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イワテバイクライフ 2014年6月前半


2014年6月14日(土)
雲は、かすかに薄く、時折、透明な光や濃厚な青空を披露したが、唐突な降雨もあって、心晴れる一日ではなかった。最高気温22度1分(盛岡)。



  澄んだ海には、
  ひと筋の白波を立てて進む。

  汚濁の川には、
  血しぶきを上げながら行く。

  浄土は修羅に
  修羅は浄土に
  たえず折り重なるのなら、
  強靭な微笑ひとつで臨む。
MOTO GUZZI California Vintage @岩手県北部 

2014年6月13日(金)
雨季は、雨季になり切れず、途切れ途切れの雨をもたらし、街は、宝石のような雫を纏い、払い落とすわけにもいかず、じっと立ち尽くした。



  人には祭が必要だ。
  年に一度、歓喜の嵐を迎えないと、
  そこで、火は消える。

  轟々たる力の渦に飛び込み、酔いしれ、
  今年の自分を噛み締め、
  歳月の空洞を埋めながら、
  不安の川を渡っていくのだろう。

  それでも説明の付かない思いが
  水面に揺れるから、
  無数の火矢を夜空に放ち、
  漆黒の海へと押し出すのだろう。
HONDA ベンリィ50S @岩手山麓 

2014年6月12日(木)
小雨断続。濃密な緑の葉は、雫をのせて黙ったまま、夕闇に沈んでいく。最高気温21度6分(盛岡)。



  怨念を貫き通すなんて、並大抵じゃない。
  心の具合を損ねるだけだ。
  やがて、感情そのものが濁り、薄まり、
  とうとう、どうでもよいものになる。

  だから、
  憎み切らない。
  拘りは捨てる。

  今日がみたされ、明日が待ち遠しければ、
  昨日がどうであれ、誰がどうであれ、
  にこやかに雨に濡れていようじゃないか。
MOTO GUZZI 850GT @岩手山麓

2014年6月11日(水)
街は乾いて朝を迎えた。日中は、雲も多いながら、降雨の気配は無く、薄日も射し、まずは上出来の一日。最高気温24度8分(盛岡)。



  進歩は、
  努力に比例するとは限らない。

  進歩を体現するための回路を塞ぐものが
  何かの拍子に取り払われ、
  人は、がらり変わることがある。

  その劇的なきっかけを信じて、
  日々を積み重ね、磨くほかはないのだろう。
MOTO GUZZI 850GT @岩手山麓

2014年6月10日(火)
前夜の雨に濡れた街。朝には予想外の青空と白い夏雲。午後にはスコールもあったが、まずまず清々しい夕暮だった。最高気温26度8分(盛岡)。



  持ち回りで巡って来る役がある。
  たいてい誰が演じても大差ないから
  ぐるぐる回っている。

  自分の時代だけ、
  突然、頑張ったりしなければ、、
  ぐるぐる次に引き継げる。

  役は役で、自分じゃないのだから、
  未練なく手放せる。

  とうの昔に、そんな輪から外れた者は、
  ぐるぐる回る風の外で
  天空の一点を見据え、
  明日の舞台を読み取るだけだ。

  
MOTO GUZZI 850GT @岩手山麓

2014年6月9日(月)
曇天の盛岡から北へ向うほどに青空がのぞき、落着いた光に包まれた。夕刻、盛岡に戻ってみれば時折のスコール。最高気温26度9分(盛岡)。



  自ら信じる事を訴えるのなら、
  言いっ放しで消えないことだ。

  ひとつの地で叫び続けるから、
  証明できることがある。

  ひとつの地に生き続けるから、
  証人の数は増えていく。

  早晩、この地から消えていく者が、
  未来を論じたところで、
  聞き流されるだけだ。

  (歳月は覚悟を問う)
HONDA ベンリィ50S @岩手山麓

2014年6月8日(日)
梅雨らしく雲は垂れ込め、束の間の雨に濡れた。やがて、雲は途切れ、陽が射し、望外の青空まで現れた。最高気温24度9分(盛岡)



  力と技が
  ひとつの思いにとけて
  突き進む姿になる。

  その瞬間の後ろ姿が、
  地平の彼方を求める旅人に見えて来る。

  人の美しい印象は、
  待ちうける広大な物語を予感させる。
オートバイトライアル岩手県選手権大会@花巻市

2014年6月7日(土)
曇ってはいたが、日中は薄日が射すこともあり、思いのほかに使える一日だった。最高気温24度(盛岡)。



  ひとつの道を歩き続けていれば、
  続けることの値打ちだけは
  累積されていく。

  新しい道に気が付いてしまうと、
  古い道を歩き続けることは、
  苦痛そのものだ。

  整然とした足跡を残すことより、
  生まれ変わる苦闘の跡こそ、
  旅の証ではないか。
MOTO GUZZI 850GT @岩手山麓

2014年6月6日(金)
岩手など東北北部も梅雨入り。平年より8日、去年より9日早く雨季の到来。とはいえ、昼前には薄日も射していた。雨は、夕刻からパラパラ。最高気温25度(盛岡)。



  長い間、狭隘な道を辿って来た者にとって、
  ある日、急に広がる道は、
  あたかも大海原を見るようで、
  途方に暮れるものらしい。

  幸せの面影さえ忘れかけた心に
  さあ自由に泳げと風は囁く。
MOTO GUZZI V7 Classic @岩手山麓

2014年6月5日(木)
梅雨前線、じわり北上の気配。それでも昼過ぎまで良質な青空と陽射し。何より暑さ控えめの心地良さ。最高気温26度2分(盛岡)。



  今、自分が、地図の上の何処にいるのか。
  そんなことは考えない。
  見知らぬ誰かが決めてくれることだから。

  ただひたすらに
  日々の風を巻き起こし、
  地平の彼方へ飛び行くものを追って、
  今日も何処かで息を弾ませる者であればいい。
MOTO GUZZI V7 Classic @八幡平アスピーテライン

2014年6月4日(水)
まあ、晴れてはいた。霞みと言うより不透明。あるいは淀み、濁りの類。陽射しだけが明確に照り付けて来た。最高気温28度5分(盛岡)。



  少し押されると、うんと押し返す。
  よくある意地だ。
  押し返す力を誇示していないと
  不安でならないから
  ことさらに気を強める。
  (これほど御し易いものも無い)

  ところで、手強いのは、
  いつもヘラヘラして「暖簾に腕押し」だ。
  押された力を溜め込み、
  隙あらば一気に突き返して来る。
MOTO GUZZI 850GT @岩手山麓

2014年6月3日(火)
よくもまあ、判で押したような夏空だ。北国の六月という至福の大気は、もう過去の話?最高気温29度5分(盛岡)。



  若草繁る丘を少し下った。

  さて引き返そうとしたら、
  草の下は湿った粘土質で、
  タイヤは空転するばかり。
  途方に暮れ諦めかけた時、
  彼方に軽自動車が見える。
  全身を手旗信号に訴える。
  すると車は一切を了解し、
  老齢の強力があらわれた。
  小柄ながら見事な筋骨だ。
  「はまったな」と呟くと、
  愛機の尻を神の手が掴む。
  凄い力で引き上げられる。

  救われる時は常に劇的だ。
MOTO GUZZI California Vintage @葛巻町

2014年6月2日(月)
熱気は更に増した。大気は霞み、走行風には、エンジンの体温が絡んだ。それでも緑陰は極上の涼やかさで、なごんだ。最高気温32度2分(盛岡)。



  昨日と違う眺めが欲しければ、
  昨日と同じ場所に立つがいい。
  昨日とは違う空がある。光がある。

  初めての場所には、
  ただ、今日の眺めがあるだけだ。
Harley‐Davidson XL1200CA @青森県(十和田湖)

2014年6月1日(日)
内陸の真夏を逃れて太平洋に出てみれば、爽快な涼風に包まれた。汗の感触は皆無だった。最高気温29度6分(盛岡)。



  真上から夏の陽射しを浴びて、
  立ち止る度、
  日光写真のように
  私の記憶が焼き付いていく。
MOTO GUZZI California Vintage @三陸沿岸

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