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イワテバイクライフ 2016年2月後半


2016年2月29日(月)
雨に濡れて朝。昨日の雪が洗われ削られ砕かれ、冬景色は早々にリセットされた。とけゆく雪が大地に吸われ、春を準備している。最高気温5度2分(盛岡)。



  どんな眺めや
  どんな思いも、
  二度と元には戻らない。

  だから、克明に記録して
  ゆっくり眠らせる。

  一切が、跡形もなくなった日に、
  一枚の思い出を懐から出して、愛しみ、
  声を上げて泣く。
@岩手山麓 ※画像は過去のものです。

2016年2月28日(日)
昨夜からの雪は未明にかけて降り積り、盛岡で20cm以上。久しぶりに厚みのある銀世界。だが、三月目前の大気の中、湿り雪は沈む一方だ。最高気温4度1分(盛岡)。



  酒場に時事談義も起きない寒村には、
  長と呼ばれる家が一軒あるだけだ。

  (いつからのことか、誰も知らない)
@盛岡市

2016年2月27日(土)
朝方の、ためらいがちな雪化粧は、青空の下で、はかなく消えて行き、陽射しが含む春の気配だけが、いつまでも街に漂った。夕刻の空に再び冷えた雲。湿り雪。最高気温3度7分(盛岡)。



  村の駄菓子も
  都の紙に包めば
  おや、別の味。
@盛岡市近郊

2016年2月26日(金)
判で押したような塩梅の雪化粧。それも、日中の陽射しで呆気なくとけて消えるのも、恒例の眺めとなった。最高気温2度(盛岡)。我慢の時なのだろう。



  頂の素姓が分ると、
  山の全容が見えてくる。

  (なるほど、大概の事象に説明がつく)
@岩手山麓

2016年2月25日(木)
盛岡の最低気温は氷点下8度だったはずだが、実際は氷点下4度9分。ま、いつものお気楽な誤診。空も自信ない曇天予想を笑う明るさだった。



  私には、
  仕事も余技も趣味も無い。
  一切は、生きることのひとつ、だから。

  (此処で楽しみ尽くすだけ)
@岩手山麓

2016年2月24日(水)
朝の街は、うっすら雪に染まっていた。それでも、もやもやした冬雲は払われ、青空が広がった。陽射しも眩しかったが、てんで気温に反映されず、盛岡では1度4分。



  教室で
  先生が大切な話をしようとすると、
  奇声を上げて駆け回る子がいた。
  それで一切が吹っ飛んだものだ。
  (同様に)
  今日も重大なはずのニュースが、
  不可解な騒ぎに吹き飛ばされていく。
@盛岡市

2016年2月23日(火)
冷えて暗い期待薄の曇天は、昼過ぎ、かすかな光を含み、夕刻前には青空まで滲ませた。天気予報なんぞには掬い取れない早春の大気。最高気温4度1分(盛岡)。



  樹が伐り倒されていく。
  容赦なく躊躇せず、なぎ倒されていく。
  北の国の春を告げるはずの木々までも、
  整然と無かったことにされていく。

  それを誰かが求めたのだろう。
  それを誰かが飲んだのだろう。

  (街は、今日も他国の人のような目で、木を切る)


  ※当然のことながら、本文と画像は無関係です。
@盛岡市近郊

2016年2月22日(月)
予報ほど暗くは無かった。ま、小雪も舞ったけれど。予報ほど冷たくはなかった。ま、陽射しは頼りなかったけれど。盛岡で梅の開花(観測史上初の早さ)。最高気温3度4分(盛岡)。



  何を観るか、というより、
  何を観ないか、という方が、
  ポリシーに近いような気がする。
@岩手山麓

2016年2月21日(日)
前夜からの雨に濡れ、それなりに清明な朝。その後は、青空と雨雲がめまぐるしく入れかわる展開。何より気温も定まらず、日中は4度前後、夜を迎えて8度(盛岡)を越えて来た。



  土地への愛着は、
  そこに人生を賭けることで
  生れ、育まれるものだ。

  土地を踏み台にして、
  蹴り去っていく者に

  「好きです」と連呼されても、
  曖昧な愛想を返すのが、
  精一杯だ。
@岩手県内陸北部

2016年2月20日(土)
春へ一歩前進の一日。気温上昇、急速な雪解け。雨は、大地を煙らせ、道の融雪剤を洗い流した。最高気温は沿岸・宮古で8度1分、内陸・盛岡で4度8分。、



  復讐に燃える影は、もうない。
  罠をかいくぐる影も、もうない。
  毒を吐き、牙をむく影など、
  どう探し回っても、ない。

  なのに、今頃、
  ものものしく群は動き、
  ぴりぴり刺す様な目で
  野良犬一匹を取り囲む。

  虎は、とうに兎に化けたというのに)
@岩手山麓

2016年2月19日(金)
内陸の小雪は雨となり、大地をじくじく不確かな感触にした。最高気温5度8分(盛岡)。太平洋沿岸は春光に包まれ、釜石の12度9分をはじめ各地10度を越え、すっかり和らいだ。



  餌に能書きをたれる魚に限って、
  粗末な疑似餌や臭い残飯に
  飛び付くことがある。


  ※当然のことながら、本文と画像は無関係です。
@岩手県三陸沿岸

2016年2月18日(木)
まただ。薄っすら新雪を纏って朝を迎えた。日中もそこそこ雪が舞い、積雪は最大5cm(盛岡)。その後すっかり雲も払われ、透明な夕暮れの空だった。最高気温4度1分(盛岡)。



  芸が欲しいと言われれば、芸を磨き、
  愛想を求められたら、白熱灯となり、
  懺悔の嵐を迎え、一切の灯を消した。
  いちいち刃向い逆らう面倒など避け、
  つべこべ言わず、さっさと片付けた。
  一人の静けさの為に躊躇は無かった。

  (確かに、そんな日々があった)
@盛岡市

2016年2月17日(水)
未明にかけての降雪は2cm止まり。日中は、おとなしい陽射しの中、雪はとけ、見渡す大地に地肌があらわれ、春への傾斜は止めようも無い。最高気温2度1分(盛岡)。



  これといった失敗が無かっただけで、
  気が付けば群の先頭に立たされる。

  そこから、どう走って良いのかわからず、
  ほら、今日も、
  王冠を捨てて逃げ出す影がある。
@盛岡市

2016年2月16日(火)
盛岡は終日ちりちり小粒の湿り雪。安比など県北は銀世界。で、沿岸は、のんびりした青空が所々にのぞき、春モード継続中。最高気温0度3分(盛岡)。



  視界の片隅に
  自然と折り合い、
  明日を得ていく
  影が佇むことで、
  風は微笑むのだ。
@岩手県三陸沿岸

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