イワテバイクライフ 2014年7月前半
2014年7月15日(火)
晴れることの爽やかさや透明度など微塵も無い真夏日(盛岡で30度)。もはや梅雨明け気分は、一般市民が自らに宣言しているはずだ。だから、あんたも、さっさと、しちまいなよ。
すべてが、うまくいっていれば、 敢えて、心の中を彷徨うことはない。 毒を吐き、血を吹くこともない。 けれど、そうすることで、 深い眠りが得られるのなら、 死んだように夜を越えられるのなら、 どこかで、ひとつ 歯車が欠けている位がよいのだろう。 |
|
Harley‐Davidson XL1200CA @岩泉町 |
2014年7月14日(月)
台風8号の余韻をぬぐい切れない空。太平洋に出てみれば、涼やかな青空。盛岡に帰れば、すっきりとしない空の下、蒸し暑い夕暮。
ひとつの場に、 ひとつの輪に 飛び込んでみれば、 見えて来る。 様々な感じ方ではなく、 色々な考え方ではなく、 大きな何かに支配された 場であり輪であることが 分って来る。 その、あまりの違和感に 耐えられない者は、 静かに身を引く他はない。 |
|
Harley‐Davidson XL1200CA @岩手県沿岸北部 |
2014年7月13日(日)
早朝から不機嫌な空だった。宮城では昼前から小雨断続。盛岡に帰ってみれば、時折の本降り。夕暮れ以降、汗を誘う湿気。なるほど、まだ梅雨だ。
大地と人の間に 思惑の一致など、無い。 あるがままの地形に 自由な軌跡を描けることなど、稀だ。 人は、自然に寄り添おうとして、 困難に直面する。 とことん向き合う、その果てに、 光さす瞬間(とき)を信じて 今日も、その懐へ飛び込む。 |
|
SUGOエンジョイトライアル大会 @宮城県(スポーツランドSUGO) |
2014年7月12日(土)
早朝は津波注意報。20cmの津波を観測。日中は夏空。各地で真夏日。夏の高校野球も開幕。7月は瞬く間に中旬だ。
空は、とめどなく移ろい、今日を運んでくる。 雲を追い、光を求めながら、今日に辿り着く。 二度とない空の下で、今日の心に巡り会う。 |
|
MOTO GUZZI California Vintage @岩手県北部 |
2014年7月11日(金)
台風8号は温帯低気圧になり、岩手に爪痕を残すこともなく、太平洋へ遠ざかった。夕刻には、予想外の青空が現われ、警戒の空気はゆるんだ。
冬から夏へ 鬼から童へ、 闇から光へ 移ろうことが確定していれば、 その日までは、 冬でいい。 鬼でいい。 闇でいい。 (けして、曖昧であってはならない) 大した理由は無い。 舞台の上では、痛快だ。 客席の中では、驚きだ。 |
|
MOTO GUZZI 850GT @岩手山麓 |
2014年7月10日(木)
強大な台風8号の接近だから、空前の被害予想を叫ぶ声がする。ただ、岩手は予想外に早く青空ものぞくらしい。まあ、楽観はおくびにも出さず、備えるだけだ。
人は、突然変わるのではない。 闇の中、音も無く 水面下、波立てず、 走り、移ろい、泳ぎ、流れて、 ある日、別人になっている。 何千時間という助走の果てに 新たな風となる。 何万時間という呼吸の果てに、 新たな波となる。 音も無く、波立てず、 道を変え、海を変え、 舞台を変える。 |
|
MOTO GUZZI V7 Classic @三陸沿岸北部 |
2014年7月9日(水)
超絶の大型台風は、遥か西の彼方だが、岩手は曇り空ながら、薄日も射し、青空の欠片もあった。雨も感じたが、記憶に残らぬ水滴だった。
ただ、離れて眺めているだけ。 ただ、頑なに構えているだけ。 何故、ぐっと歩み寄って笑顔を差し出せない? 何故、やわらかい声で今日の空など語れない? 臆病者を見ると、俺は、 圧倒的な夏空を搭載する重戦車となって、 キャタピラを軋ませたくなる。 |
|
MOTO GUZZI 850GT @葛巻町 |
2014年7月8日(火)
良く晴れたが、微塵の爽やかさも無い。真夏の陽に焼かれ、山の眺めは霞み、北東北らしからぬ7月に戸惑う。巨大な台風8号に身構えるばかり。盛岡で32度1分。
どんなに 照っていても 陰鬱な空でも、 いつもの道が、 いつもの通り、 続くことこそ、 奇跡だと思う。 土砂降りの中で歓喜し、 雷鳴に心躍らせるのは、 明日へ続く道程の仕業。 |
|
MOTO GUZZI California Vintage @岩手県北部 |
2014年7月7日(月)
ごく地味な梅雨の曇り空かと、たかをくくり、沿岸まで足を伸ばし、冷涼な霧の雫を少しもらい、盛岡に帰ってみれば、大雨や土砂災害に対する警戒が叫ばれていた。
風景は、 雨に打たれ、じっと。 雪に埋もれ、黙々と。 霧に包まれ、曖昧に。 ひとつの眺めとして 誰かが振り向くまで、 地形のひとつとして 歳月の色彩に染まる。 待ち続けることなく、 ただ在り続けたから、 今日の人の胸に迫る。 |
|
MOTO GUZZI V7 Classic @三陸沿岸北部 |
2014年7月6日(日)
山形の真夏は異質だ。青空はズバッと解放され、太陽の熱は精神に及び、汗は一切の迷いを洗い流し、日が暮れる頃には、誰もが、一人前の男になっている。
零点になるのなら、 あと一歩で満点という所が、いい。 (二度と忘れない) 1点差の負けなら、 宿敵との壮絶な闘いの末が、いい。 (生涯の宝になる) 敗北の構造を知り、 その教訓を噛み締めるところに、 反攻への執念は燃え盛る。 |
|
東北トライアル選手権シリーズ第5戦・山形大会(蔵王山麓) |
2014年7月4日(金)
岩手全体、濃い霧に覆われて朝を迎えたが、内陸は早々に晴れて、厳しい陽射し。午後には時折のスコール。最高気温29度(盛岡)。
降り出す雨に顔を曇らせ、 地を打つ事実に心を乱し、 今日は何処で眠るのだ? ただ濡れるに身をまかせ、 打たれる痛みを噛み締め 路傍で夜明けを待つのか。 それとも、 天空を塗り潰す不条理に 牙をむき、炎を吐くのか。 ざんざんと雨は挑発する。 |
|
MOTO GUZZI 850GT @岩手山麓 |
2014年7月3日(木)
強烈な陽射し。大地一面を焼いて逃げ場なし。これで「梅雨明け」を言い放つ気象台なら、拍手喝采。最高気温28度(盛岡)?。何かの間違いではないのか?
この天地は、 どこまでも自然で無垢で 慈愛に満ち溢れている。 そこに 化け物や悪夢をまねき、 惨憺たる一日にしてしまうのは、 万が一の不幸を思い浮かべる 人間の臆病だ。 |
|
MOTO GUZZI California Vintage @岩手県北部 |
2014年7月2日(水)
真夏の空、たくましく、陽を射り、雲を躍らせ、地を焼く。どこかのスコールのせいか、夕風に濃い冷気がまじった。最高気温30度5分(盛岡)。
わたくしは、 おそろしい。 この穏かな日々は、 何かぎりぎりのところで保たれている 綱渡りの途上のようにも思われるのです。 ささいなことで、 もう本当に小さなことで、 暗い渦が巻き始め、 たけり狂う嵐となり、 想像もしていなかった明日が現れそうで、 おそろしいのです。 安息の日曜日という強い鎮静剤で、 黒い予感を握り潰しながら、 そう思うのです。 |
|
MOTO GUZZI 850GT @岩手山麓 |
2014年7月1日(火)
予報では「雨が降ったり止んだり」のはずだった。ところが夏空全開。わきたつ積乱雲。夜になって、ようやくの雨音。最高気温28度(盛岡)。蒸し暑かった。
大きな旅をすれば、見えて来る。 人は本来そういうものだと分る。 闊達に議論している。 明瞭で鋭角な言語だ。 走りながら思考する。 躊躇なく実行に移す。 常識なんか信じない。 前例は常に覆される。 ぎりぎりまで攻める。 テンポ良く形にする。 頂の顏は刻々変わる。 この大陸は眠っていることに気付く。 |
|
Harley‐Davidson XL1200CA @岩手山麓 |