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イワテバイクライフ 2016年5月前半


2016年5月15日(日)
よくもまあ極上の五月晴れが並ぶものだ。陶酔の大気を思い知らされた後の、心の持ち方は難しい。夕闇に薄っすら雲。最高気温22度6分(盛岡)。



  (劣化の時代だからといって)

  あえて駄作を用意して、
  世の眼力を試すなんて、
  悪戯は、やめときな。

  万一、入選させられちまったら、
  あんたは、ずっと駄作の人だよ。
@岩手県

2016年5月14日(土)
正直、眩暈を誘う晴天なのだ。成層圏のどこかが破れて、宇宙がなだれ込んで来たような空なのだ。最高気温23度3分(盛岡)。



  時候の挨拶、過不足なく。
  他人の悪口、聞かぬ振り。
  明日の目標、笑って流す。

  (いやはや、どうも、と五月晴れ)
@北東北

2016年5月13日(金)
走る者の立場で言えば、稀な大気、至福の一日。最高気温が宮古で28度8分など岩手各地で夏日を観測。尋常ではない光線の乱舞。



  ひとつの輪というものは、
  結束して和気藹々とは限らない。

  それぞれの値打ちを測るモノサシは
  絶対的に輪の掟ひとつだから、
  優劣の1mmを巡って
  激烈な対立や遺恨を
  残すこともあるだろう。

  まあ、そのような競争の過熱で
  輪は保たれ、太るのだが。

  (難儀なことだ)
@岩手山麓

2016年5月12日(木)
朝方の雲も、やがて綺麗に流れ去って、清々しい青空。やや風は強かったが、至福の季節を運んで来てくれた。最高気温17度6分(盛岡)。



  標的の
  値打ちも無ければ
  高枕。
@岩手県

2016年5月11月(水)
前日からの小雨は、穏やかに引き継がれていた。そこに霧が絡んで、見通しの無い一日になった。最高気温13度8分(盛岡)。この薄ら寒さは予報に無かった。



  得体の知れぬ他人から強要される
  儀式の為の反省なんぞ、
  したことがありません。
  (はい、一度もありません)

  おてんとうさまに
  顔向けできないことは
  してはならないという思いひとつで、
  歩いてまいりました。
  (はい、真っ直ぐでございます)
@盛岡市

2016年5月10日(火)
雨までの猶予は思いのほか持続した。さすがに午後は雨だったが「春雨じゃ濡れていこう」という程度だった。最高気温16度5分(盛岡)。



  良い時代を謳歌したと
  信じていたいのなら、
  あるいは証明したいのなら、
  今日のあなたは、
  余裕綽々で
  すっかり幸せでなくちゃ。

  (陰気な雨の日でもね)
@岩手山麓

2016年5月9日(月)
朝から晴れた。純度の高い蒼さだった。光は夏のけだるさを含んで、挑発してきた。走る者を迎える風だけが、かすかに冷えて優しかった。最高気温22度6分(盛岡)。



  あなたは、
  人混みが嫌いなのではなくて、
  人間が嫌いだったのです。
  それを悟られまいとして、
  人混みに紛れていたのです。

  (で、その有様です)
@秋田県

2016年5月8日(日)
朝からすっきり晴れた。折からの強風で、視界を霞ませるものは払われた。温和な走行風に命の季節を実感。最高気温20度4分(盛岡)。



  滑稽なものと
  大真面目に向き合うのは、
  どこか慇懃だと思うのです。

  茶番劇などに
  殊更の照明を向けるのは、
  何か悪趣味だと思うのです。

  泥酔する影に
  澄んだ瞳で道を説くのは、
  もはや暴力だと思うのです。

  (どうぞ、やり過ごして下さい)
@青森県

2016年5月7日(土)
午前中は小雨に煙った。やがて空は明るくなり、大地は乾き、夕刻には、すっかり晴れていた。最高気温18度2分(盛岡)。



  汚れ切ったものが、
  いつまでも泳いでいられるのは、
  つまり、そういう場所なのだ。

  (正気の魚は、飛び込まない)


  ※本文と画像は無関係
@岩手県

2016年5月6日(金)
朝方は霞み加減の青空。すぐに曇天に移ろったが、けして陰々滅々というわけでもなく、やがて空は開けて見せた。最高気温20度分4(盛岡)。



  土地に恋していれば、
  苦労など何でもない。

  その思いを失ったら、
  一歩も進みはしない。

  己を騙せなくなったら、
  記憶は灰にして、
  去るがいい。
@岩手県

2016年5月5日(木)
まったく予定通りの曇天。想定内の小雨断続。それでも午後には薄っすら陽が射すことも。無愛想な風が大地を少し乾かした。最高気温15度8分(盛岡)。



  野性は
  ほどほどという言葉を知らない。
  ひとたび思いを尽すと
  草木一本残さない。

  (時に、楽園を求めて廃墟をのこす)



  ※本文と画像は無関係です。
 

2016年5月4日(水)
朝方は雨雲がたれ込めていたが、徐々に回復へ向い、所によっては青空がのぞいた。夜を迎えて、再びの雲が次々。最高気温17度8分(盛岡)。



  誰よりも先に事実を残すことで
  頭がいっぱいの者は、
  急ぎ、焦り、上滑りして、
  粗末な一番乗りを晒すこともある。

  そんな様を
  しばし眺めたら、
  一服を切り上げ、
  旅を続けるとしようか。


  誰のためでもない、
  誰に見せるものでもない。
  自分の道なんだから。
@三陸沿岸

2016年5月3日(火)
朝の霧はみるみる払われ、国境を越えて夏空が広がった。日中、バイクのメーターは気温30度を表示。春装備を脱ぐ。盛岡に戻ってみれば、降雨寸前の曇天のもと涼しかった。



  幾度も幾度も
  実に一心に
  手垢にまみれた切り札を
  繰り出すあなたは、
  きっと無垢なのだ。
@青森県

2016年5月2日(月)
テレビでは、いくつか青空を予言していたが、走るほどに霧は深く、雲は暗く、雨さえ降らなければ上出来と思える一日だった。最高気温15度(盛岡)。



  殊更に花を追わず、
  愛でることはない。

  すでに、
  胸の内に花は幾度も咲き、
  数限りなく散っていった。

  どんな花より嬉しい花だった。
  どんな花より悲しい花だった。
@青森県

2016年5月1日(日)
このところ延々と走り回って疲れ果て、息も絶え絶えだったから、光を一切許さない曇天と断続的な小雨は、好都合だった。最高気温8度4分(盛岡)。夕刻にわかに光の帯を見る。



  人は晴れることを願う。

  でも、莫大な空の蒼さの下で
  どれほどのことを成し遂げるのか、
  心に決めている者は、 稀だ。

  (だから、すぐ、雲が幕を引きに来る)
@盛岡市

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