を通して露出した宇宙だ。最高気温10度(盛岡)。



  論争するなら、
  まずは、
  大義の支柱を大地の真中に突き立てる。

  告発するなら、
  まずは、
  罪を重ねて闇が破裂するまで泳がせる。

  肉迫するなら、
  まずは、
  遥かな距離を置いて全体を飲んでみる。

  ゆっくり、じっくり、しっかり、
  仕留めればいい。
Harley‐Davidson XL1200CA @岩手山麓

2013年12月3日(火)
すでに師走だが、ここまで実にうまく来ている。どこか、なまぬるく、根雪もなく、のほほんとした冬の入り口だ。しかも、この晴天だ。最高気温9度2分(盛岡)だ。



  その動機が、どれほど純粋でも、
  その思いが、どれほど熱くても、
  その理想が、どれほど崇高でも、
  利得の船に乗り込んでしまえば、
  時代の荒波の真っただ中だ。

  思い定めた港を見失い、
  見知らぬ誰かの思惑に翻弄され、
  やがて、旅は無残に変質していく。

  昨日とは似ても似つかぬ今日のために、
  見知らぬ誰かとなって生きて行く。
MOTO GUZZI California Vintage @岩手山麓

2013年12月2日(月)
朝の青空を見て、計画を実行に移そうとした途端、雲は流れ込み、やがて小雨を降らせた。それでも、局所的な青空や陽射しがあった。最高気温5度2分(盛岡)。



  雪は、あれこれを覆い尽くす。
  いずれ、とけて消えるけれど、
  それだけじゃ、もったいない。

  消し切れなかった思いを
  雪の下にしのばせて、
  静かに育み、熟成させれば、
  早春のある日、
  ぎょっとするほどの眺めとなって、
  立ち上がる。

  氷雪が固く分厚いほど、
  それは劇的だ。
MOTO GUZZI V7 Classic @岩手山麓

2013年12月1日(日)
晴れて朝を迎えたのは久しぶりだ。日中は、天空で巨大な何かが鬩ぎ合い、青空や黒雲が撹拌され、光が奔放に駆け巡った。最高気温7度7分(盛岡)。



  騙し取られても、
  あわてない、おこらない、さわがない。

  掠め取られても、
  ぼんやりと、のんびりと、わらってる。

  感情は平板を保ち、
  神経は張り詰めず、
  法に訴えたりせず、
  季節を受け流すように生きる。

  そのような人々を怒らせたら、
  この地上の終りだ。
MOTO GUZZI V7 Classic @岩手山麓

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